バトルスピリッツ オメガワールド   作:バナナ 

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第39話です。
それではどうぞ!


第39話 無敵!ダブルウォーグレイモン!

シデン、菜々子、小次郎、カイネと、ドューケが呼び出した暗黒の軍勢達がバトルを始めてからもう何時間経っただろうか。

 

一人一人が強力な力を持つ暗黒の軍勢に彼らは一歩も引かず、とうとうそれら全てを薙ぎ払った。ほとんどはシデンが倒したのだが、

 

力尽きた小次郎達はその場で横たわり息を荒く吸い上げているが、シデンはその様子を一切見せずに目線をドューケのみに向けていた。

 

 

カイネ「……あいつ…何なの?化けもん?」

 

小次郎「……鉄人かよ」

 

 

シデンの予想外すぎるタフネスに息を切らしながらも言葉を入れてくる2人、そんな小次郎達を他所に、シデンはドューケにデッキをかざす。まるでバトルしろと言わんばかりに。

 

 

シデン「……さぁ、決着をつけるぞ」

 

ドューケ「……ふぅぅうむ、結構やりますね〜」

 

チョウシュウ「……俺がいこうか」

 

ドューケ「……いやいや、貴方ごときでは彼には敵いませんよ、……………まぁ、でもエネルギー溜めには丁度いいか、よし、行きなさい」

 

 

決着をつけようとしたシデンに対し、今度は部下であるチョウシュウをぶつけようとするドューケ、だが、その行動の選択肢はすぐに無くなることとなる。

 

 

花火「……ちょぉぉおっと待った!」

 

菜々子「……え!?この声」

 

 

突如菜々子達の目の前に現るワームホール、その中から、消えたはずの花火が、一木花火が、登場する。そのゴーグルは2つに増え、1つは首に下げ、もう1つ、新しい方は額に装着している。

 

花火の登場に眠りについているイトニ以外、全ての者が顎が外れるのではないかというくらい口を大きく開けた。あのシデンや、ドューケまでもだ。その位驚くべき事であった。

 

彼は確かに一度消滅した。だが、その後は謎の力により、過去にタイムスリップをする経験をさせられて実の親に再会して、終いには暗黒の力を、いや、その力の結晶であるブラックウォーグレイモンも操れるようになって、

 

 

シデン「……花火、お前、」

 

花火「……ブイ」

 

 

花火はシデンに小さくVサインを見せる。それはまるで自分が本物だと知らしめているようにも見える。

 

嬉しさのあまり菜々子、小次郎、カイネが疲れを忘れて花火に飛びつく。花火はその勢いで他の三人もろともこけてしまう。

 

 

小次郎「……お前ッ!!ちくしょう!コンチクショウ!!」

 

 

泣きながらも花火の頬を引っ張り、再会を喜ぶ小次郎。

 

 

菜々子「……花ちゃんッ!!、良かった、良かったよぉぉぉお!」

 

 

嬉しさしか頭に残らない菜々子はただただ花火の胸元に抱きつきながら号泣する。その側でカイネは微笑ましそうに見つめる。

 

 

花火「……はは、すぐ戻るって言ったろ?………いつも通り、後は俺に任せろ」

 

ドューケ「……なぜだ!なぜ貴様は生きている!?」

 

 

当然素直に喜べないこの結果に不満足そうな顔で言いよるドューケ。それもそのはず、自分が危険因子とみなした者が削除した後にまたでてきたのだ。その生命力はさながらゴキブリのようと感じながら花火を問い詰める。

 

 

花火「……アグモンが、いや、Dパラディンが俺を導いたんだ。だから帰って来れた。お前らを倒すために!俺はお前に勝って世界を救う!」

 

 

花火のもう変わることのない決意。、Dワールドに良からぬことをしようと企む彼ら暗黒四天王を倒し、救いをもたらすこと。

 

そう誓った。自分にも、アグモンにも、両親にも。

 

 

ドューケ「……」

 

 

ドューケは悩んだ。自分が今まで考えて来た計画を台無しにしかねないほどの強力な力を持った花火が目の前にいるのだ。どうしようかと考える。もう目の前で前のような人質作戦は不可能だろう。なら………

 

 

ドューケ「……チョウシュウ、作戦変更です。貴方が一木花火を倒すのです、私はシデンさんを倒します。………いいですね?」

 

チョウシュウ「……ラジャ」

 

 

ドューケの案にチョウシュウは軽く首を縦に振って頷く。妥当な判断だろう。かなわないであろう相手に部下を投げて自分は違うところで活躍する。嫌な上司さながらの気の回しだが、当然理由は他にあって、

 

 

花火「……あそこに座ってんのはイトニか?、シデン」

 

シデン「……見てわかるだろ、………そうだ花火、これが俺達の最終決戦だ。ヘマはするなよ」

 

