時雨の特殊任務   作:雷電Ⅱ

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報酬で烈風改が支給されるとは……


第103話 激戦

「ふざけるな!誰だ、魚雷をこんなにたくさん撃った奴は!?」

 

 浦田結衣は激怒するのも無理はない。戦艦ル級改flagshipに向けて20本の数の魚雷がこちらに向かっている。しかも、ほとんどの魚雷に雷跡が無いため酸素魚雷だ。酸素魚雷の威力は絶大である事は知っているため、回避せざるを得ない

 

もし、聴音を怠っていたら回避出来ないだろう

 

 素早く回避して魚雷を躱さないといけない。幸い、無誘導である事は分かっているのだが、数が多過ぎる

 

 

 

誰が魚雷を撃って来たのか?

 

それは伊58であるゴーヤと伊168のイムヤ、そしてまるゆと潜水新棲姫である

 

 ゴーヤとイムヤは博士と明石が戦艦大和建造時と同時並行で建造した。元帥が用意してくれた補給物資を受け取ると、味方の苦戦に加勢するために密かに行くよう命じた。但し、状況はあまり伝えなかった。そんな余裕は無いと言う事もあるが、敵が強いと伝えると出撃をためらうかも知れない。博士はそう考えた

 

 残念ながら、息子である提督は地対艦ミサイルを鹵獲するために戦車隊と502部隊と一緒に行ってしまった為、提督も建造状況を知らない。知ったのは、博士と合流し大和の姿を見て初めて把握したのだ

 

 まるゆは軍曹の強制出撃したが、問題は伊号潜水艦よりも鈍足で更に目的地を間違えてしまった。必死に航行している所を潜水新棲姫に見つかったが、余りにも不審だったため距離を置いて観察していたのだ

 

2組が現場に着いたのは多少の誤差はあるが、あまり問題は無い。勿論、互いの存在も知らない

 

 

 

「あ、あれなの?」

 

「聞いていたのと違うでち!」

 

イムヤとゴーヤは東京湾で繰り広げられている海戦に戸惑っていた

 

 艦娘の創造主である博士から味方艦隊を支援するよう言われた。負傷し養生している艦娘がいる事に不審がっていたが、博士も明石も手当てのために忙しかった。提督も不在のため仕方なく出撃したのだ。また、まるゆも既に進出してることもあって、提督の指示を仰ぐのを待つことなく出撃したのだ

 

 ゴーヤもイムヤも敵は異様な戦艦ル級改flagshipだと言われた。対潜警戒はしているだろうが、こっそりと狙えれば問題ないと判断した。戦艦は対潜兵器なんて積んでいないため、駆逐艦軽巡さえ気を付ければ攻撃出来るだろう

 

 

 

 勿論、無断出撃だが、今の提督は学生であり、正規の軍人ではない。問題はないだろうし、通信して指示を仰げればいい

 

 ゴーヤもイムヤも提督がいい人かどうか心配していたが、現場に来てその心配は吹っ飛んだ。心配するのは提督の性格ではなく、敵の強さだった

 

「あれ、戦艦なの?」

 

「砲がデカイでち」

 

潜望鏡深度で観察したが、戦いも自分達の理解を越えている

 

 戦艦から円盤翼機が出現したり、遠距離攻撃を試射もせずに命中させたり長門や金剛の猛攻をものともせず逆に長門達が苦戦している

 

しかも、姫級と仲が悪いのか深海棲艦同士で戦う場面もあった

 

詳細な情報を聞いていないため、2人の潜水艦娘は唖然としている始末だ

 

「どうするでち?」

 

流石の伊58であるゴーヤも戸惑い、イムヤである伊168は答えに窮した

 

 戦艦に対潜能力があるとは思えないが、戦いを見てるとそうは思えなくなってしまう。何しろ、単体で複数の相手と戦って互角なのだ。正確には違うのだが、ゴーヤ達が着いた頃には、結衣が操っていた深海棲艦の艦隊はほとんど全滅してしまったからだ。如何に性能が隔絶したとしても多数を相手にするのは空想でしかない

 

しかし、長門達が相手をしている敵はそれを難なくやっている

 

イムヤは咄嗟に無線で通信を行った。これでは埒が明かない

 

 

「すると今は追い詰めたのだな!?」

 

『はい、そう……だと思います』

 

 提督と名乗る人物と交戦を行ったが、真っ先に聞かれたのは状況把握だった。簡潔明瞭に答えると、次にこちらの戦力を聞かれた

 

『で、やれそうか!?』

 

「「出来る(でち)」」

 

 イムヤもゴーヤも答えたものの、戸惑いを隠せなかった。乱戦の中、味方に当てずに敵だけを狙うのは至難の業である。魚雷も一直線にしか進めず、速度も砲弾に比べて遅い

 

「近づいて撃てば……」

 

「敵にばれちゃう」

 

 伊58は接近しようとするが、伊168は否定的な考えだ。本来、敵にこっそり忍び寄って魚雷をぶち込むっていうのが潜水艦の戦い方である。しかし、戦艦ル級改flagshipはどう見ても高速だ。酸素魚雷は航跡が出ないものの、音までは消してくれない。振り切ってしまう可能性がある

