IS×NW~世界を渡りし者~《更新停止》   作:戒炎

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連日猛暑でお体は大丈夫ですか?
自分ですか?すでに溶けかけてますよ、脳ミソが。

かと思えば各地で大雨。もうどうなってんでしょうね。


難しい問題たち

 あの人、更識楯無先輩との邂逅から、どうも簪の様子が気になってしかたない。

 別に「惚れました」とかじゃない。なんというか、放って置けなくなってきた。

 だが今までの生活からして、彼女は必要以上の干渉を嫌う傾向がある。菓子やアニメ話で釣ってみるのも手かと思ったが、あまりにも不自然すぎる。

 どうしよう。いっそのこと直接聞いてみるか、「お姉さんと何があった」って。

 いやいや出来るわけないよなぁ。明らかにデリケートな問題だし、もし核爆弾級の地雷だったら俺の今後の生活にも関わる。最悪命にも関わるかも知れん。

 ああもう。どうしたらいいんだ!先輩、あんた妹さんにどうなって欲しくて俺に頼んだんだよ!

「旺牙、どうしたの?何か変な物でも食べた?」

「いえ、何でもございません。」

 何故敬語なんだ俺よ。

 それと簪、俺も子供じゃないんだから、そんな聞き方は無いんじゃない?心配してくれているのは正直嬉しいけど。

「そ、そういやもうそろそろだよな、クラス対抗戦。四組の専用機持ちってたしか簪のことだろ?気合いの方は入ってるのか。」

「・・・私の機体、まだ完成してないから。」

 はいこれも地雷でしたー。この娘には一体何個の地雷があるの!?何を会話の切っ掛けにすればいいの!?教えろ神様仏様。

「代表候補生の機体が未完成って、どういうことだよ。」

「私のIS、倉持技研で作られてた。だけど・・・。」

 倉持技研?どこかで聞いたような?

 ああ確か白式の開発も倉持技研だったか。

 んん、話が見えてきたぞ。つまり希少な男性操縦者の機体とデータを優先して、肝心な簪のISを疎かにしているってことか。

 それで一夏の話題になると妙に刺々しくなったわけだ。ちょっと八つ当たりっぽいけど、大事な自分の相棒を放っておかれたら誰だって怒るわな。

「今は私が預かってる。打鉄弐式は私が完成させなくちゃいけないから。」

「おいおい、学生が一人でISを作ろうってか?流石に無茶だろう。」

「それでも、私がやらなくちゃいけないの。そうじゃないと、追いつけないから・・・。」

 追いつけないか。それが誰だか、何となく想像がつく。

 楯無先輩。あんたと簪の間に、一体何があったんだ。こりゃ意外と根深い問題みたいだぞ。

 だからなんで俺の周りの人間は家族で問題を抱えているんだ。なんだ、俺はそういう星の下に生まれてきたのか?

「まあ何だ。俺じゃ力不足かも知れないが、何かあったら相談しろよ。」

「・・・うん。ありがとう。」

 表情は暗いままだが、簪はそう言って頷いた。

 はてさて、どうしたもんかね。

 

 

 

 

「一夏、やっぱりお前は防御を考えるより攻撃に向いている。てか考えるな。」

「そんなに駄目か?旺牙流の防御術を覚えるの。」

「機体の性能差が在り過ぎる。俺のは我流で、他人に教えるには不得手。あと、数日で何とかできるという考えが甘すぎる。」

「うぐぅ・・・。」

 あれから数週間。今俺達は第三アリーナに向っていた。メンバーは俺、一夏、箒、セシリアの四人。

 最初は俺は訓練に参加するのは辞退していたのだが、一夏から防御と近接戦闘について教えて欲しいと言われ、今に至る。

 何故辞退していたのか。だって箒とセシリアの視線が怖いんだもの。一夏の懇願が無ければ俺殺されてたんじゃないか?

 とは言うものの、一夏と白式は防御に向いてない。それより機を見て『零落白夜』で攻撃した方がよっぽど良い。

「だから私がいつも言っているだろう。お前は『私の指導で』剣を振っていればいいんだ。」

「あら、剣術だけで勝ち抜けるほど甘い世界では無くてよ。やはり中遠距離対策を考えた方が建設的ですわ。」

「白式には射撃武器が無いだろう。意味の無い事を教えるな。」

 まったくこの二人は。

「お前ら、いい加減仲良くしろよ。一夏の前だぞ。」

 そう言っても。

「「だってこいつが(この方が)」」

 ときたもんだ。やれやれだぜ。

 そろそろ本当に仲良くして欲しいものなんだがな。主に俺の胃のために。

「なあ旺牙。あの二人ってなんであんなに仲悪いんだ?」

「サアナンデデショウネ?」

 こいつはこいつで・・・。もうどうしようもないな。

 さて、アリーナに着いたな。

 時間は有限なんだ、それこそ有意義な練習にしないといけない。

 一夏がドアセンサーに触れ、開放許可が下りる。

 バシュッと音を立ててドアが開いた先には。

「待ってたわよ、一夏!」

 妖怪ツインテール猫娘が現れた!どうする?

