○月×日
次の日、俺は会議を開いた。信頼出来、かつ、口が固い艦娘を集めたのだ。一航戦の赤城、加賀。ビックセブンの長門と金剛に軽巡大淀。そして工作艦である明石、夕張に水上機母艦である秋津洲
「Shit!あの大将、殴り飛ばしたいデース!提督を侮辱するなんて許さないデース!」
金剛は怒り狂ったが、他の艦娘は違った。昨日の出来事を聞いた一同は、表情が暗かった。大将よりも父が残した論文の方がショックを受けたのだ。まさか、ここまで事態が悪化しているとは思いもしなかったからである
「提督の父の論文が本当なら……本当に誰も生き残れない事なる。これは会議でも何でもない。今すぐに事態を皆に伝えないと」
「長門、伝えて何になる?」
俺は金剛が淹れてくれた紅茶を飲みながら呟いた
「大パニックになるだけだ。地下深く掘れば、奴らの目から逃れられるというのも嘘だ。自然災害ではないんだぞ」
後日、大将から連絡があったが、大本営の案は地下深く掘って潜り、深海棲艦がこの世界を去るまで時を待つ事。とてもじゃないが、あまりにも馬鹿馬鹿しいものだった
しかも、いつ用意したのか。北海道に地下深く災害避難用の地下施設があり、そこへ限られた人達だけ住めるという事だ。一体、何のために作ったのか検討もつかない。しかし、今回はそれすら無駄だろう。いずれ見つかる。論文の最後の文は細工しておいた。気付かれても問題ない。数年後には人類は恐竜みたいに絶滅する可能性があるのだから
「過ぎた事を議論しても時間の無駄。貴方の父親が死ぬまで深海棲艦を研究していたのなら倒す方法だけでなく、この事態を防ぐ研究もしていたはず」
「あるなら俺が見つけている。もう手はない……済まない。俺が……俺が昔、親父と喧嘩さえしなければ……」
「提督、自分を責めないで下さい。流石に頭に来ます」
加賀はいい奴だ。励ましてくれるのだから
「もう一度、父の研究施設を調べてみる。明石と夕張と秋津洲は俺と一緒に来い。長門、俺の代理で艦隊の指揮を取れ。ただ、出撃はするな。今の戦力だと無駄死しかない」
○月×日
俺は直ぐに父が残した研究施設に向かい、全て捜索した。全ての部屋をひっくり返し、荷物も全て調べた。鍵が掛かった複数の金庫も明石と夕張がこじ開けてくれた。しかし何も無かった。金品と工廠や艤装などの設計図。そして、よく分からない論文に札束だけ
「流石に無いかも……」
音を上げる秋津洲に俺は、声を掛けられなかった。夕張は金庫から取り出した論文を読んでいたが、途中で放り投げた。関係ない事しか書いていなかったらしい
「せめて、あいつらに対抗出来る武器の設計図があればいいんだけど」
「大国でも造り出せなかった代物だぞ。仮にあったとしても造れるかどうか」
まだ夕張が読んでいない論文を手に取り、読み始めた。数枚めくると興味深い事論文が書かれていた
(時空?ワームホール?この原理を基づいくある可能性??)