 

 酸素魚雷は射程が長いものの、無誘導であるため当たる確率は無きに等しい。また、酸素魚雷の威力は高く、下手すれば奮闘している駆逐艦娘まで当たってしまう。駆逐艦娘が酸素魚雷を当てているが、あれは距離が近いからだ

 

 しかし、何もしない訳にはいかない。戦艦ル級改flagshipが艦載機による攻撃とロケットのような攻撃に対して奮闘している間に、どさくさに紛れて魚雷を前門発射した。距離があり過ぎるが、命中すれば撃沈出来る

 

「魚雷さん、お願いします!」

 

 

 

 同時刻、別の場所で潜航しながら航行していたまるゆとその後方で警戒していた潜水新棲姫も魚雷を発射した

 

潜水新棲姫は敵が航空攻撃に対して混乱に乗じて攻撃を実施した。まるゆの存在を警戒していたが、今はそんな事を言っている場合ではない。また、敵は兎も角、前に航行している艦娘のような存在にバレてもいいかも知れない

 

お蔭でまるゆは大混乱した。魚雷を撃ったと思ったら、突然、後方から魚雷がやって来て素通りすれば驚くなという方が無理である

 

「ひゃあっ!」

 

「チョット黙ッテナサイ!」

 

 魚雷に驚いたまるゆは声を出してしまった。本来、潜水艦は音を発しないようにするべきである。敵に気づかれてしまうと、振り切るのが難しい。まして、ここは東京湾である。深度も潜水艦にとっては深くない

 

「だ、だだだ誰?」

 

「イイカラサッサト魚雷ヲアイツニ撃チナサイ!」

 

「魚雷は……もう持っていないです……」

 

「ハァ!?」

 

 潜水新棲姫は唖然とした。警戒した相手は、2発しか魚雷を積んでいない潜水艦娘だった?こちらの苦労が何だったのか、分からないのではないか

 

 ちょっとしたいざこざが発生したが、言い合いの途中で両者とも固まった。強力な殺気を感じたからだ

 

「誰だ!?私を攻撃した不届き者は!?」

 

 水中マイクでもあるのだろうか?水中の中で、怒りに満ちた声が響き割った。あまりの殺気と怒鳴り声でまるゆと潜水新棲姫は口論を止め、互いに抱き合って震えだした

 

 そして、遠くで何かが着水した音を聞いた瞬間、潜水新棲姫は一目散に逃げた。戦艦棲姫よりも強烈な殺気だ。あの着水音も対潜兵器か何かだろう。しかも、複数聞こえる。航行しながら状況把握していたが、敵は何気に強い。空母棲鬼を遠距離で仕留めた奴だ

 

 一目散に逃げた潜水新棲姫だったが、ある者だけ取り残された。まるゆである。元々、急速潜航して逃げるなんて出来る訳がない

 

3本の魚雷がこちらに向かって来ても身動き取れずにオロオロするばかりである

 

「ど、どうしよ~!」

 

3本の音響ホーミング短魚雷がまるゆに殺到した

 

 

 

「誰だ!?私を魚雷で攻撃する奴は!?」

 

 浦田結衣は怒りで一杯である。ここまで飽和攻撃されたのは予想外であった。電磁パルスには警戒していたが、それに囚われて別の攻撃を受けてしまう事態になっていた

 

浦田結衣は全門斉射して長門を牽制すると、自分自身に搭載してるハープーンミサイルを空母組にいる方へ。そして、大破して漂流しているイージス仕様の軽巡ツ級に対潜ロケットであるアスロックを発射するよう命じた

 

 貴重な現代兵器だが、ここで使わない訳には行かない。そして、何よりも潜水艦が居る事に憤っていた

 

 何しろ、己の装備に対潜兵器なんて無い。ソナーはあるが、あくまで対潜警戒である。F5U『フライングパンケーキ』はもとより、F6A『フライング・フラップジャック』は潜航している潜水艦を攻撃する手段を持たない。可能であるなら、自身に搭載されている対潜ヘリであるSH-60だけである。自慢の対潜ソナーもあり、この時代の魚雷は無誘導であるため躱せると判断した

 

 如何に擬人化した兵器や化け物がいるとは言え、相手は米海軍のバージニア級原潜やロシア海軍のヤーセン型原潜、そして海上自衛隊の最新鋭潜水艦であるそうりゅう型潜水艦の能力を持っていない。第二次世界大戦の潜水艦は、遠くから対艦ミサイルを撃つどころか誘導魚雷も無い

 

 よって、流石の結衣も戦艦に対潜能力をつけようとははなから思っていない。対潜警戒するのは駆逐軽巡の役目であり、戦艦がすべきではない。その軽巡駆逐の深海棲艦はやられてしまった。戦艦棲姫と空母棲鬼によってイージス仕様の軽巡ツ級と空母ヲ級は大破に追い込まれ、電磁パルスで電子機器は使用不能。トドメに時雨と正体不明の潜水艦から雷撃を数発受けてしまった。戦艦同士の戦いはこちらが優勢だが、他の艦との戦闘だと難しい。時雨のような幸運は兎も角(ミサイル不発は流石に結衣自身も驚いた)、潜水艦の雷撃には堪えてしまった。数発受けて中破状態である。現在の所は修復しているが、間に合わない。戦闘に不必要なものは後回しにした

