仕事に出る前、自分の水槽のエビに向かって「お前らを養うために働いてくるわ」って悪態つくのがマイブームです。
あと、今回バトル行けませんでした。本当にごめんなさい。次は必ず。
ではどうぞ。
スウたちは、各々準備をして朝早くに目的地へと向かう。
「ねえ、スウ。結局その敵さんとやらがいるとこってどこなの?私何にも聞いてない気がするんだけど」
パールが少しダルそうに言う。朝が弱いらしい
「ああ、ガーさんが言うには地図のここだって。この世界の地図はわかりづらいな。謎の手書き感があるし」
「それ、手書きですよ?というか手書き以外にどうやって書くんですか」
ルナがきょとんとしている。
「コピー機とかでいいじゃん。」
「こぴーき...ですか?よくわかりませんけど、地図は一つ一つ手書きですし職人さんが歩いて計測したものですから、とても高価なんです」
これだけ便利な魔法がある世界なのにコピー機はないというのはよくわからない。
「しかも、モンスターが出るところは危険を伴いますし、命取りですから間違うわけにいかない、ということで何年もかけてつくられています。普通の地図より値段は跳ね上がります。」
「理屈はわかるが...」
なんともままならない感じである。
「ぶつくさ言ってんじゃないわよ。せっかくもらったんだから、ありがたく使わないと。」
今日のパールちゃんはご機嫌ななめなようだ。
「スウ様、私、先に走って見て来ましょうか?地図よりはマシだと思いますけど...」
「いや、決戦前だしお前スタミナ切れたらどうすんの」
「はいはーい!私が魔法で偵察部隊だそっか!早い!美味い!安い!三拍子揃ってるよ!その間私動けないけど!」
「だから決戦前だっつの。あと美味いと安いはどっから来たんだよ」
ランはいつになくご機嫌だ。いや、もしかすると緊張を出さまいと気丈に振る舞っているのかもしれない。
「まあ、地図はあるしとりあえず歩いてみるか。方角はなんとなくわかるし、歩いて2時間くらいって言ってた。」
「に、2時間ですか...ただ歩くだけはなかなかきついものがありますね」
ルナもげんなりしてきたようだ。
「そうだ、ルナ。パンドラで丸いもの四つと僕らが乗れるくらいの大きさの丈夫な板とか出さないか?」
「...?そんなもの、何に使うんですか?探しては見ますが」
そういうとルナは右手を伸ばし、空中に現れた黒い穴に突っ込む。
「ううーん、丸いもの丸いもの...これじゃないこれでもない...」
ドラ○えもんを思い出す。劇場版でダメな時の。
「こんなのでいいですか?丸太を四つと家の屋根を補強するときに使おうと思ってた木の板です。」
そこには、直径50cmくらいの見事に円に描く丸太四つと、横4m、縦2mくらいの分厚い木の板があった。
「うん、かなりいい感じだ。じゃあ、これをこうして...」
「これでよし。そして仕上げに...パールの魔法、なんだっけあれ。影を操るやつ。」
「マリオネット・ワルツ!忘れないでよね」
「ごめんごめん。それを応用して...こんな感じかな」
「マリオネット・ワルツ・メゾピアノ。」
スウが適当に唱えると、四つの丸太と板は、ゴトゴトと動き出し、板の横に丸太が配置される。
「これ、僕のいた世界では車って言うんだ。すごい便利なんだぞ。」
そう、それは完全木製のなんともメルヘンチックな車があった。ちなみに木の板しかないため、吹きさらしである。
「くるま...?こんなの作ってどうするの?」
ランは不思議そうに覗き込む。
「まあまあ。みんな、それに乗って座ってくれ。あ、右の前は空けておいてくれよ。」
スウがそう言うと、みんなは少し不安そうに板に乗り、座り込む。
「みんな乗ったな?じゃあ、ドライバースウ、安全運転で参ります。シートベルトをお締めください。」
「しーとべると?」
シルバが小首を傾げている。当然シートベルトなどついていないし、おまけに安全運転などするつもりもない。ついでに言うなら免許も持ってない。
「快適な車の旅を!」
スウは、その車(後にアウッディ試作一号と言う名前がつく)に魔力を注ぎ込む。
すると、タイヤであるところの丸太がギュルギュル!!と大きな音を立て、高速回転し、五人を乗せた車は跳ねるように前へと突き進む。
「いやああああ!!!!」
ルナは隣のシルバに抱きつき、泣きながら悲鳴をあげている。
「....っ!!」
抱きつかれたシルバは恐怖で完全に硬直してしまっていた。
「これいいわね!!もっと飛ばしちゃって!スウ!」
