バトルスピリッツ オメガワールド   作:バナナ 

34 / 44
予告通り今週は間隔連載です。次の日曜も問題なく更新します。

それでは第34話です!どうぞ!


第34話 緑の煌めき、メタルガルルモン機能停止!?

準決勝第二試合、シデンと小次郎のバトルは続く。フィールドは以下の通り、

 

 

《小次郎》ライフ5

リリモンLV3(5)BP12000

テントモンLV1(1)BP2000

 

バースト無

 

《シデン》ライフ3

メタルガルルモンLV3(4)BP16000

ボーン・ダイルLV1(1)BP2000

クリスタニードルLV1(1)BP1000疲労

 

万本槍の古戦場LV1

万本槍の古戦場LV1

 

バースト無

 

 

現在はシデンの第6ターン中、メタルガルルモンを召喚し、戦闘態勢に入る。

 

シデン「……いくぞ雑魚!!!アタックステップだ!やれ!メタルガルルモン!!」

 

メタルガルルモンが機械の音を立てながら小次郎のライフをもぎ取りに走り出す。

 

シデン「……メタルガルルモンのアタック時効果!!リリモンからコアを2つトラッシュに置き、メタルガルルモンは回復する!!!」

 

 

メタルガルルモンの効果、それは相手のスピリットかリザーブにあるコアを2つトラッシュに置くことで回復する効果、この効果はアタック時なのでコアを送ることができれば何度でも何回でもメタルガルルモンは走り続ける。

 

シデンは幾度となくこのメタルガルルモンの力で、相手を完膚なきまでに打ち倒してきた。メタルガルルモンの力は強力、シデンのバトルではメタルガルルモンがでたターンでは、必ずそのターン中で対戦相手のライフをゼロにしてきた。

 

しかし今回に限ってはこのターン中には必ず決められない。どんなに強いカードでも、強いだけであって完璧ではない、対策はいくらでもできる。

 

メタルガルルモンが絶対零度のブレスをリリモンに向けて放つ。その冷気は必ずリリモンを瞬間氷結させて粉々に砕かれると誰もが思っていた。

 

だが、リリモンは緑色のオーラを纏い、メタルガルルモンのブレスの影響を受けない。いつものように気丈な笑顔を見せている。この異様な状況に花火達や観客達は驚くが、一番驚いていたのは対戦しているシデンだった。

 

 

シデン「……なに!?……どういうことだ!?……なぜコアが外されない!!!」

 

シデンはここにきて初めて困惑の声をあげた。必殺のメタルガルルモンの召喚ターンで、まさかのカウンターを食らったのだから、しょうがないが。

 

小次郎「……リリモンは緑のスピリット全てをコア除去から守るのさ、お前の冷気は通用しないぜ」

 

 

状況者「……ななななんと!!!!小次郎選手!!リリモンの効果によってこれまで無敵と思われてきたメタルガルルモンの力を防いでしまったぁぁぁぁあ!!」

 

 

メタルガルルモンの効果はリリモンには通用しない。それどころかリリモンが存在する間は他のスピリットさえもメタルガルルモンの効果を塞いでくる、メタルガルルモンにとってシデンのデッキにとって、これほどの天敵はいないだろう。

 

 

シデン「……くっ!だが、メタルガルルモンが狙えるのは貴様のスピリットだけではない!!俺はお前のリザーブのコアを2つトラッシュに送る!」

メタルガルルモン(疲労⇨回復)

 

小次郎「……!!」

リザーブ2⇨0

トラッシュ0⇨2

 

メタルガルルモンは自身の冷気が通じないリリモンを狙うのは諦めて、小次郎のリザーブに向けて絶対零度を放つ。小次郎の残り2つのリザーブのコアはトラッシュに置かれて、メタルガルルモンは疲労状態から回復状態になった。

 

シデン「……さぁ!!このアタックはどうする!?」

 

小次郎「……こうするのさ!!フラッシュマジック!!チェイスライド!!!………この効果で再びメタルガルルモンを疲労させる!!」

手札5⇨4

リリモンLV3⇨2(5⇨4)