花火「……誰にもの言ってやがる、ボロボロのくせによ」

 

 

花火とシデンはお互いに言葉を交えながらもデッキをそれぞれの相手へとかざす。ドューケとチョウシュウもそれぞれの相手へとデッキをかざす。いよいよ正義と暗黒の最終決戦が幕を切って落とされる。

 

 

シデン&ドューケ「ゲートオープン!解放!」

 

花火&チョウシュウ「ゲートオープン!解放!」

 

 

シデンとドューケ、花火とチョウシュウはそれぞれ別のバトルフィールドで同時にバトルを行う。菜々子達は花火のバトルフィールドへと足を運ぶ。

 

 

花火「……チョウシュウ、サツマさんはどうなったんだ?」

 

 

花火が今最も気にかけていること、それはサツマの安否。Dポリスの正体が明らかになってからその姿を全く見せていない。

 

 

チョウシュウ「……奴は俺が消したよ、秘密を知りすぎたから」

 

花火「……ッ!!」

 

 

チョウシュウから放たれる衝撃の一言。そう、サツマはチョウシュウにバトルで負け、シュリと同じように異空間に飛ばされてしまったのだ。

 

 

花火「……そんな、サツマさん………」

 

 

花火達はショックだった。あんなに優しかった、懐が広かったサツマさんがもうこの世界にはいない。どこにもいないのだ。

 

最初は騙されていたのだが、アトーライの事件以後なんとなく察していた。彼は本当に器の広い、正義感が高い人間だと、じゃなければDポリスとは関係のないアトーライ事件に手を出そうとしないだろう。

 

ー花火も心の底から信頼していた。

 

 

チョウシュウ「……哀れな男だ。俺やドューケに10年もの間騙され続けていた。10年もの間偽りの正義の旗を掲げさせられていたのだ」

 

 

サツマはずっと騙されていた。その時はまだ15という少年だったり、彼が情に熱い人間だからこそなのかもしれないが、………どちらにせよ、彼がドューケ達暗黒四天王に今まで良いように利用されていたことは事実中の事実。

 

 

花火「……サツマさんの無念を俺が晴らす!」

 

チョウシュウ「……やれるものならやってみろ」

 

 

花火はその肩にサツマの無念を新たに乗せ、チョウシュウとのバトルに挑む。

 

先行は花火で始まる。

 

 

[ターン01]花火

スタートステップ

ドローステップ 手札4⇨5

 

花火「……行くぜ、メインステップ!ネクサス、勇気の紋章を配置!」

手札5⇨4

リザーブ4⇨0

トラッシュ0⇨4

 

 

花火の背後にネクサスカード、勇気の紋章が配置される。それは一言で言えば太陽、その輝きはバトルフィールドに勇気の光を灯す。

 

 

チョウシュウ「……なんだ、あのネクサスは!?」

 

花火「……今までの俺だと思うなよ、勇気の紋章は俺のライフが減るたびにお前のBP5000以下のスピリット1体を破壊する」

 

 

過去のリアルワールドで花火とアグモンが起こした奇跡、その奇跡の光は元の場所に戻るのみならず、花火のデッキにも作用されていた。勇気の紋章もその作用によって施された花火の新たな強化カードだ。

 

 

花火「……ターンエンド」

勇気の紋章LV1

 

バースト無

 

 

[ターン02]チョウシュウ

スタートステップ

コアステップ リザーブ4⇨5

ドローステップ 手札4⇨5

 

チョウシュウ「……メインステップ、ゴツモンをLV1で召喚!」

手札5⇨4

リザーブ5⇨1

トラッシュ0⇨3

 

 

チョウシュウのフィールドに岩人間ともと言えるスピリットが現れる。それは白の成長期のデジタルスピリットで、名をゴツモン。

 

ゴツモンには花火のアグモン、シデンのガブモンと同じような召喚時効果を持つ。

 

 

チョウシュウ「……召喚時効果!」

オープンカード

【リカバードコア】

【シープウォール】

 

 

今回はどちらも対象外のマジックカード。手札には加えられずにどちらも破棄される。

 

 

チョウシュウ「……ターンエンド」

ゴツモンLV1(1)BP2000

 

 

花火のネクサス、勇気の紋章で序盤の足を止められたのかアタックはしないチョウシュウ。だが、白のデッキにとって、足が遅くなるのは然程デメリットでもなくて、

 

 

[ターン03]花火

スタートステップ

コアステップ リザーブ0⇨1

ドローステップ 手札4⇨5

リフレッシュステップ

リザーブ1⇨5

トラッシュ4⇨0

 

花火「メインステップ!一気に行くぜ!ロクケラトプス2体!アシガルラプター1体!召喚!」

手札5⇨2

リザーブ5⇨1

 