それは、深海棲艦が現れた原因について書かれていた。今となっては役に立たないが、ある記述と可能性が書かれているのを見つけると俺はこれに掛けた。もう……手はない
「本気ですか……」
その夜、俺の計画を聞いた明石は信じられない風に聞いた。2人も唖然としていた。狂気の沙汰ではなかった
「出来るか?」
「いくら何でも滅茶苦茶です!電探や大砲などの開発や改修はした事ありますが、あくまで常識の範疇です!」
「もう一度、聞く。造れるか?」
「……論文では可能性としか書かれていませんから何とも……。理論的には可能です」
明石は俺を信じられない目で見ていた。当然だ。俺の計画は馬鹿げている
「論文によると親父は深海棲艦の原因を調査している内に、信じられない発見もしたとか」
「提督のお父さん、本気で過去へ行きたかったかも?」
「さあな。恐竜でも見たくなったかもな。真相は知らないが、親父は止めた。理由は、コストがかかるのと大電力がいるためだ。だが、これしかない」
秋津洲も夕張も空いた口が塞がなかった
「でも、どうするんです?提督の父の理論が正しかったとして、過去へ行く機械は私でも造った事がありません。設計図を書いていたようですが、本当に動くとは限りません。試作すら造っていませんから。それに資源だけでなく、発電所並みの電力が必要です」
「援軍が必要だな。後で陸軍の奴らと声をかけよう。同意してくれるかどうか……」
○月×日
鎮守府に戻って直ぐに集め、情報の整理を行った。しかし、反発されたのは言うまでもない
「提督……いくら何でも滅茶苦茶だ。変わらないどころか事態を悪化させているだけだ」
「テートク!私でもこれは賛成出来ないデース!」
「分かってる。だけど、この手しかない」
長門金剛は真っ先に反対された。無理もない。時間旅行するための機械を造るために時間を稼ぐ。しかも、秘密にするため深海棲艦を倒す超兵器計画。『新型兵器』を開発しているという嘘を大本営に伝える。いや、大本営「だけ」ならまだいい。問題は陸海軍の軍人や国民どころか今集まって貰っている艦娘以外の艦娘達にも伝える事だ。艦娘達は、真相も知らずに戦う事になる。勝つという幻想を信じて
「提督、私はどんな命令でも従います。しかし、これは流石に同意出来ません!」
「艦娘に特攻するよう命じているようなものです。いいえ、それよりも酷いわ」
赤城も加賀も意見は同じだ。反対されて当然だ
「分かっている。すまない。お前達を……『あいつ』が望んだ計画をこんな形になるとは……。せめてこちらにイージス艦のような艤装があれば……。何処で道を間違えた?」
親父に反発して得たものは何も無かった。親父はクズではなかった。俺は聞き流し、見返してやるために家を出た。結果……艦娘計画が成功しても、既に遅すぎた。軍の思惑くらいで反発しなければ、何とか成ったかも知れない。いや、過ぎた事を悔やんでも無駄だろう。これは罰だ
「今すぐとは言わない。ただ保険は掛けておく」
誰も言わない。結局、この件は保留となった。彼女達は負けず嫌いだ。その勇気は俺も認めるものだが、今回の出来事に対してその意地は慎むべきだと思った。どんな攻撃を仕掛けても通用しない。そんな気がした
○月×日
艦娘計画を支援してくれていた陸軍将校に現状を全て伝えた。驚く事に陸軍将校は俺の案に同意してくれた。何故かと聞かれると興味があると。親父の事を知っているらしく、以前から『艦娘計画』には興味があったらしい
「選択肢としては最悪だが、これしかないとなると仕方ないな。大本営は私に任してくれ。これから日本は大変な事になるだろう。暴動や略奪が起こるかも知れない。テロやゲリラは任してくれ。艦娘の護衛をしておく」
「しかし、貴方の部下……兵士達には何と?」
「私のところは大丈夫だ。ただ部隊長である軍曹が気がかりだ」
将校はメモを取り出し、書き留めていた
「あの中佐、1つお聞きになってよろしいですか?」
「畏まらなくていい。普通に接してくれ。何だ?」
俺は聞かずにはいられなかった
「今なら引き返せます。私のしている事は、戦争犯罪です」
「何だ、そんな事か?」
陸軍将校は笑う。別にどうでもいい、という風に見えた
「善か悪かはともかく、これには私なりの考えがある。お前は鎮守府を移転させた方がいい。戦力を温存しておけ」
○月×日
大本営は俺の『新型兵器計画』に飛びついた。大本営は最優先でこちらを援助する事に合意した。……それは兵器でも何でもないのに。データも資料も出鱈目だ。しかも元ネタは、陸軍が発案した怪力光線。所謂、殺人光線だ。これを敵に照射すると深海棲艦を一網打尽出来ると。明石や夕張、そして陸軍将校には済まない事をした