トラッシュ2⇨3

 

 

シデン「……!!」

メタルガルルモン(疲労⇨回復)

 

 

 

吹き上がる緑の突風、それは瞬く間にメタルガルルモンを通り過ぎ、彼を脱力させてしまう。チェイスライドは相手のスピリットを1体疲労状態にするマジックカードだが、強みはそこではない。

 

小次郎「……このチェイスライドは俺のターンのエンドフェイズに戻ってくる」

 

シデン「……なんだと!?」

 

 

チェイスライドは使用者のターンのエンドフェイズにトラッシュから手札に戻る効果が備わっている。

つまりメタルガルルモンは今、スピリットからコアを取り除けず、仮にリザーブからコアを送ったとしても、今度はチェイスライドで必ず疲労させられて、ただの一回のアタックで終わってしまう事になる。

小次郎はほぼ完璧にシデンのメタルガルルモンを封じ込めた。

 

小次郎「……メタルガルルモンのアタックはライフで受けるぜ」

ライフ5⇨4

 

 

メタルガルルモンは小次郎のライフを強靭な鉤爪で引き裂いてみせるもこれ以上のアタックは封じられているため、渋々シデン側のフィールドに戻ってしまう。

 

 

実況者「……なんと小次郎選手!!ほぼ完璧にメタルガルルモンを封じ込める!!!……シデン選手に打つ手はあるのか!?」

 

花火「……すげえぜ小次郎、あのシデンをほぼ完封してらぁ」

 

シデン「……このターンはエンドだ」

 

このターンは仕方なくターンを終える。シデンは初めてメタルガルルモンを呼び出したターンに、勝負を決めることができなかった。それも緑坂小次郎と言う、自分の頭の中では眼中にもない雑魚相手に。必死に打つ手を考えてみるが、紫のコア除去効果が効かないのであれば、シデンのデッキはほとんどが機能しなくなるだろう。なかなかに厳しい状況であった。

バトルのペースは今や完璧に小次郎が握っていると言っても過言ではないだろう。

 

 

[ターン07]小次郎

スタートステップ

コアステップ リザーブ 1⇨2

ドローステップ 手札4⇨5

リフレッシュステップ

リザーブ2⇨5

トラッシュ3⇨0

 

小次郎のメインステップが始まる。小次郎にとってもシデンにとってもこれが勝負のターンだ。

 

小次郎「……よっしゃぁぁぁぁあ!!このまま押し切るぜ!アトラーカブテリモンを召喚!!」

手札5⇨4

リザーブ5⇨0

トラッシュ0⇨5

 

 

地中から勢いよく国産カブトのような立派な一本ツノを持つ、完全体のデジタルスピリット、アトラーカブテリモンが召喚される。

 

小次郎「……召喚時効果!!ボーン・ダイルを疲労だ!!」

 

シデン「……」

ボーン・ダイル(回復⇨疲労)

 

 

 

アトラーカブテリモンは登場するなり、腕から電撃を放ち、ボーン・ダイルを疲労させてしまう。これで小次郎の二大エースが揃い踏みとなる。小次郎はその後コアの調整をしてアタックステップへと移行する。

 

 

 

小次郎「……」

リリモンLV1(1)BP7000

アトラーカブテリモンLV2(3)BP13000

テントモンLV1(1)BP2000

 

バースト無

 

小次郎「……やれ!リリモン!その効果でコアを2つ追加し、回復!さらにメタルガルルモンを重疲労!!」

リリモン(1⇨3)LV1⇨2(疲労⇨回復)

 

シデン「……くっ!またか」

メタルガルルモン(疲労⇨重疲労)

 

 

リリモンの砲丸に撃ち抜かれてメタルガルルモンはぐったりとその場にダウンしてしまう。いくら究極体といえど、リリモンの砲丸にまともに撃ち抜かれて立てるものは少ないだろう。

 

 

シデン「……万本槍の古戦場の効果でデッキから2枚ドローする」

手札5⇨7

 

