IS×NW~世界を渡りし者~《更新停止》   作:戒炎

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 早く先に進みたいので巻いていきます。
 質が落ちてる?今更でしょう!

旺牙「何故切れる!?」


俺もらしくねえな

 

 で、なんだ。急いで一夏たちの部屋に行ってみれば。

 つまりデュノア君は、実はデュノアちゃんでして。

 シャワールームを覗いた一夏がその裸体をもろに見てしまい隠していた事実が露見してしまった、と。

 ・・・ふ~。

「このドスケベ魔王めが。」

「いやその言い方は酷くないか!?」

 うるさい。事故とはいえ女子の裸を見たのだ。エロ魔人認定だ。このことを弾が知ったら血涙流して殺しに来るぞ。

「えっと、旺牙。一夏もわざとじゃないんだし。」

「わざとだったら市中引き回しのうえ打首獄門だよ。」

 まったく、どうしてこう面倒事に巻き込まれるかな。

 俺も人のことは言えんが、一夏ほどじゃないと思うよ。

「それより一夏。なんで旺牙も呼んだの?」

「旺牙なら、何か知恵を貸してくれると思って。」

「いや、買い被りすぎだろ。」

 俺は便利屋じゃないんだぜ。

 

「それで、なんで男のフリなんかしていたんだ?」

「それは、その・・・実家の方からそうしろって言われて・・・」

「あ?実家っつーと、デュノア社の」

「そう。僕の父がそこの社長。その人から直接の命令なんだよ。」

 なんだ、この違和感は。実家の話だろう?なぜここまで感情が感じられない。あえてそうしているようにしか思えない。血の繋がった父親をあの人呼ばわりか。

「僕はね、一夏、旺牙。愛人の子なんだよ。」

 あー・・・、オイオイオイ。思わず固まっちまった。俺も大人じゃないが子供でもない。前世から数えれば三十年、色々な人間を見てきたが、こういうタイプはデリケートすぎて中々踏み込めない。

「引き取られたのが二年前。ちょうどお母さんが亡くなったときにね、父の部下がやってきたの。それで色々と検査をする過程でIS適応が高いことがわかって、非公式ではあったけれどデュノア社のテストパイロットをやることになってね。」

 シャルルはただただ淡々に話した。それだけで、この話をするのも嫌なことが伝わってくる。それを俺たちは一言一句聞き逃すまいと聞くことに専念した。

「父にあったのは二回くらい。会話は数回くらいかな。普段は別邸で生活をしているんだけど、一度だけ本邸に呼ばれてね。あのときはひどかったなぁ。本妻の人に殴られたよ。『泥棒猫の娘が!』ってね。参るよね。母さんもちょっとくらい教えてくれたら、あんなに戸惑わなかったのにね。」

 あはは、と愛想笑いを繋げるシャルルだったが、その声は乾いていてちっとも笑ってはいなかった。俺たちも、さすがに愛想笑いは返せない。それはシャルルも望んでいないだろう。一夏は一夏で思うところがあるのだろう、拳を握りしめている。俺も、何やらイライラとする感情が芽生えてきた。

「それから少し少したって経って、デュノア社は経営危機に陥ったの。」

「え?だってデュノア社って量産機ISのシェアが世界第三位だろ?」

「そうだけど、結局リヴァイヴは第二世代型なんだよ。ISの開発っていうのはものすごくお金がかかるんだ。ほとんどの企業は国からの支援があってやっと成り立っているところばかりだよ。それで、フランスは欧州連合の統合防衛計画『イグニッション・プラン』から除名されているからね。第三世代型の開発は急務なの。国防のためもあるけど、資本力で負ける国が最初のアドバンテージを取れないと悲惨なことになるんだよ。」

 そういえば、欧州連合では第三次イグニッション・プランの次期主力機の選定中との話を聞いた。イギリスのティアーズ型、ドイツのレーゲン型、イタリアのテンペスタⅡ型。

 イギリスが一歩先ん出ているというが、まだまだどんぐりの背比べ。セシリアやボーデヴィッヒが転校してきたのも、戦闘データの蒐集のためだろう。

「話を戻すね。それでデュノア社でも第三世代型を開発していたんだけど、元々遅れに遅れての第二世代型最後発だからね。圧倒的にデータも時間も不足していて、なかなか形にならなかったんだよ。それで、政府からの通達で予算を大幅にカットされたの。そして、次のトライアルで選ばれなかった場合は援助を全面カット、その上でIS開発許可も剥奪するって流れになったの。」

「なんとなく話はわかったが、それがどうして男装に繋がるんだ?」

「ここまで聞いてて解からねえのかよ。」

「旺牙にはお見通しだね。まず注目を浴びるための広告塔。それに」

 シャルルは俺たちから視線を逸らし、苛立たし気に続けた。

「同じ男子なら日本で登場した特異ケースと接触しやすい。可能であればその使用機体と本人のデータを取れるだろう・・・ってね。」

「それは、つまり—」

「そう、白式と凶獣のデータを盗んでこいって言われているんだよ。僕は、あの人にね。」

 あの人、か。さっきから感じていた違和感はこれか。

 実の父をまるで他人のように呼ぶ。いや、他人なのだ、彼女にとっては。

「とまあ、そんなところかな。でも一夏たちにばれちゃったし、きっと僕は本国に呼び戻されるだろうね。デュノア社は、まあ・・・潰れるか他企業の傘下に入るか、今までのようにはいかないだろうけど、僕にはどうでもいいことかな。」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「ああ、なんだか話したら楽になったよ。聞いてくれてありがとう。それと、今までウソついていてゴメン。」

