『大規模if改装』がちょっと気にはなりますが()
航空戦艦伊勢については改装案が二つあり、航空戦艦案と完全空母改修案がありました
航空戦艦である伊勢が空母になった場合、飛行甲板全長210m、全幅34m、搭載機数54機というものです
多分、伊勢が改二になるものは航空戦艦案であるものだと思います。この場合、3から6番主砲を撤去して飛行甲板(全長約110m、搭載機数約40~45機)を設ける案との事です
結局、時間がかかるということ中途半端なスタイル()となりました
しかし鈴谷熊野の(空母化)の例もありコンバート改装で空母←→航空戦艦になる事も否定は出来ないため、もしかすると空母化はあるかもしれない。あったらあったで面白いですが
豆知識はここまでにしておきましょう
「しかし、そうなると大変な事態だ」
陸軍将校は苦虫を噛みしめた顔をした
「なぜじゃ?」
「考えてみて下さい。浦田氏は未来の平行世界から武器を調達している事になります。勝ち目はありません」
確かに言うとおりだろう。ワームホールの規模は不明。アパッチと呼ばれるヘリを持ち込んだ事から、恐らく車が通れるくらいの通路だろう。分解して持ち込んだとしか考えられない。そして、それが今も繋がっているとなると勝ち目はない。まして、最新鋭兵器の恐ろしさは身に染みている。クーデター然り、未来の戦争然り。こちらが一方的にやられている
「そうだね。未来の兵器だもの」
時雨も落ち込んだ。敵の強さの秘密が分かったとしても、勝てる分けがない
「いいえ。勝てる要素はあります」
提督は力強く言った。皆は困惑した。あの軍団を倒せると思っているのか?その自信はどこから来るのだろうか?
「何故だ?奴等に弱点なぞ――」
「今だからこそあります」
提督はパソコンの操作を止めると、紙を見せた。いろいろなことが書かれているが、そこには未来の記録を写したものまである
「僅かながらの推測です。平行世界は、どこまでこの世界に干渉しているかです。もし、本気にこの世界を乗っ取っている気なら、すでに軍事的侵攻を行っているはずです。いいえ、仮に平和的であったとしても何かしら行動を起こすはずです」
「つまり、向こうの世界はこちらの世界を知らないと?」
「浦田社長が向こうの世界に行って何をしたかは知りません。ただアイオワの証言を参考にするなら、『向こうの世界』の日本は、思想や文化が違うかも知れません。軍隊を『自衛隊』などと言葉遊びで誤魔化しているくらいです」
提督は中佐が集めた浦田社長の資料を手に取り隕石の記事を掲げた
「本気でこの世界を干渉しているなら、わざわざアパッチを盗むなどと考えないはずです。いや、干渉したとしても非公式にやっている可能性があります。向こうも国内事情はあるはずです。私が思うに浦田社長は向こうの世界で知識や技術を学び、戻ってきたと思います」
提督はポケットからあるものを取り出した。それは浦田警備員から盗んだ暗視装置だ。壊れていたのを大事にとっていたのか?