 

花火のフィールドに三本のツノを持つ四足歩行の地竜スピリット、ロクケラトプスが2体と、足軽姿がお似合いの地竜スピリット、アシガルラプターが1体召喚される。

 

 

花火「……さらに勇気の紋章をLV2へ上げる」

リザーブ1⇨0

勇気の紋章LV1⇨2(0⇨1)

 

 

勇気の紋章の太陽がさらに赤々と輝き出す。

 

 

花火「……アタックステップ!アシガルラプター、ロクケラトプス2体!行け!」

手札2⇨3

 

チョウシュウ「……どちらもライフで受けよう」

ライフ5⇨2

 

 

飛び出す3体のスピリット達、BPで敵うスピリットがいないからか、チョウシュウはこれを全てライフで受けた。

 

3体のスピリットカードを一気に展開したとはいえ、花火の手札はアシガルラプターの効果である程度賄っている。ライフ差もあり、さながら花火にぶがあると思われるが、

 

 

花火「……ターンエンド」

アシガルラプターLV2(2s)BP3000

ロクケラトプスLV1(1)BP3000

ロクケラトプスLV1(1)BP3000

 

勇気の紋章LV2(1)

 

バースト無

 

 

 

菜々子「……やった!一気に3つも!」

 

カイネ「……でも安心はできない、ライフが減ったということはコアが増えたということだ、あいつは間違いなくウズシオのメタルシードラモンのようなカードを持っている………油断するなよ、花火」

 

 

カイネの言っていることは正しいと言える。間違いなくチョウシュウもダークマターズのカードを所有しているのだ。迂闊にライフを減らすのはそれらを早めに召喚される可能性があるため、寧ろ愚策とも取れる。それでも花火にはダークマターズが来ても返り討ちにする方法があるのだろうか。

 

 

[ターン04]チョウシュウ

スタートステップ

コアステップ リザーブ4⇨5

ドローステップ 手札4⇨5

リフレッシュステップ

リザーブ5⇨8

トラッシュ3⇨0

 

 

チョウシュウ「……メインステップ、完全体!メガドラモン召喚!LV2!」

手札5⇨4

リザーブ8⇨2

トラッシュ0⇨4

 

花火「……!!」

 

 

メタルグレイモンと同じ竜型のサイボーグスピリット、紫の髪と翼を翻し、チョウシュウのフィールドへと降り立つ。その効果は序盤であれば良い意味でコスト不相応とも取れる効果であり、

 

 

チョウシュウ「……召喚時!お前のBP8000以下のスピリット全てを手札に戻す!やれ!メガドラモン!」

 

花火「……!!」

手札3⇨6

 

 

メガドラモンは改良されている両手の掌から強大なエネルギー弾を何発も放つ。それらは花火のスピリット達に、被害をもたらす。力尽きたスピリット達は粒子となって花火の手札に戻った。

 

 

チョウシュウ「メガドラモンはさらに、【重装甲:赤/紫/緑】を持っている。お前の効果は全て受け付けないぞ」

 

 

花火のデッキのカードはほとんどが赤で構成されている。メガドラモンにはほとんどの場合BP勝負で倒すしかないだろう。

 

 

チョウシュウ「……さらに、ゴツモンのLVを2にアップさせる!」

リザーブ2⇨0

ゴツモンLV1⇨2(1⇨3)

 

 

ゴツモンはLVが上がり、進化の力を得た。チョウシュウの反撃が始まる。

 

 

チョウシュウ「アタックステップ!ゴツモンの【進化:白】!進化だゴツモン!成熟期のスピリット、メノカリモン!」

 

 

ゴツモンがデジタルのベルトに巻かれて進化を果たす。メノカリモンの姿は小型ロボット………実はパワースーツを装着している小さいスピリットであり、非常に珍しいデジタルスピリットだ。

 

 

チョウシュウ「……やれ!メノカリモン!」

 

花火「………ライフだ!」

ライフ5⇨4

 

 

メノカリモンの鉄でできた腕が花火を襲う。ライフ1つを難なく破壊されてしまう。

 

メノカリモンのBPは6000、勇気の紋章では破壊できない。こういうことを全て計算に入れてチョウシュウは動いている、何が一番的確な判断なのかを、だから本来実力では劣るサツマにも勝利することができた。彼の精神を揺さぶるような素振りを取ることによって、

 

 

チョウシュウ「……やはりお前はかすり傷1つ着かんか、まぁいい、メガドラモン!お前も行け!」

 

花火「……それも受けてやる!」

ライフ4⇨3

 

 

暗黒四天王の攻撃だというのに全く痛がる素振りすら見せない花火、チョウシュウは少し残念そうな顔をしつつも、メガドラモンに指示を出す。メガドラモンは花火の前までいくと、再び両手を開き、エネルギー弾で花火のライフを砕いた。