 

この多彩な攻撃により、結衣は怒りを顕わにした

 

「たかが骨董品の兵器ゴトキニヤラレルトハ……イイダロウ。出シ惜シミ無シダ」

 

 異様な戦艦ル級改flagshipの目が一段と赤く輝いた。ここまで追い詰められたのは時雨とあの狂人の息子だ

 

(時雨は兎も角、あの息子、がむしゃらに攻撃命令していない!アイツ、指揮能力がここまであったのか!?)

 

 結衣は艦娘計画の立案者である海軍大佐を警戒していた。息子は学生であるため、そこまで指揮能力はないだろうと。しかし、実際は違った。断片的ではあるが、無線傍受をしていたが、艦娘に命令しているのはあの息子だ

 

(パソコンデータだけで直ぐに指揮出来る訳では無い。アイツ、こんな才能が……)

 

 普通、戦術はそう簡単に思いついて実行出来る訳でもない。勘のいい人間は探せばいるが、それを実行するのは容易ではない。予想できるすべてに対して対策を立てるのは、人的余裕とか物的余裕などがよほど豊富でないと難しい

 

 巨大な砲と正確な射撃能力、そして艦載機を積み深海棲艦を操る。あの息子はこちらに対して無闇に攻撃命令していない

 

徐々に削っているのだ

 

 

 

 浦田結衣は大破した軽巡ツ級にかけより、自己修復を発動した。全て機能回復するには、時間がかかる

 

よって、対潜ミサイルであるアスロックを回復。念のため対潜ヘリもである

 

 また、自身の能力であるハープーンミサイルも回復させた。ハープーンは位置さえ分かればいい

 

 

 

浦田結衣の行動に長門と時雨は動いた。大破し横たわる軽巡ツ級に何かしている

 

「アイツ、一体何を?」

 

「不味い、イージス艦を復活させる気だ!」

 

 時雨は咄嗟に叫んだ。正確には違うのだが、敵の行為は好ましくないのは確かだった。時雨は軽巡ツ級に向けて砲撃を開始したが、浦田結衣が庇っているせいで当たらない。駆逐艦の砲撃では、戦艦ル級改flagshipの防御力を撃ち抜けない

 

「時雨、任せろ!」

 

長門は全砲門向けたが、相手も砲門を長門と時雨に向けていた

 

 長門は奮闘する時雨を片手で突き飛ばした。時雨に被弾させないためである。時雨は飛ばされながらも状況と長門の心情を瞬時に理解したが、それでも長門の対応に不満があった

 

 着水しても時雨は直ぐに駆けつける。その間、両者とも砲撃戦を繰り広げられた。だが、敵は動けないとは言え、攻撃防御も長門よりも上である。砲声と飛翔音が鳴り響き渡り、両者ともに水柱が上がった

 

だが、水しぶきが収まり時雨の目に映っていたのは長門が中破し蹲っている姿だ

 

「照準装置がイカれたが、命中率が下がっただけだ。勝った気でいるのか?」

 

「装甲に傷を付けただけなんて……」

 

 残念ながら長門の主砲弾では、戦艦ル級改flagshipの装甲を貫通出来なかった。いや、艤装から煙が出ており、損傷している。中破だろう

 

「お前の処分は邪魔を片付けてからだ」

 

 浦田結衣は指を鳴らすと同時に軽巡ツ級は多数のロケットを発射した。ロケットは飛翔する、パラシュートが大きく開き、ゆらゆらと空中を飛翔し始める

 

「な、何だあれは?」

 

 大破し力尽きた天龍は空を見上げて驚いているが、時雨は何なのかすぐに分かった

 

対潜ロケットだ!潜水艦娘か深海棲艦の潜水艦が居るのか!?

 

しかし、どうすることも出来ない。撃ち落そうにも弾頭は着水してしまった

 

 

 

 潜水新棲姫は何かが高速でこちらに向かっているのを聞いた。しかも、何か音波は発しながら近づいてきている。しかも、速い!

 

 その正体は、超音波を送信してその反射波を利用するというアクティブ音響ホーミング魚雷だが、そんなものを潜水新棲姫もまるゆも知る訳がない

 

 しかし、敵に発見されたのだから逃げる必要がある。潜水艦は、敵にこっそり忍び寄って魚雷をぶち込むっていう戦い方が基本である。正に狩りをする狼であるが、発見されてしまうと途端に狩られる立場に陥ってしまう。潜水艦は本来、偏った兵器である。敵に発見されていない状態は猛威を振る舞うが、潜水艦ハンターである駆逐艦や対潜哨戒機などに見つかってしまうと逃げざるを得なくなる。駆逐艦は兎も角、航空機に対しては潜水艦は無力だ

 

 

 

