IS×NW~世界を渡りし者~《更新停止》   作:戒炎

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旺牙)また時間かかったなぁ

作者)まあ色々忙しくて

旺牙)ウ〇娘好きかい?

作者)うん!大好きSA☆

??)おいらもだ~い好きでゲス!

旺牙)よしケジメ案件、って誰だ今の!?


夜が来る

 はてさて、いよいよ俺と一夏が部活動に駆り出されることになった。

 俺の初日担当は空手部。と言っても、タオルを用意したり水分を配ったり、掃除をしたりと雑用係、になるはずだった。

 簡単に言うと、「神聖なるIS学園空手道場に雑用とは言え男を上がらせたくない」とする、女尊男卑というか男性蔑視な考えを持つ部員がいるのだ。

 あー、とてもめんどくさい状況だよ。

 

「ゴメンね志垣くん。あの子達結構重症でさあ。」

 

「いえ、外に出れば慣れてますんで。」

 

 部長さんは男女平等寄りの能力主義者らしい。そんな人は安東先生で慣れているし、女性からの謂れのない罵声にも慣れている。

 だがどうしたものか。ちゃんと仕事をしないと後で楯無さんに弄られてしまう。それは俺の精神衛生上とてもよろしくない。

 

「どうしても道場に上がりたいなら、これくらい出来なきゃねぇ。」

 

 嘲笑を隠しもしないで部員の一人が庭を指差すと、高く積まれている『瓦』があった。

 つまり、アレを何枚割れる、否、『全部』割れないと認めてくれないと。そういう事らしい。どこのマンガかな?

 

「ちょっとアンタたち!いい加減にしなさいよ!」

 

「ああ、いいですよ部長さん。」

 

 まだ認めてもらっていないので道場を半周し瓦の前に立つ。ふむ、ざっと四十枚ってところか。

 

「そういや、瓦割りなんてやったことなかったな。」

 

 前世じゃほとんどが実戦、特訓も対人ばかりだったから。

 俺の呟きを聞いて、一部が嫌な笑みを深め、残りが心配そうにこちらを見る。

 良かった。思ったより味方は多いようだ。

 俺は頂上の瓦に掌を乗せ、呼吸を整える。

 そして・・・。

 

「噴っ!!」

 

 気合い一閃、一気に手を降ろし瓦を砕く。

 一呼吸で四十枚の瓦は元が何だったのか分からない欠片になってしまった。

 

「・・・あのね志垣くん。」

 

「なんですか?部長さん。」

 

「君、空手の経験は?」

 

「無いに決まってるじゃないですか。」

 

 その一言に、凍っていた空気がさらに緊張する。

 

「・・・まあ、いいけどね。取り合えず、それの掃除からお願いできる?」

 

「・・・了解です。」

 

 結局弄られるんだろうな、なんて考えながら、俺は片付けを始めた。

 

 

 

―――その夜

 

「ていう事があってな。」

 

「旺牙は範〇勇次郎なの?だから『オーガ』なの?」

 

「あそこまで尊大じゃないよ俺。」

 

―――閑話休題

 

 

 

 

 

 

「俺たちに任務ですか?」

 

 ある日、一年の専用機持ち(一組に集中されている状態)が呼び出された。

 IS学園に通っているとはいえ、代表候補生や専用機持ちは半ば軍人のような存在である。まあ、本物の軍人もいらっしゃいますが。

 そのため、その能力を世界のために役立てるため、及びデータ収集のため学園の生徒であっても国や団体、力を持った個人から任務として依頼が舞い込んでくることが多々あるらしい。上級生なんかはそれで表彰されたこともある。

 

「ああ。織斑、篠ノ之、オルコット、凰、デュノア、ボーデヴィッヒ、更識の以上七名は最近頻発している自然災害の救援だ。志垣と安東はオカジマ技研に出向。安東教諭は一条家からだ。」

 

「ちょっと待て。なんだその偏った編成は。ついでに俺にまで任務があるとはどういうことだ。」

 

 普段は少数単位で動くのが常らしいが、今回は政府が相手。異は唱えられない。

 俺がオカジマ技研に呼ばれるのはまだしも、安東先生まで呼び出されるのはなぜだろうか。ついでにマドカが俺に同行するのも違和感が。

 

「おそらく男性操縦者のデータが目当てじゃないでしょうか。お三方の情報はどこも喉から手が出るほど欲しいでしょうし。」

 

 山田先生が推測するが、それでも偏りが過ぎる。

 さらに言えば、先生の任務先である一条家も気になる。ファー・ジ・アースの日本では、かの家は侵魔と繋がりがあると噂されていた家だ。こちらの一条家も同じだとは限らないが、不安はある。

 

「それにしても七人も集めて『自然災害の救援』という曖昧な任務はなんだ?どこまでが範囲なんだ?下手をすると原因究明にまでかり出されるぞ。」

 