 

 

チョウシュウ「……ターンエンド」

メノカリモンLV2(2)BP6000

メガドラモンLV2(2)BP7000

 

バースト無

 

 

花火「……フルアタックは不味いんじゃねか?」

 

チョウシュウ「……生憎だが、メノカリモンはLV2の時疲労ブロッカーになる」

 

花火「……なるほど」

 

 

メノカリモンはLVが2である時、不動のブロッカーになる。チョウシュウはそれを見越してこのターンフルアタックを仕掛けた。簡単かつ大雑把にも見えるが、これももちろんちゃんとした強い戦法である。

 

 

[ターン05]花火

スタートステップ

コアステップ リザーブ6⇨7

 

花火「……ドローステップ!勇気の紋章の効果でそのドローを1枚増やし、その後手札を1枚捨てる、俺はダイナパワーを破棄!」

手札6⇨8⇨7

 

 

トラッシュでも活用できるダイナパワーを破棄して手札交換の無駄を省く花火、このプレイングは細かいところで後々響いてくることだろう。

 

 

花火「……メインステップ!バーストをセットし、戻された3体を再び召喚!」

手札7⇨3

リザーブ7⇨4

 

 

花火のフィールドにメガドラモンによって戻された3体のスピリットがまた一気に展開される。それと同時にバーストカードが伏せられる。

 

 

チョウシュウ「……無駄だ、そんな雑魚軟体並べても、メカノリモンはお前のアタックステップ時にBPを5000上げる」

 

 

つまりはBP11000の疲労ブロッカー、中々にハードな壁だが、花火の覚醒したグレイモンデッキの敵ではない。花火は次の手を用意する。

 

 

花火「……だったらそのBPアップの意味をなくす!さらに召喚!死を超越せし竜!スカルグレイモン!LV1!」

手札3⇨2

リザーブ4⇨0

トラッシュ0⇨3

 

 

地響きと共に花火のフィールドに全身が骨だけになったグレイモン、スカルグレイモンが召喚される。

 

花火はスカルグレイモンの召喚時効果でこの状況の打破を狙う。

 

 

花火「スカルグレイモンは召喚時に相手のスピリット3体のコアを1個ずつリザーブに置く」

 

チョウシュウ「……」

メカノリモンLV2⇨1(2⇨1)

 

 

スカルグレイモンが地面におもいっきり両手を叩きつけると、黒炎が噴出、それは瞬く間にチョウシュウのフィールドを捉え、力を奪おうとする。メカノリモンはそのまま力を抜かれるが、赤の効果に耐性があるメガドラモンはその脅威から難なく逃れた。

 

だが、気にすることはそこではなく、メカノリモンのLVが下がったことが大事な要点であって、

 

 

花火「……お前さっき、『LV2の時』って言ったよな」

 

チョウシュウ「……」

 

 

そう、あくまでメカノリモンはLV2の時のみ、その疲労ブロッカー効果を得るのだ。スカルグレイモンの黒炎でコアを外され、LVが下がった今、ただの疲労中のスピリットである。

 

 

花火「……いくぜ!アタックステップだ!」

アシガルラプターLV1(1s)BP2000

ロクケラトプスLV1(1)BP3000

ロクケラトプスLV1(1)BP3000

スカルグレイモンLV1(1)BP5000

 

勇気の紋章LV2(1)

 

バースト有

 

 

4体のスピリットのアタックがチョウシュウを今にも襲おうとしていた。その姿はまさしく魑魅魍魎。

 

 

花火「……いけ!アシガルラプター!」

手札2⇨3

 

 

意気揚々と走り出すアシガルラプター、チョウシュウの残りライフは2、花火のフィールドのスピリット体数は4、チョウシュウが何もしなければ間違いなくバトルは終わるだろう。何もしないはずはないのだが、

 

 

チョウシュウ「……フラッシュ!煌臨!対象はメガドラモン!」

リザーブ1s⇨0

トラッシュ4⇨5s

 

花火「……ッ!!」

 

 

花火は直感した。間違いなくダークマターズが来ると。当然この予想は当たっており、チョウシュウが今から煌臨させるのはダークマターズの一角、ウズシオのメタルシードラモンと並ぶ力を持つ白のスピリット、

 

メガドラモンが白い光に包まれて形を変えていく。それはとても巨大で、まるで要塞のような竜。

 

 

チョウシュウ「……来い!ダークマターズ!その一角!ムゲンドラモン!」

手札4⇨3

ムゲンドラモンLV2(2)BP13000

 

 

その力は正しく無限大、2つの砲台を抱えた全身フルメタルの究極体デジタルスピリット、ムゲンドラモンが現れる。その存在感は花火のスピリット達を恐怖させる。

 

