旺牙)お前の無駄な元気分けてやれればいいのに。
作者)いや自分もそんなに元気無いし・・・。
旺牙)すり潰せばエキスの少し位出てくるだろ。
作者)言ってることグロいよ!?
放課後になっても部活動、委員会に所属する生徒はまだまだ忙しい。もちろんそれは我らが生徒会も変わらない。むしろ書類の山で各々の顔が見えなくなるほどだ。取り合えず本音。寝るな。せめて顔を上げろ。
まあ今日は俺も一夏も部活動派遣が無い日なので、若干忙しさは減っている、はず。
そんな中でもテキパキと書類を捌いている楯無さんは凄いと思う。これで人を食ったような態度や行動が無ければ完璧なのだが・・・。いや、これで丁度よくバランスが取れているのだろうか。
「ン~。ちょっとお茶にしましょうか。虚ちゃん、お願い。」
「はい、会長。お茶請けは・・・、確か志垣君がシフォンケーキを作ってきてくれたんですよね?」
「ええ。朝作ったので出来立てとは言えませんが。」
「ケーキ!?」
本音は相変わらずだなあ。
「頭使うと思ってちょっと工夫してきました。カロリーたっぷりですよ。」
「「!?!?」」
「え?何この空気。」
くっくっくっ、年頃のお嬢さんに対してカロリー、もちろんわざとだ。二人がしっかりと体型維持をしていることは知っているが、それがなみなみならない努力の元にあることも知っている。
さらに言えば最近はデスクワークばかりでちょっとその努力に力が入っていないことも想定済み。
これは、いつもいつも弄られている復讐なのだよ・・・。本当は違うけど。
虚先輩は・・・。すいません。犠牲になってください。
「そ、そうね!頭使って疲れてるから、ちょうど良かったわ!」
「はい。そこを考えているとは、流石は志垣君ですね・・・。」
一瞬ギラッと睨まれたような気がしたが、どこ吹く風。たまには俺がやり返しても良いだろう。
「ああ、冷蔵庫に生クリームが冷やしてあるんですよ。自分で言うのもなんですけど、美味いですよ。カロリー激高ですけど。」
そして止めに一言。
「あ~ん、一夏く~ん!旺牙くんがイジメるー!」
「え?あ、はあ。旺牙、止めてやれよ。」
「特に意味も分かってない奴が口出すな。」
「酷い!?」
「ウマウマ♪」
本音ェ・・・、お前はマイペースだなあ。栄養分は全部胸に行くのかい?
「ダイエットすべき・・・?いえでも、彼なら体型が崩れても気にしないはず。大丈夫、きっと大丈夫・・・。」
ブツブツ言いながらシフォンケーキを見つめる虚先輩。うーむ。少し可哀想だから本当のことを言うか。
「冗談です。」
「「は?」」
「本当はカロリー計算もして、甘さ控えめにしながら味もしっかりした自信作です。生クリームつけ過ぎなきゃそうそう太りませんよ。」
ゴゴゴゴゴゴ・・・。
おっとこれは危険信号かな?
「「乙女で遊ぶな!」」
スパァン!という音が生徒会室に響く。痛くは無いけど、衝撃で脳が揺れるんだ。
「何の状況だよこれ。」
「ウマウマ♪」
置いてけぼりの一夏と、我関せずの本音。
この後みんなで仲良くお茶の時間にした。
☆ ☆ ☆
「まったく!さっきも言ったけど、乙女のデリケートな部分で遊んじゃ駄目よ。」
「へいへい。」
只今書類に不備があった部活から帰っている途中。会長自らが赴くまでもないと思ったがたまには自分の目で活動を見ておきたいとのことだった。こういう所が人気と畏怖を集める事に繋がるんだろうな。畏怖しているのは一部のみらしいが。
「もう、私だってこれでもお年頃なんだからね。」
「分かってますよ。ただたまには俺が反撃しても罰は当たらんでしょう。」
「意外とお調子者よね、旺牙くんって。」
困ったように苦笑している。ズルいなあ、こんな時にもお姉さんぶって。
「たまにイタズラ仕掛けるわよね、旺牙くんは。」
「イタズラするのには慣れてるでしょう?それこそたまには刺激を受けないと。」
「あらあら、気を遣ってくれてるの?それはそれで良い感じね。」
ダラダラとしているようで、お互い周囲の気配を探っている。学園祭以降も生徒会長の座目当て(半分は俺や一夏目当てで)襲撃を受けたが、それらを全て返り討ちにしてきた。何だかんだで『学園最強』に挑む猛者は減らないらしい。それでも涼しい顔をしているのだから流石である。
もうすぐ生徒会室という所で見知った姿を見つける。何かの用紙を持った簪だ。俺たちを見つけると笑顔で駆け寄ってくる。
「旺牙。お姉ちゃん。良いところにいた。」
「あらどうしたの簪ちゃん?ていうか旺牙くんの方が先なのは気になっちゃうな?」
「あ、あはは。」
この二人が普通の姉妹としていられる。一学期までは考えられない姿だっただろう。多少無理をしたが、あの荒療治が上手くいって良かった。
せっかく心の奥では想い合っている姉妹がすれ違っているのは悲しいものだ。
そういう意味では篠ノ之姉妹も早く何とかしたい。
「そうね。備品の件は了解したわ。もう一度確認して正式に受理するからまっててね。」
「ありがとう。あ、それと旺牙。」
「んお?どうした?」
「えっと、その・・・。カップケーキ、作ったんだけど、食べてくれる?」
「ん?部屋でもよかったんじゃないか?」
「その、すぐに食べてほしくって・・・。」
そう言って真っ赤になる簪。
なあなあ。天使がいるよ?