「だが日本政府からの正式な依頼だ。無下には出来んだろう。」

 

「裏は取れているのか?」

 

「・・・私も怪しいとは思ったが、間違いなく正式な書類で送られてきている。最初は便利屋扱いかと思ったのだがな。」

 

 織斑先生と安東先生の会話を聞いていると、俺まで疑心に囚われてくる。だが、それを晴らすものは無く、俺一人の考えでは何も動きはしない。沈黙を貫くしか。

 

「なあ、任務って、みんなこんなもんなのか?」

 

 一夏が疑問を声に出す。こういう時、邪念の無い疑問が羨ましい。

 

「本来ならばもっとはっきりした経緯で送られてくるものですが、今回は妙ですわね。」

 

「あたしも聞いたことないわ、こんな任務。災害救助なら理解できるけど、数多くない?」

 

 セシリアと鈴も続く。他のみんなも同様だ。なんだか微妙な顔をしている。

 だが政府が相手となると、織斑先生の言う通り、『嫌です』とは言えないだろう。

 

「とにかく、急ぎで悪いが今から準備しろ。出発は三十分後。ISの装着も許可する。残る三人は公共機関で移動だ。」

 

「「「りょ、了解!」」」

 

 思わず敬礼をする七人。俺とマドカ、安東先生はまだ難しい顔をしている。

 そのままゾロゾロと職員室を後にする。

 

「旺牙、マドカ。」

 

 安東先生から俺たちに声を掛けられる。厳しい顔のままだ。

 

「俺たちもすぐ移動だが、俺の方でも裏を探ってみる。それ次第では七人の援護に向かうかもしれん。」

 

「「はい。」」

 

 先生曰く、今まで一条家の存在は確認できていなかったらしい。それが、今日初めて名を聞いた。

 念の為ウィザード仲間からも情報提供を頼むつもりらしい。

 大体俺達三人だけゆっくり来いなんて、怪しすぎるだろう。

 

「じゃあ、俺たちは出発します。」

 

「俺たちも準備が整い次第出ます。」

 

「ああ、気をつけろよ。十分にな・・・。」

 

 全員が神妙な面持ちで頷いた。

 

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 準備を終え、一夏たちは指定のポイントに向かった。だが・・・。

 

「いきなり指示変更って、何かあったのかな?」

 

 一夏の暢気な一言に、全員の気が引き締まる。

 本来は内陸の某県の予定だったが、太平洋上にポイントが変更となった。それも、学園からの通信ではなく、データが送られてきただけ。

 異常にもほどがある事態。

 声に出さなくとも、全員がその異様性を感じ取っていた。

 箒が代表で学園に連絡を取る。

 

「織斑先生、目標ポイントの変更の件ですが・・・。先生?織斑先生!?」

 

「どうしたの、箒!?」

 

「学園と連絡が取れない!」

 

「何だって!?」

 

「・・・この任務、やはりおかしいですわ。今からでも戻りましょう。」

 

 セシリアの提案に頷きかけたみんなだったがラウラが声を上げる。

 

「いや、もう遅い。いつの間にか陸地が見えなくなっている。それに、上を見ろ!」

 

 彼女の言った通り、先程まではまだ陸地が確認できていたはずだった。それがセンサーにも反応が無い。

 そして何よりも、天空に輝くのは・・・。

 

「紅い、月・・・。」

 

 ウィザードの、いやさ世界の敵、侵魔の現れる際の現象。月門たる紅い月。

 そして世界は月匣に飲み込まれていく。

 最初の変化に、現在最もウィザードに近いと言われたラウラが気が付く。

 

「気をつけろ!現れるぞっ!」

 

 彼女の声に前方を向く。

 何時から居たのか。一人の男が空間に浮かんでいた。

 どうして空に立っているのか。今更だと全員が思う。

 あの男がヒトならざる者であるという証明だった。

 男は穴の開いたシルクハットを被り、右目にモノクルを掛けた、一見温和な紳士だった。

 邪悪さは感じられない。だが、だからこそ異様だった。

 

「ボン・ソワール。ムッシュ、メドモアゼル。」

 

 シルクハットを外し、恭しく首を垂れる男。

 一夏が皆の前に出て、雪片弐型を構える。その様子を見ながらも、男は微笑みを消さない。

 

「ほっほっ、頼もしい少年だ。ここはしっかりと名乗らなくてはならないね。」

 

 シルクハットを頭に戻し、どこからともなくステッキを取り出し、男は述べた。

 

「私の名はサヴァン。『パツィア親衛隊』の長を務めているよ。そして・・・。」

 

 サヴァンと名乗った男がステッキを一振りすると、一夏たちを囲むように三人のヒトならざる者たちが現れた。

 三人の内、二人はヒトの姿をしてはいる。だが、今の一夏たちには、彼らが人間ではないことが本能で理解できた。

 