 

花火「……あれが、2体目のダークマターズ………」

 

チョウシュウ「……煌臨時効果!お前のスピリット2体をデッキの上に、俺の好きな順番で戻す!………消え去れ!スカルグレイモン!ロクケラトプス!」

 

花火「なに!?………うわ!!」

 

 

ムゲンドラモンが抱え込む巨大な2つの砲台がスカルグレイモンとロクケラトプス1体に向けられる。ムゲンドラモンは砲台にエネルギーを充填させそれを一気に目標に向けて放つ。

 

膨大なエネルギー弾にスカルグレイモンとロクケラトプスは飲まれて消滅し、粒子となって花火のデッキに戻る。

 

 

花火「……くっ!でも、煌臨スピリットはその煌臨元のスピリットの全ての情報を引き継ぐんだ。お前のムゲンドラモンは疲労状態だ」

 

 

2体減らされたとしてもフルアタックが通れば花火の勝ちだ。だが、チョウシュウはそれすらも塞いで来る。

 

 

チョウシュウ「……フラッシュマジック!光翼之太刀!このターン、ムゲンドラモンにBP3000を与え、疲労ブロッカーにする!………そのままアシガルラプターをひねり潰せ!ムゲンドラモン!」

手札3⇨2

ムゲンドラモンLV2⇨1(2⇨1)BP13000⇨10000⇨13000

トラッシュ5s⇨6s

 

 

 

疲労ブロッカーと化したムゲンドラモン、突進して来るアシガルラプターを片手1つを振り、その風圧だけで吹き飛ばしてしまう。地面に叩きつけられたアシガルラプターは爆発してしまう。

 

 

 

花火「……エンドフェイズ、ロクケラトプスの生存により、ダイナパワーを回収する、………ターンエンド」

手札3⇨4

 

 

4体もいたスピリットが今ではロクケラトプス1体のみ、疲労ブロッカーと化したムゲンドラモンが目の前にいる中で最早このターン、アタックは不可、花火のターンは終了せざるを得なかった。

 

 

[ターン06]チョウシュウ

スタートステップ

コアステップ リザーブ0⇨1

ドローステップ 手札2⇨3

リフレッシュステップ

リザーブ1⇨7

トラッシュ6⇨0

 

メカノリモン、ムゲンドラモンが再びリブートする。

 

 

チョウシュウ「……メインステップ!ゴツモン、ハグルモンをLV1ずつで召喚!」

手札3⇨1

リザーブ7⇨3

トラッシュ0⇨2

 

 

チョウシュウのフィールドに進化により手札に戻ったゴツモンと、歯車の形をした成長期スピリット、ハグルモンが現れる。

 

 

チョウシュウ「……ハグルモンの召喚時、ゴツモンにコアを1つボイドから追加」

ゴツモン(1⇨2)

 

 

ハグルモンは召喚時、他の成長期スピリット1体にコアを追加させる効果がある。今回はゴツモンにコアが置かれた。

 

 

チョウシュウ「……メノカリモン、ムゲンドラモンを最高LVへ!」

リザーブ3⇨0

ゴツモン(2⇨1)

メノカリモンLV1⇨2(2)BP4000⇨6000

ムゲンドラモンLV1⇨3(4)BP10000⇨15000

 

 

力が充填される2体のスピリット、チョウシュウはこの後直ぐにアタックステップへと移行する。このバトルに決着をつける気だ。

 

 

チョウシュウ「……アタックステップ!やれ!ムゲンドラモン!」

 

 

重量感のある機械のボディをゆっくりと動かしながら花火側のフィールドへと足を進める。

 

 

花火「……BP15000ッ!………待ってたぜ!」

 

チョウシュウ「……なに!?」

 

 

花火はこのタイミングをずっと待ちわびていた。チョウシュウがBP8000以上のスピリットでアタックするのを。花火が呼び出すのは自分の力に呼応してウォーグレイモンが具現化した姿。

 

 

花火「……手札のブラックウォーグレイモンの効果!お前のBP8000以上のスピリットがアタックしているフラッシュタイミングで1コスト支払うことで召喚!」

リザーブ3⇨2

トラッシュ3⇨4

 

チョウシュウ「……!!」

 

花火「……漆黒の闇よりいでよ!ブラックウォーグレイモン!LV1だ!」

手札4⇨3

リザーブ2⇨1

ブラックウォーグレイモンLV1(1)BP9000

 

 

上空から黒炎の球体が降って来る。それは地面を燃やすように墜落してきたかと思うと、1体の黒き竜人が姿を見せる。ウォーグレイモンが花火の暗黒の力により染まり果てた姿、ブラックウォーグレイモンだ。

 

