INSECTS   作:黒白黄色

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蟲の殺し

  組織

 

 

  「組織」の目的は、無価値な人間を殺し、戸籍、資産、臓器などを商品とすることである

 

  実行するのは人の社会から隔絶された、

  名も無き暗殺者

 

  人に溶け込み

  人を殺す

  人ならざる者

 

 

 

  それらは「(ムシ)」と呼ばれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるビル

 

 

 

パンッ!

 

 

ビルに銃声が鳴り響き、男が頭から血を流し倒れる

 

 

「な、なんだッてめ・・・

 

パンッ!

 

「が・・・」

 

別の男が撃たれ、倒れる

 

「だ、大丈夫か・・

 

パンッ!

 

「ちょ、ちょっと待っ・・

 

パンッ!

 

「ごっ・・」

 

少年は男達6人中、5人を射殺した

 

 

「な、なんなんだてめえは・・」

 

 

「蟲」

 

少年は男にそう名乗る

 

「虫?ムシだか何だか知らねえが、なんで俺達を殺す」

 

「組織はお前らを、無価値な人間と判断した よって・・戸籍、資産、臓器など、利用できる部分を接収し、残った部分は処分する」

 

少年は男に自分のされることを教える

 

 

「た、たすけ・・

 

「死ね」

 

パンッ!

 

 

少年は銃の引き金をひき、男を射殺した

 

部屋は男達の血一色で覆われていた

 

 

「・・服が汚れた、結構キレイ好きなのにな」

 

そう言い少年はポケットからスマホを取り出し、電話をかける

 

 

「もしもし、ワタシだ雀蜂(スズメバチ)、仕事は終わった」

 

「あら、早いじゃない蟷螂(カマキリ)、やっぱ簡単だった?今回の仕事」

 

電話には蟷螂と呼ばれる少年より歳上の少女、雀蜂ががでた

 

「こんな簡単だと、もう一つ仕事があるんじゃないだろうな?」

 

 

「ビンゴ、勘がいいね、もう一つ仕事があるわよ」

 

蟷螂の勘通り、もう一つ仕事があった

 

「で、なんなんだ?その仕事は」

 

蟷螂は雀蜂に仕事の内容を聞く

 

「他の蟲の育成」

 

「は?なんでワタシが、それはお前がよくやる仕事じゃないか」

 

「仕方ないでしょ、ボスがあなたにやれと言ったんだから」

 

「・・なら仕方ない、で、その蟲は誰だ?」

 

蟷螂は雀蜂に育成する蟲の名前を聞く

 

 

「えーと、あ、あった・・その蟲は

芋蟲(キャタピラー)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蝶彩高校

 

 

 

 

 

「グーzzz グーzzz」

 

教室にうるさいいびきが鳴っている

 

 

「おい、起きろ海堂!」

 

ガン!

 

「いってえー・・なんだよこっちは仕事して眠いってのに」

 

「なに寝ぼけたこと言っている、授業をうけるのが生徒の仕事だ」

 

「たく」

「それより海堂、早く7番の問題をとけ」

 

「え、あ・・3√2」

 

「今は日本史の時間だ!」

 

「いてっ」

 

チョークが額に命中する。

 

「海堂、お前は廊下に立ってろ!」

 

「はいはい・・」

 

クス・・クスクス

 

生徒達の笑い声が聞こえる

 

 

「まったく、何やってるのよ」

 

 

 

 

 

 

「今どき廊下に立たせる教師がいるかよ・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「こっぴどくしかられてたわね」

 

「仕方ねえだろ、仕事で疲れてたのは本当なんだから・・お前は分かってるだろ、花咲」

 

「分かってるわよ」

 

花咲は海堂の話を聞き流す程度で聞く

 

「てか、今日も仕事だ、そろそろ時間だろ」

 

「そうね、早く行かないと・・

 

プルルルル、プルルル

 

その時、花咲のスマホが鳴った

 

 

「ごめん、ちょっと待ってて・・」

 

「こんな時にかよ・・」

 

 

 

「はい、もしもし・・」

 

花咲は電話にでる

 

「もしもし、あし・・間違えた、今は花咲と言うべきだったかしら?」

 

「え!?」

 

「ごめんねいきなり、大事な話があって・・」

 

「大事な話?」

 

「そう、本当に大事なことだからよく聞いて、実は・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「花咲、遅えな・・」

 

海堂は眠くて、今にも閉じそうなまぶたをこすりながら、花咲を待っていた

 

 

「ごめん、海堂!」

 

急いで花咲が走ってきた

 

 

「遅えぞ」

 

「本当にごめん、あと、海堂先に仕事に行って」

 

「え!?何で」

 

「後ですぐに行くから、たのんだわよ・・」

 

 

花咲はそう言い、その場を去って行った

 

 

「えー、今回の仕事俺一人だけかよ・・仕方ねえ、さっさと終わらせて報酬は俺のものってことでいいよな」

 

海堂はそう言い、バイクのエンジンをつける

 

 

「さっさと終わらせて帰るか」

 

海堂はバイクで仕事場へと出発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、海堂が向かっている仕事場では

 

 

 

「さっさと片付けてくれよ、屍出蟲(シデムシ)

 

「ああ、分かってるさ」

 

そこには蟷螂と、屍出蟲と呼ばれている中年男性がいた

 

 

「ところで屍出蟲、芋蟲とはどんな奴?」

 

「ん?あ、そういえばあんた、蟲の育成を任されたんだっけ、面倒な仕事を任されたもんだな」

 

「ワタシの質問に答えろ」

 

