改二の条件が厳しくなっているが、伊勢改二の姿は中々のもの
EOの5-5と6-5の攻略がちょっとだけ楽になったかも知れません
しかし、やっぱり気になるのは夏のイベントですね
戦艦棲姫を助け出してから二週間後、岐阜基地では慌ただしかった
反抗作戦に必要な戦力や兵器の調達に苦労した。岐阜基地の飛行場には、陸海軍の航空機が沢山並んでいる。頼もしいが、浦田が保有する私兵軍団にどれほど通用するのか?反抗作戦の兵士達は浦田重工業の攻撃、そして鎮圧である。敵も待ち伏せているため、血は流れるだろう。しかし、彼らの戦う相手は、浦田重工業の人間である。時雨達が戦う相手は、浦田重工業に属している深海棲艦の艦隊の撃滅、建造ユニットの奪還、そして戦艦ル級改flagshipの撃破
難題が多過ぎる。また、深海棲艦による世界各国への攻撃もある。こちらにも深海棲艦を使って攻撃される恐れがあるため、提督は艦娘達に警戒させた。北方棲姫や戦艦棲姫も一定期間滞在する間、浦田重工業が操る深海棲艦による攻撃を防ぐよう頼んだ。北方棲姫はともかく、戦艦棲姫は面倒くさそうに鼻で笑ったが、結局は引き受けてくれた。深海棲艦が戦艦棲姫の命令を無視している以上、選択の余地がない。しかし警戒した割には、浦田重工業はこちらには手を出さなかった。いや、偵察機と思わき航空機が接近したが、迎撃機を上げた頃には既に退避していた
一方、博士は海外にも『艦娘計画』を輸出する計画を立てていた。このままでは、人類の文明が崩壊してしまうだろう。ノウハウだけだが、それだけでも輸出せざるを得ない。しかし、現状では難しかった。何しろ、こちらは完全ではないとは言え包囲されている。幸い、博士の知り合いにドイツの大使館員がいるらしく、密かに連絡を取り何とか話をつけて貰った。しかし、ドイツに輸出しようにも遠すぎるため大陸経由で運ぶしかなかった。チャーターした輸送船を使い舞鶴を出港し、不知火と大淀を護衛されないがらウラジオストクまで運ばせた。後は、ドイツの大使館員達が本国に無事に着くのを祈るしかない。現状では、これが精一杯だった。未来の記録では、アメリカ軍人が死を覚悟して日本に来たが、残念ながら今回は来なかったようだ
どれも重労働だ。手持ちの兵力では、勝てるかどうか難しい。艦娘は時雨の他に、不知火、大淀、龍讓しかいない。軽空母がいるため、戦艦ル級改flagshipをアウトレイジで攻撃が出来る。上手く行けば、撃沈も可能かもしれない。龍讓は前回の戦闘を教訓に明石に無理矢理頼みんで、艦載機を一新させた。零戦21型は零戦52型に、九九艦爆と九七式艦攻は彗星と天山に更新された。龍讓は自信満々に戦いたがっていたが、時雨も提督もあまり楽観していなかった。戦艦棲姫との戦闘は初めてであって、錬度も艦載機も良くなかったためである。それは仕方ない面はあるが、戦艦ル級改flagshipは別だ。姫級とは違う強さを持っている。単に未来兵器のお陰とは思えない
「安心してな。うちがいるから」
「だが、イージス艦をモデルとした軽巡ツ級には気を付けろ」
提督は念を押した。彼女達の熱心な気持ちは理解できる。しかし、簡単に撃沈されてしまうと後がない。無駄死にだけは避けなくてはならない。よって、及び腰になってしまうが、仕方ない。建造ユニット奪還が最優先である
「イージスシステムを組み込んだ軽巡は現れるかな?」
「分からん。現れたら、極力戦うな」
時雨の疑問に提督は顔をしかめながら言った。敗北主義のような考えだが、何しろミサイルを防御するためのシステムはない。未来兵器を知っているアイオワがいないため、仕方ない。居たとしても果たしてこちらに有利に立てるかと言えば、ノーだろう。未来の提督も様々なアイデアで挑んだが、ことごとく敗れた。レーダーを避けるため超低空飛行での進撃や夜戦を仕掛ける、時間差攻撃や囮を使ったが、イージスシステムを組み込まれた軽巡ツ級やジェット戦闘機を搭載した空母ヲ級の前では無力だった。戦艦も浦田重工業の配下である戦艦ル級改flagshipでやられる始末である