小次郎達はその姿を見て驚いた。あれを使えばまた花火がおかしくなるのではないかと思っていたからだ。だが、当の本人は以前のように異常な眼の色や顔つきが変わるわけでもなく、いたって普通だった。

 

 

菜々子「……良かった、いつもの花ちゃんだ」

 

チョウシュウ「……これは、………なるほど、ドューケが恐れおののくわけだ。」

 

 

チョウシュウはブラックウォーグレイモンから溢れ出ている暗黒の力の量で花火の異常さとドューケが余計に警戒している理由を理解する。通常ではあり得ないのだ。いくら才能があるとは言え、ここまでの暗黒の力の量を扱えるなど、

 

花火がブラックウォーグレイモンを暴走せずに操れているのはおそらくアグモンが起こした奇跡のおかげだろうと推測される。

 

 

花火「……ブラックウォーグレイモン、頼りにしてるぜ!お前は俺の暗黒の力の象徴なんかじゃない、ましてやダークマターズと同じでもない、お前は俺のエーススピリットの1体だ!」

 

 

花火の言葉に呼応するように咆哮をあげるブラックウォーグレイモン、花火を仲間だと認めたのだろうか。

 

 

花火「……いくぜ!ブラックウォーグレイモンの召喚時効果!BP12000以下の相手のスピリット1体を破壊!メノカリモンを破壊だ!……………暗黒のガイアフォース!」

 

 

ブラックウォーグレイモンは両掌を合わせ、その間隔をどんどん広げていき、巨大な黒炎の球体を形成、それを花火が指差す方へと正確に投げ飛ばす。

 

対象になったメノカリモンはその中のスピリットごと焼却され、大爆発を起こす。

 

 

チョウシュウ「……くっ!だが、アタックは継続中だ!そのスピリットではムゲンドラモンには勝てん!」

 

花火「誰がブロックするだなんて言ったよ!それはライフで受ける!」

ライフ3⇨2

 

 

ムゲンドラモンが強靭なアームで花火のライフを1つ切り裂く。それはまるで紙をハサミで切るように簡単に引き裂いた。

 

 

花火「……勇気の紋章の効果!BP5000以下のスピリット1体を破壊!ゴツモン!」

 

 

太陽から放たれる炎がゴツモンを焼き払ってしまう。

 

ライフの減少、それは同時に花火の伏せられているバーストカードの発動条件でもあった。花火のバーストが勢い良くオープンされる。

 

 

花火「……さらにライフ減少でバースト発動!絶甲氷盾!ライフを1つ回復し、コストを支払いアタックステップを終了させる。…………悪いロクケラトプス、コアを借りるぜ」

ライフ2⇨3

リザーブ2⇨0

ロクケラトプス(1⇨0)消滅

勇気の紋章(1⇨0)LV2⇨1

トラッシュ4⇨8

 

 

シデンや景光も入れている言わずと知れた防御マジック、絶甲氷盾、花火は不足コストで勇気の紋章やロクケラトプスからコアを外した。ロクケラトプスは自分の役目を終え、満足したのか、眠るように消えて行った。

 

 

チョウシュウ「……ッ!」

 

 

チョウシュウ達のスピリットの前に立ち塞がる大きな氷山の一角、ムゲンドラモンさえも凌ぐその大きさではこれ以上のアタックは不可、ターンは終了、かと思いきや、チョウシュウはまだ動くことができるようで、

 

 

チョウシュウ「……ムゲンドラモンの効果!アタックかブロックのバトル終了時、デッキの上を1枚オープンし、それが完全体スピリットならノーコスト召喚だ!」

 

花火「……ッ!まだそんな効果が」

 

チョウシュウ「……カード、オープン!」

オープンカード

【メガドラモン】

 

 

ムゲンドラモンはアタック、ブロックしたバトルの終了時、デッキの上1枚を確認してそれが完全体スピリットなら召喚、違うなら破棄すると言う一風変わった効果、だが、決まればアドバンテージ差はかなり優勢となることだろう。そしてチョウシュウは見事引き当てる完全体スピリット、【メガドラモン】を

 

 

チョウシュウ「……メガドラモンを召喚!」

リザーブ3⇨1

メガドラモンLV2(2)BP7000

 

 

ムゲンドラモンが咆哮をあげる、それはまるで耳を覆いたくなるような大きな叫び声、それのせいで空間が歪み、ひび割れ、破裂、中からメガドラモンが飛び出してくる。

 

 

チョウシュウ「……ターンエンドだ」

ハグルモンLV1(1)BP2000

メガドラモンLV2(2)BP7000

ムゲンドラモンLV3(4)BP15000

 

バースト無

 

 

防御マジックで守り、ブラックウォーグレイモンや勇気の紋章である程度返り討ちにするもフィールドはまだチョウシュウの方が有利と言える状況だ。問題はそこだけではなかった。

