ではどうぞ!
ラフーキは困惑していた。自分の分身であり、長年の相棒、ダークマターズのスピリット、ピノッキモンを召喚していたにもかかわらず。
ラフーキは暗黒四天王の1人、だいたい150年前だっただろうか、子供の時に死の恐怖を感じたのは、……特に病などにかかっていたわけではない、ただ死ぬことを考えるといつも怯えていた。
その時に出会ったのがドューケ、彼は死に恐怖することのない生活にしてあげると言った。ラフーキはそれに飛びつき、暗黒の四天王の力と地位を得た。ピノッキモンのカードとともに。
ーだが、その長年の生命は凍りつこうとしていた。
シデン「……やはり、貴様自体はただの腰抜けの雑魚か」
ラフーキ「……くっ」
シデンに強制的に元の場所に戻された後、軽い挑発をくらい、少しムカついたのでバトルを受けた。彼はこんなやつ小指で放ってやれると思っていた。だが、結果は見ての通り、重装備を施された狼にほとんどのスピリットは砕け散り、ライフも風前のともし火、打つ手はなかった。
シデン「……やれ!メタルガルルモン!」
ラフーキ「……うっ、死にたくない、死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないぃぃい!!!!!!!!!」
ライフ1⇨0
全てが木製でできたピノキオ型のスピリット、ピノッキモン、ダークマターズの一体だが、メタルガルルモンは凍てつく氷のブレスで一瞬にして凍りつかせる。ピノッキモンはそのまま機能を停止し、意識を失った。
その後すぐにメタルガルルモンはラフーキにとどめの体当たりをおみまいする。ラフーキは昔感じた死の恐怖を思い出しながらピノッキモンのカードともに灰と化して散っていった。
バトルを終えたシデンはバトルフィールドから帰還する。元の場所に戻って目にしたものは仮面をつけていてもわかるドューケの笑う顔と、絶望に浸る小次郎達の顔だった。
シデンは察する、花火が消えたこと、そして、これからドューケが何かを自分に伝えようとするということ。案の定、ドューケは自分の所によってきた。
ドューケ「……ラフーキを倒しましたか、やりますね」
シデン「……部下があんなものなら、親玉たる貴様も大した実力ではないだろうな、ドューケ」
ドューケ「ボロボロの格好でよく言えたものだ」
仮にも暗黒四天王のラフーキのバトルダメージを受けてシデンはすでに肉体的に限界だ。だが、彼の妹や、世界を救いたい気持ちが彼を突き動かす。
ドューケ「……そこまでしてイトニを助けたいのであれば、我々の本拠地、紫の大陸に来なさい。決着はそこでつけてあげましょう、この【クロノス・アルファ】があればひとっとびです」
そう言ってドューケは現代的に言えば黒いタブレットの様なものをシデンに手渡す。シデンもそれを受け取る。本当はここで直ぐにでも決着をつけたいが、何をされるかわからない現状、素直に受け取ることを判断したのだろう。
ドューケ「……【クロノス・アルファ】は私達の本拠地の中枢部に繋がってます、………では、待ってますよ」
それだけを言い残し、ドューケは自身のバトルヴァイスを使い、次元の裂け目を作り出し、その中へと姿を消した。
シデンも直ぐに【クロノス・アルファ】を使い、紫の大陸へ向かおうとする。
シデン「……俺も行くか」
小次郎「……ちょっと待てよ!!」
彼を呼び止めるのは小次郎、その後ろで、菜々子とカイネも何かを決心した様な形相でシデンに近づく。
カイネ「……一緒に行かせろ」
シデン「花火の敵討ちか?なら止めとけ、無駄に命を落とすだけだ」
菜々子「花ちゃんは戻って来るって言ってた。それまでに私達でできることをしたいの!」
小次郎「……そう言うことだ、連れてけ」
彼らの決心は固い、シデンも流石に根をあげる。ここまで言い寄られてこのまま自分1人で向かったとしても、恥を描くのは自分だと自然に感じ取ったのだろう。
シデン「……はぁ、懲りない金魚の糞どもだ。まぁいいだろう」
