ではどうぞ。
「何で消えたの!?光属性の魔法を当てればないこともないけど...スウ、魔法は使ってないよね?」
そう。魔法は使っていない。この前見た光の初級魔法はつかえるが、使ってない。
「うん。これも能力の効果だったんだ。」
能力の効果。つまりコレクトの効果である。
「ランの魔法を魔力に分解したんだ。だからただの魔力になって消えた、ってことだな。」
魔法を分解できるのだから、こういうことももちろんできる。
「あなた、あれだけのことができて、しかも能力持ちなの?なんて人...」
「そういえば、ランは能力持ってないの?」
今更だが、僕はランのことをなにも知らない。
「そうね、改めて自己紹介しよっか!」
切り替えが早い子で良かった。
「わたしはラン。人間族とエルフのハーフ。僧侶で、能力は持ってないけどこれでも貴族の家系なんだから。」
胸を張るラン。
「へぇーエルフと人間ねぇ。確かに僕とあんまり変わらないな。」
エルフといえば高身長で耳が尖っているイメージだが、ランには当てはまらない。
「エルフは純粋なエルフじゃないとその特性が出ないことでも有名なの。わたしの家系は人間の貴族の家系だから、家に居づらくて冒険者してるの。」
勉強になる。知識は本当に浅いところまでしか教えてくれない様だ。
「ところでスウのことは色々聞いたけど、ルナのことは何にも知らないわわたし。教えてくれる?」
ランが言う。
「そ、そういえばそうでした。ルナです。」
ぺこり、と頭を下げる。耳もぺたりと下がり、寝起きで整えていない長い髪が揺れる。可愛い。
「見ての通りワーウルフです。冒険者でハンターをしています。能力はパンドラ、収納し、取り出す能力です。よろしくおねがいします。」
「ルナも能力持ちなの!?まったくどうなってるの...」
呆れた様に話すラン。
「とりあえず、これでパーティは3人になったな。どうだ?ルナ。まだ必要だと思うか?」
「ううーん、どうでしょうか。パーティは基本5人くらいにはなりますが...このまま進めるのも悪くはないと思いますよ。」
基本5人くらいなのか。役割がそれだけあるなら、3人では少し心もとないかもしれない。
「あの張り紙を見てくれた人が明日来てくれるかもしれない。それまで少し待つか。」
「そうしましょう。」
「そういえば、ランはパーティ組んでないのか?あんなにすごい魔法が使えるのに。」
なあなあでうちのパーティに入ってくれることになったが、ランはとびきり優秀だ。欲しいパーティはいくらでもあるだろう。
「あなた1分で覚えたじゃない...。...入ってないわ。みんな低脳で困っちゃうんだもん。」
「こわっ...」
低脳とか言わないでください。ひゅってなるんで。
「大体、わたしは一人でも冒険者出来るもん。今までもそうだったわけだし。」
「そりゃそうだ」
間違いなくランは強い。一人でも冒険者が出来るほどに。
「でもこれで僕らは仲間だ。これからは助け合っていこう。よろしくな。」
「う、うん。...///よろしくね。」
なんだ?顔が赤いが、熱でもあるのだろうか。
「わ、私も忘れないでくださいーっ!」
ルナがかけよる。
こうして、3人のパーティが出来上がったのだった。
「じゃあ、今夜は少しだけど寝ようか。遅くに起こして悪かったなルナ。」
「いいえ、お気になさらず。スウさん、ランさん、おやすみなさい。」
「おやすみー!!」
とてとて、と僕の後ろに続いて部屋を出ようとするラン。
「あれ、そういえばラン、どこに泊まんの?」
「スウのお部屋...///」
「わたし、初めてだから優しくしてね...///」
「ランさんは私の部屋に泊まりますのでスウさんはお部屋へ!!」
ドタバタした宿での夜は、終わりを告げたのであった。
読んでいただきありがとうございます。
今回のあとがきは能力について。
生まれついて持っている能力は、冒険に役立つものとは限りません。
その能力持ちの少なさから重宝されますが、役立たない能力の人もかなりいます。
例えば周囲のものを眠らせることが出来るが自分も眠る能力や、爪がめちゃ早く伸びる能力なんてのもあります。その世界で起こりうる全てが能力として現れるのです。
魔法というより体質に近く、その能力はいくら使っても疲れたりはしません。
ですが、ものをすごく早く投げる能力があったとして、その能力を使い続けると、普通に肩を痛めます。人体が持たないので。逆に言えば人体の方を強化する能力なら、すごく強いですね。
能力とは突然変異に近いもので、親が持っていたとしても子供にあるとは限りませんし、逆も然りです。
ルナちゃんのパンドラは、実は超超級魔法に「パンドラ」という魔法があり、それが能力としてノーコスト発動できています。ランちゃんがその存在を知らなかったのは、バカコスト過ぎて燃費ご悪すぎるため、誰も使わず廃れた魔法だからです。
長くなりました。
またどうぞ。