IS×NW~世界を渡りし者~《更新停止》   作:戒炎

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作者)お前らなんで短い間隔で長文投稿出来るんじゃー!!


 作者ボコスカタイム中・・・


旺牙)この馬鹿がとんだご無礼を。自分はハーメルンの皆様を応援しております。

作者)あ、あと、今回は台詞少なめで、す・・・。

旺牙)まだ息があったか。


このまま君だけを奪い去りたい

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 どうも。立花沙紀です。

 最近誰かに見られているような気がして、自意識過剰なのかなと反省しています。

 私の一日は同室の嶋田萌を起こすところから始まります。彼女は朝に少し弱いので、少しでも早く起こさないと準備に手間取って遅刻しかねないのです。

 彼女と私が知り合ったのは、IS学園に来てから。でも妙に気が合って、今では親友と呼べる間柄になっています。

 今では二人ほど親友と呼べる人が増え、楽しい友達もたくさん増えました。

 これでも昔は引っ込み思案だったんですが、この学園に来て、そのテンションに押され大分矯正、もとい改善されたように感じます。

 

「萌、もう朝だよ。」

 

「ん~、あと十時間・・・。」

 

「授業終わるでしょうが!」

 

 こんなお約束も、私の楽しみの一つです。

 さて、諸々の準備が出来たら食堂で朝食を取ります。

 ちなみに萌の調子は絶好調。顔を洗えばすぐ目が覚めるので、不思議な体質だと思います。

 

「お。旺牙くんたち発見。」

 

「え。」

 

「よう、お早う二人とも。」

 

「おはよう。」

 

 すでに注文を終え、トレーを持った二人組に出会いました。

 志垣旺牙くんと更識簪さん。私の親友たち。簪さんはお互いに呼び捨てにしているので、以降は簪と呼びます。・・・誰に言っているんだろう?

 旺牙くんは、現在確認されているたった三人の『男性IS操縦者』です。最初は、体も大きいので怖い人かと思ったけど、すごく優しい人で安心しました。

 簪とは、彼女の専用機の件で仲良くなりました。人の縁って奇妙なものですね。

 旺牙くんは、色々あっていつの間にか仲良くなっていたという感じです。

 本当に、濃い一学期だったと思います。

 それと、その・・・、私は実は、彼、旺牙くんに、恋を、しています。

 いつからこの気持ちが生まれたのかはわかりません。気がついたら彼の姿を目で追うようになり、気がついたら彼のことを考えてしまいます。

 私にとって初めての恋です。

 彼は自分から面倒事は起こさない、と言っていますが、生傷が絶えない人で、密かに『保健室の主』とも言われています。ちょっと心配です。

 

「さっさと飯食って教室行こうぜ。遅れたらちふ、織斑先生にどやされる。」

 

 その場面を思い浮かべて苦笑する旺牙くん。彼は基本明るい人ですが、時折陰のある表情を見せる時があります。

 それが何なのか聞く勇気がありませんが、最近簪がそれに寄り添うようにしている場面を見かけます。少し悔しいです。

 ・・・私の悩みは、簪と萌のふたりも旺牙くんに恋をしているようなのです。

 大切な親友が、大好きな人と結ばれる。・・・素直に祝福できない私は悪い子なのでしょうか。神様、教えてください。

 

「どうした沙紀?」

 

「あ、ううん、何でもないよ。」

 

「朝飯はきっちり食べておけよ。じゃないと一日持たないぞ。」

 

 そう言う彼の笑顔は、とても眩しくて。

 できることなら。

 

 このまま君だけを奪い去りたい。

 

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 こんにちは!嶋田萌です。整備科です。

 整備科と言っても、ISの登場訓練の授業はあるわけで。私は沙紀と違って操縦は苦手なんだよなぁ。二学期になっても動きがぎこちない。構造とか調べたり組み立てたりするのは得意なんだけどね。

 そんな時にサポートに入ってくれるのは、大体旺牙くんだったりする。

 あー、まー、その、私は最近彼に気があるというか。

 本人にはばれていない様子だが、ぶっちゃけ好きなのかもしれない。

 いや仕方ないじゃん!これでもこんな気持ちになったのは初めてなんだからさ!