 しかし、相手は戦艦なのに、対潜能力を持っているのか?潜水新棲姫は裏切り者の戦艦ル級改flagshipに驚愕したが、実際はそうではない。結衣は確かに自前のソナーはあるものの、潜水艦を攻撃する手段はほとんどない。唯一の手段は数機の対潜ヘリだけである

 

 対潜ミサイルであるアスロックを撃ったのは、瀕死状態であるイージス仕様の軽巡ツ級であった。アクティブソナーで東京湾の水面下を捜査。敵潜が居る事を確認した

 

艦娘である潜水艦3つと小さな潜水艇がいた。なぜ、潜水艇がいるのか分からないが、兎に角、結衣は持てる火力で潜水艦を攻撃した

 

どうぜ、第二次世界大戦の潜水艦だ。艦娘になろうが、『平行世界』の海自の最新鋭潜水艦か米海軍の原子力潜水艦のような能力は持っていまい

 

 

 

 短魚雷に狙われた潜水新棲姫とまるゆは慌てて逃げたが、潜水新棲姫はともかく、まるゆは鈍足である。元々、輸送艇である。よって、まるゆは遅れをとってしまった

 

3発の内、2発の短魚雷は近くにいたまるゆに突進していく

 

 

 

 

 

「な、なんの音?」

 

遠くでソナー音に続き、爆発音が鳴り響く。しかも、海中だ。軽巡ツ級が放ったさっきのロケットと関係があるのか?

 

「一旦、逃げた方が……」

 

「まだ、まだ撃つチャンスがある」

 

伊58は歯を食い縛りながら、次の魚雷の発射準備に入った

 

伊58は『艦だった頃の世界』において重巡インディアナポリスを沈めた経歴がある。しかも、インディアナポリスは原子爆弾を運び終え、帰投する途中であった

 

 しかし、伊58の戦歴はそれくらいである。『艦だった頃の世界』において伊58の任務は、終戦までに人間魚雷である回天……特効兵器を搭載して攻撃する事であった

 

 元々、回天は酸素魚雷を改造して、搭乗員1人が乗れるようにしたものである。太平洋戦争の中期頃、潜水艦と駆逐艦の数が減り使い道が無くなった九三式酸素魚雷を何とか役に立てようと、海軍の若手士官が考えたものである

 

 海軍も大本営も回天に期待していたが、結局は馬鹿馬鹿しい戦果を挙げることなく終わってしまった。所詮、魚雷に人間を乗せたからと言って魚雷の性能が上がる訳がない。インディアナポリスを沈めたのも通常魚雷である

 

結局、正攻法に勝てない相手に小手先の奇襲攻撃は通用しなかったのである

 

 それは兎も角、ゴーヤは接近したのだ。いくら射程距離が長い酸素魚雷があっても、当たらなければ意味がない

 

 時雨と長門が奮闘しているなか、どさくさに紛れ魚雷を発射したが、ほとんどかわされた。そして、何故か他方の方から敵に向けて魚雷を発射しているのもいるが、他の艦娘もいるだろう

 

これは自分の獲物だ!絶対に仕留めてやる!

 

そう考えるとゆっくりと接近した。しかし、相手はそんな生易しい相手ではなかった

 

「伊号潜水艦だな!スライスして刺身にしてやる!」

 

 発見された!直ぐに反転して逃げようとするが、潜水艦の速度は速くても20ノット。振り切るのが難しい

 

そして、何かがこちらに向かってきているのだ

 

「ぎょ、魚雷!」

 

「追尾する魚雷があるなんて!」

 

 まるで生き物のようにこちらに向かっている。ゴーヤやイムヤにとって不幸なのは、海上自衛隊の潜水艦や米海軍の原子力潜水艦のような魚雷防御システムやデコイなんてない

 

 故障でもしない限り命中する。そして、ゴーヤとイムヤに短魚雷が命中。凄まじい爆発を起こした

 

 

 

 一方、一航戦である空母組もロケットのようなものを食らって中破してしまった。彼女達の視点に立つと、「円盤航空機と奮闘して制空権を奪ったのに、突然、魚雷を抱えたものが高速で襲って来た」としか言いようがないのである。赤城と加賀は中破し、龍譲は大破してしまった。防空艦である摩耶は狙われはしなかったが、ロケット攻撃を見て思考停止状態に陥った。ロケットで攻撃して来た??

 

「何なんだよ、これ……」

 

 折角、F6AとF5Uの機動を見切ったのに、強力な兵器を使いやがって!これでは、艦載機は発艦できないではないか?