「それって……」
時雨は思い出した。無人航空機の際にかけた暗視装置だ。夜でもしっかりと見えたのだから時雨は驚いた。無人航空機や攻撃ヘリとの戦闘の際に壊れてしまったが
「ああ、暗視装置だ。アイオワの手紙で見たが。だが、こんなものは見たことがない。しかも、こんな驚くべきものでも『向こうの世界』でもちゃんと売っている。それに加えて、これでも旧式だ」
提督は再びパソコンを操作すると、ある画像を映し出した。それは手に持っていたものとまったく同じ暗視装置。しかも、値段まで書いてあるのだ。民生品なのか?いや、違う。他にもあるが、どれも驚きだ。しかも……
「はぁ?あの機体が……観測用?」
軍曹は素っ頓狂な声を上げ、時雨も開いた口が塞がらなかった。映し出されていたのは、あの無人航空機。MQ-9だ。しかし、驚くところはそこではない。航空記事らしいが、その見出しが驚きだ
『民間向けMQ-9、実証試験を日本で実施』
そこに映っていたのはあのMQ-9だったが、先日に遭遇した航空機と違って武装がない
「記事に内容によると災害に活用するための観測用の機体を実証するために行ったと書いてあります。恐らく、あの航空機を民間用に転用したのでしょう」
記事を下げていくと、そこには数名が写っている写真があった。教授や政府関係者だったが、そのうちの一人にある人物が紛れていた
「おい、あの野郎が写っている!さては、あの無人航空機とやらをこっそりと盗んだな!いや、それだけじゃない!銃も機械も技術も電気店か本屋で買い漁って持ち込んだな!あっちの世界では骨董品である機械もこちらでは最新だ。兵器も機械も分解してこっちの世界に持ち込んだに違いない!」
軍曹は怒り、将校も苦虫を噛み砕いたような顔をした。博士も時雨も呆れ果ていた。ノートパソコンというのものは驚いたが、『向こうの世界』では当たり前だろう。と言う事は、軍事どころか民生品も驚異的な技術を持っているはずだ
「だから浦田の野郎は、農民から大企業の社長に栄転したんだ!天才ではなくて、技術を盗んだんだ!恐らく、詐欺か何かだろう。悪党にも程があるぞ!」
軍曹は吼えた。こんな裏があるとは思いもしなかったらしい。……これがバレたとしても誰も信じないと思うが
「でも、これで浦田社長が『向こうの世界』と親密になっていない事が証明されました。どうやって調達したか知りませんが、間違いなく違法でしょう」
「つまり浦田社長が保有しているワームホールを潰せば勝てる?」
時雨は期待を込めて聞いたが、提督は首を振った
「それは分からない。未来の記録によると浦田重工業は『イージス艦の活躍によって捕まえた深海棲艦を非人道的な扱いをした。それに怒った深海棲艦は全力で浦田重工業を襲った』。自作自演だが、浦田重工業が壊滅したとなると、もうワームホールに頼る必要なくなったということだろう」
提督の言葉を聴いた時雨は、俯いた。つまり、『向こうの世界』無くて『最新鋭兵器』が製造出来るということだ
「今はまだイージス艦を売っていない。つまり、まだワームホールが必要なんだろう」
「しかし、時間の問題だ」
博士は呻いた。これからどうするか、問題がある
「だが、お前。このパソコンという情報を信じていいのか?罠である可能性は?ディープスロートは架空の人物ではないのか?」
「確かに罠であると考えたよ」
不意に博士が指摘した。この機械は、浦田社長のものだ。博士の指摘の一理ある
「でも、この機械を調べていく内に不自然な書き込みがあった。この取扱説明書に」
提督は最後のページを見せた。それは記していた
『秘密のフォルダを見てみない?パスワードは2020.04.01』
「提督、これはどういう事?」
時雨は聞いた。何なのかさっぱりわからない。その後に書かれている文も。ただ書かれている事は、余りにもふざけている
「これを書いたのは誰なのかって事だ。その者が、この綿密な記述を入れたのだろう」
「その者って?」
「これは……俺の推測だが……ディープスロートと名乗る人物は、浦田社長が雇おうとしていた職業軍人なのではないかと思う」
「え?」
時雨は間抜けた声を上げた。博士は眉を吊り上げ、陸軍将校も軍曹も首を傾げた
「ただし、この世界の職業軍人ではない。『向こうの世界』の職業軍人だ」
「つまり……自衛官って奴か?」
「そこは分からないです。……ただ、ディープスロートと名乗る者は、職業軍人でも士官か情報分析員に近いポストに就いている者でしょう。実はアイオワの手紙に書かれている近代兵器を持った深海棲艦の艦隊運用が米海軍に近いと書かれていました」