結局、一緒に行くことになった彼らは、【クロノス・アルファ】の機能を使い、紫の大陸に移動した。それは花火達が最初にDワールドに来た時の現象と似ていた。光に包み込まれ、眩しいと思って、目を閉じる。次に開けた時にはもう別の場所にいるのだ。
菜々子達は広々とした空間に出る。そこには王の玉座の様な場所があり、レッドカーペットが真っ直ぐに敷かれている。
その玉座にはある人物が座っていた。それは菜々子達もよく知る人物。シデンなとってはとても大事な守るべき存在。
シデン「イトニ!!!」
玉座に座っていたのはシデンの妹イトニ、ドューケに誘拐されて以降、気を失い、ずっとこの玉座に座っていたのだ。
その玉座の背後からひょっこりとドューケが出てくる。その顔の面からは満足感や達成感に満ち溢れ、シデン達を小馬鹿にしている様にも捉えることができる。
ドューケ「……意外と早く決心して来ましたね〜、花火さんのお仲間も御一緒とは」
シデン「……ドューケ!!イトニに何をする気だ!!」
ドューケ「……何か良からぬことをすると言ったらどうします?」
ドューケの煽りにシデンは当然の如くデッキを構える。
シデン「……バトルしろ!ドューケ!!俺とお前で決着だ!!」
世界の命運を分ける世紀の一戦が幕を開ける。………と誰もが思った瞬間だった。
ドューケは自身のバトルヴァイスを振りかざし、反乱軍の下っ端達や、Dボリスの者達を呼び出して行く。ざっと見て100人はいるだろう。
彼らはまるでレッドカーペットにある玉座に座るイトニとドューケを守る城壁のように配置され、デッキを構える。
ドューケ「……いいでしょう、では私の所までたどり着けましたら受けましょう〜」
小次郎「……鼻っから通す気ないってか?」
カイネ「……やるしかないでしょ!!」
菜々子「……花ちゃんのためにも!」
シデン「……行くぞぉぉぉお!」
世界の隅でひっそりと、その世界の命運を分ける大きな戦いが始まる。
**
「おい!大丈夫か!?しっかりしろ!……おい!」
どこか懐かしい声で誰かが呼ぶ。気を失っていた花火はようやく目を開ける。まるで今までの冒険が夢だったかのような感覚だ。
起きた場所はリアルワールドにも似た風景。だが、自分達の住んでいる街とは少し違う感じだった。花火はその街の河川敷で目を覚ました。
「……よかった、生きていたか」
花火「……!!」
「いや、ごめん、君が息子と同じゴーグルを着けて倒れていたものでね、元気そうで何よりだよ」
その人物の顔を見て眠そうな顔から一気に覚醒する花火、当然だ。目の前で自分を起こしていたのは自分の実の父、【一木聖火(いちきせいか)】だったのだから、
花火「……な、!?」
聖火「……?俺の顔に何かついてるのか?」
花火は状況を瞬時に確認する。自分はバトルに負け、消滅した。その後にどこか違う場所に飛ばされた。
この場所には見覚えがある。10年前の被災地と化す前の自分たちの街だ。そして、聖火の存在からここは恐らく、10年以上前のリアルワールド。とても信じられないが、これまでの出来事から考えて特に驚くことでもなかった。
しかし、皮肉なものだ。敵に負けて、それがきっかけとなり、今こうして自分の父親と再会できているのだから。
花火は考えてみるどうやって元の場所に戻るか。過去に来ることができるのだから未来にも戻ることができると信じて、だが、いくら考えてもその答えは出ない。
聖火「……ひょっとして君、俺のファンか何かか?」
聖火はプロリーグで活躍するほどのプロのバトラーだ。彼のファンは皆、彼と同じようなゴーグルを着けていたのだ。
聖火も花火と似たような砂塵ゴーグルを着けている。元は花火も彼の真似事のように着け始めたのだから、確かにファンと言えばファンか………
花火「……まぁ、そんなとこです」
今ここで10年後の貴方の息子ですとは言えない。そんなことが知られては未来が変わる可能性だってある。花火は映画での知識を参考に、未来の自分のことを隠し、あくまで聖火の一ファンを演じることにした。
