IS×NW~世界を渡りし者~《更新停止》   作:戒炎

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作者)ああ、気付けばひと月経った・・・。

旺牙)いいんじゃないか?

作者)え?

旺牙)誰もお前のことなど待っちゃいない。

作者)おま!?少しでも読んでくれる人に失礼だろ!


二学期☆パニック宣言

    ◆    ◆    ◆

 

「でやああああっ!!」

 

 ガキィンッ!と鋭く重い金属音を響かせ、一夏と鈴は刃を交えて対峙する。

 九月三日。二学期初の実戦訓練は、一組二組の合同で始まった。とは言っても一年の専用機持ちは全員一組に集まっているので、完全にこの場は一組の独断上となっている。二人の戦いを鋭い目で見つめる二組副担任安東一樹を除いて。

 

「くっ・・・!」

「逃がさないわよ、一夏!」

 

 かつてのクラス代表戦同士ということで始まったバトルは、序盤一夏優勢、なれど次第に鈴が巻き返しはじめていた。

 その理由は単純にして明快。第二形態になった白式の、さらに加速した燃費の悪さである。

 

「最初にシールドを使い過ぎたわね!」

「まだまだぁっ!」

 

 そう吠え刀を振るう一夏だったが、その《雪片弐型》もすでに『零落白夜』の輝きはなく、通常の物理刀になっている。

 距離が開けば左腕の多機能武装腕《雪羅》による荷電粒子砲を放てるはずだったが、それもすでにエネルギーが底をついていた。

 

「無駄よ!この甲龍は燃費と安定性を第一に設計された実戦モデルなんだから!―――衝撃砲!」

 

 ズドドンッ、と連射性の高い砲撃を近距離で受け、距離が開く。

 そしてその瞬間を見逃さないように、鈴は連結状態の《双天牙月》を投擲した。

 

「ぐぅっ!」

 

 重い斬撃を受けきったものの、視界から鈴を見失ってしまう。

 すぐにISハイパーセンサーの位置情報補足がやってくるが、遅かった。

 

「たあああっ!!」

 

 一夏の真下、足首を掴んだ鈴はそのまま力任せに地面へと一夏を投げ飛ばす。

 眩しい陽光に一瞬目を細める一夏。その視界に影が落ちた。

 

「もらい!」

「!?」

 

 逆さまの格好のまま、鈴は衝撃砲の連射を浴びせる。

 それが十発ほど直撃したあたりで、試合終了を告げるアラームが鳴り響いた。

 ―――言うまでもなく、一夏の敗北である。

 志垣旺牙は、その試合を、ただ黙って見つめていた。

 

    ◆    ◆    ◆

 

 

「これであたしの二連勝ね。ほれほれ、なんか奢りなさいよ。」

「ぐう・・・。」

 

 前半戦、後半戦ともに一夏の連敗で一先ず幕を閉じた実戦訓練。後片付けを俺たちは学食にやってきていた。今日は簪、沙紀、萌も一緒だ。

 

「鈴、そんな訓練で賭けみたいなこと・・・。」

「まあ待て簪。こいつらはまだ可愛い方だ。陰でホントの賭けが行われていたことを、お前は知るまい。」

 

 そして織斑先生と安東先生にバッチリバレていたことも説明しておこう。

 

「うわぁ・・・なんか緊張するな・・・。」

「う、うん・・・。」

「何がだ?」

「だって、いつもは二人なのに、今ここには一年の専用機持ちが集まってるんだよ・・・。」

「柄になく緊張しちゃって・・・。」

「そんなことか。まあ肩の力抜けよ。一夏を見ろ。専用機持ちと言うだけで成績は悪いぞ。」

「旺牙・・・。お前は・・・!」

 

 怒るなよ、事実だろ?昔から通常教科は悪くなかった。ただ、IS学園に入学してから専門分野に追われいまいち成績が伸び悩んでいる。素質とかはいいんだが、今はハードが熱を浴びているような状態だ。

