浦田社長が去る直後、俺は親父を問い詰めた
「おい、今の話は本当か!?」
「……っ」
「どうなんだ!あのノートに書かれていなかった所を見ると、未来の俺は知らなかったようだ!」
声を荒げる俺に親父は目を逸らす。何も言うまいと頑なに口を閉ざした
「深海棲艦を知っている癖に、なぜ皆に知られなかった!?俺のご先祖様は、独裁者だったのか?」
「違う!」
親父は即座に否定したが、顔が真っ青だった
「……断じて違う……ワシは……」
目を泳がせ、言葉を詰まらせる父親。手足が縛られていなかったら、父親を全力で殴っている。暴れても解けない。父親の反応を待つ事にした。父親は暫く沈黙を貫いていたが、やがてポツリポツリと話し始めた
「何の……誰が書いた文献か知らないが……実際は違う。確かに深海棲艦は過去、この世界を訪れた。しかし、長く続かなかった理由は、ワームホールが直ぐに閉じてしまったからじゃ。隕石の衝撃が余りにも小さかったから」
「つまり、偶発的な現象で深海棲艦が現れ、俺の先祖と接触した」
父親は、言うべきか言わないべきか迷っていたが、ついに口を開いた
「あの文献には、陰陽師が深海棲艦を追い払ったと記述してあったが、実際は違う。ワシの父親……先祖からの代々から続く言い伝えによると、『2人の彼女』は迫害されていた。負傷し弱って海岸に打ち上げられている所を、近くに住む村人たちは恐れ、攻撃をした。異形だったのだから無理もない。当然、相手は反撃したが……」
「書かれているのと違うと言う事か。待てよ。2人?」
「そうだ。正確には、2人の姫級の深海棲艦じゃ」
父親の説明で俺は困惑した。言い伝えと文献の内容が違う?確かあの文献は、戦国時代に書かれたものと言っていた。恐らく、真実が歪められた状態で書かれたのだろう。そうであって欲しいが……
「村人達によれば、火の玉が落ちてそこから現れたのだと。恐らく、ワームホールをくぐり抜ける際に負傷したのだろう。ワームホールが安定していなかったようじゃ。話を戻そう。反撃によって手を焼いた村人達は、ワシの先祖である陰陽師に頼んで悪霊を追い払ってくれと依頼された。しかし先祖は、負傷した『2人の彼女』を助けた。余りにも酷かったのだろう。こっそりと彼女を隠し、村人たちは追い払ったと説明した」
「その後は?」
俺は話を聞いた。今後のために聞いても損はない。未来の俺は、知っていたのか?
「聞いた話によると、『2人の彼女』は別の世界から来たのだと言った。だが、当時は今あるような科学技術は発達しておらん。帰る手段である『穴』、つまり『ワームホール』も閉じてしまった事から『2人の彼女』はここの世界で生きていく事を決めた」
「生きていったって……そんな事が出来たのか?」
父親は首を振った
「いや、流石に外見だけの事が合って、人の目に触れさせなかった。何とか言葉を通じたが、相互の認識が余りにも違い過ぎて意思疎通に苦労した」
「言い伝えによると、先祖は『2人の彼女』が持つ力に魅了され、先祖はそれを自分に仕えないかと考えた。先祖は……その『2人の彼女』を閉じ込め監禁し、極秘裏で研究した。本人の同意を得ずにな」
「酷いな」
俺は毒づきながらため息をついた。結局、やっている事は浦田社長と変わらない。だが、父親は話を続ける
「2人の内、1人は実験に耐えられず死んだ。もう1人は生きていたが。しかし、ある事が起きた」
「ある事?」
俺は後の言葉に疑問を持った。ある事?何が起こったのか?