「X兵器次第という事ですね」
「効果があればな」
不知火も納得するしかなかった。兵器の質が違うため『X兵器』に期待するしかない
その『X兵器』も何とか間に合った。艦娘である明石の存在が大きかった。彼女の整備の腕は本物だった。不眠不休に近い作業を行ったため、登戸研究所から連れて来た研究員は、全員過労のため、倒れた。提督の父親である博士も中年であることから休みながら働いていた。流石に限度はある。しかし、全員が倒れても手を動かす者がいた。明石だ。工作艦であるプライドと悲惨な目に合うかも知れない艦娘達を救うためと認識しているのだろう。工厰妖精も倒れ、残り1人になっても働いていた。連絡を受け時雨達が来たときには、明石以外の者は床で寝ていた。明石も顔が酷くクマが出来ていたが
「喜んで下さい!頼まれた通り、例の兵器が完成しました!」
明石は喜びながら兵器を紹介したが、時雨達は唖然とした
大きすぎた。コンテナ並みに大きかった。大型トレーラーか大型飛行機でなければ運べない。敵から見たら、攻撃して下さい、とアピールしているようなものだ
「出来たのは嬉しいけど、小型化は出来なかったのか?」
「……流石に無理でした。本来は数十年後の技術ですから」
明石は残念そうに言ったが、パソコンの設計図から兵器を造るのはやはり天才というべきか
「いくつある?」
「全部で3つ。これが限界です」
「それで十分だ」
提督は何か策でもあるのだろうか?
「明石、ありがとう」
「いえいえ、明石にお任せ……くた………さ……ZZ」
もう限界だったのだろう。明石は糸が切れた操り人形のように倒れこんだ。提督は慌てて明石を支えたが、明石は寝込んでいる。艦娘は無敵ではないのだ
「未来にも助けられたな」
未来の記録では明石は、タイムマシンの設計に四苦八苦していたという。明石がいなければ、全員全滅していたであろう
浦田重工業の本社ビル
ある部屋
港湾棲姫は鎖で繋がれて拘束されていた。そして、深海棲艦のボスにも拘わらず、恐怖の顔を浮かべていた
彼女が恐怖で震えているのは、凌辱されているからではない。拷問されているからではない。非道な実験をされている訳ではない。研究員はいるが、彼等は港湾棲姫に目をくれず、仕事に没頭している
港湾棲姫が怯えているのは、信じられない光景を目にしていたからだ
ここは実験場。数々の兵器開発を行っていた所。深海棲艦を倒すための通常兵器であるイージス艦はそこから生まれた
今は、浦田重工業の重要な戦力である戦艦ル級改flagshipの改修。その方法を見て港湾棲姫は、身体を震わせていた
「ア……アア……」
戦艦レ級は、戦艦ル級改flagshipに首を掴まれ、身体が宙に浮いている。苦痛と恐怖のあまりで暴れているが、それも徐々に弱まっている。片方の腕で港湾棲姫に手を伸ばしている。助けを求めているが、港湾棲姫は何もできない
戦艦レ級が干からびているのだ。自分の仲間が、よくわからない存在によって力を吸い取っているのだ。戦艦レ級は原型を失い、ミイラと化した
「素晴らしい力だ。深海棲艦が人間のような思考能力があれば、世界を我が物に出来るものを。勿体無い」
「フザケルナ。オ前ハ……何ヲシタノカ分カッテイルノカ?」
港湾棲姫は、おぞましい行為を見たにも拘わらず、キッと睨んだ。こんな事があってたまるか!
「戦争に勝つため。それだけだ」
「外道ナ奴メ!我等デモソンナ非道ナ事ハシナイ!」
「戦艦棲姫は捕虜を皆殺しにしようとしていた。違うか?」
「深海棲艦ハ悪魔デハ無イ。仲間ヲ殺シテマデ強クナロウトトハ思ワナイ!」
港湾棲姫は拘束されながらも、残虐な行為をした戦艦ル級改flaishipに対して噛みついた。どのような思考があれば、戦艦レ級を吸い取って力を取り入れると思っているのだろう。こんなのは吸血鬼だ!我々の仲間でも味方を糧としてまで強くなろうとは思っていない!これは、深海棲艦を冒涜している!