 

 

[ターン07]花火

スタートステップ

コアステップ リザーブ0⇨1

ドローステップ 手札3⇨4

リフレッシュステップ

リザーブ1⇨9

トラッシュ8⇨0

 

 

花火がこのターンのドローステップで引いたカードはロクケラトプス、ムゲンドラモンの煌臨時効果でデッキの上に戻されたことで今帰ってきたのだ。これでは花火の引きの強さは引こうと思っても発揮できない状況だったのだ。

 

当然、チョウシュウも花火の手札事情はある程度理解している。4枚のうちの判明分はロクケラトプス、ダイナパワー、とくに単体では力を発揮できないカード達に比べ、未だ不明なのが2枚、たった2枚ではこのフィールドは突破されない。そう彼は見越していたのだ。

 

 

 

花火「……メインステップ、来い!俺の新しいアグモン!アグモン[2]を召喚!LV2!」

手札4⇨3

リザーブ9s⇨8

トラッシュ0⇨1s

 

チョウシュウ「……[2]?」

 

 

アグモンが起こした奇跡により誕生した新たなアグモンのカード、その姿は今までのアグモンとなんら変わりはないが、この場を一発逆転へと導く可能性を秘めた爆発的な力がそこには確かに眠っていた。

 

 

カイネ「……新たなアグモン」

 

花火「……ブラックウォーグレイモンをLV3にアップ!」

リザーブ4⇨1

 

 

花火はブラックウォーグレイモンに残りのコアのほとんどを注ぐ。

 

 

花火「……アタックステップ!」

アグモン[2]LV2(4)BP5000

ブラックウォーグレイモンLV3(4)BP16000

 

勇気の紋章LV1

 

バースト無

 

 

花火のスピリット2体が戦闘態勢に入る。

 

 

花火「……いけ!ブラックウォーグレイモン!ムゲンドラモンに指定アタック!」

 

チョウシュウ「……!自身の効果でも指定アタックできるのか!?」

 

花火「……あぁ、そしてこの時、BPが最も高いスピリットとバトルしたなら、ブラックウォーグレイモンは回復する」

ブラックウォーグレイモン(疲労⇨回復)

 

チョウシュウ「……なに!?」

 

 

ブラックウォーグレイモンの第3の効果、それは相手のスピリット1体を指定アタックする赤ならではの効果だが、ブラックウォーグレイモンはそれだけにとどまらず、BPが最も高いスピリットにアタックすれば回復が行えるのだ。

 

 

花火「……フラッシュマジック!ダイナパワー!ブラックウォーグレイモンのBPを+3000!」

手札3⇨2

リザーブ1⇨0

トラッシュ1s⇨2s

ブラックウォーグレイモンBP15000⇨18000

 

チョウシュウ「……くっ!」

 

花火「……いけぇぇえ!ブラックウォーグレイモン!」

 

 

ダイナパワーにより、ムゲンドラモンのBPを超えたブラックウォーグレイモン、通り過ぎるように一瞬のうちにムゲンドラモンをその両手の武器で切り裂いていった。

 

目にも留まらぬ早業で五体をバラバラにされたムゲンドラモンは当然その場で大爆発を起こす。ダークマターズの一角がまた1人、Dパラディンによって粉砕された。

 

 

小次郎「……あいつやりやがった!」

 

菜々子「……ムゲンドラモンをやっつけちゃった!」

 

チョウシュウ「……、馬鹿な、ムゲンドラモンがこうもあっさりと…………」

 

 

ムゲンドラモンの破壊に成功しガッツポーズを上げて喜ぶ小次郎達、それとは正反対に悔しそうに歯をくいしばるチョウシュウ、自分にとって最強のスピリットが負けたのだ、無理はないが、

 

 

チョウシュウ「だが、2度目の回復はない、メガドラモンは【重装甲:赤】を備えている。指定アタックはされん!」

 

 

チョウシュウの言う通り、指定アタックの効果は【装甲】などの効果で塞がれるとアタックできない。残ったハグルモンは装甲の効果を持っていないが、BPが一番高くないのでこれ以上のアタックは難しかった。

 

だが、そんなものでは花火の覚醒したグレイモンデッキを止めることはできない。

 

 

花火「……そんなこと、百も承知だぜ!お前の力を見せる時だ!アグモン!」

 

 

今度はアグモン[2]が飛び出していく。そしてその体は、赤々と輝き始める。

 

 

チョウシュウ「……!?なんだ!?」

 

花火「……アグモン[2]の効果!俺のライフが3以下の時、ウォーグレイモンに進化できる」

 

チョウシュウ「……なに!?成長期から究極体に飛び級だと!?」

 

 