「うん、有難くいただくよ。ありがとうな。」
「じゃ、じゃあ、私は行くね。」
「おう、お疲れ。またな。」
天使が、もとい簪が帰っていく。内心もっと話していたかったが、部活の途中だから仕方ない。また部屋でアニメ鑑賞会でもしようか。
「・・・。」
「どうしました、楯無さん。」
「あなたたち、本当に付き合ってないのよね?」
「・・・まあ、お姉さんの前で言う事じゃないですけど、俺の片思いですよ?」
「私がいることすっかり忘れて二人だけの空間を作ってたのに?まさかの蚊帳の外だったわよ、私。」
「ただ前より仲良くなっただけですよ。それに、簪みたいな子が俺なんかと釣り合うわけないでしょう?」
「はぁ~・・・。簪ちゃん可哀想。」
「???」
――――――
この二人は・・・。はたから見るとどう見てもカップルよ。しかもバカップル。なんでお互い相手の気持ちに気づいてないのかしら。わざとかしら。
まあ、二人が悲しむ顔は見たくないから、それを引き裂き裂くようなことはしたくないし、そんなことをする輩は・・・ね?
でも旺牙くんのこと敵視している子もいれば、本気で好き!て子も結構いるみたいね。特によく一緒にいる二人組とか。出来ればそんな一生懸命な子も蔑ろにしたくはないわ。
いっその事一夫多妻制にでもならないかしら。
そうすれば・・・。
???そうすれば何?今ちょっと胸の奥がチクリとした。
さっきも、簪ちゃんと旺牙くんがイチャイチャしているのを見てイガイガした。
まさか・・・、いやいや、この私がよ?それこそあり得ないわ。
私は、裏の世界の人間。きっと将来の旦那様も、決められた相手になるでしょう。
だからこんな感情は間違い。そう、間違いなのよ・・・。
ピトッ。
「うひゃあ!?」
「隙だらけでしたよ楯無さん。」
悪戯が成功したというような無邪気な顔で缶コーヒーを持っている彼。どうやら冷えた缶を首筋につけられたらしい。
「さっき紅茶飲んだばかりですけど、まだ疲れてるでしょう?これでも飲んでくださいよ。」
「え、えぇ。ありがとう。えっと、お金は・・・。」
「いらんですよ。たまには格好つけさせてくださいよ。」
どうやら奢ってくれるらしい。まったく、どこでそんな気遣いを覚えて・・・。ああ、忘れてたけど、旺牙くんには前世の記憶があるんだっけ。実質年齢三十代だとか言ってたけど。
「それでも生意気。ま、その心意気に免じて奢られておきましょうか。」
「はは、素直じゃねえの。」
爽やかな笑顔を向けてくる。この笑顔の裏に、心にも体にも傷を負っている。
この子にはいつまでも笑顔でいてほしい。そう思うのは烏滸がましい事なのか。私が考えてはいけない事なのだろうか。
うん、それは簪ちゃんの役目よね。
私は、それを見守っていられれば、それでいい。それでいいのよ。
――――――
「ただいま・・・って、本音のスイッチが切れてる。」
「あはは・・・。」
「まったく・・・。」
寝落ちした本音を放っておいて、俺たちは仕事を完遂した。
☆ ☆ ☆
「で?今日は客人が来るんですか?」
「ああ。世間一般では超VIPだが、そこまで丁寧に扱うことは無いぞ。」
安東先生は随分な言い草だが、超VIPとは一体・・・。しかも出迎えが俺と安東先生、織斑先生の三人。いや、何故俺も?
相手はかなり気性難らしいが、この三人なら大丈夫らしい。だからこそ、何故俺も一緒にいるんだ?
「もうすぐか・・・さてどこにいる?」
「近くに潜んでいるのは間違いないだろうな。」
先生二人が辺りを見回している。え?もう来てるの?車とかが着た形跡はないけれど・・・?
なんか地面から巨大な草?が生えている。そうだな、イメージするなら『人参の葉』かな。
人参・・・。やっべ、なんか変な汗が出てきた。まさかのあの人か?
と、とりあえず引き抜けばいいのかな?草を掴み、一気に!
スポンッ!