本来は万本槍の古戦場でドローできる枚数は一枚だが、シデンは今、それらが2枚あるのでデッキから2枚のカードを引き抜く。

 

シデン「……(!?これは、………なるほど、お前たちはまだ俺を見捨てないか)」

 

シデンはドローしたカードについ口角が上がってしまう。ドローしたカードは当然この状況を打開できる最高のカード、

 

小次郎「……何を引いたか知らないがくたばれ!!!お前のコア除去は俺には通じない!!!」

 

シデン「……お前は勘違いをしている」

 

小次郎「……!?」

 

シデン「……コア除去効果が効かないのは確かに紫デッキには辛い、………だが、俺のデッキは紫だけではない!!」

 

 

そう、普通の紫デッキだと、ほぼ間違いなくリリモンの耐性効果に引っかかり、機能を停止させられてしまうだろう。だが、シデンのデッキは紫と白の混色、つまり今から使用するシデンのカードは白側のカード。そして逆転へと繋がるキーカードだ。

 

 

シデン「……フラッシュアクセル!!白夜の宝剣ミッドナイト・サン[リバイバル]!!その効果でリリモンを手札に帰す!!」

手札7⇨6

メタルガルルモンLV3⇨1(4⇨2)

トラッシュ3⇨5

 

 

リバイバル版の白夜の宝剣ミッドナイト・サン、そのカードがアクセルカードとしてシデンの手元に置かれる。それと同時に、そのカードが放つ眩く白い光の中にリリモンを包み込み、彼女を小次郎の手札に戻してしまう。

 

 

小次郎「……なに!?」

手札4⇨5

 

 

白夜の宝剣ミッドナイト・サンはアクセル効果で相手のスピリット1体を手札に戻す能力がある。確かにこれならコアの増減は関係ない、シデンとしては厄介なリリモンを一時的ではあるが除去することができた。

 

 

小次郎「……くっ!だが、俺にはまだアトラーカブテリモンがいる!!……やれ!アトラーカブテリモン!!」

 

 

一瞬苦渋に顔を歪める小次郎だが、彼の場にはまだ、もう一体強力な完全体、アトラーカブテリモンがいる。

 

 

小次郎「……そのアタック時効果でお前の、クリスタニードルと、ボーン・ダイルを手札に戻す!!」

 

シデン「……」

手札6⇨8

 

アトラーカブテリモンが強烈な電撃がボーン・ダイルとクリスタニードルを襲う。2体は敢え無くシデンの手札に帰還してしまう。

 

小次郎はこの時、メタルガルルモンをシデンの手札に帰すこともできたのだが、今、メタルガルルモンは疲労状態のさらに上をいく重疲労状態、次のターンはアタックにはどうせ参加できないだろうと言う理由で戻すことをやめたのだ。

 

 

シデン「……万本槍の古戦場」

手札8⇨10

 

万本槍の古戦場の効果で手札を一気に二桁まで増やすシデン、そのカードの中にある逆転へのロードに繋がる2枚目を繰り出す。

 

シデン「……フラッシュマジック、デスマサカーを使用する!!この効果で疲労状態のアトラーカブテリモンを破壊!!!」

手札10⇨9

リザーブ2⇨0

トラッシュ5⇨7

 

小次郎「……な!?」

 

 

紫色の煙がアトラーカブテリモンを包み出す。アトラーカブテリモンはそれらに体を蝕まれ消滅した。紫のマジック、【デスマサカー】は疲労状態の相手のスピリット1体を破壊する効果がある。紫の特徴はコア除去だけではない、疲労状態のスピリットを対象にして破壊してくるのも有名な特徴である。

 

だが、シデンがこのマジックを使用したのはまた別の目的からである。

 

 

シデン「……デスマサカーの【白連鎖】でメタルガルルモンを回復させる!!」

メタルガルルモン(重疲労⇨疲労)

 

 

ぐったりと横たわっていたメタルガルルモンが、起き上がる。疲労状態なので、ブロックはできないが、リリモンの重疲労からは解き放たれたので、次のターンも問題なくアタックを行うことができる。

