どうぞよろしく。
「ん...うぅ..」
未だしびれる頭に鞭打って体を持ち上げる。
しんどくはあったが起き上がれないほどでも無い様だ。
「全く、酷い目に遭っ....んおお!?」
ふと隣ですうすうと寝息を立てる少女に目をやる。
つやつやの髪から覗くその顔は泥で汚れてはいるものの美しさは失われておらず、未だ幼さの残る体を丸め、小動物の様に眠っている。
そして、無防備な彼女の履いたスカートは倒れ込んだ衝撃でか完全にまくれあがっており、可愛らしい下着がまたも顔を見せていた。
「こっ...これは...ッ!」
衝動的に手を伸ばしそうなるが、すんでのところで抑える。
「いやいや寝てる子のアレをアレするとかソレは無いさすがに...」
焦って早口になるスウは、やはり健全な男子高校生なのである。
「んっ...ふああ...ふぅ...」
「っ!?」
起こしてしまった様だ。止まって良かった。危うく犯罪者になるところだった。
「お、おはようルナ。といってももう昼過ぎだけど...」
夜明けと共に眠ったのでそんなに長い間寝ていたわけではないが、昼過ぎにもなるとやはり起きてしまうようだ。
「ふああ...そうなんですかぁ。おはようございまあすぅ...」
まだ寝起きでろれつの回らない口で、可愛らしく朝の挨拶をするルナ。
守りたい。
「って、はぅ!!お、おはようございますっ!」
「うおっ...お、おはよう...」
急に覚醒したこの美少女は僕に寝起きを見られたことが恥ずかしいらしい。
「あのっ、あのっ、私、いびきとかかいてませんでしたか!?」
「大丈夫大丈夫。可愛かったよ。」
「か、かわっ!?」
ぼふんっという擬音が聴こえて来そうなその顔に、思わず笑顔になる。
「ぐぅぅぅぅ.....ひゃあああ!?」
可愛らしいお腹の音が静かな林に響く。
「そう言えば、昨日から何にも食べてないな。」
「ううう...もうお嫁に行けない...」
恥ずかしがるルナは、うつむいている。
「なあルナ、何か食べ物とか持ってる?」
冒険者だし、何も持っていないなんてことはないだろう。
「ああ、それでしたら。
ルナの手元に、がちゃがちゃとなにやら器具が、落ちている。
「バーベキューでもしますか。材料や機材ならいくらでも出せますよ!」
と、笑顔で語る彼女は、使わないであろうフライパンやおたまを上機嫌に出したりしまったりしている。
「そう言えば、能力ってみんな持ってるもんなの?」
ふと気になった。僕は当然もらったものなので持っているが、この世界の住人はどうなのだろうか。
「いいえ、持っている人はとても少ないです。全冒険者の1割程でしょうか?これは生まれつきの才能なので仕方ないですね。」
持っているルナが言うと少し波が立つ気がするが、この子はそういうことをあまり気にしないタイプらしい。
「へぇ...どんな能力があんの?」
「例えば火を出したりとか水を出したりとか...これ、できたら便利そうだなあが形になったようなものです。なので、スウさんの能力は少し異質かも知れません。」
「なるほど。」
たしかにそうだ。力の銀行なんて、そもそも戦うためにあるような能力だ。
「でも、能力持ちというだけでギルドでは待遇がいいですよ。強い冒険者さんのほとんどは能力持ちで、その有用性はたしかなものですから。」
まあ、使う機会もそうなさそうだけど。という考えは口にはしなかった。
「さて、じゃあお腹すいたしご飯にしようか。」
料理に自信はあったが、バーベキューなら上手いも下手もないだろう。
「はいっ!ルナ、頑張らせていただきます!」
張り切るルナはどこからかエプロンを取り出し、作り始めた。
できあがったバーベキューを食べながら、色々な話をしたのであった。
パンツについて書きたすぎる。
さて今回のつじつまあわせですが、ルナちゃんの能力についてです。
彼女の能力は無尽蔵にものをしまえる四次元ポケット的な能力です。
彼女の能力でしまうことができるのは物だけで、生物は不可能です。なので、食材としてのお肉とかはしまえます。
しまい込み、取り出しにかかる時間は物の大きさに比例していて、手のひらサイズなら瞬時にしまい、取り出せますが、洗濯機くらいのサイズになると5秒ほどかかります。
逆に言えば時間さえかければどんな大きさのものでも収納取り出し可能です。
ちなみに昔お湯をしまって、取り出して火傷をしてこっぴどく叱られてからは、液体はあまりしまいたくないみたいです。
あと、ものは全て右手で入れる必要があり、右手で取り出す必要があります。