 

摩耶は提督に今の状況を無線で連絡した

 

 

 

 時雨は愕然とした。多分、魚雷を撃ったのは潜水艦娘だ。雷跡が無かったので酸素魚雷であるのは間違いない

 

 聴音する限り、数は15。戦艦ル級改flagshipが逃げないように多方向から撃ってきたのだ。数本は雷跡があったので深海棲艦のものだろう

 

 しかし、距離がありすぎるのと浦田が咄嗟に動いたため魚雷は回避されてしまった。それでも数本は命中して大ダメージを与える事に成功はしている

 

 だが、結衣の反撃が凄まじかった。浦田結衣はイージス仕様の軽巡ツ級に触れると一部を復旧。対潜兵器を発射してしまった

 

 一航戦の艦載機も気づいたようで阻止するが、爆弾だけでは戦艦は沈みはしない。艦攻を随伴出来なかった事を悔やんだ

 

 しかし、仮に天山がいても、対空砲火に食われていただろう。彗星も被害が甚大だからである

 

ロケットが水面に着水して暫くの間……別々の場所で巨大な水柱が立ち上がった

 

 時雨は軽巡ツ級に向けて砲撃をした。大破した軽巡ツ級は砲を撃って反撃したが、既に瀕死状態。軽巡ツ級は撃沈した

 

しかし、浦田結衣は呆れるように冷たく言い放った

 

「もうイージス艦は必要ない。深海棲艦の潜水艦も居たとは。デコイを出して逃げようとした事は褒めてやろう」

 

尤も、デコイではなくまるゆなのだが、浦田結衣は知る訳がない

 

次に浦田結衣は4発のミサイルを発射した。狙いは何なのか分かる

 

「骨董品の空母が……海の藻屑にしてやろう!」

 

「止めて!」

 

 時雨は砲撃をしたが、相手は素早く動き時雨に接近してきた。時雨は逃げようとしたが、捕まってしまった

 

首を捕まれ持ち上げられる時雨。逃げようともがくが、相手に効果はない

 

「お前の仲間は弱い。浦田重工業を崩壊させた事にはちょっと驚いたが、あれは隠れ蓑だ」

 

「敵討ちじゃないの!?」

 

「それもある。だが、感情なんて既に捨てた」

 

 しかし、時雨は相手の話を聞くお人好しではない。艤装から最後の魚雷に手を伸ばすが、結衣は時雨よりも早くもう片方の手で魚雷を奪った

 

「中々、いい動きと戦い方ではないか。しかし、強力な武器が無ければ、ただの小型船だ、お前は」

 

 結衣は魚雷をある方向に向けて槍のように投げた。投げた先には、時雨を助けようと突進する長門だった。飛んで来る魚雷に慌ててかわそうと方向転換しようとするが、結衣は副砲で魚雷を狙撃

 

長門は魚雷の爆発を諸に受けてしまった

 

「そんな!」

 

「いくら数でカバーしようが、お前達の武器は骨董品だ。勝てる訳がない」

 

今度は結衣の艤装に取り付けられている48cm主砲が後方を向けた

 

結衣の体越しにみると戦艦棲姫、金剛、天龍がこちらに向けて突進してきた

 

 こちらが接近していることに気づかれた金剛達は、 慌てて回避行動を実施したが、相手は既に砲撃を開始した

 

 次々と容赦なく砲弾が放たれ、金剛達を蹂躙する。

 

 捕まっている時雨に当てないように攻撃していることもあるが、距離が近いため照準はそこまで難しくない。問題はの砲撃は強力ということだ。しかも、正確な射撃をしてくるのだから余計に性格が悪い

 

 砲雷撃戦が終わった時、立っている者は一人もおらず全員が海上に転がっていた

 

「ほらどうした? 損傷を受けたが、ある程度は回復した。まだ戦えるぞ?」

 

 結衣は嘲笑する。それは最早悪夢以外の何者でもなかった

 

 いっそ悪夢であって欲しかった。それほどまでに、この怪物は強くなり過ぎたのだ。

 

 戦艦であるため向き不向きはあるものの、強力な砲撃と強固な装甲と短距離離着艦可能な艦載機。そして、自己修復を持っている。そう簡単に殺せないときた

 

もう何かの冗談だとしか思えない

 

「嘘だろ……こんなのありかよ……」

 

「つ、強すぎるネ……」

 

 もう立ち上がる力すら残っておらず、天龍と金剛は絶望の声をあげる

 

 あれだけ攻撃したにも拘わらず、敵は健全であるため、二人のの心をへし折るのに十分すぎた。余りにも理不尽であるため弱音を吐いてしまった

 

「グッ……マダマダ……」

 

「こんな……程度で……ビックセブンは……」

 

 戦艦棲姫と長門は流石というべきか、まだ立ち上がる気力があるらしい。しかし二人の艤装の損傷は激しく、その全身は酷く傷付いている

 

 いくら艦娘は人間よりも身体能力が優れているとは言え、無限ではない。浦田結衣である戦艦ル級改flagshipも無敵ではない。しかし、戦力差を何とかしないと戦況は覆す事は不可能に近い

 

「戦艦棲姫にも……圧倒するなんて……」

 

「『超人計画』は人体強化する手段。不死身に近い力が手に入る。かつて、それで天下を納めようとした一族がいた。しかし、それは失敗に終わった。内部分裂のためにな」

 

「当たり前だ。博士が……嫌っていた理由が……分かった」

 

 なぜ博士は『超人計画』を嫌ったか、分かるような気がした。強力な力を手にする者は決して善人であるとは限らない

 

 何かしら悪用する者は必ずいるだろう。結衣は世界なんてどうでもいいかも知れない。いや、既に証明済みだ

 

「倫理観や人間性で訴える気か?まあ、絶対的な正義なんて存在しない。お前達もどこまでお利口さんになれるか?」

 