「8代目辺りからか?鎌倉時代の終わり辺りの頃。その者は、受け継がれて来た知識と産物を手に入れた。しかし、研究している内に監禁された『彼女』との間で次第に互いの心を開いてな。どういったいきさつでそうなったかは分からん。しかし、『彼女』は深海棲艦。そのため、敵ではない事を証明しなければならなかった」
「だから、元寇で?」
父親は頷いた。どうやら、元寇のあれは、嘘ではないらしい
「『彼女』は一緒に潜り抜け海に散って行った僅かな個体を集めて挑んだ。しかし、それで十分だった。その者と『彼女』は鎌倉幕府と取引を行い、極秘裏で動いた。嵐の中、敵の戦船の艦隊に奇襲を仕掛け一人残らず殲滅した。……褒美を沢山もらったと書いてあったが、実際は違う。褒美は僅かだった。だが、特に気にはしていなかったらしい」
本当だったのか?蒙古襲来を撃退したのは天候の仕業ではなく、深海棲艦だというのか?それも操って
「その後は?」
「いや、その後の詳細は知らん。ただ、鎌倉幕府が倒されてしまった事により転々と移動していたらしい。深海棲艦の力は無限ではない。その者はそれに気付いていた。そのため、閉じ込めたり、実験材料として扱ったりしなかった」
つまり、野望は抱いていなかった。確かに無限でないと気付くとそんな気は起きないだろう。敵対する者もバカではない。そして、何よりも深海棲艦が、それもボスである姫級が心を開いたというのも驚きだ
「しかし、『彼女』はその者と過ごしていく内に人間の生活を羨ましく思ったらしい。先祖である陰陽師が術を使ったかどうか知らない。しかし、技術は他よりも優れていたのだろう。そして、その者は『彼女』と一緒にある研究を行った。試行錯誤の結果、『彼女』は人間になった」
「おい、まさか……」
今の話を聞いて、耳を疑った。今の話って……
「そうだ。今で言う『艦娘』の元祖と言った所か。深海棲艦も艦娘も共通点がある。時代は違えど、武器に命を吹き込み、己のものとして扱い、一心同体となる。その力は、人間の力よりも超える。この世界にはない技術だ」
「兵士の鏡だな。それで、その『彼女』は帰れたのか?」
肝心の事を聞いた。『彼女』はどうなったのだろう?そこが疑問だった。しかし、父親は首を振った
「残念ながら、元の世界に戻れなかった。ワームホールは都合よく空いてくれん。それに『人間』になった『彼女』の力は完全に消え、寿命という呪縛に縛られる事になった。人間と同じく老いて死んだ。部下である個体も自然と消滅したらしい。だが、彼女は幸せだったと聞いている。言い伝えによると『この世界は私が住んでいた世界と違う。初めはこの世界に来てしまった事を呪ったが、来て良かった。仲間にも知らせたい』と言われておる」
「そうか。ところで……その『2人の彼女』は誰だったんだ?」
まさか、人間となりこの世界で生きていたと思わなかった。必死に頭を整理したが、どれも驚く内容ばかりでついて来れるのがやっとだ。親父は話を進める
「言い伝えられる姿形からして、実験中で初めに死んだのは、『重巡棲姫』。もう1人は『駆逐古鬼』だと思われる。彼女の部下は、魚雷艇を模した小鬼群だとか。当時は高性能な大砲や機銃、魚雷なぞ無かったから、周りが恐れるのは無理はない。話を戻そう。力を失った一族は、その後も研究を止めなかった。何しろ科学技術や知識は、目を見張るものが多かったらしい。戦国時代に、ある土地にひっそりと暮らしたとされる。子孫たちは、『2人の彼女』から伝授された科学技術や知識を上手に使い、一体を納め栄えたと言う。だが、豊臣秀吉はどこから話を聞いたのか、朝鮮出兵の際、元寇を打ち破る程の力を貸して欲しいと言って来た」
「だが、力や術は無かった。もう死んでしまったから」
俺の言葉に父親は頷いた
「そうだ。数世代先の科学技術の知識なぞ武士から見れば何の価値もない。怒った豊臣秀吉はホラ吹き者として一家諸共、打ち首の刑にした。だが、それでも生き残りが居た。その者は、再び転々として生きたという」
「俺はその生き残りの末裔か?……待てよ!8代目の先祖は人間となった『駆逐古姫』と結ばれたのか?そんな事、出来たのか?」
俺は指摘したが、親父は笑った。何が可笑しいのか?