聖火「……そうか、………よし!ちょうどよかった!君!うちに来ないか?今メッチャ暇でねバトル相手が欲しかったのさ!」
花火「……?まぁ、そのくらいなら」
渋々ついて行くことになった花火。昔の自分の家に帰る道は懐かしく。こうやって父と肩を並べて歩くなど、夢のようだった。そう思うだけで涙が溢そうになる。
だが、泣いてはいられない。一刻も早くDワールドに戻って、菜々子達を助けなければならないのだから。
そんなこんなと考えているうちにようやく一木家の家に到着する。二階建ての赤い屋根の建物といえば分かりやすいか、如何にもベーシックな家だ。
聖火「……おぉーーい!帰ったぞ!花名!お客さんもいる!」
花名「あら、いらっしゃい、旦那のファン?私は妻の【一木花名(いちきかな)】よ!よろしくね〜」
花火「……はい、よろしくお願いします」
家に入る前からも緊張で胸が張り裂けそうだった。10年越しに母に会えるなんて思っても見なかっただろう。その懐かしく聞きなれた柔らかい声は、花火の心を大きく揺らす。
聖火「……この子とバトルすることになったんだ」
花名「……もう、また暇だからってファンの子引っ掛けて………ごめんなさいね、今息子がガールフレンドと旅行に行ってて、休日は暇してるのよ」
花火「……あ、いえ、別に………俺もバトルしたいし」
ガールフレンドとは恐らく菜々子、菜々子と旅行ということは、おそらく今は丁度10年前、この旅行中にこの街で大震災が起き、両親も姿を消す。
聖火「……よし!さっさかやろうか!リビングルームに行こう!」
花火と聖火はリビングルームで普通のバトルをすることになる。花火にとって普通のバトスピは約4ヶ月ぶり、しかもその相手が実の父であり、プロのバトラー、一木聖火。俄然燃えて来る。
先行は花火だ。
花火「……メインステップ、ロクケラトプス(リバイバル)をLV3で召喚!」
聖火「……赤か」
久しぶりの全手動でのバトル、花火はロクケラトプスを召喚する。当然飛び出して来るわけなく、先行の花火のターンは終わりを告げる。
聖火「……召喚、シン・ゴジラ(第1形態)」
聖火はシン・ゴジラと言うグレイモンと同じ地竜のデッキを使う。第1から4までの形態を有し、第4形態まで上り詰められると手のつけようがなくなるほどの強力さがある。
聖火「その効果でデッキから4枚オープン」
【ソウルドロー】
【ソウルドロー】
【シン・ゴジラ第3形態】
【怪獣王出現】
シン・ゴジラの第1形態はその召喚時にシン・ゴジラカードをサーチする効果がある。聖火はこの効果で第3形態のカードを手札に加え、残りを破棄した。
聖火「……ターンエンドだ」
BP1000の第1形態でBP6000のロクケラトプスのいる花火のフィールドに突っ込むわけもなくターンを終える聖火。花火は久しぶりのシン・ゴジラに興奮が収まりきれない。
花火「……俺のターン、ロクケラトプスのLVを下げ、アシガルラプターを召喚する」
花火はアシガルラプターを召喚。勿論上にはソウルコアが置かれている。
花火「……さらに、ダイナパワー、地竜にBP3000と、指定アタックを付与」
地竜専用マジック、ダイナパワー、地竜にBP3000の加算と指定アタックの効果を与える。花火はこれまでもこのカードでピンチをくぐり抜けてきた。
花火「……アタックステップ、アシガルラプターでアタック、その効果で1枚ドローして第1形態に指定アタック!」
LV1のアシガルラプターのアタック、ダイナパワーの力を受けてもBPはたかが5000だが、第1形態を倒すには申し分ないBPだ。
聖火は破壊された第1形態のカードをトラッシュに送った。
花火「……次はロクケラトプス!」
LV2、BP8000のロクケラトプスのアタック。ブロッカーのいない聖火は当然このアタックをライフで受けることになる。残りは4つだ。
花火「……エンドステップ、ダイナパワーの効果でトラッシュから手札に戻す」