 結衣は嘲笑ったが、不意に時雨の首を掴んだ手に力をいれ、時雨を投げ飛ばした

 

時雨は海面に叩きつけられるが、直ぐに立ち上がる。身体はあちこち痛み、悲鳴を上げているが、捕まり拷問されたときに比べればマシだ

 

 しかし、時雨の視界に映っていたのは、結衣は時雨から離れ海面に手を伸ばしている姿だ。何かを掴んだらしく、何かを引っ張り出した

 

そして……

 

「離セ、裏切リ者ガ!」

 

 水面から現れたのは白いワンピースを着た白いロングヘアーの幼女だった。さっきの対潜攻撃を受けたのか、あちこち怪我をしている。深海棲艦の潜水艦なのだろうか?首を捕まれ拘束されているが、幼女は必死に抵抗している。時雨は知らないが、まるゆと一緒にいた潜水新棲姫である

 

「こっそりと攻撃するつもりだったか?ソナーでバレバレだ。仲間はどこだ?」

 

「知ラナイ!」

 

「どっちでもいい。潜水艦の姫級だな。さあ、手駒ニシテヤル」

 

 時雨は焦った。不味い、あの深海棲艦は結衣によって洗脳されてしまう!白い幼女が、頭を抱えながら凄まじい悲鳴を上げた

 

時雨は動き出したが、それよりも早く何かが結衣に体当たりをした

 

「サセルカ!」

 

 戦艦棲姫は体当たりをし潜水新棲姫を助け出した。救助を確認した怪物艤装は巨大な腕で結衣を殴りかかる

 

女の腰ほどもある太い腕で拳を突き出した。

 

水しぶきが舞い、何かがへし折れる音が響いた。

 

 やった! その光景を見て時雨は思わず拳を握った。

 

 ――だが

 

「余り粋がるな。無駄に体力使ってしまうじゃないか」

 

「…………ッッ!?」

 

時雨は愕然とした。敵は倒れていない!

 

 結衣は戦艦棲姫の拳を小さな掌で止めている!それどころか、怪物艤装が恐ろしい悲鳴を上げている!

 

「ナッ!」

 

「がっかりだよ。あんたに憧れていたのに」

 

 結衣は怪物艤装に強力な蹴りを入れる。しかも、身体の差があるのにも拘わらず、戦艦棲姫に向けて蹴り飛ばされているのだ

 

 物理法則を無視した光景に流石の戦艦棲姫も愕然とした。そのため、咄嗟に反応できず戦艦棲姫は思い切り怪物艤装に叩き付けた。

 

「ガアァァ!?」

 

「キャァ!?」

 

二体の怪物が盛大に吹き飛び、海面を削りながら飛ばされてしまった

 

 

 

非現実な光景に時雨は、震え出した。ここまで強いと倒しようがない

 

しかし、追い討ちをかけるように結衣はとんでもない事をした

 

「お前の大事な仲間は、無事なのか?」

 

 戦艦ル級改flagshipは一発のミサイルを発射した。しかも、ミサイルが向かった方角は……

 

 

 

「あ、ああ。そんな……」

 

 それは提督達がいる場所だ。海岸にいるまだはずだ。警告しようと無線に入れたが、報告する途中に結衣に殴り飛ばされた

 

 

 

 

「提督……短時間ですが、時雨から通信がありました」

 

「何と言ってきた?」

 

「分かりません。逃げろとしか……」

 

 地対艦ミサイルを発射し、結衣の電子機器を破壊する。コンピューターを破壊すればこちらに勝機はあると思ったが、相手は強い。何しろ、強力な大砲を積んでいる。イージス艦のようなハイテクの塊ではない

 

「クソ……浦田結衣は電磁パルス対策のためハイテク積んでいなかったのかよ」

 

 電磁パルスの後、空母組の空襲と戦艦による攻撃で徐々に戦力を奪う。敵の自己修復は無限ではない

 

 それは分かったのはいいが、敵も簡単にやられるだけではない。対艦ミサイルと対潜兵器だけを優先的に回復させたのだろう

 

 潜水艦娘は攻撃を受けたと連絡を最後に応答がない。空母組もロケットのようなものを受けてしまった。中破であるため撃沈はしないものの、空母の能力を失ってしまった。帰投してもいいか?という連絡があるという。長門もリアルタイムで連絡してきたが、戦況は芳しくない

 

「一艦だけでここまで……」

 

 大淀が呟いた。このままでは全滅してしまう。そのため、海面に目を向けたその時、何かが物凄いスピードを出しながらこちらに向かっている

 

「あのクソ女!遠距離攻撃出来るのか!」

 

 今思えば敵はミサイルを積んでいるとの情報はあった。しかし、浦田重工業が崩壊した今、貴重であるため乱用はしないだろうと思った。いや、攻撃してこないと勝手に思い込んだだけである

 

提督もそこまで頭が回らなかった

 

「伏せろ!」

 

 提督は大淀を庇うように立ち塞がった。地対艦ミサイルを出し惜しみするのではなかった

 

