INSECTS   作:黒白黄色

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芋蟲の殺し

「こ…殺すだと!?」

 

蟷螂のトンデモ発言に芋蟲は分かりやすく驚く

 

 

「そんなことに一体何の意味があるんだ?全く意味が分から――

 

「隠してるな」

 

蟷螂は突然そう言う

 

「はあ?何言って――

 

「オマエは状況が理解できず、ただただパニックになっている………と見せ掛けて、しっかりと胸部に銃を備えている」

 

そう言うと蟷螂は素早く芋蟲に近づき、胸ポケットから銃を取りあげた

 

「な…!?」

 

「まあ、蟲OD21位だからそれなりのことはできるみたいだけど……プロにはそんなのは無駄だ…使う相手は考えるべきだな」

 

「それなりのこととかプロだとか、お前そんなに偉い立場なのかよ?」

 

「ああ、そうさ。何せワタシは…3位だからな」

 

 

「え……!?」

 

芋蟲は只唖然としていた

 

 

「オイ、その「え?お前みたいな子供が!?」ていう顔をやめろ」

 

いかにも馬鹿にしている芋蟲の表情に蟷螂が口を指す

 

 

「してねー、それより、自己紹介とかないのかよ?」

 

「何、してほしいの?」

 

「当たり前だ!」

芋蟲は半ギレしながらそう言う

 

 

「仕方ない……

 

ワタシは蟷螂(カマキリ)蟲OD3位 だ」

 

蟷螂は芋蟲に自分の呼び名を教えた

 

「自己紹介は終えた。そろそろ本題に────」

 

「オラッ!」

 

 

芋蟲は素早く拳を放つも、蟷螂はそれを簡単にかわした

 

 

「人の話は最後まで聞け。礼儀というものを知らないのか?」

 

「ああ、生憎俺は礼儀の れ の字もしらねぇんだよ!」

 

芋蟲は再び蟷螂に拳を放った

 

 

「遅い」

 

(こいつ…また避けやがった…)

 

 

「このッ!」

「どうした?」

 

蟷螂はまた芋蟲の攻撃を避けた

 

「この野郎、動き回んな!」

 

そう言い芋蟲は銃をズボンのポケットから取り出し、蟷螂に向ける

 

 

「ハァ!」

 

「なッ!?」

 

蟷螂は回し蹴りで芋蟲を転ばし、銃を奪い取った

 

 

「おそらくコレが最後の銃だろ」

 

そう言い蟷螂は奪い取った銃を窓の外へと放り投げた

 

 

「おい、何してくれてんだ!」

 

「うるさい……これで接近戦のみ。ワタシ

の銃も弾切れだ」

 

そう言って蟷螂は自分の銃を捨て、ナイフを取り出した

 

 

「ナイフ…?」

 

「ああ…だが、ただのナイフじゃない」

 

(ただのナイフじゃない?…一体何が……)

 

蟷螂はナイフを芋蟲に向ける

 

 

「たく、ナイフはガキが使うもんじゃないぞ」

 

「だからガキじゃないっていってるだろ!」

 

蟷螂はナイフを大きく振りかぶる

 

 

「うおッ!」

 

芋蟲はナイフを、横に逸れ避ける

 

(ナイフの攻撃が思った以上に早い。避けてるだけだと次の攻撃がすぐに襲ってきやがる)

 

「どうした、反撃しないのか?」

 

「へっ、反撃するヒマもくれないくせによく言うぜ」

 

「そんなモノ、自分でつかめよ!」

 

蟷螂は芋蟲目掛けてナイフを振るった

 

(振りかぶりが大きい?)

 

芋蟲は蟷螂のナイフを避ける

 

(よし、ガラ空きだ。もらった!)

 

芋蟲は蟷螂に蹴りつけた

 

だがその直後、

 

 

「!!?」

 

芋蟲の頬に蟷螂のナイフの刃が掠り、切り傷を負わせた

そして蟷螂はまるで何事もなかったかのように、キレイに着地した

 

「フッ、今のが分かったか?」

 

「…ああ、あの時お前は俺のキックを敢えて足で受け、その威力を利用し、回転しながら衝撃を殺して斬りつけたんだろ」

 

「ヘェ、気づくとはね……少し見直したかも」

 

「へっ、お前が女だったらその言葉かけられるの、嬉しかったんだが……」

 

「その無駄口から出るジョーク、クソつまらないよ!!」

 

蟷螂は芋蟲にナイフを振る。その後も蟷螂と芋蟲はお互いの出方を探り合いながらの闘いを繰り広げていた

 

 

(チッ、こいつ素早すぎて決定打が掴めねぇ。…早めに決めねぇと疲れで隙ができちまう)

 

 