「ほう……」
戦艦ル級改flaishipは拘束された港湾棲姫に近づいた。港湾棲姫は逃げようと身体を捩じるが、拘束された体では不自由だ。それに加えて、ある薬のせいで力が出ない
「非難をするなら艦娘計画を立案した『大佐』に言うんだな。私と『主』は、それを有効的に使っているだけ。大佐は一族が残した『超人計画』の本質に気づいたため、怖気づき封印した。文献も燃やした。しかし、『主』は残された書物を手に入れ参考にした。豊臣秀吉が一族皆殺しした時に、押収した書類がそうだ」
港湾棲姫は恐々と研究施設にあるテーブルに目を向けた、古い文献が置かれている
「貴様……ヨクモ!」
「そもそも私にこう言ったではないか?深海棲艦は人とコミュニケーションを全く取らない理由を。『私達ハ言葉モ心モアル。人間ニ近イ。ジャア人間同士ハ戦争ヲシナイ?言葉ト心ガアルカラスグニ和解出来ルノ?人間達ハ団結スラシナイ生キ物ダ』とね」
「ソレハ戦艦棲姫ガ言ッタ言葉ダ!」
港湾棲姫は咄嗟に叫んだが、声が上ずってしまった。自分自身がここまで恐怖に震えたのは初めてだ
「どうでもいい事だ。あの親子と時雨は、建造ユニットを取り返したがっているらしいが、そんなものはくれてやる。『主』は艦娘は沈めるよう言ったが、私は簡単には殺さない。恐怖と絶望を味わせてから沈める」
「オ前ハ人間ダッタ癖ニ!何故、コンナ――」
港湾棲姫はそれ以上の言葉は続かなかった。戦艦ル級改flagshipに首を掴まれている
「お前には分かるまい。誰からも蔑まれ、誰からも手を差し伸べてくれなかったのを。地獄を見て分かった。人なんて結局は自己満足だって事を。お前達の力で復讐は果たせた。でも、心は満たされないんだ。殺戮の衝動と戦いの疼きが。そして、力を欲するのも」
港湾棲姫は戦艦ル級改flagshipから離れようともがいた。健全な彼女だったらこんな拘束は払いのける。しかし、薬を打たれ続けたせいで完全に衰えてしまった
「お前はまだ力があるから吸い取れない。しかし、時間の問題だ」
戦艦ル級改flagshipは鬱陶しくなったのか、港湾棲姫をゴミのように投げ捨てた
「それに力を吸い取っても薬を使わなければ、力は発揮できない」
研究員が駆けつけ注射器が入った箱を差し出されたのを受け取り眺めるように見た
「お前達の軍団を使って世界各国に攻撃するよう命じた。この国も攻撃するよう命じるはずだ。もうこの世界の深海棲艦は私の物だ。お前達とおなじようにテレパシーを使って指揮できる」
港湾棲姫は唖然とした。こんな事に成るとは夢にも思っていなかったらしい。戦艦ル級改flagshipが姫・鬼級レベルの能力を身に着けるなんて誰が考えようか?
「お前はテレパシーは使えん。北方棲姫と連絡出来まい。戦艦棲姫も死に、ワームホール付近は、新たな深海棲艦がこの世界にこれないよう機械を設置した」
港湾棲姫は歯を食いしばった。このままでは、深海棲艦は戦艦ル級改flagshipの意のままに操られる。もう誰の手にも止められまい。戦艦棲姫は実は、生きているのだが、残念ながら意識を保つだけで動く力はなかった。実は時雨達が掘り起こして戦艦棲姫は奇跡的に復活したが、その頃には港湾棲姫は力を失ってしまった
「『主』の望み通りに艦娘を始末しよう。でも、あの小娘だけでは満たされない。もっと手ごたえのある奴が来れば。そうすれば、私は強くなれる。この世界で生物界や兵器類の頂点に達する」
「……」
港湾棲姫は何も言わない。もう言葉は届かないだろう。あの時の……あの時の捕虜だった頃の女性は何処へ行ったのか?まさか、演技だったのか?