「変か?今さら何を。人類が誕生したのは、進化論か創造論だと言われておる。別の誕生の仕方があってもいいのではないか?」
親父は前向きだ。他人であれば、絶対に拒絶するだろう。しかし、先祖は前向きだった。何があったかは知らない。奇遇な現象を目の当たりにした者は、偏見は不要な思考だったらしい
「深海棲艦は昔からこの世界に度々来ていたのだろう。伝説や逸話を残して。しかし、今回の事件はそうではない。意志があるかどうかは別として、敵対しているのは明白だ」
「人類と敵対している理由は、この世界に移住して来たって事か?住み心地がいいからか?」
「多分な。だから、太平洋を占拠しているのだろう。コロンブスがアメリカ大陸を発見したように。アメリカ大陸に移民した者達が、アメリカ先住民であるインディアンを追い立てたように」
先祖と接触した『重巡棲姫』と『駆逐古姫』はあくまで個人の考えだ。しかし、深海棲艦は組織だ。『重巡棲姫』はともかく、『駆逐古姫』が感じた日々なぞ、知らないのだろう
「今の話は信じよう。だけど、親父。もしかして、艦娘計画はそれを元に――」
その時だ。親父は大声で俺の言葉を遮った
「『超人計画』はフィクションだ!確かに何代かの者が『重巡棲姫』や『駆逐古鬼』に魅了され研究した者がいたが、そもそも身体の造りが違う!無理だ!……だが、何者かがホラを吹いたな。『駆逐古鬼』が人間になったのならば、逆も可能かと勝手に思った馬鹿者だ!見慣れない知識や技術を過信し、勝手に妄想したアホだ!」
「だけど『艦娘計画』の基礎となった。言い訳はよしてくれ。非現実的かどうかは別として深海棲艦の力に魅了され、密かに研究はしていたんだろ?でなければ、艦娘は造れない。先祖の試行錯誤の研究が、役に立ったわけだ」
俺の指摘に親父は青ざめた。否定はしない所を見ると、間違ってはいないらしい
「何代かの子孫が重巡棲姫や駆逐古鬼の知識を元に創れるのではと思い実験したらしい。人外の力を取り込むのがどれほど素晴らしいか。だが、当時の時代どころか現在でも無理だ!出来る訳がない!『超人計画』なんてバカなアイデアだ!」
『超人計画』かどんなものか知らないが、どうやら父親にとって歪な計画だったらしい。もしくは人間が超人になる事は、彼の理に反するものなのか?
「だが、親父も今回の事件を見て、研究を加速させた。非現実的な『超人計画』は止め、代案として『艦娘計画』を立案した。しかも、それは代々受け継がれた技術を参考して造り上げた」
親父は何も言わない。何か隠しているのか、それとも……
「俺の予想だけど、先祖は異世界や平行世界という概念を知っていたのか?いや、知っていたよな。『重巡棲姫』や『駆逐古鬼』から学んだはずだ。知らない訳がない。確か親父は、ワームホールを調べていく内に、第二次世界大戦が行われた平行世界を見つけたとあるが……偶然ではないようだな」
親父は黙っていたが、観念したかのように話始めた。もう隠しても無駄だと思ったのだろう
「……そうじゃ。『重巡棲姫』と『駆逐古鬼』の知識は、当時の人々の技術より素晴らしかった。だが、時代が時代だったため再現は出来なかった。深海棲艦の侵攻により、ワシは代々から続く研究を一から見直した」
「親父は間違っていなかった。しかし、それは再び返り咲きたいための研究だ。そして、未来の俺は艦娘を完成させた。だが、浦田重工業が一枚上手だった」
恐らく、深海棲艦を調べていく内に、たどり着いたのだろう。文献を手に入れたぐらいだ。しかも、おとぎ話として調査を中断するどころか、丹念に調べ上げた。あの浦田社長、柔軟性がある。普通ならバカげた文献と絵巻物として調べもしないだろう。しかし、実際は違った。浦田社長は、俺の先祖までたどり着けるには容易のはずだ
「済まない……ワシは決して……」
「あんたの思惑はどうでもいい。今更感もあるし、昔の事は関係ない。聞きたい事は、ここから脱出してからだ。だがな、時雨はどうなる?」
親父は俺が非難されると思っていたのだろう。しかし、なぜ時雨が出てくるのか、困惑していた。俺はいらただしげに言った
「分からないのか!?捕まってる時雨も浦田社長が調べ上げた事を吹き込むぞ!それも、改竄して伝える可能性だってある!時雨はどう思う!?」
たちまち親父は青ざめた。時雨は未来から来た。歴史を変えるため。創造主とに会うよう未来の俺が与えた任務。その任務自体に疑問を持たせてしまう。時雨はどう思うか?
