IS×NW~世界を渡りし者~《更新停止》   作:戒炎

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お久しぶりぶりう(パアンッ!

ぜ、前回の続きをどうぞ・・・


VIOLENT BATTLE

 さあて、ようやく俺も参戦の時期だな。

 一夏にシャルルよう、そんな闘志むき出しの顔で見つめるなよ・・・。

 

 興奮してくるじゃないか!

 

 おっとと、俺は変態じゃない、俺は変態じゃない。

 今は冷静に勝つことを考えよう。

「貴様っ、私は、まだやれるっ!」

 ボーデヴィッヒが喚いているが、かなりやられているのは明確だった。こりゃあ少し休ませておいた方が良いな。

「俺が時間稼ぎをする。その間に態勢を整えておけ。」

「・・・ちっ!」

 おーおー露骨な舌打ちだこと。ま、素直に引き下がってくれてよかったよかった。

 その間、獣は獣らしく暴れてやりましょうか。

 

 ボクシングでいうオーソドックススタイルを取り、細かく、速いジャブを打つ。拳と同時に、《伏竜》をばら撒く。

 小さく、正確に一夏とシャルルを追う。

「うおっ!?」

「ととっ!」

 一夏は見事に体勢を崩してくれたが、流石にシャルルは全弾躱していく。

 だがそれでいい。

 俺の狙いは最初から一夏にあったのだから。

 両腕の《伏竜》の《リミッターを解除》。同時に龍を右手に流し込む。

 俺の必殺技その二を喰らいな!

「唸れ!魔空龍円刃《壱式》!」

 右手から放たれた赤い龍が一夏に襲い掛かる。

「その程度の速さなら!」

 それを難なく避ける一夏。だが甘い!

「その程度で躱せたと思うなよ?」

「へ?うおっと!?」

 龍の牙は避けられた後も一夏を追い続けた。

 どういう状況かは、ドラゴンボ〇ルのエネルギー波を思い浮かべていただこう。・・・誰に喋ってんだ俺?

「偏光射撃!?」

 誰かが叫んだのが聞こえる。だが、その偏光射撃とは些か違う。

 レーザー兵器の軌道を変える偏光射撃とは違い、魔空龍円刃は俺の『龍』、つまり『気』を放射している。俺の身体から出ているものなので、ある程度軌道は自由に動かせる。その代わり、少しスピードが遅いがね。

「ほらほら一夏!とっとと龍に食われちまいな!」

「くそ!」

「させない!」

 シャルルが割って入り、巨大なシールドで龍を防いで見せた。

 やるじゃないか。そう来なくっちゃな。

「一夏!旺牙を相手にするには一人じゃ手が足りないよ!まずはボーデヴィッヒさんを!」

「了解!」

 二人が俺の脇をすり抜けてボーデヴィッヒへと向かう。

 集中力が切れている上に二人による連続攻撃か。いくらあいつでも苦しかろう。

 だからこそ!そうはさせねえよ!

 瞬時加速でボーデヴィッヒの前に戻る。

 一夏の雪片弐型を左手で押さえ、バリアントシールドでシャルルの機銃を防ぐ。

 あ、やべ。白式の単一能力ってエネルギーごっそり持ってくじゃん。

「うおりゃああああー!」

「グワーッ!」

 これ以上触っていたら危ないので、雪片ごと一夏を放り投げた。

「大丈夫、一夏!?」

「ああ、何とかな。それにしても、パワー、スピード、装甲の三拍子揃えて、どんなチート機体だよあいつ!」

 失礼な。俺以上のチート武器を持ってるくせに。

「ここは一旦離れよう。」

 シャルルがガルムを掃射しながら距離を取る。

 んな豆鉄砲痛くも痒くも無いが、視界が遮られた内に大分離れられたようだ。

 だがこの程度じゃ離れた内に入らんぞ?