ある軍人は艦娘に変わる兵器だ、と言っていたが、俺は何も言わずに笑顔で答えた。人の考えは千差万別だ。しかし、深海棲艦を倒す事すら出来ない人達が、艦娘を蔑む権利などない。だから俺も好きにした。深海棲艦が目の前に現れ、その人の家族が殺されても俺は知らないし、責任も取らない。俺と同じく誤った道を進むといい。過ちであると気付いた時には、既に手遅れであると
○月×日
敵に有効な攻撃手段がない今、撤退戦を行うしかない。大本営にイージス艦の兵器データを寄越したが、信じられない事実があった。何と建造データは持っていないというのだ。当時の会社は管理が徹底しているらしく、詳細な整備やCICと呼ばれる戦闘指揮所は、会社の人間しか操作していなかったらしい。海兵も船長も艦橋で船の舵を取っていただけ。つまり、完全なブラックボックスと言う事だ。深海棲艦がどうやってイージス艦を無力化したのか分からなかった。当時の報告書では、急に動かなくなったとの事だけ。イージス艦建造に関わっていた会社員は深海棲艦の襲撃で全員死んでおり、当時の乗組員全員も分からないとしか言わない。操作もバカでも分かるマニュアルがあり、乗組員はそれに従って操作していたという事。マニュアルを見たが、船の操縦だけで肝心の兵器システムは無し。流石に呆れたが、今はそれどころではない。敵の最新鋭兵器の情報が余りに少なく、ロケット攻撃を防ぐ方法が見つけられなかった
そのロケットも速すぎて対空砲火も機銃も捕らえられない。いくつか攻撃を仕掛けたが、どれも失敗した
低空飛行、囮作戦、バルジや装甲の増設、夜襲など。しかし、どれも敵に通用せず、いたずらにこちらの戦力を削っているだけだった。夜戦好きな川内が大破して帰って来た次の日の夜は、静かだった。真夜中に、あんなにはしゃいでいた川内が……
ただ敵の兵器の鹵獲に成功した。……尤も、雪風の艤装に不発のロケットが突き刺さっていたのを回収しただけ。不発弾とは言え、唯一の成果だろう
○月×日
例の不発弾のロケットを明石が調べた結果、ロケットの内部は炸薬の他に、誘導装置と推進装置があるのだが、どれも全く見たことも無い技術に素材が使われているという。俺はコピーしてこちらも使えるか?と尋ねた所、明石も工廠妖精も首を振った。不可能だと
○月×日
大本営は拠点の異動を命じられた。大阪の港を臨時に使ってもいいとの事だ。俺は素直に返事したが、艦娘達は反対した
「大本営は九州の防衛を放棄する気だぞ!」
長門の言っている事は正しい。沖縄は陥落した。大本営は九州……下手すれば四国まで見捨てるつもりだ。民間人の避難も不十分だろう。受け入れ先がほとんどない
「分かっている。しかし、どうしようもない。大本営は志願兵まで集めているらしいが、果たして効果があるかどうか」
「再びあの戦争と同じ道を歩もうとしているのだぞ!それを黙ってみろと――」
「今回は敵が違う。お前たちがいた世界ではアメリカ軍はあくまでも人間の集団だ。しかし、深海棲艦は人間ですらない事だ。しかも彼我の戦力がまるで違う。戦時国際法も無条件降伏も通用しない。それにもう…俺も艦娘が無駄に撃沈される所は見たくない」
未だに有効な攻撃手段がない今、出撃すら出来ない。貴重な戦力が磨り減るだけだ。あのロケット兵器の鹵獲には喜んだが、ぬか喜びだったようだ
「明後日、陸軍が用意してくれた輸送機で異動するぞ。大阪には確か米国軍人が、自国の艦娘を建造していたようだが…それも確認したいしな」
○月×日
大阪に着いた我々は、地下に基地を造った。地下を貫通する爆弾に狙われたら最後だが、仕方ない。基地の機能が正常に動作するのを確認した後、俺は艦娘全員に休暇をやった。大阪神戸の街を自由に観光していいと。艦娘は大いに喜び遊びに出た。特に神戸に行きたがっている艦娘が意外にも沢山いた。何でも艦だった頃の世界では、世界は違えど神戸で建造されたと言う事。はしゃぐ姿で基地を出る艦娘達を見送った後、俺は地下施設に戻った。この基地は艦娘と陸軍将校が率いる兵士達が運営していた。今では最小限の人数だ。陸軍の兵士達も外出しているのだろう
部屋に戻る途中、帰りを待っていたのか、壁にもたれる艦娘がいた。天龍だ
「どうした?外出しないのか?」
「そんな気分じゃねぇ。なあ、提督。何人死ぬと思う?」
天龍は暗い顔をした。今までは怖いか、と自慢げにする艦娘だったが、龍田がいなくなてから性格が変わった