提督は別の画面を映し出した。それは米海軍の資料だ。それも空母打撃群についてだ。バカデカイ原子力空母を中心に、周りにイージス艦が輪陣形を組んで航行している。ただし、映し出されているイージス艦は、浦田重工業が造ったイージス艦よりもスマートだ
「この映像は米軍の第七艦隊と呼ばれる空母打撃群です。簡単に説明すれば、現在で言う空母機動部隊です。この資料に書かれているのは、艦隊の運用方法の他に歴史、弱点や克服などが書かれています」
提督はその資料を画面に映し出すと、もう一つの資料を出した。近代兵器を組み込んだ深海棲艦の案が書かれていたが、余りにも米軍に模していないのだ。どちらかと言うと、猿真似に近い
「しかし隠していない資料では、運用方法だけしか記載されていないです。しかも、単純なものです。浦田社長は、隠していない資料を見て艦隊編成したのでしょう」
「
時雨はなぜあの時、アイオワが呟いたのかが分かった。初出撃で、しかも初めて『最新鋭兵器』を持つ深海棲艦に勝ったにも拘わらず、喜ばなかったのか。恐らく、アイオワは未来の提督から兵器の正体を見破った。出撃も警戒したに違いない。しかし、米軍の兵器を持っている割にはあっさりと深海棲艦に勝ってしまった。その後、深海棲艦はアイオワが生み出した戦術を対策されてしまい敗戦してしまった。しかし、アイオワは不審に思ったに違いない。米軍をモデルにした割には、弱過ぎると。尤も、深海棲艦の相手が第二次世界大戦時の軍艦をモデルにした艦娘のため弱過ぎるというのは語弊があるが
「多分な。それともう1つある。ディープスロート本人と思われる書き込みがあった。ただ……ディープスロートが何者なのかは知らないが、浦田社長とあまり関係はなかったようだ」
提督は操作すると、テレビにある文が写し出された。その文はちょっと長い。そこにはこう書かれていた
『おめでとう。暗号フォルダを見つけたのが浦田だったらゲームオーバーかな?他の者が見ていたら握手をしてやりたい。特に敵対していた者なら。まあ、誰でもいい。ひとまず聞けよ。俺はディープスロート。とある事情により浦田に勧誘されてさ。お袋が病弱している所を目に付けられた。最新鋭の医療機関に治療させるため医療費を提供するから私と組んで働いてくれと頼まれた。友人の付き合いだから手伝ったけど。実際……浦田の頼みなんてどうでもいい。ただ、お前は余り良い噂は聞かない。変な新興宗教団体と組んで何をやらかしているのかい?お前……本当に起業家か?だが、あの日の待ち合わせ時間に俺は早目に付いた。トイレに行って帰って来たら変な人と話していたよな?ちょっと録音しておいた』
「録音?」
目で読んだ時雨が聞いた。提督は答えなかったが、パソコンを操作するとスピーカーから音声が流れた。店の中での会話だろう。時々、ウェイトレスや女性の笑い声が聞こえて来る。しかし、2人の音声だけはしっかりと聞こえた
『……この話は内密だ。他言無用だ』
『何なんだ?俺は仕事がある。儲け話でなかったら帰るからな』
それは浦田社長ともう1人の男の声だ。ただ、この声……どこかで聞いたような声だ。確か……
「あのアパッチに乗っていた警備隊長の人だ!」
「ああ、拡声器を使って攻撃されたら覚えてしまう」
時雨は思い出した。あのアパッチに乗っていた人だ。聞き間違える訳がない。音声はまだ流れている
『間違いなく驚かれると思いますが、実は私の家にワームホールが開きました』
『ワームホールが開いた?ワームホールって……あのワームホール?SF映画に出て来る奴?……バカにしているのか?』
もう一人の男……警備隊長である人は嘲りながら笑った
『これが証拠です。この紙幣と硬貨はこの時代にはない。いや、昔はあった』
コインが床に落ちる音が響いた。しかも複数すると言う事は大量に持って来たのだろう
『こんなの、今の技術では造れるだろう?』
『他にもあります。この金塊はどうです?刻印はこの世界の何処へ探そうが見つかる訳がない。触っても結構です。本物ですよ』
『……スッゲー。こんなデカイ金塊は初めて見る」
浦田社長は金塊を見せたのだろう。金の魅了に見せられ、警備隊長である人は驚きを隠せなかった。金に目が眩んだのだろう
『因みに私もこの世界の人間ではない』
『……ハッ?何言ってんだ?』
『本当だ。それは置いといて……どうだ?一緒に別の世界へ行って一儲けしないか?』
