IS×NW~世界を渡りし者~《更新停止》   作:戒炎

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やっぱりバトル描写って難しいですね。
長めに尺取れば良いのかなぁ・・・。いやでも・・・。


二人目は、俺かよ・・・

 我らが織斑一夏がISを起動させてから一週間。世間はパニックに陥っていた。

 『初の男性操縦者』、それも初代『ブリュンヒルデ』の弟だ。

 アイツ自身はインタビューを受けたりなんなりでグロッキー状態。

 まあ全ては奴の自業自得なわけで。

 俺には関係ないわけで。

 酷いと言われても俺にも進路があるわけで。

 

 そんなこんなで今俺達学校の男集は体育館に集められています。

 どうやら各国政府は「一人いるんならまだいるんじゃね?」という見解をだしたらしい。どんな理屈だよ。

 しかも一夏は『IS学園』に強制入学となるらしい。いい迷惑だ。

 そして今行われているのは男子によるISの起動テスト。

 すでに何人もの男子生徒がテストに挑み、散っていった。「俺のハーレム生活が~」なんて嘆いている奴もいるが、考えてみろ。

 ISは女にしか扱えない=IS学園は女子校の簡単な式が成り立つ。

 周り中女しかいない空間なんて言葉一つ気を使うことになる。

 だいたいみんなこの世界の女の面倒臭さが分かっていない。

 

 ISの影響で『女尊男卑』の流れになって早十年。女共は付け上がるばかりだ。

 ISが使えるから女は偉いなんてまるでガキの戯言じゃあるまいし。

 そんな考えで『彼女』の思いを汚さないで欲しい。

 と、ボーっとしていると俺の順番が来た。

 しかしこのIS、『箒機士』の兵器を思い出す。偶然の一致と思いたい。

 大体アレは兵器。ISはパワードスーツなのだから別物のはずだ。多分。

 とっとと終わらせて家に帰ろう。そして寝よう。

 そう思いIS『打鉄』に手をかざす。

 ・・・ほら、何も起きな『キイィィン』おや?

 打鉄と俺が光に包まれ、何かが俺に纏わりつくような感覚を受ける。

 光が、収まった。

 何やら視点が高い。元から若干背の高い俺だが、さらに高く感じる。

「志垣、お前・・・。」

 担任の中年教師が、声を震わせている。

「お前、女だったのか・・・?」

「んなわけあるかい!」

 全力で突っ込んでしまった。

 

 どうやら俺もISを動かせてしまったらしい。

 周囲は右へ左への大騒ぎ。

 すぐに政府の高官らしき人物が来て、「君にもIS学園に入学してもらう。」と言ってきた。

 一夏同様、身柄の保護が一番の目的らしい。

 俺達をモルモットにし、男がISに乗るメカニズムを解明しようとする輩、男の地位向上を阻止するため、俺達を亡き者にしようとする輩などから身を護るためだ。

 正直自分の身は自分で護る気だったが、政府としてはそうはいかんらしい。

 

 つまりだ。すでに内定していた俺の就職は取り消し。四月から華の女子校生活がスタートするわけだ。

 はぁ・・・。エミュレイターと戦ってたほうがまだマシだったわ!

 何が悲しくて三年間も女の園へ行かねばならんのか!

 しかもIS学園は全寮制。プライベートもきっと無いんだろうなーあははー。

 すごーい。たーのしーー。

 ・・・・・・わけあるかーーーーーーーーー!!!!!

 

 

 

 その二日後、早速俺のIS実技試験が行われた。

 いや、展開早すぎ。もっとゆとりを持とうよ。

 どうやら試験官と一対一で対決し、その結果でなんやかんやを決めるらしい。

 なんやかんやはよく分からん。

 まぁ、何より驚いたのは、だ。

「旺・・・、志垣。準備は良いか。」

「なんで千冬さんがここにおりますの?」

 試験官というのが我らが織斑千冬様ということだ。

「言っていなかったな。私は今IS学園で教師をしている。」

「知りませんでしたよ。このこと一夏は?」

「まだ知らんだろうな。さて、時間も惜しい。早速始めるぞ。」

 待った。待った待った待った。

 さっきも言ったが、千冬さんが試験官なんだろ!?

「町を出たら裏ボスが現れるRPGはクソゲーだと思う。」

「何を言っているんだお前は。」

 いや、だって元世界最強だぜ?

 いやいや『あの事件』が無ければ今も世界最強、事実上今でも最強の人がダゼ?

 俺に何を期待しているんだ?

「他に空いている教師がいなかったんだ。諦めろ。」

「無茶苦茶だ・・・。」

「それとも何か?お前は売られた喧嘩から逃げるのか?」

 

 あ?

 

「今、何か言いました?」

「売られた喧嘩から逃げる臆病者かと聞いたんだ。」

 千冬さん。あんた分かってるよ。

 俺の逆鱗って奴をさぁ!