明石も軍曹も将校も慌てて逃げようとするが、間に合わない

 

 

 

 提督は目を閉じ身構えた。爆発の衝撃を。しかし、爆発音は遠くで起こっているように聞こえた。爆風も炎も来ない

 

恐る恐る目を開けたが、信じられないものが提督なの目に飛び込んでいた

 

「世話ノ焼ケル一族ダ」

 

海上に誰かがたっていた。

 

灰色の和服と膝丈の袴を着た女性が立っていた。いや、艤装は深海棲艦のものなので、深海棲艦なのだろう

 

あきつ丸は慌てて攻撃しようと武器を構えたが、相手は怯みもしなかった

 

「諦メナナヨ。ソンナ貧弱ナ武器デハ私ヲ倒セナイ」

 

 しかし、相手は攻撃する意志は無いのか、艤装をこちらに向けてはいない。あきつ丸と駆けつけた将校達が戸惑う

 

 艦娘はほとんどいない。今いるのは、あきつ丸と負傷している大淀と武蔵だけだ。明石は工作艦であるため除外している

 

 大淀はよろめきながらも無理矢理、艤装の砲を向けようとするが、誰かが遮る者がいた

 

それは……

 

「親父、何を?」

 

「待ってくれ……そんなバカな?」

 

 親父は何か新薬か何かを製薬していたらしい。内容も秘密と言っているだけで明かしてくれない。しかし、目の前の深海棲艦が現れた姿を見て駆けつけたのだ

 

「駆逐古鬼……」

 

「ソウ、貴方ガ創ッタノネ。彼女ヲ」

 

 駆逐古鬼は博士の目を見ながら大淀とあきつ丸を指を指した。小柄の身体なのに圧倒的な威圧感を放っている。大淀とあきつ丸、そして駆けつけた明石も目を見合わせた

 

 なぜ、艦娘が生まれたか。大まかな事は聞いている。しかし、どうも何か知っているらしい

 

「まさか……数百年前……」

 

「蘇ッタ」

 

 駆逐古鬼は淡々と話す。その時、もう一発の対艦ミサイルがこちらに向かっている。結衣がもう一発放ったものだろう

 

目標に命中しなかったことにもう一発打ち込んだらしい

 

「危ない、逃げ――」

 

 だが、駆逐古鬼は提督の忠告には無視する。それどころか、抵抗もせずに躱しもせずにミサイルの針路上に平然と立っている始末だ

 

 ミサイルは狂いもなく駆逐古鬼に命中し、炎と爆発が彼女を襲った。だが、爆発が収まった頃には、まるで何もなかったかのように立っている

 

「効いていない!」

 

 提督は信じられなかった。あのミサイルは浦田重工業が製造した対艦ミサイルのはず。深海棲艦にも効果はあるはずだ。それを諸に受けても何事もなかったかのように立っている

 

いや、偽装が黒ずんでいる事から無傷ではないようだ

 

「『平行世界』の兵器によって艦娘は苦戦しているのに、あんなに立って――」

 

「コノ程度ノ威力デハ、私ハ大破シナイ」

 

 何事もなかったかのように独り言を言う駆逐古鬼だが、周りは驚愕していた。全く効果が無いように見える

 

「何で平気なんだ?」

 

軍曹は唖然としていたが、駆逐古鬼は素っ気なく言い放つ

 

「飽和攻撃ナラトモカク、アンナ程度デハ沈マナイ」

 

 どうやら、ミサイルでも鬼・姫級は対艦ミサイル数発だけでは沈まないらしい。だが、提督は耐久力が艦娘よりも高いのは納得いかないようだ

 

「ところで……何の用だ?」

 

皆が駆逐古鬼に向けて武器を構え警戒する中、提督は淡々と質問をする

 

 

 

 伊58は意識を取り戻した。何があったかを思い出したのだ確か、追尾する魚雷にやられたんだったっけ?爆雷とは違う対潜兵器……

 

たった一発で沈んでしまう

 

「そんな……ゴーヤは……また海へ……」

 

どんどん沈む身体。浮上しようにも艤装が言うことを聞かない

 

「嫌……」

 

ゴーヤは泣きそうになった。提督の顔も見ず、一方的にやられるなんて理不尽過ぎる

 

「嫌でち!死にたくないでち!」

 

 ゴーヤは子供のように泣き喚いた。折角、貰った命だ。生きたいという感情が沸き起こった。『艦だった頃の世界』には無かった感情

 

しかし、現実は非情だ。海面が遠くなっていく

 

「嫌でち!嫌でち!死にたくないでち!」

 

ゴーヤはだだっ子のように泣きした。その時、誰かが声をかけた

 

「あの~」

 

 ゴーヤは動きを止めた。何と人の声が聞こえた。水中の中でも話せる事から潜水艦娘だ。しかし、イムヤではない

 

そして、自分の身に起こっている事を把握した

 

ゴーヤは海底にいるらしい。そして、声をかけた人は白いスク水を着た小柄の女の子。艤装があることから艦娘だろう

 

「君は……」

 

「まるゆです」

 

「よろしく。ところで……ここは天国?地獄?」

 