 普通に会話しているようで内心ドキドキだったり、近くにいるだけで顔が赤くなるのを抑えるのに必死。

 今だって武器の出し入れに手間取り、飛行もおぼつかない。半年弱でこれでは、呆れられるか笑われるかされるだろう。

 でも旺牙くんは真剣に苦手な部分を、一つ一つ丁寧に解説してくれる。

 私も頭では理解しているのに、なかなか上手くいかない。

 そんな時でも旺牙くんは優しい声で、

 

「焦るな。じっくり慣らしていけいけばできるさ。」

 

 と私の気持ちを落ち着かせてくれる。

 それでも思い通りにいかない時があり、つい声を荒げて反抗してしまったこともある。

 そのまま授業が終わり、気まずい空気のまま別れてしまったが、その日の夕食で相席になった(と言うか向こうから座ってきた)ときは、流石に怒られるかと思ったが、旺牙くんの方から謝罪してきた。自分の教え方が悪かった。つい焦らせてしまったと。

 やめてほしい。そんな顔が見たいんじゃない。

 

「私こそごめん。ついかッとなって・・・。」

 

 その後、ほんの数秒だったか。互いに無言になった。が。

 彼の右手の箸が何かを掴んだ。それは一個のから揚げ・・・って!

 

「あ~!私のから揚げ取った!」

 

「油断大敵だぞ萌?」

 

「ぐぬぬ・・・!セイッ!」

 

「ぬおっ!俺の生姜焼き!」

 

「あらあら~。油断大敵ですことよ。」

 

 ふたりで睨み合う。そして、どちらともなく笑い合った。

 うん。この空気。好きだな。

 初めて彼を見た時、食べられると思った。性的にではなく、頭からバリバリと。

 でも旺牙くんは結構紳士で、面白くて、でも本気で怒らせると怖くて。

 そんな彼といる時間がとんでもなく楽しくて、愛おしい。

 簪と萌に悪いと思いながら、この想いを捨てられない。

 ああ神様。欲深い私ですが、他の欲はもういりません。

 だから、この言葉が言えますように。

 

 このまま君だけを奪い去りたい。

 

======

 

 今思えば、私はコンプレックスの塊だった。

 名のある家に生まれ、優秀な姉を持ち、可能性に恵まれた子たちに囲まれて。

 それでも昔はまだましだったと思う。

 優秀な姉は憧れであり、優しく、強く、魅力的な人。

 

(私は・・・あの人には敵わない・・・)

 

 そう思ったのはいつ頃だろう。

 その背中を追わなくなったのは。

 その顔を見つめられなくなったのは。

 同じ名前を背負うことを、苦痛に感じ始めたのは。

 

『貴女は無能でいなさい』

 

 

 その言葉に、私は完全に打ちのめされた。

 もう追いつけない。

 追うことさえ、許されない。

 それでも、代表候補生に名を連ねるまでに、専用機を用意されるまでには昇りつめた、はずだった。

 突然の開発凍結。私の時間まで、止まってしまった。

 それでも、『打鉄弐式』を引き取り自分で開発を続けたのは、最後の意地。

 せめて少しでも、姉に近づきたくて。

 心を閉ざし、友人も作らず、幼馴染の本音にも頼らなかった。

 全部自分で、独りでどうにかすると。

 そんな私でも、大好きなアニメの『ヒーロー』が現れるのを、どこかで待っていた。暗いところから私を陽の光のもとに連れ出してくれる、ヒーロー。私の、最後の憧れ。

 

 ヒーローって、いつどこからやって来るのかわからない。

 私と同室になった、志垣旺牙。最初は別にどうとも思っていなかった。ただ、私の趣味を肯定してくれる人だなと。

 その後、少しづつ会話が増え、意外と小ボケも出来るのかと印象が変わり、話すことも多くなっていった。

 転換期は、格納庫で弐式を弄っていた時。彼の言葉に大声で反論した頃。自分でも、まだ叫べるんだと他人事のように感じた。

 同室なので嫌でも顔を遭わせる。そこでは特に何もなかったが、彼は毎日のように格納庫にやってきた。

 最初は意固地になって拒絶していたけれど、少しづつ会話が増えていった。

 気がつけば、彼を中心に、打鉄弐式の開発チームが出来上がっていた。今でも、あれは突然のように思う。

 最初は断ろうと思った。でも、彼が以前語った、『先生』―今では安東先生のことだと判った―の言葉。『一人の人間には何も出来ない。だが、四、五人集まれば世界だって救える』との言葉。我ながら単純だが、格好いいと思った。