浦田社長は説明したが、それは簡単なものだ。異世界だが、そこは過去の日本とは違い平行世界である事。その日本に企業を起こす。技術と知識を使って日本を豊かにすると。しかし、警備隊長である人はそんな話はどうでもいいらしい。重要なのは、金が貰えると言う点だけ。そういう人らしい
『信じられねぇ』
『しかし、私が住む世界の日本では、この世界の戦前の日本と大体同じだ。私は歴史を学んだ。将来、軍の暴走やら太平洋戦争やらが起こるかも知れん。そんなのは御免だ。だが、私が日本のために動いても軍や政治家は刺客を送ってくるだろう。だから、私兵軍団を作る。対抗するために。お前の軍歴が必要だ。数年前に陸自にいたお前なら』
『なるほど。だから、お前は新興宗教団体と組んでいたのか。あのイカれた団体は確か外国から武器を買っているって噂が流れているが本当か?AK-47やらM16とか。C4の爆薬まで買ったって噂になっているぜ』
『本当だ。だが、それも用済みだ。警察に証拠となる書類と物的証拠を荷物に積んで送り込んだ。今頃、あの教祖様は大慌てだろうよ。全く……誰がロシア製のMi-17を買えと言ったんだ。呆れてモノも言えん』
浦田社長は笑いながら言っている。
『でも銃器は大量に手が入ったって訳だ。全く、抜け目ないよな』
『兵器の設計図もだ。宗教団体が独自に造った特殊潜航艇でアメリカや中国などから銃器を大量に買い、私の家に運び込ませた。もう用済みだから、潜航したら故障するよう細工した。今頃、海の底だろうよ』
『悪魔だな。でも、あの宗教団体もイカレているから互角か……それで俺に何をして欲しい?』
『PMCである民間軍事会社を設立したいのだが、相手は国軍だ。火力が足りない。そこで自衛隊機を盗んで欲しい。アパッチ1機を。お前はヘリの操縦は出来たよな?』
『スゲー事を注文してやがる。確かに操縦できる。元パイロットだからな。だけど、盗んでも運用はどうする?ミサイルは?メンテナンスは大丈夫だろうな?電子機器がないと動かんぜ?』
『そこは心配しなくていい。別の人間にやらす。公安や警察の目を掻い潜りながら他にも人を集めているからな。まあ……もうじきもう1人来るんだが、遅いな』
浦田社長がいうもう1人とは、録音している者、ディープスロートだろう
『ははは、と言う事は帝国陸軍だが帝国海軍だか知らんが、その世界の軍隊に襲われるから、俺のような人を雇いたいと。そいつらから守ってくれと。盗んだアパッチで』
『もう既に10機もの攻撃ヘリや旧式であるジェット戦闘機は調達した。廃棄が決定した兵器をダミー会社と通じてコッソリと頂いたのでな。海外で起こっている紛争から鹵獲した兵器も入手した。大改修になるが、別に構わん。これはあるテロリストを通じて手に入れた。だが、コブラでは威力不足だ。かと言ってロシアのものはちょっと厄介だ。ロシア製は戦車と銃で十分だ。だから、アパッチがいい。不満か?』
『いや、第二の人生である民間警備会社も飽きたぜ。俺はちょっと思った事があったんだ。二足歩行動物を撃って見たくてね』
『そうか。では、交渉成立だな』
『報酬は良くなかったら俺は降りる。ところで人材は何処から?盗むには人手がいる。しかも、自衛官を騙せるような者でないと。以前、住んでいた駐屯地に入るんだ』
『心配するな。イカれた宗教団体から何人か抜粋して連れて来たのだよ。あのイカれた宗教団体には大企業や国の機関の人間が沢山居たのでな。有名大学出身の人間までいた。余りにも勿体無いから、役に立ちそうな人からこっちに連れて来させた』
『商工の社長が、宗教団体を利用する何んて前代未聞だな』
『私の方が上手なのだ。私は神なんか信じない。教祖様は夢を見過ぎた』
ここで音声は途切れた。部屋にはしばらくの間静寂だったが、我に返った時雨は真っ先に口火を切った
「……これは『向こうの世界』での話だよね?聞き慣れない単語が沢山あったけど」
「そうだ。アパッチを盗むやり取りどころか勧誘まで。あの社長、結構タヌキだ」
提督は頷くと再び文章を表示した
『まあ、この会話を聞いて信じられなかったけど。結構、クレイジーだった。あの過激派の新興宗教団体と組んでいたのはそのためか。そして、国家転覆を促し武器を買わせたのも。だが、奴らに武装蜂起なんて所詮無理だって事を。だって、お前。銃器の製造方法や兵器の使用方法までは教えなかったな。確かに軍用銃はそう簡単には造れない。AK-47やAK-74は構造が簡単と言っても高学歴がそろってる人が集まっても作れるもんじゃない。工学系の人間がいないと無理だ。頭でっかちを集めてもな。さては俺のアドバイスを参考にしたな。道理で警察が押収したAKの軍用銃は劣化していると聞いたよ。そして、扱いづらいサリンである毒ガスを放置した。ま、あいつらは地下鉄などに使ったがね。崩壊するの時間の問題だ』