「まったく、せっかちだな・・芋蟲、海堂達也という偽名で、蝶彩高校に入学している17歳

蟲OD(エントマオーダー)21位の蟲だ」

 

屍出蟲は蟷螂に芋蟲の情報を与える

 

「21位か・・微妙だ、芋蟲からして弱そうだな」

 

「弱そう?クク・・・」

 

「どうした?」

 

屍出蟲は弱そうという言葉に反応して笑う

 

 

「芋蟲は昆虫が進化する前の原初の形を留めている・・・つまりは節足動物の起源形態(バイオニア)

そして・・・生存戦略(サバイバル)の完成形だ」

 

「原初の形なのに、完成形?」

 

 

「複雑な機構を備え、限定的な条件下でしか力を発揮できない成虫とは違い、極限まで単純化された構造は、どんな環境をも生き抜く力を持つ・・・・・

単純(シンプル)が故に柔軟(フレキシブル)

単純(シンプル)が故に強靭(タフネス)

それが芋蟲だ」

 

屍出蟲の長い説明が終わる

 

「なるほど、大体分かった・・・まあ、育成だろうと・・・いつも通りにやるだけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、仕事場までもうすぐだ」

 

海堂は仕事場のビルの階段をかけ上っていく

 

「よし、着いた」

 

海堂は仕事場に着き、扉を開ける

 

「お前ら!おとなしくして・・・・え?」

 

海堂は銃を構え突入するが、そこには死体すらも無く、居たのは屍出蟲と蟷螂だった

 

「さて、俺の仕事は終わった さっさと帰るか・・」

 

 

 

パンッ!

 

屍出蟲が帰ろうとしたとき、海堂が屍出蟲の前方に向けて銃を撃った

 

「どういうつもりだ海堂・・いや、今は芋蟲か」

 

「どういうつもりだだと・・・それはこっちのセリフだ!何でもう片付いているんだ?・・あと、俺の報酬はどうなるんだよ!?」

 

「まあまあ、そんなにムキになるな、報酬はちゃんとお前のところにくる」

 

「ならいいが・・で、この仕事は誰がやったんだ?」

 

「あいつだ」

 

そう言い屍出蟲は、後ろに指を指した

 

「ん、あいつ?」

 

芋蟲はそう言い、後ろを向いた

 

 

「・・・あの子供が?・・しかも女子だぞ」

 

ピキ 

蟷螂の額にシワができ、不機嫌そうな顔をしていた

 

「おい、それ以上言うなよ」

 

屍出蟲が芋蟲を止める

 

「いやいや、本当はお前が殺ったんだろ屍出蟲・・あんな子供で女子の奴がこんなことできるわけ・・・

 

パンッ!

 

蟷螂は芋蟲の顔すれすれに銃を撃った

 

「あーあ、やっちまった・・あとは自分でどうにかしてくれ」

 

屍出蟲は扉を開け、帰って行った

 

「おい!待てよ屍出蟲・・行っちまったのかよ・・・てか、お前は何でいきなり銃を・・・て、あれ?」

 

芋蟲の視界から、蟷螂が消えていた

 

 

「どこ行ったんだ・・・・がっ!?」

 

上から蟷螂の蹴りが芋蟲を襲った

 

 

 

 

カマキリ

 

世界で2000種前後いるといわれている昆虫の一種であり、その全てが鎌状に変化した前肢を用いて狩りを行う

 

狩りのスタイルは、180度まわる首と巨大な目で観察し、相手の死角から近づき仕留める形であり、バッタやチョウだけで無く、オニヤンマ、オオスズメバチなどの肉食昆虫、果てには、カエル、トカゲ、蛇、ネズミ、ハチドリなどの小動物すらもカマキリの食糧となる

 

 

「くそ・・・なんなんだよ銃撃ったり、蹴ってきたり、俺がなにかしたか?」

 

芋蟲が蟷螂に問い質す

 

 

「オマエは子供だの女子だの好き勝手に言ったな、子供はまだ認める・・だが、ワタシは男だ!」

 

 

 

「・・・は!?え・・嘘だろ?どっからどう見ても女だろ」

 

「ウルサイ!ワタシは男だ!異論は認めない!」

 

「分かった分かった・・で、何でお前が俺の仕事を横取りするんだよ?」

芋蟲が蟷螂に理由を聞く

 

「そのことか・・ヒマだったからだ」

 

「ヒ・・ヒマだったから!?」

 

「ああ、仕事の内容上、オマエに用があったんだ・・だからオマエの仕事場で待っていたんだけど、全然来なかったからし、会ったらさっさと始めたかったし」

 

 

(な・・なんて勝手な)

 

芋蟲は心の中でそう思った

 

「俺に用があるってどんな仕事だ?」

 

芋蟲は仕事の内容を聞いた

 

 

「蟲が他の蟲にわざわざ会いに行くぐらい、何の仕事か分かるだろ」

 

「いや、全然分からないんだが・・・

 

 

 

パンッ!

 

 

「うお!?」

 

芋蟲は蟷螂が撃った銃の弾丸をギリギリで避け、自身も銃を構える

 

「いきなり何するんだ?」

 

「決まっているだろ、ワタシが受けた依頼はオマエの育成だ」

 

「はあ?一体誰がそんなことを」

 

 

「ボスだ」

 

蟷螂は声を低くしてそう言う

 

 

「ボスが!?だったら何で俺を撃つ、育成が仕事なら闘う必要はないだろ?」

 

「ボスからの依頼でも、オレは自分のやり方で仕事をする、オマエの技量を確かめた上で育成をする」

 

「・・じゃあ確かめてもし俺の技量が低くかったら・・?」

 

 

「決まっているだろ・・オマエを殺すだけだ」

 

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