 

 たたかう

⇒にげる

 

 ざんねん、逃げられない!

 ハッ!?俺は今何を!?

 面倒な状況に現実逃避してしまうところだった。

 ああ、妖怪乳入道と金髪ロールの機嫌がさらに悪くなったよ・・・。

 グオッ!?殺気!振り向きたくねぇ!

 ああ、早く帰って簪とアニメトークがしたくなってきた。

 今日のお茶請けは何が良いかなあ、ワッフルなんてどうだろう。(完全な現実逃避)

「貴様、どうやってここに」

「ここは関係者以外立ち入り禁止ですわよ!」

 セシリア、箒の台詞取らないであげろよ。

 鈴は鈴で「はんっ」と挑発的な笑いとともに、自信満々に言い切った。

「あたしは関係者よ。一夏関係者。だから問題なしね。」

 違う、そうじゃない。間違ってないけど間違ってる。

「ほほう、どういう関係かじっくり聞きたいものだな・・・。」

「盗っ人猛々しいとはまさにこのことですわね!」

 ほら二人とも切れちゃった。しかし箒、口元をぴくぴくさせるのは止めてくれ。恐ろしすぎる。

 これなら侵魔と戦っていた時の方が怖くなかった。今はなんだか変な汗が出てきた。

「お前達・・・、おかしなことを考えているだろう。」

 なぜ解る。

「いえ、なにも。人斬り包丁に対する警報を発令しただけです。」

 バカ一夏ッ!何故正直に言葉を発した!?

「お、お前というやつはっ!」

 一夏に掴みかかろうとする箒を鈴が邪魔する。

「今はあたしの出番。あたしが主役なの。脇役はすっこんでてよ。」

「わ、脇やっ!?」

「はいはい、話が進まないから後でね。・・・で、一夏。反省した?」

「へ?なにが?」

「だ、か、らっ!あたしを怒らせて申し訳なかったなーとか、仲直りしたいなーとか、あるでしょうが!」

「いや、そう言われても・・・鈴が避けてたんじゃねえか。」

「あんたねえ・・・じゃあなに、女の子が放っておいてって言ったら放っておくわけ!?」

「おう。なんか変か?」

 即答ですか一夏くん。

 まあ俺も更識姉妹や篠ノ之姉妹に首突っ込んで行動も答えも出てないんだから人のこと言えないよなあ。

「変かって・・・ああ、もうっ!謝りなさいよ!」

 駄目だよ鈴。こいつ理由もなにも理解出来てないし、変なトコで意固地だから絶対謝らないって。

「だから、なんでだよ!約束覚えてただろうが!」

「あっきれた。まだそんな寝言言ってんの!?約束の意味が違うのよ、意味が!」

 ああ本当に帰りたい。傍から聞いたら犬も食わないなんとやらだ。

 蚊帳の外の箒とセシリアのイライラもさらに増してきていて怖いったらありゃしない。

 高校生ですが、友人達の空気が最悪です。誰かなんとかしてください。

「あったまきた。どうあっても謝らないっていう訳ね!?」

「だから、説明してくれりゃ謝るっつーの!」

「せ、説明したくないからこうして来てるんでしょうが!」

 まああれですよね。告白しましたなんて妙なところで恥じらいがある鈴に説明できるわけ無いですよね。

 いや、誰だってプロポーズの説明をしろって言われたら困るか。

「じゃあこうしましょう!来週のクラス対抗戦、そこで勝った方が負けた方に何でも一つ言うことを聞かせられるってことでいいわね!?」

「おう、いいぜ。俺が勝ったら説明してもらうからな!」

「せ、説明は、その・・・。」

 ああああああああぁ、もどかしい!もどかしいったらない!

 俺がもっと無神経だったらここで言っちまうのに!自分が憎い!いや、やっぱり自分がかわいい。まだ死にたくない。

「なんだ?やめるならやめてもいいぞ?」

 一夏は親切心で言っているのだろうが、それでは挑発だ。

「誰がやめるのよ!あんたこそ、あたしに謝る練習しておきなさいよ!」

「なんでだよ、馬鹿。」

「馬鹿とは何よ馬鹿とは!この朴念仁!間抜け!アホ!馬鹿はアンタよ!」

 二人ともヒートアップしすぎてレベルが小学生以下になってるぞ。

「うるさい、貧乳。」

 あ、やべ。胸のことはタブー・・・。

 ドガァァンッ!!!