 深々と頭を下げるシャルルの肩を掴み、一夏は強引に顔を上げさせる。今度は一夏のターンだ。

「いいのか、それで。」

「え・・・?」

「それでいいのか?いいはずないだろう。親が何だっていうんだ。どうして親だからってだけで子供の自由を奪う権利がある。おかしいだろう、そんなものは!」

「い、一夏・・・?」

「親がいなけりゃ子供は生まれない。そりゃそうだろうよ。でも、だからって、親が子供に何をしてもいいなんて、そんな馬鹿なことがあるか!生き方を選ぶ権利は誰にだってあるはずだ。それを、親なんかに邪魔されるいわれなんて無いはずだ!」

 一夏はシャルルのことを言っているのではないだろう。自分たちの、特に千冬さんに重ねて言葉を放っているのだろう。

「ど、どうしたの?一夏、変だよ?」

「あ、ああ・・・悪い。つい熱くなってしまって。」

「いいけど・・・本当にどうしたの?」

「俺は、俺と千冬姉は両親に捨てられたから。」

「あ・・・。」

 資料にで知っていったのだろう『両親不在』の意味を理解したらしく、シャルルは申し訳なさそうに顔を伏せる。

「その・・・ゴメン。」

「気にしなくていい。俺の家族は千冬姉だけだから、別に親になんて今さら会いたいとも思わない。それより、シャルルはこれからどうするんだよ?」

「どうって・・・時間の問題じゃないかな。フランス政府もことの真相を知ったら黙っていだろうし、僕は代表候補生をおろされて、よくて牢屋とかじゃないかな。」

 あー、ダメだ。我慢できん俺にも喋らせろ。

 

「お前、それでいいのか?」

「良いも悪いもないよ。僕には選ぶ権利がないから、仕方がないよ。」

「俺はな、正直言えば最初からお前に疑念を抱いていた。」

「・・・そっか。旺牙にはもう半分バレてたんだね。」

 絶望を通り越し、自分の立場を達観している。そこに腹が立つ。

「シャレでリベレーターに例えたことがあったろ。あれはちょいとしたカマかけだったんだがな。弾が撃てるだけのクソ銃、だが、国によっては暗殺に怯えていた所もあったそうだ。」

「そんな!暗殺なんて!」

「分かってる。お前さんの性格じゃ暗殺なんて無理だろうから、その線は消していた。だがな、今の話を聞いていて思ったことがある。」

 俺は思いっきり突きつけた。

「お前、生きることすら諦めてるだろ。」

「え・・・」

「一夏はお前を助けたそうだが、俺はそうは思わん。」

 二人が固まる。数秒の後、一夏は俺に掴みかかり、シャルルは下を向いてしまった。

「旺牙!お前!」

「離せよ一夏。」

 掴みかかる一夏の手を払う。

「シャルル、俺は自分で助かりたいって思う奴しか助けない。」

 これが、俺がヒーローにはなれない理由だろうか。

「死にたいと思ってるなら、勝手に死ね。俺たちを巻き込むな。」

 冷酷非情なことを言っているのはわかる。

 だが生きたいと思えない人間を助ける義理は無い。

「僕だって・・・。」

 シャルルは俯いたまま何かを呟く。その直後大声で叫んだ。

「僕だって自由でいたい!生きていたい!ありのままの僕でいたいよ!」

 おそらく本音を吐き出し、肩で息をするシャルル。その瞳には涙が滲んでいた。

「なんだ、言えるじゃないか。」

 俺は何事もなかったように外へ出ようとする。

「一夏、あとは任せた。それとシャルル。悪かったな、意地悪言って。」

 まったく説教なんて、俺らしくねえな。

 

 

 

 

 

 自室の前に帰ってきた。

 まさかまだアニメを見ているわけじゃないだろうな。

「ただいまー。」

「・・・。」

 マジかよ。

 簪はいまだに映像とにらめっこしている。

「はいはいお嬢さん。いい加減ご飯ですよ。」

「あ、ゴメン。」

 おっとやべ、忘れ物した。

 行きにくいな。

「また出かけてくる。ついでに食いもん持ってくるわ。リクエストは?」

「・・・サンドイッチ。」

 あいよ。

 

 

「悪い、携帯忘れた・・・、て、何事?」

「いや、これは、シャルルが箸苦手みたいだから。」

「お、旺牙!なんでもない!なんでもないよ!」

 真っ赤になっていながら一夏に食べさせてもらっているシャルル。

 そうか、お前もか・・・。

「んじゃ、俺はこれで。あとはお若い二人で・・・。」

「あ、ちょっと待って。」

 シャルルに呼び止められる。

「その、聞いていいかわからないけど、旺牙の『両親不在』って・・・。」

 ああそのことか。さっき言ってなかったか。

「珍しいことじゃない。親父は事故。お袋は病気で逝っちまったよ。」

「あ、ごめ」

「てい。」

「あ痛い。」

 軽くチョップ。

「もう昔の話だ。それに俺には一夏や千冬さん、篠ノ之家の縁者さんたちがいた。寂しくなかったよ。」

「・・・そう。」

「辛気臭い話は終わりだ。んじゃ、今度こそお邪魔しました~。」

 

 

 

 

「簪さん。いい加減にしなさい。」

「ご、ごめん旺牙!でも今、今いいところなの!」

「はぁ・・・。まあいい。サンドイッチ貰ってきたから、一緒に食うか。」

「うん。」

 その後、デザートに昨日作っておいたシュークリームを食べた。

 




あー・・・、ほぼ原作の流れだわ・・・。
怒られちゃうかな?

というか最近簪がオチ担当になってる気が・・・
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