 俺は両腕に気を集める。

「魔空龍円刃《弐式》!」

 今度は二匹の赤い龍が二人目掛けて飛んでいく。

 タネは簡単、《伏竜》に《双竜》を重ねただけだ。

 盾を持つシャルルには防がれるかもしれんが、一夏には当てたい。

 本音を言えば、一夏を庇ってシャルルが動くことがベストだ。あの二人、明らかにシャルルが一夏に合わせ、司令塔の役割を担っている。出来れば先に落としたい。

 予想通り、シャルルは追いかけっこを止め、盾で龍円刃を防ぐ。

 ここまでは狙い通り、後は一夏だが・・・。

 ザシュッ!という音と共に残っていた龍の感覚がなくなった。

 あの野郎・・・、龍を切り払いやがった!

 無意識か狙ってたのかは分からんが、なんちゅう学習能力だよ、ったく。

 まあそろそろ、こっちも回復してもらわなければな。

 

「おいおい軍人さんよ!このままじゃ俺が良いとこ全部持って行っちまうぞ!?」

「うるさいっ!貴様に言われずとも!」

 やっと持ち直したか。

「これからは俺が防御に回る。お前はとにかく攻撃しろ。IS同士の戦いならお前に分がある。」

「私に指図するなッ!」

「へっ、いい気迫だ。いいな?全力全開だ!」

「私に指図するなぁッ!!」

 おっと刺激しすぎたか、頭がHOTになっちまった。

 まあそれでいい。後は俺が援護してシャルルを先に・・・、おいおい、やっぱり君の狙いは一夏かね?

 しょうがねえなぁ。リーダー(仮)の考えだ。大人しく従うよ。

 志垣、ボーデヴィッヒ、吶喊しますってな。

「貴様は沈め!」

「やられてたまるか!」

 エネルギーの心配で零落白夜を簡単に放てない一夏と、ラウラのプラズマ手刀がぶつかり合う。大振りの雪片二型とどう見てもただの手刀が交錯する図はおかしいが、それだけレーゲンのパワーが強力なのだろう。

「やらせない!」

 一夏を援護しようと散弾銃を構えるシャルルの前には、誰がいるでしょう。

「ところがギッチョン!今は二対二だ!」

「うわ!?」

 死角から俺の蹴りを避ける。ハイパーセンサーがあるとはいえ、良い動体視力と反射神経してるよ全く。

「ぐわぁ!」

 一夏の悲鳴が聞こえる。レーゲンがAICを発動させたのか、白式がサンドバック状態だ。

 あー・・・、見るもんじゃねえな。いくら試合相手でも親友がボコられてるもんは。

 だがこれは実戦式。悪く思うなよ一夏。

「やらせない!」

「行かせるかよ!」

 救出向かうシャルルとそれを追う俺。単純なスピードなら俺の凶獣の方が勝っているが、一瞬にして差をつけられてしまった。これはまさか!

「瞬時加速だと!お前、そんなもんまで使えたのかよ!」

「今初めて使ったからね。」

 この戦いで成長したというのか!?天才かよアイツは!