 突然の爆発音、そして衝撃で部屋全体がかすかに揺れた。鈴の右腕は、その指先から肩までがIS装甲化していた。

 鈴が壁を思いっきり殴った衝撃だ。だが、拳は壁に届いていない。それほど陥没しているのだ。

「い、言ったわね・・・。言ってはならないことを、言ったわね!」

 ヤバイ!沸点が完全に天元突破している!

「い、いや、悪い。今のは俺が悪かった。すまん。」

「今の『は』!?今の『も』よ!いつだってアンタが悪いのよ!」

 破綻している理論だが、何を言っても聞かないだろう。現に。

「お、おいおい。ちょっと落ち着けって。」

「なによ!旺牙はすっこんでて!!」

「・・・はい。」

 俺弱ー。でもしかたないじゃないか、怖いんだもの。

「ちょっとは手加減してあげようかと思ったけど、どうやら死にたいらしいわね・・・。いいわよ、希望通りにしてあげる。全力で、叩きのめしてあげる。」

 最後に、今まで見たことのない鋭い視線を一夏に見舞い、鈴はピットを出て行った。

 あれは完全に殺気全開、試合の日は全力全壊という雰囲気だった。

 鈴が殴った跡を見ると、直径三十センチほどのクレーターが出来ていた。特殊合金製の壁であるにも関わらず、だ。怒り補正抜きに見ても、凄いパワーだ。

「・・・パワータイプですわね。それも一夏さんと同じ、近接格闘型・・・。」

「だな。」

 冷静に状況と性能を思案しあう俺とセシリア。その横で、一夏は俯いている。大方自分が言ったことを後悔しているんだろうが。

「一夏。」

「・・・なんだよ旺牙。」

「・・・この租○ン野郎。」

「グハァッ!?」

 一応の仇は討ったぞ鈴。

 

 

 

 

 

「ってことがあったのよ!」

「・・・織斑一夏、女の敵。」

 その晩、鈴が部屋に乗り込んできた。

 と言うより、あの日から何度かやってきてはお茶とお菓子を食って簪と雑談(という名の一夏への文句)をして帰っていく。俺の簪に対するフォローも知らずにな!台風かこいつは。

 つか二人とも、妙に仲良くなってないか?

「旺牙ー。お茶お代わりー。」

「はいはいお嬢様。簪はどうだ?」

「あ、なら私も。」

 世の給仕さんは大変だな。

 

 

 俺がお茶のお代わりを淹れてくると、二人とも何か話していた。

「あいつあれで結構モテてたわよ。見た目は厳ついけど気配りは出来るし、料理は出来るし優しいし。自分以外のために怒れるタイプだから、少なからず人気はあったわね。」

「ふーん・・・。」

「なになに、あんたアイツに気があるの?」

「そういうわけじゃ、ないけど・・・。」

 なにやら鈴が一方的にきゃいきゃい言ってる。一体なんの話だろう。よく聞いてなかったから分からん。

 まあ碌な話じゃないだろう。

「それにしても、簪も胸のことで悩んでたのね・・・。解るわ。」

「私の周り、みんなスタイル良いから、それで、ね。」

「あたしからすると簪も悪くは無いんだけどね・・・。」

 ホントにくだらない話だった!なんて言うと殺されるから絶対に言わないけど。

「ほい、お茶お待たせ。お前ら随分仲良いな。何があった?」

「別に。人間友達になるのに理由はいらないでしょ。ね、簪。」

「うん、鈴。」

 名前どころかあだ名かよ。まあ簪に友達が増えて、お兄さん嬉しいよ。

 

「う~ん。今日はこのぐらいにしておこうかしらね。じゃ、またね旺牙、簪。」

「おう、またな。」

「お休み。」

 ふ~、ようやく帰ったか。今日は結構長居していたな。俺は別に良いけど、簪が鈴を受け入れてくれたのはやはり嬉しい。こんな時に鈴のはっきりした性格が吉と出たか。

「旺牙は鈴と織斑一夏、どっちを応援してるの?二人とも幼馴染みなんでしょ?」

「俺は基本中立なの。大事だろ、そんな立場の人間って。」

「そう、なの、かな。」

 少し難しい事かな。なに、いつか解るさ。

「ところでお前ら、夜にお菓子食ってよく太らないな。」

「・・・太ってたら旺牙の所為だからね。」

 まあ、そうなるな。




皆様、体調には気をつけましょう。
水分は取れていますか?こまめに水分補給をしましょうね。
食事もしっかり取りましょう。

自分はガンプラ作りに夢中になって頭が痛くなるまで水分を取りませんでした。
こんな人間にならないよう、注意してね。
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