 

 

小次郎「……くそ!!!!………エンドステップ、チェイスライドの効果でトラッシュから回収する、……ターンエンドだ」

手札5⇨6

 

 

小次郎はエンドステップ時のトラッシュのチェイスライドの効果で再びそれを手札に加える。これで再びメタルガルルモンの効果を停止させるつもりなのだろう。

 

しかし、このターンの競り合いは完全にシデンの勝利、小次郎は思わぬカウンターを受けて、フィールド的に大きなダメージを負う。回復可能になったメタルガルルモン、2枚の強力なネクサスカード、圧倒的手札枚数、正に向かう所敵なし。かたや小次郎はテントモン1体のみ、いくらライフ数で優っているとはいえ、チェイスライドを持っているとはいえ、その差は歴然だった。

 

 

[ターン08]シデン

スタートステップ

コアステップ リザーブ0⇨1

ドローステップ 手札9⇨10

リフレッシュステップ

リザーブ1⇨8

トラッシュ7⇨0

 

シデン「……メインステップ、俺はメタルガルルモンを再びLV3に上げ、手元の白夜の宝剣ミッドナイト・サンをメタルガルルモンにダイレクト合体する!」

リザーブ8⇨2

トラッシュ0⇨4

 

 

メタルガルルモンは口でミッドナイト・サンを咥え、合体スピリットとなる。ミッドナイト・サンはアクセルカードであると同時にブレイブカードでもある。

 

 

シデン「……アタックステップ!」

 

メタルガルルモン+白夜の宝剣ミッドナイト・サンLV3(4)BP21000

 

万本槍の古戦場LV1

万本槍の古戦場LV1

 

バースト無

 

シデンは余程自信があるのか、先ほど戻されたスピリット達を再度召喚はせず、メタルガルルモンのみが戦闘態勢に入る。

 

 

シデン「……やれ!俺のメタルガルルモン!!その効果で貴様のテントモンのコアとリザーブのコアを1個ずつ、計2個をトラッシュへ送り、こいつを回復させる!!!」

メタルガルルモン+白夜の宝剣ミッドナイト・サン(疲労⇨回復)

 

小次郎「……くつ!!!」

テントモン(1⇨0)消滅

リザーブ6⇨5

トラッシュ5⇨7

 

 

メタルガルルモンは体中に装着されているミサイルで小次郎のコアを荒らす。圧倒的な爆撃にテントモンは耐えられず、敢え無く爆発してしまう。

 

もう小次郎のフィールドにはリリモンは存在しない、メタルガルルモンの効果は問題なく機能する。シデンとしても小次郎としてもこのターンが勝負の分かれ目、

 

 

小次郎「……くそ!テントモン!!………だが、俺の手札にはチェイスライドが、………」

 

 

そう、いくら回復しようとも小次郎の手札にはチェイスライドがある。チェイスライドがあればメタルガルルモンを毎ターン疲労させることができる。この時小次郎はそう考えていた。だが、そんな甘い考えではシデンに通じないことを今から彼は知ることになる。

 

 

シデン「白夜の宝剣ミッドナイト・サンは合体時に【重装甲:赤/緑/黄/青】を与える。貴様の緑の効果はもう受け付けない」

 

小次郎「……な、なんだって!?」

 

 

シデンは自分に対して強烈なメタ張りをして来た小次郎にメタ張りで返して来た。これでもうメタルガルルモンは止まることはない、小次郎のライフを砕くまでは、

 

 

シデン「……さぁ!アタックはどうする?」

 

小次郎「……ライフだ」

ライフ4⇨2

 

メタルガルルモンは小次郎のライフをミッドナイト・サンを使って十文字に切りつける。ミッドナイト・サンは白のシンボル持ちのブレイブのため、現在メタルガルルモンはダブルシンボル、よって小次郎のライフを一回のアタックで2つ破壊できるのだ。

 

 