「それは……」
「何て事だ。未来の俺が知っていないとなると……時雨と初めて会った時に、何で洗いざらい話さなかった!!」
そうだ。俺も時雨も親父は、天才だと思った。深海棲艦を調べ、艦娘を造り上げた。しかし、実際は違った。一族の秘密を利用したに過ぎない。例え、一家の秘密をこっそり研究していたとは言え、洗いざらい話すべきだ
「浦田社長もだが、親父もだ。……まさかと思うが、母さんはそれを知ったから出ていったのか!?」
「……!」
否定していない所を見ると、合っているらしい。『艦娘計画』が発表された日の数日後、母は父親と口論となった。内容はよく分からなかったため、放って置いたが……。結局、和解もせずに離婚し実家に帰って行った。笑いものにされて見限ったと思ったが、どうも違うらしい。昔の俺と同様に研究資料を見てしまったのだろう。反応を見ると明白だ
「どう思って研究したかは知らないが、信頼を損ねるような行為をして事をしてどうする!?家族だろ!何で欺くんだ!?未来の俺や散って行った時雨の仲間は、その話を聞いたらどう思う!」
不味い。時雨も同じ事を吹き込むだろう。しかも……時雨を闇に突き落とすために……
提督の危機通り、時雨にも伝えていた。深海棲艦と提督の先祖のコンタクト。そして、挫折した『超人計画』を過剰に持ち上げていた。戦艦ル改flagshipの説明は、自分達に都合よく書き換えたものだ。実際に戦艦ル改flagshipにとってはどうでもいい話だった。だが、時雨にとっては驚愕する内容だった
「『超人計画』は深海棲艦の力を人間のものに出来ないかと考えて研究を重ねた。あの一族は……あなたが慕っている大佐は、艦娘を使って日本を手中に収めたいのよ」
「違う……そんな事は……」
時雨は反論しようにもしどろもどろになっていた。信じたくなかった。絶対に!違う!
「捕らえられた『重巡棲姫』は『ニクラシヤー!』と憎悪を吐き散らしながら死んでいった。それだけ酷い事をしたのよ。貴方が提督と呼んでいた人も案外、腹黒いかもよ。もしかしたら、大魔王を目指していたかも」
「違う!提督は……提督は……」
自分は歴史を変えるためにいる。任務であり、みんなのためだ。しかし、戦艦ル改flagshipの言葉を聞いて初めて提督に疑いを持ってしまった。未来の提督は信頼していた。その信頼が裏切られたような気がした
未来で時雨を守るために艦娘と一緒に戦い命を散らした提督。そんなはずはない!提督がどんな人か見てきている!いつも……いつも僕達艦娘を見守ってくれた!だが、戦艦ル改flagshipは追い打ちをかけるように容赦なく言って来る
「もしかしたら、貴方達は、あの息子の私兵のような存在だったかもね。自分達が正しいと思っていても、他の人から見れば悪そのもの」
「違う……僕は……」
「深海棲艦と艦娘の違いは分かる?外見だけかも。コインの表裏のようなもの。人間ですらないの。そこまでしてこの世界を守りたいの?」
「違う!僕は……」
時雨は次第に自信を無くして言った。聞きたくなかった。しかし、反論する言葉が見つからない
「頑固ね。でも、事実は変わらないわ。貴方は何のために戦っているの?……未来のために……とか」
「!!」
時雨は目を見開き、戦艦ル改flagshipを凝視した。戦艦ル改flagshipの言ったことに驚愕した。既に正体がばれたのか?いや、そんなはずはない!
「な……何の事?」
平常心を保とうとしたが、さっきの話で動揺していたため声が上ずってしまった
「貴方の存在と建造ユニットの謎。そして、『狂人』の過去の歴史を考えて見ればたどり着ける答え。既にあの一族は、ワームホールや異次元の概念はあったみたい。深海棲艦が教えたらしいけど」
そこまで言うと、戦艦ル改flagshipはナックルダスターを右手に嵌めると凄味の強くそして冷たい声で言って来た
「さあ、答えて。貴方の未来で何があったの?」
「それは……」
「まあ、答えなんてどうでもいいけどね。だって、貴方が『艦娘計画』を立案した者と接触したと言う事は、浦田重工業の計画は成功したという事。一発逆転なんて甘いわ!」
時雨は再び悲鳴を上げる事になった。ナックルダスターと戦艦ル改flagshipのパンチ力でハンマーに殴られたかのような激痛が走った。だが、戦艦ル改flagshipは笑っていた。懇願しても止めない
痛めつけられながらも時雨は、心から叫んだ。唯一、信じていた提督。それを疑った。自分は任務で送られたのではなく、地獄に落とすための口実なのかと
(提督!……どうして!僕は……どうしたらいいんだ!提督は……僕達……艦娘に嘘をついていたの!?)