 まあしばらくすれば落ち着くでしょう。

 俺?一応文武両道ですから。

 各々が昼食を取る。俺が頼んだのはかつ丼大盛。これで午後も戦える←(何とだ)。

 

「ラウラ、それおいしい?」

「ああ。本国以外でここまでうまいシュニッツェルが食べられるとは思わなかった。」

 

 ほんとシャルロットとラウラは仲良くなったもんだ。そうするとラウラは皿に盛られたシュニッツェル(ドイツ料理の仔牛のカツレツ)を一切れ切り分ける。

 

「食べるか?」

「わあ、いいの?」

「うむ。」

「じゃあ、いただきます。えへへ、食べてみたかったんだ、これ。」

 

 ラウラから分けてもらったシュニッツェルを頬張って、シャルロットは幸せそうな顔をする。

 

「ん~!おいしいね、これ。ドイツってお肉料理がどれもおいしくていいよね。」

「ま、まあな。ジャガイモ料理もおすすめだぞ。」

 

 自国のことを褒められて、嬉しくないはずがない。俺はその光景をじーっと見ていた。

 

「なんだ相棒。お前も欲しいのか?」

「ああ、いいよいいよ。それだとお前の分が無くなるだろ。」

「うむ。わかった。」

 

 いかんいかん、凝視しすぎた。しかしこれほど本格的なものが作れるとは。プロ過ぎるだろう、IS学園の料理人。

 そんな様子を見ていると他の女子もくわわりたくなったらしく、早速料理談議に花が咲いた。

 

「あー、ドイツってなにげに美味しいお菓子多いわよね。バウムクーヘンとか。中国にはあんまりああいうの無いから羨ましいっていえば羨ましいかも。」

「そうか。では今度部隊のものに言ってフランクフルタークランツを送ってもらうとしよう。」

 

 フランクフルタークランツとはリング形の王冠のような形をしたケーキで、全体がバタークリームで塗られ、上部はクロカンと呼ばれるクルミ入りのカラメルで覆われているお菓子である。

 ちなみに、ほんの雑学程度だが、ドイツ本国では他国ほどバウムクーヘンはメジャーではないらしい。

 

「ドイツのお菓子だとわたくしはあれが好きですわね。ベルリーナー・プファンクーヘン。」

 

 そういったセシリアに、シャルロットはきょとんとして聞き返す。

 

「えっ。ベルリーナ―・プファンクーヘンって、ジャム入りの揚げパンだよね?しかも、バニラの衣が乗ってるからカロリーすごいと思うけど・・・セシリアはアレが好きなの?」

「わ、わたくしはちゃんとカロリー計算をするから大丈夫なのですわ!そう、ベルリーナ―を食べるときはその日その他に何も口にしない覚悟で・・・。」

 

 こらこら。無理してでも食べるな。と言っても聞かなそうだな。

 

「ジャム入り揚げパンか、確かにうまそうだ。」

 

 さすが箒。小学校の給食で男子顔負けの勢いで揚げパンを食べていただけのことはある。・・・言ったら怒られそうなので黙っておこう。一夏も同じことを思い出していたようだ。

 

「セシリア、揚げパンが好きなら今度ゴマ団子作ってあげよっか?」

「それはどんなものですの?」

「中国のお菓子よ。あんこを餅でくるんでゴマでコーティング。その後、揚げるの。」

「お、おいしそうですわね!ああ、でもカロリーが・・・。」

「ま、食べたくなったら言ってよね。」

「鈴さん・・・思っていたよりいいひとですわね・・・。」

「思っていたよりってなによ!思っていたよりって!」

 

 鈴とセシリアも大分仲良くなったよな・・・。

 

「私は日本の菓子が好きだな。あれこそ風流というのだろう?」

 

 聞いたところによると、どうやらラウラは水菓子に心奪われたらしい。いわゆる『チーム一夏』で行った抹茶カフェがえらいお気に入りだとか。

 俺らも呼べよちくせう・・・。

 