 だが俺にも瞬時加速、それも並みのIS以上のスラスターがある。スピード負けはしない。

 挟み撃ちにされる寸前のボーデヴィッヒに肉薄し、叫ぶ。

「ラウラぁぁぁぁぁぁっ!!」

「っ!?」

 ボーデヴィッヒは驚愕しているが構いはしない。レーゲンの肩パーツを掴んで強引に一夏とシャルルから距離を取る。

「おっし間に合った。」

「貴様っ!貴様の助けなど必要としていない!!」

「お前になくとも俺にはあるんだよ。二対一じゃ流石に勝つのは厳しいんでな。ここは共同戦線といこうや。」

「ふざけるな!私は」

 ボーデヴィッヒの言葉を遮るように、『二機の』ISから射撃を受ける。

 へぇ~。アサルトライフル使用許可を譲渡していたか。抜け目ない奴らだ。

 俺たちが言い争いをしているうちに奇襲しようと思ったんだろうが、生憎、凶獣の防御範囲は狭くない。レーゲンを巻き込んでバリアントウォールを張るのは簡単だ。

「俺が前に出て攻撃を受け止める。お前は後ろから接近、交代してワイヤーかプラズマ手刀で攻撃しろ。」

「そんなことをしなくても私一人で奴らを倒せる!貴様は邪魔をするな!」

 あーもー、頭に血が上っちゃって。

「頭を冷やせ。AICの弱点は気付かれているが、俺たちなら確実に勝てる。最終作戦はこうだ(ゴニョニョ。」

「・・・おい。」

「ん?」

「貴様は馬鹿なのか?」

 一回ぶっ飛ばしたい衝動に駆られるが、スルーしよう。

「とにかく、チャンスが来たら思いっきりやれ。頼むぞホントに。」

「ふん。」

 自分で考えておいて不安になるが、目標変更。先に一夏を墜とす。

 さて、第二ラウンドの始まりってか。

 

 

 

======

「ふあー、すごいですねぇ。二週間ちょっとの訓練であそこまでの連携が取れるなんて。」

 教師だけが入ることを許されている観察室で、モニターに映し出される戦闘映像を眺めながら真耶は感心したように呟く。

「やっぱり織斑君ってすごいです。才能ありますよね。」

「ふん。あれはデュノアが合わせているから成り立つんだ。あいつ自体は大して連携の役には立っていない。」

 身内には相変わらずの辛口評価しない千冬に、真耶はやや苦笑気味に言う。

「そうだとしても、他人がそこまで合わせてくれる織斑君自身がすごいじゃないですか。魅力のない人間には、誰も力を貸してくれないものですよ。」

「まあ・・・そうかもしれないな。」

 ぶすっとした感じで告げる千冬だったが真耶それが照れ隠しなんだと最近わかったので、別段気にはしない。それどころか『やっぱり弟さん想いだなぁ』としみじみ思う。

「それにしてもボーデヴィッヒさん、動きが変わりましたね。何というか、さっきよりキレが出てきたというか。」

「志垣が織斑とデュノアの攻撃を全て引き受けているからな。良い連携が取れていても、あの壁を突破するのは並大抵の攻撃では防ぎきられてしまう。」

 事実、二対二の状況になってから織斑・デュノアペアが押され始めていた。攻撃を一夏に絞り、旺牙が盾となりラウラが反撃する。ラウラは一人で戦っているようだが、実のところ、旺牙が地味とはいえ援護防御を的確に行っていた。それすら、ラウラ本人が気付かない場合でも。

 そして白式のシールドエネルギーを着実に削っている。

「強いですねぇ、ボーデヴィッヒさん。」

「ふん・・・。」

 しみじみという真耶に対し、心底つまらなそうな声を漏らす。

「変わらないな。強さを攻撃力と同一だと思っている。だがそれでは。」

 一夏には勝てないだろう。旺牙の真意に気付かないだろう。

 

======

 

 何故だ。何故だ!何故だ!!

 何故私は奴の思惑通りに戦わされている!

 無敵と思われていたAICの弱点、そこを突かれても、奴はその穴を庇うように動く。

 攻撃の邪魔になりそうな時は先読みしていたかのように間を開ける。私の攻撃に一つ一つ合わせてくる。不思議と邪魔に思えない。むしろ戦いやすい。

 そんなことがあってたまるか!

「ボーデヴィッヒ!でかいの一丁レール砲で墜とせ!」

「ちょ、やめろ旺牙!?うわあああ!?」

 織斑一夏がこちらに投げ飛ばされてくる。また奴の指示で・・・。

 ふざけるな。私は!私だけのの力で戦える!

 AIC発動。白式の動きを抑える!

「馬鹿!無駄に戦いを引き延ばそうとするな!」

 煩い!何も起こらん!私が奴らを蹂躙して勝利する!それだけだ!何も起こらん!

 プラズマ手刀で迎え撃つ。これで終わりだ!