港湾棲姫は後悔した。自分達が行うとした事。捕虜だった女性の人間を自分達に使えないかと。人間社会の事をよく知っているはず。そのために深海棲艦の力となるはずだと考えた。それが間違いだった。奴は人間の皮を被った悪魔だった。逃がした捕虜の船に追いつき真っ先に沈め、一人残らず殺すなどと誰が予想出来ようか
社長室では浦田社長が待っていた。それは戦艦ル級改flagshipの戦力増強と報告が聞きたかったからだ。進行次第では計画を前倒ししなくてはならない。その前に時雨や例の息子などの奴らが邪魔がなければいい
「やはり北方棲姫がこちらの漏らしたか。深海棲艦は人類を見下しているとばかり思っていたが。奴等は隠しているつもりらしいが、監視を逃れる術はない」
実際に浦田重工業は、岐阜基地を監視していた。レーダー波もあることから対空レーダーも備えているらしい。平行世界の日本の歴史と違って進歩しているわけだ
「しかし、無線傍受と暗号の解読で仲間を増やしているのは丸わかりだ。ミッドウェーの二の舞になるがいい」
無線通信は全て傍受し、暗号も解読している。平行世界で太平洋戦争の戦史を教訓に学んだ。旧日本軍の暗号能力は低かったとのこと。それに加えて、こちらにはコンピュータという素晴らしい電子機器がある
浦田社長の考えは、正しい。第二次世界大戦当時の日本の暗号は、早々と解読されてしまったのだ。外交暗号は機械式(主にパープル)。陸海軍はコードブックによる転換方式をとった。パープルは戦争前から早々と解読されてしまった。ワンタイムパッドを無限式乱数(と称して採用した陸軍暗号は解読されなかった(但し終戦後には部分的に解読された)が、海軍はもっと甘く、しかも沈没した潜水艦から暗号表を盗まれてしまった海軍作戦暗号は、解読されてしまった。つまり、ミッドウェー以来、日本海軍の作戦は米軍に筒抜けだったのだ
余談であるが、第二次世界大戦中、英米はドイツのエニグマと同じく機械式の暗号機を使っていた。イギリスはタイベックス。アメリカはシガバ(M-143-C)と呼ばれるもので、エニグマよりも強力で、枢軸国側に解読されなかった
しかし、相手は電子戦は敵わないと思っているのか、通信内容が極端に低い。拾ってくる電波もどうでもいい内容ばかりだった。行動を起こすと思って罠を誘ったが
「何か策があるのか、それとも戦力がないのか」
向こうが何もしないのなら好機だ。邪魔されずに出港できる。そんな事を考えていると秘書が入ってきた。相変わらずの表情だ
「社長、準備ができました。ですが、薬は最後まで取って置きたいと」
「隠し玉か」
この秘書は棘がある。全く、いつまで演技を続けているのだ。しかし……もしかすると別の道があったかも知れない。平和で友好的な方法が。しかし、あのワームホールで見てきた並行世界の日本とこの世界の現状を見ればそうも言ってられない。無知は恐ろしい。平民はただの操り人形になるだけだ
「ちゃんと始末したんだろうな?」
「ええ」
浦田社長の問いに秘書は有頂天になって答えた。内心は楽しくて仕方ないのだろう。戦艦ル級改flagshipが地球上にいる深海棲艦を操る事に。姫・鬼級はいないため安心して命令を出せる。北方棲姫は無理だろう。例え、健在だったとしても一人では何もできない。一握りしか把握できない。テレパシーが違いすぎるのだ
「敵になりうる人や最悪の兵器を生み出そうとしている人間を始末するには簡単です」