「やってやろうじゃねぇか!!」

「ふん、それでいい。(そうだ!それでこそのお前だ旺牙!魅せてくれ!お前の『力』を!)」

 

 互いが搭乗するのは『打鉄』。日本製の量産型ISだ。性能が安定しており、武者鎧のような外見が特徴的。説明を受けた段階では防御に特化しているらしい。

 俺好みだ。俺の『本来の戦い方』は防御、治癒をしながら戦う事だ。

 そういう点では、『打鉄』は俺に合っている。

「さあ始めるぞ。あくまで動作確認だ。私に勝てと言っているわけではない。」

「そう言われると馬鹿にされてるようでムカつきますねぇ。」

 3・・・・・・

「気にするな事実だ。」

「一息で言い切ったよこの人。」

 2・・・・・

「フフフフフ。」

「ハハハハハ。」

 1・・・・

 

 0!

 

「ダラッシャーーーーーー!!」

 開始と同時に一気にブーストで間合いを詰める。

「ほう、いきなり突っ込んでくるか。」

 あまり驚いてくれませんでした。

 まぁ俺の戦い方なんて、長い付き合いのこの人にとってはお見通しなのだろう。

「フン!セア!ゼエェイ!!」

 蹴りの連撃を打ち込んでいく。

 俺の戦闘スタイルは主に『蹴り』。拳も使うには使うが、昔から、それこそ『前世』から得意としてきた。

 さらに防御に重きを置く俺でも、相手が圧倒的格上なら速攻を禁じえない。

 守りを固めてジリ貧になるのだけは避けたかったのだが。

「甘い!」

 いつの間にか展開されていたブレードで全て弾かれる。

 そのまま反撃の一振りが俺を襲う。

 右袈裟、左薙ぎ、そして突き。その全てが高速。

 なんとか見切り、二撃を回避、最後の突きを掌底でそらす。

 それでもシールドエネルギー?が削られたらしく、最初の1000という数字から減少していた。

 逸らしただけでダメージが入るなんて、直撃していたらと思うとゾッとする。

 一度息を整えようと距離を離した瞬間、今度は千冬さんの方から突撃してきた。

 ヤバイ!この人素人にも本気でいらっしゃる!?

 再度の連撃が襲い来る。

 それらを奇跡のようにギリギリでかわしながら頭を高速回転させる。

 どうすればいい。もう一度距離を取るか。いや、それは悪手だ。さらにつけいる隙を与えるだけ。

 中途半端な攻撃も弾かれてしまうだろう。

 打つ手無し、とはいかない。

 まだダメージは少ないという事は、多少の無茶が利くという事。

 すなわち。

「オラァッ!!」

「!?チッ!」

 攻撃の僅かな合間を見て、全身でタックルを見舞う。

 一撃をもろに受けてしまったが、それでも今の状況を脱する事は出来た!

 俺は一度上空まで飛び上がる。

 ある程度距離を空けると、今度はブースターを噴射させ再び千冬さんに蹴りかかった。

 今度は先程よりも速く、鋭く、脚に《気》を練って。

「『一閃』!!」

 俺のような『龍使い』の特技の一つ、『一閃』。気を練り、攻撃の軌跡が一筋の光ともなる技。

 基本技だが、故に隙が無く使いやすい。

「グハッ!?」

 今度は千冬さんが大きく吹き飛ばされる。

 それでも受身はしっかり取っているのが流石だ。

 だが、シールドエネルギーは700程まで削る事ができた。

「っく。油断していたわけではないのだがな。今のがお前の一撃か。・・・重いな。」

「色々タネはありますがね。まだ終わりじゃないっすよ!」

 もう一度『一閃』を放とうと気を練り突撃する。

 しかし、同じ手を二度も喰らうほど、世界最強は甘くは無かった。

 全力で飛びかかった蹴りを紙一重で避けられ、逆に腹を思い切り殴りつけられた。

 息が詰まる暇も無く今度は背中を蹴り上げられる。

 動きの止まった俺にまたもブレードの嵐。

 全弾直撃とまではいかなかったが、それでも半分は貰ってしまった。

 シールドエネルギーも400を切る。

「どうした旺牙!今ので限界か!」

「ま、だまだぁ!!」

 

・・・・・・・・

・・・・・・

・・・・

「凄いですねあの子、織斑先生に一撃中てましたよ・・・。」

 試験を見学していた山田真耶は感嘆の声を漏らしていた。

 先程千冬が言った事は真実では無く、実は他の教師も手が空いていたのである。

 ならばなぜあんな嘘を言ったのか。

 それは千冬が旺牙と戦ってみたかったからに他ならない。

 昔からその力を目にしてきた千冬が、彼を『戦士』として認めていたからだ。

 事実、旺牙は彼女に喰らいついてきている。

 ISの性能差ではなく、実力で。

「武器も使わず、体術だけでなんて。」

 真耶の声に、共に見ていた教師達は反応できなかった。

 そんな静寂の中、二機の奏でる戦いの音が場を支配する。

 決着の時は、近かった。

・・・・・・・・

・・・・・・

・・・・

 