アグモン[2]の効果、それはアタック時のフラッシュで自身を手札に戻すことでウォーグレイモンの名を持つスピリットに進化する効果、

 

アグモンは今こそ真の力を発揮する。

 

 

花火「始まりの竜よ!今こそ全ての竜の意志を引き継ぎ、敵を討て!」

 

 

アグモンが、グレイモン、メタルグレイモンへと姿を変えていく、そして、最後にはウォーグレイモンへと最終進化を遂げる。

 

 

花火「……ワープ進化!ウォーグレイモン!!」

ウォーグレイモンLV3(4)BP16000

 

チョウシュウ「……ウォーグレイモン」

 

菜々子「……ウォーグレイモンが……2人!」

 

 

始まりのエースカード、ウォーグレイモンが花火のフィールドでブラックウォーグレイモンと共鳴し合うかのように咆哮をあげる。

 

花火のグレイモンデッキの中では最強の双璧が立ち並んだと言える。

 

 

花火「……ウォーグレイモンの召喚時効果!ハグルモンを破壊!」

 

 

ウォーグレイモンは掌から炎の球を形成し、感覚を広げることでそのサイズをより大きくしていく。最大限まで広げるとそれをチョウシュウのフィールドへ全力で投げつける。

 

ウォーグレイモンの色に対応した重装甲を持つメガドラモンはそれを水と油のように受け付けないが、ハグルモンは身体中を溶かされてしまい、爆発してしまう。

 

 

花火「……いくぜ!2体のウォーグレイモンでアタック!」

 

 

花火の指示に2体のウォーグレイモンが駆ける。

 

 

チョウシュウ「……だが!俺のライフは2!ブロッカーは1体!どう足掻いても俺のライフは1つしか減らない!」

 

 

チョウシュウの言う通り、どちらかのアタックをメガドラモンでブロックしてしまえば、このターンは生き残る事ができる。

 

だが、花火のデッキにそんな常識じみたことは通用しない。どんな時でも花火を救ってきたウォーグレイモンの第2の効果が火を噴く。

 

 

花火「……ウォーグレイモンのLV2・3の効果は、バトルの終了時にトラッシュのソウルコアをウォーグレイモンに置くことで、お前のライフを1つボイドに置く」

トラッシュ2s⇨1

ウォーグレイモン(4⇨5s)

 

チョウシュウ「……な!?」

 

 

事前にトラッシュに置いていたソウルコアをウォーグレイモンのカードに置く花火。これぞウォーグレイモン必殺の一撃。ウズシオやシデン、この効果で花火の前から破れ去った者は数知れない。

 

 

花火「……いけ!ウォーグレイモン!ブラックウォーグレイモン!打ち上げろ!!!!ダブルガイアフォース!!!!」

 

 

2体のウォーグレイモンは同時に召喚時と同様にガイアフォースを形成し、チョウシュウへと投げつける。それを阻もうとメガドラモンが2つのガイアフォースを止めようとするが、触れる前にその身体を溶かされてしまう。

 

 

チョウシュウ「……くっ!この俺が………負けるだと!?全てを捨て、力を手に入れたこの俺が………」

ライフ2⇨0

 

 

2つのガイアフォースがチョウシュウのバリアごと包み込み、残った2つのライフを焼き尽くす。これにより、チョウシュウのライフはゼロ、花火の勝利となる。小次郎達は諸手を上げて喜ぶ。

 

勝利を祝しているのか、2体のウォーグレイモンがフィールドでまた共鳴するかのように咆哮する。チョウシュウは力つき、その場で膝をつく。

 

 

花火「……楽しいバトルだったぜ!こんな状況じゃなければな」

 

 

花火の口から率直にでた言葉、バトルを紛うことなく心の底から楽しもうとしていた者にしか口にすることはできないことだろう。

 

チョウシュウは彼の言葉を聞き、妙なやすらぎを得ていた。これはウズシオの時と同じ現象であり、暗黒の力が抜けようとしてほんの少しだけ元の感情が現れたのだ。

 

 

チョウシュウ「……楽しいバトル…か、……仮にドューケと出会う前に、先にお前達と出会っていたら俺はサツマさんともまだ楽しくやれたのかもな………」

 

 

チョウシュウは最後にそれだけを言い残し、ムゲンドラモンのカードとともに灰と化し、バトルフィールドの乾いた風と共に流されていった。残った暗黒の力は才能ある花火の元へと吸い込まれていく。

 

Dポリスのチョウシュウ、彼もまた、何かしらの理由があって、ドューケにそそのかされ、今の地位を築き上げて来たのだろう。既に彼がいない今、それを知るのはドューケしか存在しないが、

 

この勝利により、残った暗黒四天王はあと1人、シデンは宿敵と化したドューケを倒すことができるのか。

 

 

 

 

 




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