「分かりません~」

 

戸惑いながらもまるゆという艦娘に問いただしたが、相手も分からないらしい

 

 ゴーヤ自身も自分の身に何があったのか分からなかった。確かに攻撃を受けた。撃沈されたのは確かだ。しかし、何故か生きている……

 

「あ、居た居た。ゴーヤ、ここに居たんだ」

 

次に声をかけられ歩きながら近づいて来るのは、イムヤだった

 

「何があったでち!沈んでいたのに生きているのは――」

 

興奮状態になりながら早口で話すゴーヤだが、イムヤは手で制した

 

「分かっている。攻撃を受けて撃沈しても私達が生きてることに疑問持ってるんでしょ?」

 

 イムヤ自身も先ほどまで泣きわめいて居たらしい。自分がこれから死ぬんだと。しかし、どうも死んでいないらしい

 

「何故でち!?」

 

「あー……何て言えばいいか……これは私の予想だけど」

 

イムヤは考えながら慎重に言葉を選んでいるようだ

 

「ここって東京湾だからじゃない?」

 

「……」

 

ゴーヤは絶句した。そう言えば、確かここは東京湾だったような……

 

 

 

 東京湾の最深部でも70m程度。伊号潜水艦は艦によって誤差はあるものの、100mまで潜れる。まるゆも小柄でありながら安全潜航深度110mである。尤も、安全潜航深度を超えた潜水をしていたらしいが

 

つまり、伊58達は浅瀬に乗り上げた船と同じであるのだ

 

「攻撃受けて座礁って聞いたことないでち」

 

「よく分からないけど、私達は生きているの。東京湾内だったから助かっただけよ」

 

恐らく外洋だと戦死していただろう。浮上できずに深い海に沈む……

 

考えただけでもゾッとする。そう思うと海底でのんびりとする必要はない

 

「帰るでち」

 

「歩いて帰るの?」

 

「仕方ないでち。浮上出来ないんでしょ?」

 

潜水艦娘は出撃した海岸に向けて海底を歩きながら出撃した場所へ向かった

 

まるゆも出撃する途中で東京湾の海底を歩いていたらしいが

 

 時雨達が洋上で奮闘する中、海底ではある小さな集団による海底の散歩が始まったのである

 

 

 

「くっ!」

 

蹴られながらも時雨は立ち上がった。これでは、また未来の戦争と同じだ

 

味方はもう戦える力が無い

 

「諦めろ。もう小細工は通用しない。お前の仲間も死んだ」

 

「提督は生きている!諦めない!」

 

時雨は結衣を睨んだ。降伏する気は無い

 

 一方、結衣は顔には出さないが、内心では焦っていた。弾薬燃料が半分を切った。如何に強かろうが、撃つ弾が無いと意味がない。また、現代兵器はほとんど失ってしまった。レーダーやコンピュータは応急処置で何とか復旧したが、こちらも無傷という訳では無い

 

 しかし、時雨達の戦力は既に壊滅している。長門も戦艦棲姫も大破して力尽きている。空母組は対艦ミサイルで黙らせ、潜水艦は撃沈された(但し、生きている事を誰も知らない)

 

 だが、何より気になるのは息子がいる海岸に対艦ミサイルを撃ち込んだが、どうも途中で爆発している。もう一発撃ち込んだが、結果は同じ。ミサイルを迎撃する装置は無いはず……

 

 しかし、もうミサイルは無い。代償は払ったが、戦艦ル級改flagshipの大改装は間違っていなかったようだ

 

「もうお終いか。屑鉄が私に勝てる訳が――ん?レーダーに反応?」

 

 結衣は何者かが近づいて来るのをレーダーで探知した。電磁パルスの影響で完全復旧ではないが、反射パターンから見て戦艦だ。しかも、大きい。長門以上もありそうだ

 

「フン、決戦兵器がのこのことやって来たって訳か」

 

 結衣は知っていた。兄の第二次世界大戦の兵器の講習で習った世界最大の戦艦の存在を

 

 




おまけ
駆逐古鬼「ATフィールド!」
浦田結衣「ふざけるな!」

伊号潜水艦娘撃沈(但し、死んだとは言っていない)
東京湾は潜水艦にとって浅い方です。しかも、リアルな潜水艦ではありませんから乗組員はいません(妖精除く)。ピンピンしています

撃沈であるが……死ぬのは深い海に沈んだ場合で浅瀬なら問題ない
ホラ、艦これ漫画で艦娘達は夏に海に潜って泳いでいますが、あれは撃沈にはならない
今のゴーヤ達はダイビングをしている訳です
潜水艦娘のみ浅瀬(100メートル以下の海域に限る)で撃沈にならない。そう言うことです()

深町「その通りだ。東京湾で潜水艦沈められても引き揚げればいい。俺の艦である『たつなみ』もそうだった」
速水「でも、あれは撃沈されたというより米原潜に押し潰されたと……」
深町「余計な事を言うな!」

『沈黙の艦隊』でも東京湾に沈んだ「たつなみ」を引き上げていますから
真珠湾攻撃で沈んだ戦艦もアメリカは引き上げられましたからね


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