聖火「……やるなぁ〜、燃えてきたぞ」
一切無駄のない花火のプレイングに感心する聖火。まさか彼が10年後の自分の息子とは思っても見ないだろう。
聖火「……俺のターンだ、2体目の第1形態を召喚、召喚時効果」
オープンカード
【シン・ゴジラ第2形態】
【リトルゴジラ】
【リトルゴジラ】
【エクスキャベーション】
再び召喚される第1形態、その効果で聖火は第2形態を回収。
聖火「……準備は万端だ。行くぞ!少年!」
花火「……!!」
自然と口角が上がる2人、バトルを心から楽しんでいる証拠だ。聖火はシン・ゴジラの効果の真骨頂を発揮させて行く。
聖火「……第1形態を破壊!第2形態を召喚!」
聖火は第1形態を破壊し、第2形態を召喚。シン・ゴジラはメインステップ時に自信を破壊することで進化ともとれる効果を発揮できる。
聖火「……第2形態の効果で自身を破壊し、今度は第3形態を召喚!」
次々に破壊と進化を繰り返す聖火のシン・ゴジラ、第3形態でも十分な力があるが、聖火はこんなところで一切手を抜く気はない。
聖火「……第3形態の効果で自身を破壊!第4形態を召喚!LV2!」
ついに現れる最強の第4形態、その力は花火の最強スピリット、ウォーグレイモンでも越えるのは難しいだろう。
花火「……第4形態………!!」
花火はこれまで、父とのバトルで第4形態を出させたことがない。それまでに決着がついてしまっていたからだ。だが、今度は違う。父が自分の力を認めてくれた証拠でもあるだろう。花火としてはそれを目の前にするだけで感激だった。
いざ眼前にそれを立たされると如何に第4形態が凄いかが伝わって来る。バトルフィールドで実体化しているわけでもないのに、その圧倒的プレッシャーに飲まれそうになる。
花火「……最高だぜ」
聖火「ふふ、行くぞ、アタックステップ!第4形態!その業火で全てを焼き払え!」
第4形態はアタック時にBP15000まで好きなだけ相手のスピリットを破壊できる。ロクケラトプスとアシガルラプターなどひとたまりもないだろう。あっさりとトラッシュ送りにされてしまう。
花火「アタックはライフで受ける」
これで花火のライフも残り4。だが、フィールドは圧倒的に聖火の支配下にある。花火はプロのバトルを実感していた。
花火「……俺のターン、スタートステップ、コアステップ、ドローステップ!………!」
花火が引いたのはアグモンのカード。ドローした瞬間思い出す。自分が行かねばならぬとこ。なさねばならぬこと。まるでそれら全てをアグモンが自分に問いかけてきたようにも感じる。
本当はずっとここにいたい。約10年、こんな生活を待ち望んでいた。自分にとっての最高の幸福。だが、それは本来ならば叶うことのない夢の世界。この後亡くなる人達が目の前に、確かに今自分の目の前に存在しているのだ。
花火は心の中でアグモンに問う。どうやったらDワールドに、菜々子達のいる場所に戻ることができるのかと、すると、必然の奇跡なのか、アグモンのカードが赤く輝きを放つ。
花火「……!!アグモン!?」
聖火「……うぉ!?」
花名「……赤い光!?、………とても暖かい、」
花火はアグモンの気持ちを読み取る。今まさしくアグモンは【進化させろ】と花火に言ってきた。
花火「……わかったぜアグモン」
さらなる奇跡が起こることを信じて花火は動き出す。
花火「……アグモンを召喚!」
花火はアグモンを召喚する。これまでも何度もこのスピリットに助けられてきた。自分にとっての相棒。
聖火「……おぉ!さっき光ってたカードか!?強そうじゃないか!!」
花火「召喚時効果!」
オープンカード
【リアクティブバリア】
【グレイモン】
召喚時効果は成功。成熟期のスピリットカードグレイモンが手札に加えられる。これで進化の準備が整う。
花火「……行くぜ、アタックステップ!アグモンの【進化:赤】を発揮!進化だ!アグモン!」
聖火「……すげえ」
花名「……かっこいい」
