関係ないですが、犬も好きです。
どうぞよろしく。
「だぁーかぁーらぁー君は死んだの!私のせいで!」
「はあ...」
我ながら情けないと思うが、二言目も同じ文字であった。
「いい?あなたはまだ死ぬ運命じゃなかったの!あの事故であなたは一命を取り留めて下半身動かなくなっちゃって死ぬまで病院のベッドのはずだったの!」
「それ、死ぬより辛いんじゃあ...?」
なぜか怒り狂う美少女から発せられる身の毛もよだつ運命に一人震える。
「ていうか、ここどこなんですか?」
やっと気になっていたことに気が付いた。我に返って状況を考えてみれば、これは不自然だ。
死んだというなら天国なら地獄なりに行くのではないのか?
ならなぜここにはこの美少女しかおらず、自分はここにいるのか?
「ここはね、まだ死ぬ予定じゃなかった者が迷い込む場所なのよ。」
やっと落ち着きを取り戻したらしい美少女が答える。
「え?じゃああなたも僕と同じなんですか?」
素直な疑問であった。この美少女は誰なのか。何者なのか。
まず普通の人間ではあるまい。なんか翼生えてるし。あのぐうたら加減を見る限り、ここに住んでいるのだろうか?
「私をあんたと一緒にしないで!私は偉大な天界の神々の一柱なんだから!!」
美少女はふんぞりかえる。
今気づいたけどこの美少女かなり幼くみえる。綺麗ではあるが可愛いといった印象を受ける。大体中学入りたてくらいだろうか?
「ん...?待ってそれ神さまってこと?」
容姿のことを考えるあまり話の核を忘れていた。この美少女、今とんでもないこと言った。
「だからそう言ってるじゃない!私は神!戦いと愛と正義とあとなんか清い感じのものを司る全能の神様、ゼウスなんだから!」
ゼウス。彼女は確かにそう言った。ゼウスとはギリシャ神話における全能の神である。何を司っているかなどは詳しく知らないが、名前くらいは誰でも知っているのではないだろうか。
「でもそんな神様がこんなところでなにしてるんですか?」
僕は自分でも驚くほど冷静であった。一度死んだからか、度胸がついたのかもしれない。
「ここは私の部屋みたいなものなの。私が私の部屋でなにしてたって構わないでしょ?」
少し機嫌が悪そうな美少女改めゼウスはそっぽを向きながら答える。
「ここは神の座。それも超超ド級の絶対神ゼウス様のね。私以外誰も足を踏み入れたことのないちょぉーーーう神聖な場所なんだから。」
「そのちょぉーーーーう神聖な場所に僕がいるのはなんでなんですか?初めから天国にでも連れてってくれたら良かったのに。」
「君もわからない子だねぇ。君は私の手違いで死んじゃって、死亡予定者の欄に魂印がないからどこにも行けないのよ。」
ゼウスは呆れたように話す。どうやら人が死ぬ時、天界に予定が書かれていて、その通りに人が死ぬらしい。ぞっとしない話だ。
「じゃあ僕は死んでも彷徨うしかないってことですか?こまります。」
困る。と僕は言ったが、別段なんとも思っていないのも事実だ。別に悪いことはしていないから天国には行けるだろうし。あとゼウス可愛いし。
「そうねぇ。実はここに迷い込んできた子は初めてだから、バレちゃ困るのよ。私が仕事サボ...ええ、仕事を休ませていた時にちょっと手違いで死んだのがバレたら、私怒られるし。」
身勝手すぎる神様なこった。
「だから、さっきも言ったけどあなたには生き返ってもらおうと思うの。でも、元の世界はダメよ。別の世界で新しい人生を歩むの。もちろん能力付きでね。」
どうやらこの神、元いた世界では普通に不幸な事故として片付けるつもりらしい。なんて神だ。
「能力があればウハウハよ?なんだってできちゃうんだから。あ、でも私の力を超えるのは無理よ?私があげるものだから私を超えるものはあげられないの。でもどう?良くない?」
「いいとは思いますが...」
少し踏ん切りがつかない話でもある。異世界とか不安だし。
「じゃあこうしましょ!私が持ってる能力の一番いいのをあげるわ!その能力をもって異世界に転生するの!これなら文句ないでしょ?」
まくし立てるゼウスを尻目に、僕は考えていた。異世界とかいうよく分からない世界に飛ばされて自分はやっていけるのか。
「その点大丈夫よ?」
「ナチュラルに心読まないで貰えますかね」
この神、マジに全能らしい。
「その異世界の知識とかそういうのはセットで送ってあげるわ。元々覚えてたーって感じにね。言葉とかも全部わかるし、なんなら異世界ジョークも言えるようにしておくわよ?」
「異世界ジョークって何」
よくわからないが、それなら問題なさそうだ。ウジウジ考えても仕方ない。ここは男を見せる時なのだ。
「わかった!僕、異世界行きます!」
えらい長くなってしまいました。次の話でチート能力渡すので待っててください。ありがとうございました。