「水菓子は無理だけど、今度和菓子を作ろうか?」

「何?本当か?」

「うん。私の実家が和菓子屋なの。小さい頃から手伝ってたから、簡単なものなら作れるよ。」

「頼んでもいいか、沙紀。」

「もちろん。あー、でも、期待はしないでね?」

 

 沙紀の事実判明。てか今まで聞かなかったのが悪いのか。

 それで確か簪もカップケーキ作りが得意だったから。

 

「あれ?ろくに料理できないのって、私だけ?」

 

 そうなるな、萌。

 

「大丈夫だって。すぐに作れるようになるさ。」

「でも私、目玉焼きを焦がす人間だよ?」

「「「大丈夫。まだましだから。」」」

「?」

 

 一夏たち(セシリア除く)が声を揃えて言った。ああ、そう言えばそうだったな・・・。

 

「春は砂糖菓子、夏は水菓子とくれば秋はまんじゅうだな。」

「ほう。冬は?」

「せんべいだ。」

 

 さすが箒。これぞ日本人の魂に刻み込まれた菓子たちよ。

 

「はぁ・・・。それにしてもなんでパワーアップしたのに負けるんだ・・・。」

 

 何だ急にネガティブになったぞ、一夏のやつ。

 

「だから、燃費悪すぎなのよ。アンタの機体は。ただでさえシールドエネルギーを削る仕様の武器なのに、それが二つに増えたんだからなおさらでしょ。」

「うーん・・・。」

 

 おまけに背部ウイングスラスターも大型化し、動けばそれだけで大量のエネルギーを消費する。足が速くなった陸上競技選手が、スタミナの消費も大きくなったようなもんだ。ただでさえ白式は言わば《短距離走者タイプ》だってのにな。

 さらに遠距離戦闘も可能になったということは、やらなくてはいけないことが増えたということだ。今までただ近づいて斬る、がパターンだったのに、もう一夏の頭はパンク寸前だろう。あ、煙出てきた。

 

「あー、いいよな、旺牙は。凶獣は相手からエネルギーを奪えるんだからな。」

「そう簡単なものじゃないぞ。『獣王悪食』は集中力が必要だから、いかに相手の隙を作るか、または防御に徹しなければならないからな。」

「ふーん。それでも反則クラスだと思うぞ。」

 

 反則クラスだからこそ、準備や覚悟が必要なんだけどな。特に敵の攻撃を喰らう時は今までの動きを止めなくてはいけない。しかも『紫電』になってからは『白式・雪羅』以上のスピードが出るうえ、同じく移動だけでエネルギーを失う、腹ペコな獣になってしまった。

 

「ま、まあ、アレだな!そんな問題も私と組めば解決だな!」

 

 腕組みで啖呵を切る箒。

 本来箒の『紅椿』と一夏の『白式』は一対の存在で、両方を同時に運用することを前提とされている、というのは織斑先生の話だったか。

 エネルギーを消滅させる白式と、エネルギーを増幅させる紅椿。正反対のこの二機は、互いの抑止力としての意味合いもあるのだろう。

 ならば俺の凶獣はどうだ。消滅させるでもなく、増幅させるでもなく、奪う。紅椿と似て非なる、白式とも似て非なる能力。

 与えられた力は、二人のISとも違うのかもしれない。

 

「何を難しそうな顔をしているか。お前は私の嫁だろう。故に私と組め。」

 

 一夏の右頬をむに、と押すラウラ。

 まだほんの少し角が見えるが、ラウラは大分性格が丸くなった。転入時とは大違いだ。今ではこんなお茶目も出来る。表情が変わらないのが分かりにくいが。

 

「ざーんねん。一夏はあたしと組むの。幼なじみだし、甲龍は近接も中距離もこなすから、白式と相性いいのよ。」

「な、何を勝手な・・・!?ゴホン!それならこのわたくし、セシリア・オルコットも遠距離型として立候補しますわ。白式の苦手距離をカバーできましてよ?」

「ええい、幼なじみというなら私の方が先だ!それに、なんだ。白式と紅椿は絵になるからな。・・・お、お似合いなのだ・・・。」

 

 ・・・どうしてこうなった?気付けばオリムラヴァーズで一夏の取り合いが始まった。

 さっきまでの和やかな食事やお菓子談義はいずこ?