花火はアグモンのカードをグレイモンに進化させる。両親2人も思わず感嘆の声を漏らす。今まで何度もしてきたこのプレイング。花火を幾度となく支えてきた花火のアグモンのグレイモンによる連携。
グレイモンの登場で花火の背後に巨大なワームホールが瞬時に形成された。 花火は悟る。4ヶ月前、自分達がDワールドに来たのは、バトルヴァイスの影響ではなく、アグモンとテントモンの力であったことに。
花名「……え!?なに!?」
聖火「……なんだ?」
当然意味がわからなかったであろう両親。見知らぬ少年の背後から当然全てを飲み込むブラックホールのようなものが出現したのだ。しょうがないといえばしょうがないが。
花火「……すみません、急用を思い出したので、帰ります」
そんな言葉では済むはずはないだろう。花火はいつもの軽い調子でこの場から消えようとする。普通ならば一度呼び止められるはずだが、
聖火「……そうか、これはドア的なやつか、なら仕方ないな、帰りなさい」
花名「また来てね〜」
順応が早い。流石は花火の両親といったところか。今この場に小次郎がいれば、【この親にしてこの子あり】とツッコミを入れそうだ。
花火「……それじゃ」
聖火「……ちょっと待ちな!これは選別だ!」
聖火は一枚のカードを花火に投げ渡す。そのカードを確認する花火だが、それを見て驚愕する。信じられなかった。
花火「……!!なんでこれをあなたが!?」
聖火「……まぁ、気にすんなよ!」
ガッツポーズをするだけで肝心なことはないも教えない聖火。今は急を急ぐので、考えるのは後にしようとそれをデッキにしまう花火。
花名「……あっ!そうだ!じゃあ私も、……ちょっと待ってね〜」
この状況下で嘸かし当たり前のように、違う部屋に行く花火の母、花名、数十秒で帰ってくると、あるものを花火に渡す。
花火「……ゴーグル!?」
花名「……そう、息子の誕生日が近いから買って置いたんだけど、サイズが合わないかな〜〜と思って、なら君に渡そうってなったの」
それは花火のゴーグルとは少々サイズが違う。プレゼントの方が大きい。本来ならば花火はこのゴーグルを炎魔神のカードとともにもらっていたことだろう。
花名「……ごめんなさいね、おせっかい焼いて、でも貴方を見ているとどうも他人とは思えない。どこに行くかはわからないけど頑張ってね」
いつからだろう。母の身長を超えたのは、手に握られるプレゼントのゴーグルに抱きしめてくる母の体の温もりに花火は涙がこみ上げてくる。
花火「……ありがとう、頑張るよ、俺!頑張るから!」
そう言って泣き声になりながら花火はゲートの中へと入っていった。両親との最後の別れをしながら。暫くしてゲートが閉じる。まるで何事もなかったかのように場がしらける。
花名「……さようなら、花ちゃん」
聖火「……頼んだぞ、息子を、世界を守ってくれ、あの時のように、…………【オメガモン】」
ーこの世界はオメガモンが花火のために創り上げた幻影。全ては花火をDワールドに蘇らせるためだ。
オメガモンは花火に対して罪悪感を感じていた。それはその昔、リアルワールドの大地震は自分が引き起こしたものだから、
リアルワールドとDワールドでは時の流れの進み方が全く異なっている。Dワールドでは何年も前に起きたDパラディンと暗黒の軍勢の聖戦はリアルワールドではほんの10年前の出来事なのだ。
その時の聖戦で起こしたオメガモンの秘技、【オメガバースト】、その余波が空間を揺らし、リアルワールドまで伝わり、大地震を引き起こしたのだ。本来ならば制御できるはずだったが、この時、ウォーグレイモンが暗黒化していたため、力が幾分か増していたのだ。それで花火の両親は行方不明。
このことから、オメガモンは花火に対して罪悪感を感じ、この幻影を創り出した。自身に残された最後の力を振り絞って、だが、空になったその力は花火の奇跡によって再び取り戻すことになる。
ー奇跡の力を纏い、花火とオメガモンは暗黒の力との最終決戦に臨む。
最後までお読みいただきありがとうございます!