 残りエネルギーは150。敵機はまだ半分。依然こちらが不利、か。

 先程までの戦闘とは一変し、互いに間合いを取り合っていた。

 試験会場を回る様に飛行する。そう、これは試験だ。

 俺がISをどう動かせるかを見ている。

 最初から、俺の勝敗は関係なかった。

 でなければ、隠れる気なんてさらさら無いギャラリーの誰かが試験官だっただろう。

 そうだ。これは負けが確定していた戦い。

 でもさぁ。

 だからってここで「はい僕の負けです」じゃあ情けなさすぎるだろ。

 珍しく千冬さんが売ってきた喧嘩だ。買ったからには満足させなきゃな!

 意地を魅せてやらないとなあ!

(まだ眼は死んでいないか。いいぞ旺牙。こんなに楽しいのは久しく無かった。何があっても意地を曲げない。そんなお前だからこそ、私は。)

 

 千冬さんが再び間隔を詰めてくる。

 1・2・3・4・・・・またも高速の連撃。

 もう一撃も貰えない。

 弾き、捌き、避け、かわし切る。

 俺も蹴りで反撃する。だが皮一枚で届かない。完全に俺の間合いを読まれている。

 空中で互いに技の応酬。だがどちらも決定打に欠けていた。

 しかし、ブレードに触れている分、俺に僅かにだがダメージが蓄積されてきた。

 もうすぐ100を切る。

 ここは、賭けに出るしかないか。

 俺は体の力を抜く。

 それを隙か誘いと判断したかは分からないが、大上段からの斬撃が襲う。

「ふん!」

「何っ!?」

 真剣白刃取りである!この人相手には初めて出来た!

「どりゃアッ!」

 そのまま後方へ投げ飛ばす。

 ダメージは無いが、かなり距離は空けられた。

 さすがに千冬さんも驚いたのか、体勢を立て直すも動きが止まる。

 でもそれこそ悪手っすよ。

 今反撃に出られたら、俺の負けでしたからね。

 この隙に俺も構えを取り直す。

「千冬さん。俺のシールドエネルギーはもう無いに等しいです。」

「あぁ、そうだな。」

「だから受けてもらいますよ。俺の、最後の一撃。」

「・・・そうか。ならば来い!」

 真っ直ぐにブレードを構え、俺の動きを待ってくれている。

 有難い。これで正真正銘最後の一撃が放てる。

 脚に気を集中。先程よりも濃く、強く練り上げる。

 数分か、否、数秒の時が流れる。

 爆発したように、互いが飛び出した。

「いく、ぜえぇぇぇぇぇっ!!」

 思い出せ。『あの人』の教えを。

 身体は熱く、心は冷徹に。馬鹿の一つ覚えも。

 貫き通せば、必殺となる!

「《一閃・錬気蹴》!」

『錬気』をさらに極めた上級技『練気掌』。それを足に集中させるのが俺の得意技だ。

 さらにブーストに力を込めるイメージをする。

 すると、今までよりもスピードが増したような気がした。

「瞬時加速だと!?初めてISに乗ってか!?」

 千冬さんが驚いているが、構っている暇は無い。

 ただ一点を打ち抜くのみ!

 ブレードと脚が激しくぶつかり合う。

 

 その瞬間、ブレードが砕け散った。

 届いた!そう思った刹那。

 俺の腹にも衝撃が走る。

 ハハッ、馬鹿でやんの。

 同じパターンを二度も喰らうなんて、さ。

 

 

『両者、シールドエネルギー0!』

 

 

 

・・・・・・・・

・・・・・・

・・・・

 

 まさか量産機とはいえ、引き分ける事になるとはな。

 こいつがここまでやるとは思いもしなかった。

 旺牙・・・。お前は何故そこまで強い。

 力も、心も、何故折れない、曲がらない。

 誇らしく思いもすれば、少し心配だよ、私は。

 

・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・

 




なんか千冬さんがバトルジャンキーみたくなってしまった・・・。
あと打鉄のシールドエネルギーは適当です。


簡易説明コーナー

『龍使い(ロンつかい)』・・ウィザードの『クラス』の一つ。世界や人体に流れる不可視のエネルギーである『龍脈(龍【ロン】)』を操る、いわゆる武術家。肉体や棒術で戦う。【ドラゴンボール】等を連想していただくと解りやすい。

『一閃(いっせん)』・・大きく飛びかかり強い気を練った一撃を見舞う龍使いの特技。

『錬気(れんき)』・・龍を体内で練り上げ、攻撃力を爆発的に高める特技。

『錬気掌(れんきしょう)』・・練られた気を手や足の一点に集中し、そこから相手にたたき込む特技。TRPG的にはダイス目を変更出来る。
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