深海棲艦が各国の都市などを攻撃されパニックになっている最中、奇妙な事件があった。それは世界各国の科学者や軍人、政治家達が何者かに殺されるといった事件だ。殺す方法が主に空母ヲ級の艦載機を使った執拗な攻撃だった。逃げても逃げてもしつこく狙い、撃退する手段がないこともあって、逃げ回った科学や政治家達などは一人また一人と命を絶った。アメリカ、ドイツ、イギリス、ソ連でそういった事件が多発しており、中にはある政治家一家がまるごと殺されるといった事件まであった。トップを失った事により、ある国は混乱して内戦が起きる始末だ。その大規模な暗殺の原因は、浦田社長と戦艦ル級改flagshipである。多数の主要人物殺害を深海棲艦に命じたのはその2人である。彼等は知らないが、未来でもそれを実行した。流石に未来の提督まで命は奪えなかったが、帝国陸海軍を弱体化するのには十分だった。今回はそれが、早まっただけである
ドイツのある街
『艦娘計画』のノウハウを運んだ一行が到着する数週間前……この国では奇妙な事件に警察関係者は首をひねっていた。今回の事件で、深海棲艦が明らかに国のトップを殺そうとしているのは明白だ。現に政治家や軍人が次々と殺されドイツの存亡が危ぶまれていた。そんな中、深海棲艦はなぜこの画家を殺したのかが未だに分からない。現場にいる刑事も首を捻るばかりだ
「なあ、なぜこいつが殺されたんだ?」
「下手くそな深海棲艦の絵でも描いたんじゃないですかね?」
この人をよく知る人は実際に殺される直前、訳の分からない悪口を言っていたという。しかし、なぜ深海棲艦の艦載機と艦砲射撃が彼の住む家ごと吹っ飛ばしたのかが分からない。相手が相手であるため、こちらはどうする事も出来なかったが
「それでこの人の名前は?」
刑事に質問に死体を遺体袋に入れて搬入する際に警官たちは、彼が保有していた身分証を取り出して名前の確認をした
「名前はっと…えー……ア……アドルフ・ヒトラーだってさ」
この人物が生きていたら、この国がどうなっていたか。死んだ男が、後にこの国の独裁者になる事に刑事や警官たちは分かるわけがない。しかし幸いなことにこの世界は、浦田社長がいって来た未来の平行世界とは違い、彼は政治家にはなれなかった。まだ画家だったからだ。実は密かにヒトラーの絵をこっそりと買い、平行世界のように政治家を目指すのを諦めさせる計画だったが、どうもこの人は野心が強かったらしい。政治家の道にも考えていると分かると殺害命令を出した。政治の道に歩まず熱心に絵を描いていてば見逃していたものを。この事から浦田社長は、平行世界の歴史を元に多くの人を暗殺する事を実施した
これにより、並行世界の過去で偉業を成し遂げたと思われる人物が多数殺された。独裁者、政治家、軍人、科学者そして原爆開発チーム……。しかし、それは戦後の話であり第二次世界大戦が行われていない今では、ただの人間である。そんな人物達が後世に名声を轟かせる間もなく、戦艦ル級改flagshipが操る深海棲艦の攻撃によりあの世へ送られた
皮肉にも第二次世界大戦を止めると言った浦田社長の野望は達成されたかも知れない。しかし決して合理的な判断ではなく、人道に反する行為であるのも事実である。また、その人物が失った事により新たな悲劇も生んでしまったというのも言うまでもない
個人が出来る事は知れている。そして、戦争を止める事も容易ではないのも浦田社長は知っている。平行世界の日本で見たのだ。自分達は安全な場所に居てプラカードを掲げ政権批判しか喚かない人達を
それでは意味がない。平行世界の日本の人間は、楽観主義もいい所だ。少なくとも平和憲法を軍事大国に輸出しないのが証拠だ。彼等の主張は、軍隊は人殺し集団という。しかし、自軍にしか文句を言わないとは本末転倒だ。近隣諸国では核兵器があるというのにも拘わらずである。呑気なものだ
結局は、自己満足でやっている。勝手にそう思っているだけ
「だから私はやる。これは大義のためだ。話し合いなぞ、結局は何も解決出来ない。お前達だってそう思って原爆を造ったのだろう?」
浦田社長は、平行世界の日本から手に入れた原爆チームのメンバーであるマンハッタン計画の資料を見た。本来はアメリカに亡命したあるユダヤ人の科学者が、ナチスドイツが原爆をつくる危険があると米国政府に訴えた事により、原爆開発に着手した計画である。それが、まさかアメリカが日本の広島長崎に対して原爆を落とすとは夢にも思っていないだろう。結局は、自分達がやっている事は正義だと思い込んでいる。そうでなければ、原爆なぞ造らないはずである