 そして、どこまでも親身に、姉や実家の事を関係無しに付き添ってくれる旺牙を信じてみたかった。

 みんなの力で、無事弐式は完成した。でもそれだけじゃない。

 

 旺牙は、私と楯無姉さん・・・お姉ちゃんを戦わせた。しかも口車に乗せて。

 なんて無理矢理なと思ったけれど、あの一件で、まだぎこちないがお姉ちゃんとの距離が縮んだと感じる。

 そして思ったのは、全ては旺牙の考えで事が進んでいったのだということ。

 私が前に進むときは、常に彼が傍にいた。気がつけば、多くの友人が出来た。

 学園を襲った襲撃者―侵魔―と戦ったり、私を明るい場所へ連れ出してくれた。やり方は強引だったかもしれないけれど、旺牙は私のヒーロー像と重なった。

 そしていつからだろう。そんなヒーローに、私は心惹かれていた。

 ううん、はっきり言う。私は彼のことが好きだ。

 笑顔が好きだ。

 戦う姿が好きだ。

 怪我をすると心配だ。

 何かを企んでいるときの悪い顔が好きだ。

 でも、彼を想う新しい『親友』もいる。

 彼女たちを傷つけたくない。でも、この想いを諦めたくない。

 ああ、許されるのなら。

 

 このまま君だけを奪い去りたい。

 

======

 

 俺は志垣旺牙。『ウィザード』という、常人とは違う力の持ち主だ。

 だが、今の俺はそれに溺れたりしない。この力は、誰かのために使うべきものだと理解している。

 それでも、『ファー・ジ・アース』では全てが上手くいくことは無かった。

 時には人を殺した。子供も殺した。望んでやったことではないにしろ、事実は変えようがない。

 初めて『任務』で人を殺した後、俺は先生から『凶獣』の名をもらった。戒めとして、自分にはちょうどいい二つ名だ。

 そして、ある戦いで俺は命を落とした。最初から負け戦だっただけに、後悔は無かった。

 だが、俺はこの世界『テラ』に生まれ変わった。

 神のイタズラか悪魔の罠か、とはなんの台詞だっただろうか。

 この世界でも、俺の役目があったのだろうか。

 姉貴分たちに世界の秘密や自分の『過去』を語り、『テラ』に厄介事を持ち込んだだけではないだろうか。まあ、それを信じた姉貴分も変わり者と言えばそうなのだろうが。

 出来る限り普通に過ごそう。その願いすら吹き飛んだ。

 この世界では女性のみが動かせるIS。それを動かした第二の男性として、俺の人生は一変した。まだ十五なのに、人生終わったと思った。

 女子高生の中に男は俺と長い付き合いの親友の二人だけ。もう珍獣扱いだったな。

 それでも、まあまあ平和に時は過ぎて行った。奴らが現れるまでは。

 

 侵魔、『覇王軍』。奴らとの戦いは、俺にとって悪夢の再来だった。

 この世界の裏で侵魔が蠢いていると考えて、ゾッとした。

 だが、どういうわけかISは侵魔に対抗できることが判明。光明が差すと同時に、さらに謎が増えた。

 

 それからはイベントの度に侵魔の襲来が続き、少しげんなりしていたが、新たな友人も増え、そして安東先生との再会に、充実した日々を送れている。

 

 いや違うな。一番は、恋をしたことだ。

 前世から合わせておよそ三十年。初恋だと思う。

 更識簪。彼女の存在全てが、俺に光を与えてくれているようだった。

 打鉄弐式の件では色々あったが、今の彼女の笑顔に繋がっているなら、あれでよかったのだろう。

 そう、彼女の笑顔が好きだ。

 少し拗ねたような顔が好きだ。

 悲しい顔をしていると俺まで悲しくなってくる。

 辛そうな時はそれを分かち合いたい。

 恋は惚れた方が負けと言うが、何が負けだ。

 俺は彼女と過ごす日々が大好きだ。

 俺は神を信用していない。だが、こんな俺でも、こう思うことだけは許してほしい。

 

 このまま君だけを奪い去りたい。




モブだったはずのふたりが前面に出てきて、性格まで初期と変わってしまった。どうしてこうなった?

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