「いってぇ!」
「おっと、そんなところに。」
「いや、ダミーのようだ。」
草だけ?くそう、勢い余って尻もち着いちまったぜ。
「ちぃぃぃぃいいいいいちゃあああああああんっ!!」
空からどこかで聞いたような声が降ってくる。降ってくる?
なんだかウサ耳つけた女性が大の字でこちらに落下してくる。
ああ。こんなことするのは俺の、俺たちの知り合いで一人しかいない。
我らが暴走特急兎、束さんだ。
「ふん。(ガシッ)」
「あうっ!?」
束さんの顔面を掴み、そのまま握り潰す勢いで手に力を込める織斑先生。
この光景が普通に思えるのだから、狂気的な何かのようだ。SAN値下がりそう。
「ちーちゃん、い、痛い・・・。マジ痛い。出ちゃいけないモノが出そう。」
「まだ余裕だな。我慢しろ。」
「いや、話が進まん。千冬、放してやれ。」
「・・・ふん。ほれ。」
「ぷはぁ。いやー、ちーちゃんの愛は厳しいな。そこのバカには礼は言わないよ。」
「要らんわそんなもん。」
これが幼馴染トーク?いや、この人たちが特別なだけか。
「お!おーくんも元気そうで良かったよ!相変わらずいい筋肉だね!」
「はあ、どうも。」
「くーちゃんも会いたがってたからね!うんうん!」
ん?クロエも来ているのか?気配が感じられないが。
「お久しぶりです、旺牙様。」
「うおっ!?」
背後、だと?俺の後ろを簡単に取るとは、流石だクロエ。
いや、俺が未熟なだけだ。そう、そう思おう。余計な事は考えたくない。
「つーか先生方。客人ってのはまさか・・・。」
「ああ、こいつだ。あくまで極秘のはずだったんだがな。」
「出来れば人目に付きたくはない。二人とも、着いてきてくれ。」
「お前が指図するなよ。じゃあおーくん。またね♪」
束さんを伴い、先生方は校舎に入っていく。クロエは俺にお辞儀をしてから、静々と三人に付き従っていた。
あの、俺が呼ばれた理由が最後まで分からなかったんですけど・・・。
あー・・・。戻るか。
☆ ☆ ☆
あの事件(?)から数日後。驚くべきことに束さんとクロエの存在は学園の誰も確認されていない。唯一楯無さんの耳には入っているようだが、何をしに来たのかは知らされていないようだった。
「俺と一夏がそれぞれのラボに?」
「ああ。直接データを取りたいらしい。それとオールメンテナンスもだ。安心しろ。以前のような罠ではない。」
あの時の侵魔の罠を教訓に安東先生が徹底的に調べ、裏を取った依頼らしい。
ほんの少し不安が残るが、もし侵魔が絡んでいなかった場合、スポンサーの意向を無視することになりえるので、行かなくてはならない。
「今すぐ出発しろ。あちらを待たせるのも面倒だ。」
織斑先生もまだ先日の件が頭にちらついているらしいが、逆らうことが出来ない歯痒さもあるのだろう。
俺としては大人しくしている束さんたちが気になるが、仕方ない。
「なら行くか。じゃあ、お互い気を付けてな一夏。」
「ああ。何もないことを祈ろうぜ。」
互いに拳を合わせ、無事を祈る。
あっ!という間にオカジマ技研。途中に何もなかったのでカットだ。・・・誰に言っているんだ俺は。
しかし相変わらずデカい所だ。やっぱり貧乏性の俺には落ち着かない。
受付の人に要件を告げ、ラボに案内される。
「んん~!舞って待っていたよ!志垣旺牙くん!!」
誰?この、誰?
「忙しくて実際に会うのは初めましてだね!僕は津久井!オカジマ技研本社ラボの総責任者を任されているよ!よろしく~!」
何だかステップを踏みながらテンション高く捲し立てる、安東先生くらいの年齢の青年がいる。顔が美形だから余計に奇人に見える。
「ふむふむ。良い面構えにいい筋肉をしている。いいね!これが歴戦の戦士の姿か!」
「えっと、もしかして、もう知ってます?」
「うむ!総帥から聴いている!と言うか、僕もウィザードの端くれだよ!まあ大した実力は無いがね!」
この会社は本当にウィザードの巣窟なのか・・・。
「早速だが『凶獣』のデータを見せてほしい。対侵魔用の戦闘記録を中心にね。」
急にキリッ!とされるとただのイケメンになるから止めてほしい。調子が狂う。
「今日中には終わるから安心したまえ。『凶獣』のデータ取りはね。ぷくく。」
あ、やべ。ぶん殴りて。
旺牙)相変わらずのグダグダ文章だな。オリムラヴァーズ出てこないし。
作者)ウググ・・・。ウググ・・・。
旺牙)おい、変な汗出てるぞ。
作者)打ち切り・・・?打ち切り・・・?
旺牙)オイ落ち着け!