 

「んー・・・。でもなあ、別に最近ペア参加のトーナメントとかないしなぁ。」

「いきなりあるかもしれないでしょうが。」

「そのときは―――旺牙かなぁ。」

「ほう、その心は?」

 

 オリムラヴァーズの眼光が一斉に俺を貫いたんだが。痛いよ、心が。ろくな理由じゃなかったらどうしてくれよう。

 

「いや、幼なじみなら旺牙も一緒だし、距離に囚われない戦闘ができるし、純粋に強いし。」

 

 ほう、意外と的を得ている。

 

「あと、旺牙の後ろなら楽そうだし・・・(ボソッ)。」

「それを言わなければ怒られることも無かったろう。」

「へ?ぐえっ。」

 

 箒とラウラから手刀の制裁を受ける一夏。いい気味じゃい。

 

「そういう旺牙は誰となら組みたいのよ。」

「俺は・・・簪かなぁ。」

「ふむ、その理由は?」

「ISの制作時からの付き合いだし、訓練でもよく組んでる。相部屋で息も合ってきたしな。それ以上は、言わせんな恥ずかしい。」

 

 惚れた女と組みたいなんて言えるか。

 そこまで言うと簪、沙紀、萌が赤くなる。いや、後者二名は何やら怒りのオーラが・・・。

 

「簪はいいなぁ。」

「うむ。一夏とは大違いだ。」

「え?何で?」

 

 もういい、頼むから黙ってこれ以上話を伸ばさないでくれ。

 

 

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 

 午後の実習、一夏がもたもたしていたから先にアリーナに来てしまった。

 あと、『会長』から第一接触を試みると連絡が来ていたので、その前に一夏を一人にする必要があった。

 その結果、一夏は遅刻した。何してたんだあの人。

 

「・・・遅刻の言い訳は以上か?」

 

 地獄の宣教師、もとい地獄の教師、織斑千冬。そこには慈悲の心など一片もない。

 

「いや、あの・・・あのですね?だから、見知らぬ女生徒が―――。」

「ではその女子の名前を言ってみろ。

「だ、だから!初対面ですってば!あれ?でも顔は見たことあったような・・・。」

「ほう。お前は記憶の定かではない女子との会話を優先して、授業に遅れたのか。」

「ち、違っ―――」

「デュノア、ラピッド・スイッチの実演をしろ。的はそこの馬鹿者で構わん。」

 

 織斑先生の無茶に、恐れおののく一夏。

 すまん、と心で謝る俺。

 片手でを覆い、肩を震わせる安東先生。だが知っている。あれは笑いを堪えているんだ。

 

「・・・・・・。」

 

 沈黙の後、シャルロットがにこっと笑みを浮かべる。

 

「それじゃあ織斑先生、実演をはじめます。」

「おう。」

 

 残念!あの笑みは慈愛の女神のそれではなく、無慈悲な天使のものだった。

 

「あ、あの、シャル・・・ロット、さん?」

「なにかな、織斑くん?」

 

 今回ばかりは終わったな。南無。

 

「はじめるよ、リヴァイヴ。」

「ま、待っ―――」

 

 バラララララッ!