シデン「……お前の強さは認める、花火のライバルと自称するだけのことはある。雑魚呼ばわりは撤回しよう、だが、貴様はDパラディンに頼りすぎた」

 

小次郎「……!!」

 

 

シデンは小次郎の強さを認めると同時に彼のDパラディンに頼ってしまうプレイングを指摘する。デジタルスピリットのデッキは基本的に【進化】を使うためにそれらのスピリットを沢山デッキに入れることになるが、シデンや花火のように白紫や、地竜のデッキでまとめると言った構築も可能。その場合はデジタルスピリット以外のカードが重要となる。それらの力が合わさった時の力は純粋なデジタルスピリットのデッキをたやすく超えてしまうだろう。その証明が、今のこの状況だ。バトラーの実力はプレイングだけではない、デッキ構築の時点で既にバトルは始まっているのだ。

 

 

シデン「……ラストだ!!メタルガルルモン!!!」

 

 

小次郎「……くそ!!!俺はまだ……」

ライフ2⇨0

 

 

「負けられない」そう言いかけた瞬間、メタルガルルモンが小次郎の最後の2つのライフを同時に斬りつけて破壊する。準決勝第二試合、勝者はシデン。

 

 

実況者「……決まったぁぁぁぁあ!!……又しても怒涛の大逆転!!!決勝への最後の切符を手に入れたのは反乱軍のリーダー!!シデンだぁぁぁぁあ!!」

 

 

ー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

小次郎「……くつ!!!」

 

シデン「……貴様も誇り高き、強いバトラーだった」

 

小次郎「……ちっくしょう……!!」

 

 

シデンは最後に小次郎にそう言い残してその場を後にした。小次郎は負けたショックや、完全敗北からか、体中の力が抜けて、膝をついてしまう。

 

小次郎にとって、花火と決勝で優勝を争うという行為はどれだけ幸福だったことか。あと一歩、あと一歩というところで、自身の願いを閉ざされた彼の悔しい気持ちは計り知れない。

 

実況者「……さぁ!いよいよだぁぁぁぁあ!!最後の決勝は数時間後!!しばし休憩の時間となります!!」

 

そんな小次郎の気など知らない実況者や観客は次の花火とシデンの決勝戦へと胸を膨らましていく。

 

先ほどの試合のインターバルのためにほんの2時間程度の休憩に入る。その間にシデンと花火は最後のデッキ調整を行う。

 

 

 

 

時は少々遡り、ここは会場の周辺の街はずれの森の中、ここでは反乱軍が、いつDポリスが来てもいいようにシデンとイトニ以外の者達は皆それぞれの持ち場で見張りを続けていた。そんななか、明らかに他とは違うオーラを放つ2人の人影が伺える。シデンの右腕であり、本物の忍びでもあるシュリと、ピエロの面を被った反乱軍のブレイン、ドューケだ。どうやら2人だけで会話しているようだ。あの2人の放つ異彩なオーラの間に他の者たちは皆近づくとができないのだろう。

 

 

ドューケ「……準決勝第二試合も終わったようですね〜」

 

 

会場の歓声がドューケ達のいる森にまで木霊してくる。シュリはこの時点でシデンの勝利を確信した。

 

 

ドューケ「……ところでシデンさん?……イトニを捜さなくて良いのですか?」

 

シュリ「…………」

 

 

行方知らずになったイトニ、他の反乱軍は見張りをしながらもイトニを捜索している。

 

 

シュリ「……大丈夫だ。もう犯人の目星はついている」

 

ドューケ「……犯人?どういうことですか?」

 

シュリ「……イトニは間違いなく誘拐された………………もう白状したらどうだ。これ以上シデンさんを困らせるようなことはするな、………ドューケ」

 

 

つまりシュリはイトニを行方不明にしたのはドューケだと言っていることになる。それに対しドューケは顔に汗を垂らすことなく涼しい顔を保ったまま口を開く。

 

 

ドューケ「私が犯人ということですか?よしてくださいよ、そんなわけないでしょ?私はずっとあなた方と見張りをしていたのだから、」

 