「いけいけー!!」
ランとパールはいける口の様で、爆速で森を駆け抜ける車を楽しんでいる様だった。
「飛ばすぞー!目的地まで一直線だ!...そういえばこの車、ハンドルつけてなかったな。」
「はんどるってなんですか?スウ様」
「ハンドルっていうのは車のタイヤを左右に動かして車を曲がらせたりするものなんだ。」
「「「「え?」」」」
「だから、この車、曲がれない。」
「あの、目の前に見える大きな大きな木はどうするんですか...?」
ルナが震えている。
「まあ、なんとかなるって!じゃ、フルパワーでいこう!持ってくれよ!!」
ゴゴゴゴオオオ!!!と火花を散らす丸太は、巨木へと車体を潜り込ませる。
「あ、当たるーーーっ!!」
ルナが目を閉じて、次に目を開けた時に見たのは大きく広がる空だった。
「さいっこぉー!!!」
巨木にぶつかった車は、そのまま巨木をすべるように駆け上り、大空へと五人を吹き飛ばしたのである。
「お!!あそこだな!このままいくぞー!」
「「きゃああああ!!!」」
「「おーー!!」」
怯えるルナとシルバ、盛り上がるランとパールを乗せた車は、目的地への道のりを食い破って行った。
「はあ、はあ...じ、じぬ...」
「おろろろろろ....」
ルナは肩で息をし、シルバは普通にリバースしている。
「はあー、楽しかった。帰りが楽しみ!」
ルナはとても上機嫌になっていて、目が輝いている。
「次はこうして翼をつけたらどうかしら!!」
パールは更なる改造を提案してきていた。
「そうだな翼をつければ...って、あ。あれだよ目的地。」
そこには、何百年も前に廃れたような古城があり、なんとも風情がある。
「もうここは敵の射程距離かもしれない。気を引き締めていこう。」
森を抜けて草原になっていて隠れる場所のないそこは、嫌でも古城を意識させてくる。
「よくみたらそこら中に転がってるこれ、騎士の鎧とか骨だな...物騒な」
なんとも穏やかな風の吹く草原には、ところどころ生々しい血がべったりとついており、戦場であったことを物語っている。
「ほ、本当ですね...ちょっと怖くなってきました...」
ルナが打ち捨てられた骸に手を合わせている
そうこうしながら、五人は古城の大きな扉の前にたどり着く。
「ほわあ...おっきいです...開けられるんでしょうか?こんな扉。スウ様、わたしが破壊しましょうか」
「お前、結構物騒なやつだよな」
シルバは障害を確認するとすぐに破壊しようとする悪癖があるようだ。
「まあ、それしかないよな...シルバ、やってくれるか?」
「任せてください!黄金の左!!です!!」
特に何の魔力も乗せていない左ストレートが扉に当たる...と思ったその時。
ブォンッ!
「んひゃああっ!?んぶっ!」
シルバの放った渾身の左は、素晴らしい快音を響かせて宙を裂いた。そのまま大きく前のめりにこけたシルバは、その長いバトルドレスを思いっきりはだけさせていた。
「パッ...!」
そう。パンツ。最近ご無沙汰であったパンツである。シルバにしては少し背伸びをした印象を受けるパープルの色彩は、そこから伸びる足をより引き締まった表情に見せ、包み込むお尻は妖艶に艶光っている。生地の上に被さるようになっているレースの生地は、幼さを抑えつつも大人すぎない、完璧な調和を醸し出していた。
「っ、ひゃあ!だめですスウ様!ど、どうしてもと言うなら今晩お部屋に参りますのでその時に...」
「それもだめですっ!」
ルナが叱る。期待したのに。
「って、扉、空いたな。入ってこいってことだろうな。」
その扉の先は、不思議なほどに深い闇があり、その雰囲気に気圧されてしまう。
「行きましょう、スウさん。私たちがついてます!」
明るく言うルナに勇気をもらい、その扉へとゆっくり歩を進めるのだった。
はい、ありがとうございます。
最近見てくれる人が増えた気がして嬉しいです。
さて、今回の後書きはみんなの服装について。
ルナー緑のベレー帽、もらった鎧と剣(剣はパンドラでしまっている)深緑のミニスカート
シルバー両手に収納式のかぎ爪、腕から肩までの鎧、要所に金属のあるバトルドレス(足にナイフや爆薬を隠し持っている)
ランー大きな宝石の入ったメイス、十字に胸元の開いたローブ(腰のあたりでチャイナドレスのような切れ込みがある)、神聖そうな帽子
パールー黒のワンピース(胸元に宝石)、黒い鎌の形をした杖、大きなリュック
パンツは作中でお楽しみくださいませ。
またどうぞ。