「地下鉄にサリンを撒いただと?」
将校は嫌悪した。時雨も同感だった。まさか、宗教団体が地下鉄に毒ガスを使うなんて考えてもみなかったからだ。文章はまだまだある
『だから、俺は身を引いた。大体、話の内容がよく分からん。ある日、突然家に押し入り第二次世界大戦時代の兵器と現代兵器が戦ったらどっちが勝つか、なんて聞かれた。なに考えているんだ?勝つのは現代兵器を持った軍隊だ。だが、お前は詳細な情報を求めた。仕舞には、補給の仕方や兵器能力まで聞かされた。お前、マジでドンパチしてるんじゃないだろうな?ある日、戦略の海戦シミュレーションゲームを作りたいから軍事情報を教えてくれって頼まれたけど、これもどうかしている。自分では調べられないのか?ああ、そうだった。出来ないんだったな。ミサイル攻撃して終わり。F-2戦闘機に対艦ミサイル沢山積んで攻撃すれば終わりだ。WWⅡの軍艦は対空ミサイルなんて無い。ワンサイドゲームだ。簡単だろ?それじゃあ、ダメ?艦隊同士の戦いを想定で戦ったらどうなるか?米軍が持つ原子力空母を入れたらいいだろ?それがありゃ、連合艦隊どころか当時の太平洋艦隊を僅か数十分で壊滅させられる。……無い?せめて通常型空母か戦艦を前提にシミュレーションしてくれって?お前……これはゲームではなかったのか?戦艦ってアイオワ級戦艦はもう退役したのを知らないのか?何を言ってるんだ?潜水艦ではダメなのか?』
ここから先は長くなるが、愚痴だ。色々と注文していたためにディープスロートという人物は、呆れてしまったらしい。しかし時雨はこの文を見て、これを書いた人物であるディープスロートは生きているのか、疑問に思った。多分、生きているとは思うが
『……とまあ、詳細な軍事情報を作ったけどさ。でも、これは穴あきだらけの情報だ。防衛省の機密にもならないものだ。書店で売っている軍事関連の本を参考に作ったものだ。え?なら、このシミュレーションは何かって?これはコンピュータのソフトを使ったシミュレーションの情報だ。ソフトも俺独自の物だ。ちゃんとした軍事作戦ではない?俺の暇潰し用だ。簡単に言えば、戦略ゲームだ。データもそれなりに作ったが、全部手抜きだ。おお、怖い怖い。浦田が怒っているのかな?まさかとは思うが、ファンタジー世界で現代兵器持ち込んで、弱い敵に対して銃をぶっ放しているんじゃないだろうな?ヒーロー気取りしてハーレム目指しているのか?それが本当なら、お前がやろうとしているのは侵略だ。己の正義を世界に押し付けているだけに過ぎない。米露中みたいに。俺が造ったソフトは、自衛隊トップに提出できるような軍事作戦じゃない。趣味で作った自作ゲームだから。まあ、俺の情報を元に軍事作戦が使われているなら俺が鼻で笑う。そして、ゲリラで苦戦してるなら相手の大将は肝が据わっていると褒めてやる。今のアメリカやロシアがWWⅡのような軍事的決着、明快な勝利というような輝かしい栄誉を手に出来ないのを考えれば分かる事。まあ、これが分からないのならお前は失格だな。それでは、頑張ってくれたまえ』
『追伸:ああ、お袋の事は別にいい。お袋は末期ガンだ。延命治療を拒否した。お前が渡したお金は、募金しておいた。金なんて要らねぇ。でも酒は頂く』
「この人……資料をワザと手を抜いて浦田社長に渡した?何かよく分からない。変人にしてはおかしい」
文章はここまでで終わっていたが、この人の考えはよく分からない
「恐らく、ディープスロートという人物は、警備隊長と同じく自衛隊と呼ばれる組織の一員だろう。どういう人物か知らないが、現場監督の人間ではないな。艦隊指揮が出来る人間か戦況分析官か」
「提督みたいな?」
「陸海空軍を知り尽くしているから、艦隊指揮を取っている人間ではないのは確かだ」
提督も手に顎を当て考えていた。浦田社長を雇おうとしていた軍事顧問。その人物が、よく分からなかったからだ
「いや、変人ではないじゃろう。ワザと手を抜いたのは命を守るためじゃろう」
「どういう事?」
博士の言葉に時雨は訝し気に聞いた。ワザと手を抜いた事が命を守ることだって?