「それは分からない」
「嘘が下手だな、提督。もう手はないんだろ?」
天龍はお見通しだった。いや、長門達も知っているだろう。これから先、激しい戦いになる事を。何か手を打たないと本当に不味い事になる。しかし、現実はそんなに甘くなかった。俺も楽観視していた
○月×日
俺は戦う準備を整えていた。基地航空隊も揃え、戦力も揃えた。せいぜい、敵の侵攻が食い止めればいいと思っていた。また、新たに駆逐艦4隻を建造の指示をした。建造の初めから地獄を見せる事になるのはつらい。しかし、やるしかない。最新鋭兵器の弱点さえ分かれば…。浦田重工業が建造したイージス艦の弱点さえ分かれば、何とかなる。でも、敵の勢力はどんな想像も超える衝撃だった
結果から言うと…敵がまた一段と強くなった。高高度から大型爆撃機が飛来し、大阪神戸そして京都の街を無差別爆撃を行った。全て繰り出したのだろう。深海棲艦の新旧が入り混じっており、空には従来の艦載機と例のジェット機が空を我が物に飛びまわっていた。航空基地から雷電や飛燕など局地戦闘機が上げたが、敵の爆撃機はこちらの航空機よりも高く、しかも速く飛んでいる。1機も撃墜出来なかった。深海棲艦の侵攻に艦娘は出撃し応戦したが、数分で防衛線を破られた。地下司令部も爆撃を受け、俺も危うく瓦礫の下敷きになるところだった。建造された白露型4人も敵潜のロケット攻撃にやられた。もう全滅するかと思われたが、意外な所から増援が来た
○月×日
陸軍将校が用意してくれた車両に乗った俺達は車の外から街を眺めていた
あの日は日が沈んで辺りは暗くなるはずだった。しかし、火の海が辺りを照らしていた。何千もの人々が殺され、道路には多数の人々が都市から逃れようと長蛇の列が並んだ。軍や警察が避難民を誘導していた。艦娘は燃え盛る都市を見て呆然自失していた。俺は無力だった。あらゆる戦略や戦術を駆使したが、どれも敵に決定的なダメージを与える事が出来なかった。既に艦娘の喪失が激しかった。金剛も榛名も翔鶴も沈んだ。羽黒、妙高も帰らぬ人となり足柄の号泣に那智が慰めていた。特に軽巡と駆逐艦の消耗が酷かった。もう言葉にならない。時雨の艤装に例のロケットが見つかった。不発の状態で刺さっていたため、明石と夕張が丁寧に引き抜き処置した。いつ爆発するか分からないため破棄するよう命令した時、ある戦艦がこのロケット兵器に反応した
○月×日
戦艦アイオワは敵が使っている最新鋭兵器を知っていた。彼女は敵から奪って自身に取り込み使いこなせたと言っていたが、それは誤魔化しだ。野営時に誰もいない所で事情を聞いたが、ようやく敵の最新鋭兵器の正体が分かった
アイオワの話だと、建造完了で工廠から出た時には既に周りは火の海だったと言う事。例の米国軍人は既に死亡していたという事、長門が戦艦ル級改flagshipの攻撃で危うく撃沈されそうになったところを助けたという事。資源保管庫にある全ての資源をアイオワの改修にあてたと言う事だ
俺はアイオワとサラトガを歓迎した。特にアイオワの近代化改修された艤装は貴重な戦力だった
次の日、海から救難信号の発信を認めた。罠かと思ったが、英語とドイツ語だったため、アイオワに向かわせた。損傷が酷かったが、間違いなく海外の艦娘だった
○月×日
一同は小さな村に着いたが、そこには誰もいなかった。当然だ。爆撃されたのだから。建物は崩れ落ち瓦礫と化し、道路には沢山の遺体が散乱していた。彼等は先日まで生きていた。それが今では……。流石に駆逐艦達には見せられないため離れた所で野営する事にした
もう沢山だ
○月×日
再び会議を開いたが、全員沈痛な面持ちばかりだった。会議のメンバーだった金剛はもういない
「もう……無理だな……」
長門が弱音を吐いた。威厳とした姿は、もう見る影もない。長門を率いる艦隊は、戦艦ル級改flagshipを率いる敵艦隊の猛攻を受けた。戦艦ル級改flagshipがロケット攻撃で大破した金剛榛名を止めを刺し、撃沈されたのを見て頭に血が上り、砲雷撃戦を仕掛けた。しかし、相手にかすり傷すらつける事が出来なかった。逆に返り討ちを受け、長門は大破してしまった。アイオワが来なければ沈んでいただろう。赤城も加賀も大淀も同様だ。戦力差が余りにも大きすぎる。敵が強すぎて話にならない
「このメンバーに新たな仲間を加える。アイオワとサラトガ。そして2日前に英独から亡命して来たウォースパイトとプリンツオイゲンだ。アメリカの艦娘は知っているな。もう二人は欧州壊滅する直前にこちらに逃げて来たらしい。だが、生き残りは2人だけ。ほとんどは沈んだ」