「障害もなく多数の主要人物暗殺を成功したのは人類史上、例を見ません」
「そりゃ、そうだ。深海棲艦を使っているのだからな。平行世界の日本のある人達は昔、こう言っていたらしい。『旧ソ連や中国が造った核兵器は平和的なものだ』とね。所詮、人はその程度の認識だ。自分が支持する国を庇うために言い訳するとは。これでは核兵器廃絶なんて無理さ。夢物語もいい所だ」
浦田社長は微笑みながら呟いた
「核廃絶、戦争根絶はこうやるものだ。何も力もない過激な宗教団体やテロリスト共。ただ政権批判してるだけではダメなんだよ」
核兵器廃絶する方法……それは、核よりも確実に強力な兵器が登場した時か核兵器を保有している国を例外なしに全て処分する事。それも核開発に携わる者も含めて
だが、前者後者とも血は流れるのは必須である。強力な兵器は人々を魅了する。皮肉にも、この世界では平行世界より早く核廃絶を実現させてしまった。もし核廃絶の人達が、浦田社長のやり方を聞いたらどんな反応が来るのだろうか?
「ともあれ、502部隊や艦娘がここを攻めてこないとは限らない」
「安心して下さい。守りは万全です」
秘書の言うとおり、浦田重工業も隠し玉を持っている。あれを見せれば502部隊も仰天するだろう。それに、戦艦ル級改flagshipの件もある。空母ヲ級の艦載機で攻撃する事も可能だが、それだけでは面白くない。また幼いとはいえ、北方棲姫がいる。コントロールしている空母ヲ級が正気に戻っては困るからだ。そして、どういう訳か大佐は、艦娘を新たに建造したらしい。無人機による偵察で見つけたのだ。迎撃機が上がったため、詳しく観察出来なかったが。深海棲艦による暗殺は、諦めざる得なかった
しかし、だからと言って日本の主要人物の暗殺は見逃してはいない。艦隊が出発すると同時に決行する。平行世界の日本では散々、軍部が悪者のように言っているのだから構わないだろう。国の機関の建物全てミサイルで攻撃すればいい
しかし、浦田社長はミスを犯した。実はこの偵察で複数の艦娘は確認されたものの、奇跡的に息を吹き返した戦艦棲姫の存在を見逃してしまった。偵察衛星もないため、随時監視できない。時雨達にとっては幸いと言うべきか。もし、知っていたら判断が変わっていたかも知れない
そんな事も知らずに浦田社長は秘書に目をやった。彼女の人生は、干渉すべきではない。『もしも』は無いのだ
戦艦ル級改flagshipが艦娘にやられるような事はあってはならない。それだけだった
おまけ
ビスマルク「提督、質問があるわ」
提督「おい、お前はまだ登場しないはずだろ」
ビスマルク「別にいいじゃない。それよりも提督。もし、ドイツが第二次世界大戦に勝ったらどうなっていたの?」
提督「歴史にIFはダメだろう。まあ、もしナチスドイツが勝っていたらどうなっている……か。俺はこう思うぞ」
提督の推測 ~もし、WWⅡでドイツが勝っていたら~
恐らくではあるが、恐ろしい世界になっていたに違いない。何しろ、ナチスドイツ出身の組織や人が主に化け物揃いだからだ。ある波紋使いのよると「ドイツの医学や科学には、とんでもねー技術が隠されていて戦争に備えている」と言ったくらいだ。もし、ヒトラーやドイツのトップが有能で、その組織や人外を上手く飼いならして全力でドイツをサポートしたら余裕で勝っていただろう
しかし……
モンティナ・マックス少佐「ドク、敵が滅茶苦茶弱くないか?たった数日で我が軍が勝ってしまったぞ。これでは、『諸君、私は戦争が大好きだ』が言えなくなるのではないか」
ドク「そのようで……」
ポーランドで吸血鬼研究をしていたものの……ドイツ軍の活躍によってソ連は敗北。