(最初はそうでもないと思っていたが、この闘いに少しずつ慣れてきているのか?……本人は気づいてないが……早めに決めないとワタシが負けるかも)

 

お互いに早く勝負をつける為か、少し焦りが感じられる。しかし、経験の差か、その焦りは芋蟲の方が大きかった

 

「じゃあ、そろそろエンディングの準備をしようか」

 

「何がエンディングだ!俺はまだオープニングも始まってねぇぜ!!」

 

芋蟲は蟷螂の言葉を打ち消すかのように、分かりやす過ぎる強がりの言葉を叫ぶ。だが、そんな言葉からは、芋蟲がまだ諦めていないという強い心の気すら感じられた

 

「あとよ!お前カマキリだろ、カマキリなら鎌みてぇな武器で闘いやがれ!」

 

「使わない、ていうか使う必要がない。オマエを()るにはこれで十分」

 

蟷螂はそう言う芋蟲を挑発するかのように、ナイフを振って見せつける

 

「コノヤロ……舐めやがって…」

 

蟷螂の挑発に芋蟲の頭の血は沸点にまで到達する勢いで昇っていく

 

(いや…ダメだ!あいつの挑発になんかかかってたまるかここは冷静に冷静に……)

 

「さすがにこんな挑発にはかからない?」

 

「あぁそうさ、ガキなんかの挑発に乗ってたまるかよ」

 

「…まぁいいや、じゃあ早く始めよう…勝負を決める!」

 

蟷螂は芋蟲に飛び掛かり、ナイフを振るった。その攻撃を芋蟲は避け、蟷螂に拳を振るう。だが芋蟲はこの時妙な違和感を感じていた。そしてもう一度蟷螂はナイフで切りかかる。これを避け芋蟲も蟷螂にもう一度拳を振るった。芋蟲の攻撃は蟷螂に命中し、蟷螂は背中を床に着けた

 

(今だ、ここしかねぇ!)

 

 

芋蟲はこれをチャンスと判断し、蟷螂にとどめの攻撃を仕掛ける。

 

これに蟷螂は焦りの表情を………否、蟷螂は恐怖と焦りが入り乱れるような表情などしていなかった、その目は正に……まんまと罠にかかったイモムシ()を狩り殺す、カマキリ(狩人)の目だった

 

 

(……分かりやすいほど、エサだねぇ)

 

 

その刹那──

 

「ガッ!!?」

 

 

蟷螂のナイフの刃は、芋蟲の顔面目掛けて飛んでいった、芋蟲はこの攻撃の前に倒れた

 

「さすがにこのナイフの仕掛けは分からなかったか……」

 

そう言い蟷螂は起き上がり、倒れた芋蟲に近づく

 

「この攻撃、予期してなければ防ぐことは不可……………!!?」

 

 

そこに倒れていた芋蟲の目は死人の死んだ目でも、死の恐怖に怯えた目でもなかった……ナイフを口で受け止め、蟷螂を闘志が燃え盛る目で見ていた

 

 

(……ウソ、飛んできたナイフを口で受け止めるなんて…デタラメ過ぎる!)

 

砲台固定(アンカーボルトキャタピラー)

 

(?!)

 

重爆(キャノン)

 

芋蟲は倒れた状態から、足と腹筋の力だけで加速をつけて起き上がり、蟷螂に拳を振るった

 

 

「グゥ!?(な……何が)」

 

 

 

イモムシに攻撃性は皆無…概して草食性で天敵も多く、常に[補食される側(弱者)]の存在だと思われがちだが……真実は違う───

 

 

ハワイ諸島に棲むシャクトリムシの一種、

CarnivorousCaterpillar(カニヴァラスキャタピラー)」は、他種と同様に直立不動の体勢で小枝に擬態し、敵の目を欺く。だが、獲物が足元を通りかかると……瞬時に身体を屈曲させ、捕らえる。

およそ蛾の幼虫とは思えぬ獰猛さを備えたこのイモムシは…隔絶された弱肉強食の世界に適応し、独自進化を遂げた………戦闘種なのである

 

 

 

「くっ…」

 

蟷螂は芋蟲の攻撃を防ぎきれず、ダメージが身体全身にまで広がり、動きが止まる

 

「面倒事には巻き込まれたくねぇんでな……ちょっと気絶して───

 

がッ!?……また?………」

 

芋蟲は何かに吹き飛ばれ気絶した

 

「……調子に乗らないことだ」

 

蟷螂は両手にカマキリの鎌に似た武器を装備していた。さっき芋蟲を吹き飛ばしたのは、蟷螂の鎌の刃がついていない外側部分での打撃攻撃だった

 

 

 

 

「まさか、ワタシがこれを使うなんて………少しは認めてやるか…………やっぱナシ」

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