「これは推測じゃが……ディープスロートは、浦田社長が何をしたのか気付いたのじゃろう。しかし、余りにも馬鹿馬鹿しい現象だったから、警察に訴える訳にもいかない。精神病院に送られるのがオチじゃ。こんなものを誰も信じる訳がない。かと言って、軍事作戦を渡すと機密漏えいの罪に問われるじゃろう。そうでなくても、最終的に笑うのは浦田社長じゃ。そこで本物と見せてワザと手を抜いたものを渡した。一般の人が見ても分からないように。この内部告発のような資料も懸けに近いものだろう」
「あり得ますね。浦田社長は職業軍人でないのは確かです。そこまで見抜けなかったのでしょう。ディープスロートには肩書きがあるのですから、完全に信じたのだと思います」
将校も頷いた。つまり、浦田社長は、ディープスロートが作った軍事情報は本物だと信じたらしい。しかし、データを提供した者は呆れ果て手を抜いて渡した。もう付いていけないのだろう。アイオワが不振がったり、異変した深海棲艦が力押しなのか分かったような気がした
「もし……その人が浦田社長についていたら」
何気なく呟いた時雨。未来の提督はアイオワのお陰とは言え、必死に指揮を取った。幸い、戦艦ル級改flagshipが指揮を取ったせいか、攻撃の仕方がややゴリ押しがあった。もし、その者が指揮を取っいたら?
「考えたくはないな。アイオワの対抗手段なんて難なく見破っていただろう。いや、タイムマシン製造を着手する前にこちらが全滅した可能性だってある。未来戦争を知っている者だ。実戦経験なんて自然と付く。質と量どころか戦術面まで完全に負けてたな。艦娘は瞬く間に海の底だ。時雨もこの場に居なかっただろう」
提督は恐ろしげに答えた。WWⅡの軍艦と現代兵器が戦ったらどうなるかを聞かされた事から、既に艦娘を倒すために計画していたという事だ。もし相手が冷酷な人間だったら、未来の提督と艦娘達は絶対に勝てないだろう。だが、幸いなことに、その者は警備隊長のような傲慢な人間ではないようだ
「ディープスロートが何者か知らないが、助かった。それだけでも感謝だな」
提督の安堵するような言葉に時雨は頷いた。こればかりは幸運だったかも知れない。ディープスロートが普通の人間で良かったと
手品の種明かしのように種が分かれば呆れられるものです
手品師も大変ですね
兵器や機械類は、平行世界で(イカれた)宗教団体と吊るんで持ち込んだらしいです
宗教団体が武器なんて作れるか!と思われるかも知れませんが、昔はあったそうです。モデルは地下鉄などにサリンを撒いたあの……
その宗教団体は、AK74をコピーして自前で創ろうとしたり、軍用ヘリ(Mi-17)を購入したりと結構本格的な人達だなぁと思ったりしています
その割には自動小銃がちょっとお粗末だったらしかったです。高学歴がそろってる割にはコピーに失敗したりと(職人軽視していたらしいですが)
少なくとも知識だけの素人が作ろうと思っても無理です。AKは名銃だけど言われるほど簡単に作れるわけではありません
ディープスロートはウォーターゲート事件で有名ですね。それを習ったかも知れません
薄々気付いたのか色々なデータを入れているようです
余談ですが、MQ-9リーパーは民間向けとして、洋上哨戒などの監視任務に特化した非武装型『ガーディアン』が開発されています。NASAも保有しており、壱岐空港でデモフライトしています
浦田社長は非武装型のMQ-9を盗んで(?)武装型にしたようです。悪知恵が働く社長だ