シュリ「……いや、お前は昨日、1人になったタイミングで一度姿を消している。不思議な闇に………そしてお前がそこから再び出て来た時俺は見た、お前ともう1人、気絶していたイトニが………!!」

 

ドューケ「……!!」

 

 

全員で見張りといっても絶対に複数人になるというわけではない、1人になるタイミングを作るのにはそこまで苦労はしない、位が上に当たるドューケだったら尚更そのタイミングは作りやすい。

 

シュリはここ最近怪しげな行動が目立っていたドューケを密かに監視していた。そしたら案の定イトニを拉致した現場を目撃したのだ。

 

 

シュリ「……どういうことだ。ドューケ、なぜお前がそんなことを……イトニを誘拐して何をするつもりだ」

 

ドューケ「……………あ〜〜〜バレちゃいましたか、流石はシュリさん、暗躍や尾行はお手の物ですか、まさかこの私が気取られていることに気づかなかったとは………」

 

 

とうとう本性を明かすドューケ、イトニは彼のバトルヴァイスに収納されてしまっている。それはどこまでも暗い暗黒の中だった。

 

 

シュリ「……!!!やはりお前が!!なぜだ!!俺たちは仲間ではなかったのか?」

 

 

仲間思いの性格であるシュリには心苦しいことであった。味方に裏切られるのがどれほど苦しいことか、また、裏切ることがどれほど苦しいのかを彼は全て知っているからだ。

 

 

ドューケ「……なぜ?当然私の野望を達成するからに決まってるじゃあいりませんか」

 

 

ドューケの言う野望がなんなのかは定かではないが、シュリのやることは1つ。

 

彼はドューケにデッキを突きつける。バトルしろと言わんばかりに。やはりバトラー同士、決着はどう転がってもフィールドか、

 

 

シュリ「……」

 

ドューケ「……なんのつもりです?」

 

シュリ「……見ての通りだ。お前がバトルで勝てば、見逃してやる。だが、俺が勝てばイトニは諦め、お前には反乱軍を抜けてもらう」

 

ドューケ「……あらひどい……まぁ、いいでしょう」

 

 

ドューケもそう言ってなんだかんだで承諾すると、直ぐにデッキを構える。そしてバトルが始まる。

 

 

シュリ&ドューケ「ゲートオープン、解放!」

 

 

 

 

場所は戻り、また会場内、花火はデッキ構築に励んでいた。散っていった者達のためにもみっともないバトルは見せることができないので一生懸命になってシデンの対策を考える。

 

 

花火「……どうすっかなぁ、正直メタルガルルモン相手にはメタルシードラモンや、スーパーディラノスと同じように、ヴルムシューターとウォーグレイモンの連携で返り討ちにする以外手が浮かばないんだよなぁ」

 

 

圧倒的な攻撃性能を持つ究極体のデジタルスピリット、メタルガルルモン、それに対抗するべくは同等の存在である花火のウォーグレイモンだが、攻撃性能だけで比べると花火のウォーグレイモンが圧倒的に劣るのだ。

 

 

花火「……うーん、やっぱり入れようかな?これ、」

 

 

そう言って花火が目に止めたのはアトーライ逆襲事件で自分がオメガモンにもらったと言うカード。花火自身は全く記憶にないのだが、これはなかなかに使えるカードであった。

 

 

 

 

菜々子「……どうしよう」

 

 

花火がデッキ構築に困る中、ここにも大変困っているものが1人、菜々子だ。決勝戦前の花火を激励しようと彼の控え室に行こうとしたのだが、なにぶん彼女は方向音痴なので道を誤り、すっかり迷子になってしまったのだ。幸いこの会場は円形なので、無事に帰れるとは思われるが、

 

 

菜々子「……やっぱりカイネちゃんにもついて来て貰えばよかったかなーー」

 

ーその時だった。

 

男の子「……!!!!!!」

 

菜々子「……?」

 

 

菜々子はその道で10歳いかないくらいの男の子が泣いているのを見つける。何かあったのだろうかと思い、菜々子は直ぐにその子の元へ駆けつける。

 