 一夏の言葉も悲鳴も、銃弾にかき消されていった。

 

 

 

 

 

 

 午後の授業をすべて終え、俺は生徒会室にいた。

 

「会長、あんまり一夏をからかわんでください。授業になりません。」

「ごめんごめん。一夏君が可愛かったからつい、ね。」

「まったく。んで、明日の全校集会は俺も壇上に上がるんですか?」

「そのつもりよ。君が生徒会入りしたことをアピールしないと。」

「まあそれはいいんですけどね。・・・この企画、マジすか?」

「大真面目よ。だから旺牙君。書類、頑張ってね♪」

「あんたもやるんだよ生徒会長。」

「虚ちゃ~ん、旺牙君がイジメるー。」

「私も同意見です。まだまだ書類はあるんですよ?」

「あう!?」

 

 

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 あっ、という間に翌日。SHRと一限目の半分を使っての全校集会が行われた。

 内容はもちろん、今月中程にある学園祭についてである。

 しっかし壇上から見るとものすごい数の、女子だ。女子の海だよ。圧倒されるよ。

 しかも最初はひそひそとしていたのが、俺が姿を現せてからざわざわと声が大きくなった。あぁ、胃が痛い。

 

「それでは、生徒会長から説明をさせていただきます。」

 

 虚先輩の一声で、ざわつきがさーっと消えていく。

 

「やあみんな。おはよう。」

 

 おやおや、被ってる猫の色艶がいいこと。

 重度のシスコンという姿を知っている身としては笑いたくなってしまう。

 

「さてさて、今年は色々と立て込んでいてちゃんとした挨拶がまだだったね。私の名前は更識楯無。君たち生徒の長よ。以後、よろしく。」

 

 にっこりと微笑みを浮かべて言う楯無先輩は、同性だろうが問わず魅了してしまうらしく、ほとんどの生徒が顔を赤らめ、熱っぽいため息が漏れる。上からだとそれがよくわかる。

 

「では、今月の一大イベント学園祭だけど、、今回に限り特別ルールを導入するわ。その内容というのは。」

 

 いつもの扇子を慣れた手つきで取り出し、横へとスライドさせる。それに応じるように空間投影ディスプレイが浮かび上がった。

 

「名付けて、『各部対抗織斑一夏争奪戦』!」

 

 ぱんっ!と小気味のいい音を立てて、扇子が開く。それに合わせて、ディスプレイには一夏の写真がデカデカと映し出された。目線が向いていないってことは、隠し撮りか?

 

「え・・・」

「ええええええええ~~~~~っ!?」

 

 うるせぇ!っと言えればどれだけ楽か。冗談なしに、叫び声でホールが揺れた。

 あー、一夏君や。ぽかんとしているが、君が報酬のお話なんだぜ?ほら、一斉にあいつに視線が集まる。

 

「静かに。学園祭では毎年各部活動ごとの催し物を出し、それに対して投票を行って、上位組は部費に特別援助成金が出る仕組みでした。しかし、今回はそれではつまらないと思い―――」

 

 びしっ、と扇子で一夏を指す楯無先輩。

 

「織斑一夏を、一位の部活動に強制入部させましょう!」

 

 再度、雄叫びが上がる。

 

「うおおおおおおおっ!」

「素晴らしい、素晴らしいわ会長!」

「こうなったら、やってやる・・・やぁぁぁってやるわ!」

「今日からすぐに準備はじめるわよ!秋季大会?ほっとけ、あんなん!」

 

 大会をあんなんって・・・。

 

「はい!志垣君はどうするんですか!?」

「彼は除外よ。この通り、すでに生徒会役員だからね。」

 

 え~っとか、不公平だ~、とか聞こえるが、知ったこっちゃねえわそんなもん!

 

「そうね・・・、不公平ね。なら、当日までに考えておくわ。彼を賞品にしてね。」

 

 は?

 

「いよぉぉぉぉ、っし!」

「さっすが会長!話がわかる!」

「そこに痺れる!憧れる!!」

 

 いや、あの、その場の勢いで進めないでくださいません?

 

「よしよしよしっ、盛り上がってきたぁぁ!」

「今日の放課後から集会するわよ!意見の出し合いで多数決取るから!」

「最高で一位、最低でも一位よ!」

 

 一度火が付いた女子の群れは止まらない。

 暴れ馬たちが各馬一斉にスタート。

 取り残されたのは俺と一夏くらいだろう。

 さあて、どうなっちゃうんだろうね(諦め)。

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