「あたしの名はエトワール。よろしくねン。」

 

 女性の話し方をする、長い金髪をかき上げる美丈夫。ウインクが妙に様になっている。

 

「死にゆく者に意味は無いが・・・。俺はラスター。」

 

 銀色に輝く身体で腕を組み、興味の無さそうに口を開くナニカ。

 

「わたくしの名はファントム。お見知りおきを。」

 

 両腕に鉤爪の伸びた手甲を装備し、見るものを魅了するような美男子。

 四人が一夏たち七人を囲むように宙に立っている。

 そしてサヴァンの語ったパツィアという名。

 

「こいつは、まさか罠か!?」

 

「今頃気付くか。やはりガキ。まだまだ甘い。」

 

 臨戦態勢に入る一夏たちを、嘲笑うようにラスターが告げる。

 

「あらン、いいじゃないのラスター。あの子達中々強そうよ。それにみんな可愛いじゃない!」

 

「そう、この闘争にて、我々と美しき舞いを!」

 

「・・・なぜこのような奴らが俺と同格なのだ。」

 

「まあ、そう言うものではないよラスター。四天王を退け、パツィア様と相対しても命長らえているのだから、油断は禁物だよ。」

 

 力の抜けきった会話をしているようで、こちらを逃がす気は無いと、徐々に殺気と闘気を充満させている。

 

「どうする、一夏。多分、逃げられない。」

 

「何とかするしかない。一人でも倒せれば、道が開けるかもしれない。チームワークで、何とか生き延びるんだ。」

 

 額を伝うのは冷や汗。敵が強大なのは理解できている。

 それでも、生き抜かなければならない。

 覚悟を決め、武器を構える。

 

「戦闘もまた会話。君たちの声を聴かせてほしい。そして私は君たちの」

 

 

 

 話し相手になりたい。

 

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 あ~、その~、なんですか。そのですね。

 なんだか気まずい・・・。

 あんまり話したことない女子と隣り合わせで電車に座ってるのもそうだし、その子が師匠の妹?だから。

 何話せばいいんだろ・・・。皆がいればまだ違うんだろうけど。

 

「・・・怪しいな。」

 

「ふぁ!?何が!?」

 

「何を驚いている。今回の任務、どう考えても怪しすぎないか?」

 

 あ、その話ね。

 

「まあ、織斑先生に安東先生も承認したんだから、大丈夫だと思うが。」

 

 その時、俺の携帯が鳴りだした。平日の昼間だから良かったけど、マナーモードにしていなかったのでビビった。さらに周囲の迷惑にならないか急いで確認。よし、誰も見てない。

 相手は、安東先生?・・・イヤな予感がする。マドカも表情を険しくする。

 

「どうしましたか先生?」

 

『二人とも、今どこだ!?』

 

 珍しく慌てている。イヤな予感、的中か。

 

『オカジマ技研に連絡したが、翔貴は今アメリカの支部にいる!社員いわく、『総裁の許可が出ているがその総裁本人がいない』とよ!おそらく侵魔の仕業だろう。』

 

「ちっ!よりにもよってか!」

 

『こちらも移動中に調べたが、やはり一条家も存在しない。魔法か月匣の影響で偽の任務が送られたんだろう。お前たちはまだ電車内か?』

 

「はい。」

 

『なら次の位置で降りろ。そこで待機してろ、俺が迎えに行く。何ならISの装備も許可する。事後承諾になるが俺が何とかする。要はすぐに戦闘できる態勢なっておけってことだ。一度切るぞ。』

 

 通話が切れた後、マドカと顔を見合わせて頷く。

 それから間もなく駅に着き、指示通り電車を降りて出来るだけ広い場所に出る。

 

「しかし、先生はどうやって合流する気だ?」

 

「すぐに来る。私たちは準備だけしていればいい。」

 

 は?と考えていると、

 

 シュンッ!!

 

「待たせたか?」

 

「うおわっ!?」

 

 ISを展開した安東先生が目の前に『出現した』。

 い、一体何が起こったんだ!?

 

「兄さんのISは条件さえ合えば地球上のどこにでも一瞬で移動できる。」

 

 え~、なんだそのチート・・・。

 

「とにかく、すぐISを展開しろ。移動次第戦闘になるぞ。」

 

「りょ、了解!」

 

 俺とマドカはそれぞれISを展開する。周囲がざわつくが、今はそんなことを気にしてはいられない。

 

「・・・見つけた。行くぞ!」

 

 ドラ〇ンボールの瞬間移動かよ。という暇も無く俺たちの姿は掻き消えた。




いまだにマドカを「安東」と書くことに違和感を感じるダメ筆者です。

あとこのシリーズに出てくるネタが全部解る人は作者と握手!
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