 

菜々子「……どうしたの?何かあったの?お姉さんに話してごらん!!」

 

 

菜々子は膝を曲げ、目線を男の子に合わせて言う。すると男の子はさっきまでの涙が嘘のように晴れてニコリと笑い、微笑みながら菜々子に言った。

 

 

男の子「……じゃあ、僕の操り人形になったよ!!!菜々子ちゃん!」

 

菜々子「……え!?」

 

 

この後、菜々子の姿を見たものは誰もいない。パタリと姿を消してしまったのだ。菜々子もその男の子も、

 

その男の子の名は【ラフーキ】

 

 

 

 

一方ここはバトルフィールド、ドューケとシュリが戦っている。現在はシュリのターンだ。シシノビや、ラッパンサー、そしてソウルドラゴン焔影、シュリのデッキの錚々たるメンバーが集まっていた。

 

かたやドューケのフィールドには紫のデジタルスピリットが集まる。見た目通りヴァンパイアのようなスピリット、ヴァンデモンや、女性型悪魔のレディーデビモン、鬼のような姿のオーガモン、なかなかの顔ぶれだが、シュリのスピリット達と見比べるとやはりやや見劣りしてしまうと言ったことろか。

 

 

ドューケ「……ふむ、なかなかやりますね〜」

 

シュリ「……当たり前だ!!俺はシデンさんのためにずっと鍛錬をしてきたのだからな!!行くぞ!煌臨!!」

 

 

ラッパンサーが緑の風を纏う。そして鎌鼬のようにそれらを振り飛ばすと中から、クワガタ型の忍風スピリットが誕生していた。その名は「クワガオキナ」

 

 

シュリ「……これが俺のエース!クワガオキナだ!」

 

ドューケ「……なるほど、これが、」

 

 

ドューケはクワガオキナの強者のオーラに恐れることもなく、いつものように飄々とした態度で向かい合っている。彼も相当場をこなしている証拠だろうか。

 

 

シュリ「……行くぞ!クワガオキナの効果で………」

 

シュリはクワガオキナの効果を発動させようとするが……

 

 

ドューケ「……ちょっと待ってくださいよ、あなたは今フラッシュタイミングを使った。つまり次は私に権利があるのです」

 

シュリ「……!?何かするきか?」

 

ドューケ「……当然ですとも、煌臨発揮」

 

 

ドューケも煌臨発揮を宣言する。レディーデビモンが、暗黒に包まれたかと思うと、その闇から突如となくトランプのカードがシュリのスピリット達に襲いかかる。シシノビ、ソウルドラゴン焔影、クワガオキナはそのトランプに胸部を突き刺されたと思ったら粒子となって消滅してしまった。

 

 

シュリ「……なに!?どういうことだ!?あのスピリットはなんだ!?」

 

ドューケ「……あなたはお呼びではないのですよ、シュリさん………これで終わりです、行きなさい私のスピリットよ!」

 

 

黒い靄に包まれながらそのスピリットはシュリの最後のライフを破壊してくる。

 

 

シュリ「……お前は一体何者なんだ!??!ドューケェェェエ!!!」

ライフ1⇨0

 

 

シュリは結局何が何だか分からぬまま、そのスピリットに最後のライフを破壊されて完全に敗北した。そしてフィールドから弾かれることもなく、そのままイトニと同じように闇夜のような真っ暗な暗黒へと呑み込まれるように消えていった。ドューケは1人元の場所へと戻る。マスクの裏でもわかるくらい口を開けて笑いながら、

 

 

ドューケ「……ふふ、排除完了………もうすぐだ、もうすぐで始まる。……さぁ、勝つのは【思い込む右】か、はたまた【考え込む左】か、楽しみですね〜……ま、どっちが勝ってもいいんですけど」

 

 

第96回フロンティアリーグ………その裏で暗躍する影達がそこにはあった。そんな中、ついに花火とシデンの決勝戦が、始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 




最後までお読みいただきありがとうございます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。