4人を紹介したが、他の者は驚愕した。アメリカの艦娘の事は知っていたが、まさか欧州から亡命がいるとは思わなかった
「いいのですか?」
「俺の判断だ。聞いてくれ。敵の最新鋭兵器の弱点を駆使して敵を食い止める。弱点はアイオワが持っているノウハウや武器を使う。だが、それは苦肉の策だ。完全に食い止める事は出来ない。いずれ国どころか世界は滅ぶ。既に国のトップの大半は死に、生き残った者は北海道へ逃げた」
陸軍将校からの連絡で今の現状を把握した。日本中の軍事関連施設は燃えているため、もう国の支援は期待出来ない
「これより我が部隊は、大本営の指揮下から離脱する。4人には悪いが、俺が『創造主』の息子だからと言って、何も期待しないで欲しい。もう他に道は無い」
俺は例の図面を見せた。父親が残した設計図だ
「親父が計画途中だった過去へ送る機械を造る。誰でもいい。過去に使者を送り、過去の俺と親父に接触。そして、この最悪な事態が起こる事を警告をする。誤った歴史を改変しなければならない。上手く行くかどうか別だ。このまま、何かしなければいずれ皆バタバタと死ぬだろう。民間人は飢え死。軍人は戦死。俺達は……言わなくても分かるか。それか……最後の数年を有効に使うか」
「過去へ送る機械……そんな事が……」
サラトガは驚き、他の3人、アイオワ、プリンツオイゲン、ウォースパイトは信じられない顔をしていた
「「Time machine」」
アイオワとウォースパイトが同時に発した
「タイムマシン?」
「Yes. It is a machine that comes out in science fiction written by a novelist in the UK. That machine is free to come and go to the future. The name that arrived at that time was Time Machine(はい。イギリスのある小説家が書いたSF小説に出て来る機械です。その機械は未来過去へ自由に行き来するものです。その時についた名称がタイムマシン)」
ウォースパイトは説明していた。何とか流ちょうな英語を聞き取れた。しかし、まさか昔にそんなSF小説があるとは……
「『タイムマシン』か。良い名前だ。機械の名前はそれでいいだろう。本作戦はこれを製造し、過去に使者を送る。アイオワが提供する武器を使って深海棲艦の侵攻を食い止め、明石達が『新型兵器』の製造する時間を稼ぐ。『新型兵器』は深海棲艦を一瞬で滅ぼす力を持つという噂を流す。これで深海棲艦は民間人を虐殺してくて済む。札幌には伝えておく」
「それでは敵にバレるのでは?」
赤城は心配していたが、俺は首を振った
「一度、大本営に説明してしまったからな。先の大攻撃の際、深海棲艦は海軍大将から情報を聞き出そうとして尋問したらしい。無残に殺されたが。もう敵は偽情報を信じていると見ていいだろう。俺達は降伏どころか、もう逃げる事も出来ない。生きるか死ぬか。それだけだ」
敵は、躍起としてこちらを叩くだろう。しかし、アイオワの武器で、敵は戦略を立て直さないと行けなくなる。それまで時間を稼げるかどうか……
「情報を攪乱するために拠点を転々と移動する。難民キャンプを重点に戦う。全滅する前にやるぞ」
しかし、俺は甘すぎた。後であんなことになるなんて……
オマケ
明石「嘘とは言え、殺人光線を説明するくらいならメーサーを説明すればいいのに」
夕張「それだったら90式メーサー殺獣光線車などの光線兵器ものを説明した方がみんな、喜びますよ」
秋津洲「冷凍レーザーの方がいいかも。凍らせば、みんな食いつくかも」
陸軍将校「となると、我々の部隊は東宝自衛隊に近づかないといけないな」
提督「お前ら、ネタ満載の嘘情報を上層部が信じると思うか?」
殺人光線の元ネタは史実で様々な珍兵器の開発した陸軍登戸研究所のく号(怪力光線)より参考しました。レーザーを開発していたかどうかは不明でしたが、電磁波兵器は造っていたようです。特にマイクロ波だと、人体の水分が共振して熱を発生します。要するに電子レンジでチンされた状態になるためヤバイです
因みに、く号である怪力光線の成果は豚一匹も殺せなかったとか(10m先のウサギを殺す事に成功したらしいが真偽は不明)
どちらにせよレーザー兵器は、まだ空想科学の世界でしょう。マイクロ波兵器は、最近になって米軍が開発らしいですが