「シャルル!今だ!」

 鈍い破壊音と共に、レール砲から火花が散った。

 もう一人の男が、レーゲンの主砲を破壊していた。

 慢心・・・?油断・・・?それが何かは分からなかった。

 だがその刹那、隙が生まれたのは確かだった。

「うおおおおおおおッ!!」

 白式の刃が迫ってきていた。これは、直撃!?

「やらせるかよ!」

 轟っと、白式を飲み込んでしまった。

 

======

 アッぶねえなぁ、あの娘っ子は!

 龍の練りが早くなってなきゃ終わってたかもしれないぞ。

 魔空龍円刃『零式』。両手の間に龍を集め練り、一気に放出させる型。言っちまえば【かめ〇め波】だな。

 威力もデカいしある程度誘導できるけど、シールドエネルギーと俺の龍が連射できないほど消費する。

 辺り一帯煙に包まれたが、ハイパーセンサーで位置は確認している・・・が。

(俺に来るのかよ?)

 てっきりこの混乱に乗じてレーゲンを墜とすと思っていたし、それに対する策も幾つかあった。

 だが煙が晴れ、全員の姿を確認して、俺は驚愕した。アレはヤバい!

「今行くぜシャルル!」

「させるかよ!」

 白式は先程同様、アサルトライフルでレーゲンのAICを発動させた。そう、隙を作るために。

「これならAICは使えまい!」

「こ、のっ・・・死にぞこないがぁっ!」

 吠えるボーデヴィッヒだが、まだ冷静さを失っていないようだ。拙い射撃の一夏よりシャルルを警戒した。だが、もう遅い。

「でも、間合いに入ることは出来た。」

「それがどうした!第二世代型の攻撃力では、このシュヴァルツェア・レーゲンを墜とすことなど」

 そこまで言って、ボーデヴィッヒはハッとする。

 そう、単純な攻撃力だけなら第二世代型と謳われた装備の存在に。

 そしてそれは、シャルルがずっとシャルルが盾の中に隠してあった。

「この距離なら、外さない。」

 盾の装甲がはじけ飛び、中からリボルバーと杭が融合した装備が露出する。六九口径パイルバンカー《灰色の鱗殻》。通称—

「『盾殺し』・・・!

 ボーデヴィッヒに、明らかな焦燥の色が走る。

「「おおおおおおおっ!!」」

 二人の声が重なる。

 シャルルは左手拳に力を込め、一点を目掛ける。

 対するボーデヴィッヒは盾殺しを止めるため、一点にAICを集中する。が、あと数センチトいう所で外した。

 ズガンッ!

「ぐうう・・・。」

 ボーデヴィッヒの腹部に強い衝撃が走る。ISのシールドエネルギーが集中して絶対防御を発動して防ぐものの、そのエネルギー残量ごっそりと奪う。しかも相殺しきれなかった衝撃が深く体を貫いたのだろう、ボーデヴィッヒの表情は苦悶に歪んだ。

 情けねぇ。あんな顔をさせないために俺がいるのに。

 しかし、これで終わりではない。《灰色の鱗殻》はリボルバー機構おり高速で次弾を装填する。ズガンッ、ズガンッと連射を受けるボーデヴィッヒ。

「これ以上はさせるかよ!」

 何とか二機の間に凶獣を挟み込み、四発目を止めようとする。

 さすがパイルバンカー、貫通力は凄まじいが。

「噴ッ!」

 両拳で叩きつけるように、無理やり《盾殺し》を止めた。

「うそっ!?止められた!?」

「止まるな!旺牙に常識は通用しない!」

 よし一夏、後で殺す。それよりも。

「おいボーデヴィッヒ!無事か!動けるか!」

 後ろを振り返るとシュヴァルツェア・レーゲンに異変が起こっていた。




お久しぶりの解説タイム

《双竜》・・・素早い攻撃で敵二体を攻撃する特技。本作では魔空龍円刃に使用し《二式》
       として放った。別に絶対命中の技ではない。

※魔空龍円刃という特技は存在しません。なお、真の必殺技はもう一つあります。


長くなってしまったのでここで切ります。
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