いくら問いを投げかけようと答えは無い。助けてほしい。 気が狂いそうだ
胸はとうに張り裂け、頭はミキサーをかけられたようにグチャグチャで。考えようにも戦艦ル改flagshipの暴力によって中断され……
「……」
「何も話さないか……。ここまでやられも守りたいものは何だ?」
戦艦ル改flagshipは服はボロボロで治療されてない生傷を晒し、全身に血をにじませ、気絶した時雨を見てため息をついた。幾ら何でも、強情過ぎた。もう音を上げたかと思ったが……どうやら、見くびっていたようだ。絆は切れかけているが、完全ではない。こちらの情報を嘘だと思っているらしい
「まあいい。指示を仰ごう」
再び時雨を特別区画の牢屋に閉じ込めた。時雨の酷い姿を見た北方棲姫は悲鳴を上げ、港湾棲姫は怒り狂って戦艦ル改flagshipに襲ったが、返り討ちに会った
「大丈夫だ。死んではいない。心は死んだかもな」
「オ前ハ!コンナ事、許サレルノカ!?」
「その言葉、そのままお返ししよう。この世界に移住するためにトラック島とハワイの住民を虐殺し、占拠した張本人が言える立場か?」
二人の間で火花が散った。しかし、それも一瞬だった。戦艦ル改flagshipは鼻先で笑うと、港湾棲姫を突き飛ばした。港湾棲姫は勢いで壁まで飛ばされ激突し、その場に倒れ込んだ
「まあ、せいぜい仲良くやっていなさい。呉越同舟と言うでしょう」
戦艦ル改flagshipは嘲笑うと扉を閉め、彼女達を閉じ込めた
「酷イ。幾ラ何デモヤリ過ギダ」
港湾棲姫は気絶して倒れている時雨の酷さに絶句した。怪我の酷さは前回よりも増していた。あらゆる体に傷があり、制服は血まみれだった。もう死んでいるのではないかと思ったほどだ
港湾棲姫は時雨に近寄ったが、時雨は目を開け叫んだ
「嘘……嘘だ!艦娘は深海棲艦を倒すために創られたんだ!君とは違う!」
「落チ着イテ」
「触るな!」
港湾棲姫は暴れる時雨を抑えようとしたが、手を付けられなかった。暫く、騒ぎが襲ったが、時雨が疲れ寝た隙に手当てをした
「コノ子、大丈夫?」
「分カラナイ」
北方棲姫は心配そうに港湾棲姫に聞いたが、港湾棲姫は首を振った。何があったかは知らない。ただ、あいつらはこんな少女に酷い目に合わせる事に怒りを感じたのは言うまでもなかった
おまけ1
父親「『超人計画』はフィクションだ!確かに何代かの者が『重巡棲姫』や『駆逐古姫』に魅了され研究した者がいたが、そもそも身体の造りが違う!無理だ!」
提督「つまり、成功した事が無いと?」
父親「当たり前じゃ!身体の構造が違うから――」
提督「せめて成功して欲しかった。丁度、バイクを持っているのに。叫んでキックの必殺技が放てないのか。いや、蜘蛛に噛まれて超人になるのもいいかもな。それなら――」
父親「……後書きで文句言っても、お前は普通の人間だからな。司令官が戦場に出てどうする?さりげなく、ネタ発言は止めろ」
おまけ2
戦艦ル改flagship「捕らえられた『重巡棲姫』は最期にこんな事を言って死んでいった。『ニクラシヤー!』と憎悪を吐き散らしながら――」
時雨「重巡棲姫は仕方ないよ。特にラスダンでは余りにもうるさ過ぎて、音量を下げたほどだし。初めの頃は、ゲージ破壊出来なかったから、何回もあのうるさい叫びを聞く羽目にもなったのは覚えているよ。勿論、最後で僕が魚雷カットインで仕留めた」
戦艦ル改flagship「……ゲームプレイネタを言うのはやめてくれない?自慢するのも」
後段は父親から聞かされた言い伝えがメインです。文献と異なりますが、全く違う訳でもないようです
どちらが真実なのか?それは、ここでは言及しません
歴史と言うのは、後者が書き記していくものです。伝わって来なかったり、歪められたリしたりします
また、勝った者が自身の都合に合わせて歴史を改変するのは、別に不思議ではありません。真実なんてこの世にはありません。第二次世界大戦でもそうです。例えば、日本がアジアを植民地から解放したのか?それが本当なら、なぜ東南アジアの国々を独立させなかったのか?アメリカや旧ソ連などの連合国は、軍国主義やファシストと打ち破った英雄の国?それは私が知る米露英などの国とは、随分とかけ離れた存在ですね
解釈や経緯は色々とありますが、ここまでにしておきます。政治や歴史論争はややこしいので
一族とコンタクトしたのは、駆逐古姫と重巡棲姫。そしてPT小鬼群。この作品では、さりげなく、元軍を倒しています。勿論、フィクションなので本気にしないように
秘密裏に研究していた『超人計画』。まあ、研究はしたものの『超人計画』は成功例はなく、不可能というものです。よって、提督が仮面ライダーやスパイダーマンのように超人にはならないので過度な期待はしないように