計画は全て白紙になり、同時に吸血鬼による部隊計画たるミレニアム計画も大幅な予算削減を受けた。同時にイエスの聖杯、アークの発掘などが中止されてしまった
ヒトラー「もう強力なパワーはいらないから」
この鶴の一声で決まったのだ
しかし、本国から計画中止を受けたにも拘わらずマックス少佐は諦めない
モンティナ・マックス少佐「研究を続ける予算はまだ溢れるほどある」
ユダヤ人などから奪った資金、資材、そして金品の詰まれたコンテナが基地に積まれて喜ぶマックス少佐
グルマンキン・フォン・シュティーベル大佐「ちょっと待て!ミレニアム機関ばかりズルい!」
マックス少佐「君はヒトラー直属の女魔術師ではないか。魔術なんぞまやかしは役に立たんぞ」
予算の奪い合いににらみ合いが生じてしまう事態に
ゾル大佐「俺が変身しなくても勝てる相手だったとは……」
レッドスカル「キャプテンアメリカが居ないから滅茶苦茶、暇」
ヒーローという宿敵がいないため、退屈する人も出始めた
ルドル・フォン・シュトロハイム大佐「うろたえるな!愚痴を言うんじゃない!ドイツ軍人は愚痴を言わない!!」
ヴィルヘルム・ストラッセ親衛隊大将「高度な技術を持つデスヘッドがドイツを助けるハズが、数日で降伏するソ連やイギリスとか弱過ぎる」
ヴィルヘルム・ストラッセ親衛隊大将のパワードスーツ部隊、サイボーグのルドル・フォン・シュトロハイム大佐、そして魔術師のゲルマルキン大佐やレッドスカル、そして悪の組織であるゾル大佐などが団結し、連合国の軍隊をものとせず進軍。結果、ドイツは開戦から僅か1週間で圧勝したという
しかし彼らの活躍の割には得たモノは少なく、不満を漏らす者が後を断たなかったという。遂には暇つぶしに別の事をする者まで現れた
ヴィルヘルム・ストラッセ親衛隊大将「早速、月に人間を送り込むか」
月面にドイツの旗が立てられるのも時間の問題であった
~推測終わり~
提督「恐らく、世界は暗黒時代になっていただろう。世界が危機になっていたのは間違いない」
ビスマルク「ごめんなさい、提督。多分、違うと思うわ。と言うより、よくナチスネタである架空人物をたくさん知っているわね!私でも半分しか知らないわよ!!」
時雨「……提督は普段、何を見ていたんだろう?」
時雨sideはX兵器完成、浦田重工業sideは世界各国の主要人物を暗殺しまくります。ヒトラーやマンハッタン計画に携わった人達などを殺しまくる浦田重工業
お蔭で第二次世界大戦は起こる確率は低くなりましたが……
もし、総統閣下が有能だったら……恐らく人外や強力な組織を一纏めにしているでしょう。多分、連合国の軍隊なぞ目ではない!因みにおまけで出たキャラの元ネタは
モンティナ・マックス少佐とドク←『HELLSING』に出て来るミレニアムのリーダーとマッドサイエンティスト
・グルマンキン・フォン・シュティーベル大佐←翡翠峡奇譚に出て来る親衛隊SSの大佐。女魔術師
・ゾル大佐←『仮面ライダー』に出て来る初代ショッカーの大幹部の1人
・レッドスカル←アメコミ『キャプテンアメリカ』の宿敵
・ルドル・フォン・シュトロハイム大佐←『ジョジョの奇妙な冒険(二部)』に出て来るドイツ軍人。「ある波紋使い」というのは、二部の主人公であるジョセフ・ジョースター
・ヴィルヘルム・ストラッセ親衛隊大将←『ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー』より。アメリカもビックリするほどのハイテクノロジーを駆使してドイツに勝利をもたらす
上に上げたキャラはナチス出身か親衛隊か残党である。総統閣下はなぜこんな強い組織や人を抱えていたのに世界大戦では負けたのだろうか?
ビスマルク「提督、貴方の考えは少し甘いようね。私が一から教えてあげるわ!」
まあ、ナチスネタでの架空人物は結構います。興味ある人は、読んで見てはいかがでしょうか