IS×NW~世界を渡りし者~《更新停止》   作:戒炎

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作者)きょえーーーー!!

旺牙)五月蠅い。(腹パン)

作者)ぶえっ!?

旺牙)はい、皆様のおかげで二万UAまでやってきました。本当にありがとうございます。

作者)物語もようやくクライマックスに向かっているので、最後までよろしくお願いいたします。


昔語り

―――Side旺牙

 

 まずは俺からか。何から話すべきかな。

 俺は輝明学園秋葉原校の中等部に入学した。

 ああ、輝明学園ってのは世界中に存在する学園でな。表向きはエリート校を掲げているが、本質はウィザードの訓練校だ。なにせ生徒の半分はウィザード、または覚醒候補者だった位だからな。

 話がずれた。俺は学生寮に入寮した直後に両親を事故で亡くしてな。悲しかったがある思いが暴走しちまった。

 俺は昔からヒーローに憧れていたんだ。それも影から世界を護るヒーローに。

 独りになったことで、俺は孤独で孤高の存在になったと勘違いしてたんだ。そんな自分に酔っていたんだな。

 体格も良かったし、夜な夜な寮を抜け出しチンピラ相手に喧嘩を吹っ掛けて行った。負け無しだったよ。相手が刃物なんて取り出しても怖くなかった。むしろ叩き潰すイイ理由が出来たと思ったね。

 そんなことを続けていたある日、少し厄介な奴らがいた。銃を向けてきた奴がいたんだ。夜の世界じゃ俺の噂が知れ渡ったていたらしくてな。躊躇なく撃たれたよ。

 でも、何とも無かった。弾は俺の寸前で止まって、振り払うと簡単に道端に落ちた。

『化け物!』って叫ばれたかな?だがそんな言葉どうでもよかった。銃弾も効かない、正に無敵のヒーローになった気分だった。

 俺の『活動』はさらに過激になった。チンピラだけじゃなく、ヤのつく自営業の方々にまで手を出し始めたんだ。

 向こうはプロだ。俺のことなんてすぐに見つけ出され、大勢に囲まれた。何も怖くなかった俺は調子に乗って、このまま奴らを壊滅させるつもりだったんだが、計算外のことが起きた。奴らの中にも俺と同じのがいた。つまりウィザードがいたんだ。

 初めて傷を負った俺はパニックになった。額に拳銃を突き付けられ、「ああ、ここで死ぬのか」なんて思ったよ。

 

 その時、俺の運命が動く出来事が起こった。

 

 そいつの拳銃が弾き飛ばされ、一瞬のうちに残りの連中が気絶した。

 何が起こったのかわからないでいると、俺の前にスーツを着た男、後に俺が『先生』と呼ぶ、安東一樹が立っていた。

 学園内で見たことがあったし、すぐに関係者だと悟った俺は吠えたね。余計なことを、って。

 その返事が踵落としだった。

 

「覚醒したばかりのガキが、粋がってんじゃねえよ。」

 

 何のことか分からなかったが、俺は食って掛かった。だが、拳も蹴りもまるで通じない。全部受け流されて、叩きつけられたり投げられたり。おまけに掌から光の球を放ってきたんだ。流石に面食らって、腰が抜けたよ。

 

「お前の才能、このままチンピラにしとくのは惜しいな。俺に着いてこい。もっと強くしてやる。」

 

 呆気に取られていた俺はそう言って差し出された手を取った。

 俺がウィザードの道を進む瞬間だったよ。

 

 それからの俺は我武者羅だった。安東先生のシゴキはあの頃から地獄のようだったけど、仲間も居たしそうそう苦では無かったな。同じ道を進む者同士、連帯感は強かった。先生は先生で、分かりやすく強さってものを教えてくれたしな。

 先生はただ厳しいだけじゃ無く、俺達のメンタルにも気を遣ってくれた。壊れられてはいけないと言いつつ、『教え子』ひとりひとりに寄り添ってくれてたよ。だから頑張れたし、惚れこむ奴も多かった。俺もその一人だったよ。・・・いや、男色的な意味じゃ無くてな?この人の後には絶対ついていこうと思った。

 

 先生の指示で多くの敵と戦ったよ。侵魔はもちろん、同じ人間ともな。悪さをするウィザードを捕らえるだけじゃなく、先生のさらに上の存在、『世界の守護者』からの指令で、カルト教団を粛清、皆殺しにする

任務もあった。結果として先生とその教え子たちで事を済ませたんだがな。それ以来俺は『凶獣』と呼ばれた。ISに同じ名前を付けたのは、それを忘れないようにする戒めだったんだよ。

 

 詳しくは先生が教えてくれるだろうから細部は省くが、先生と、俺を含む一部の教え子が『世界』に対して蜂起する事件が起きた。俺達は『世界』に対し喧嘩を売った。

 その時俺は友だった槍使いと戦い、相打ちになった。

 先生が『こっちの世界』にいるってことは、蜂起は失敗に終わったんだな。今にして思えば、それで良かったんだろうがな。

 

 俺から話せることは、これぐらいかな。

 

 

―――Side一樹

 

 

 そうだな、何から話すべきか。

 俺には両親がいなくてな。ある日突然、侵魔に襲われたんだ。目の前で惨殺される両親を見て、俺には何もできなかった。ウィザードとして覚醒していた年の離れた姉のおかげで助けられた俺は、しばらくして輝明学園秋葉原校中等部に入学した。そこで姉が戦死したことを告げられ、本当に孤独になった。

 侵魔の月匣に取り込まれた時、俺はウィザードに覚醒、敵を返り討ちにして難を逃れた。

 これで姉さんの仇が取れる、そう思った時には、それらしい侵魔が既に打ち倒されていたことを聞いた。途端に虚無感に襲われた俺は、ひたすらに魔法を練習した。現場にも積極的に介入した。

 ただ、高校に上がった時に問題が発生してな。ウィザードには多くの団体が存在するんだが、俺は完全にフリーランスで活動していたんだ。そうすると、学校に対して公欠扱いにならなくてな。単位が足りずに気が付けば高校二年生で二十歳になっていたんだなこれが、はっはっは。おい、笑えよ。

 

 高二の頃から転機が訪れてな、ある奴らとチームを組むことが多くなった。多岐にわたる戦場で俺も鍛えられてな、気が付けばかなり魔法が得意になっていた。特に治癒魔法は専門ってくらいにな。まあそれはいいんだ、重要なことじゃない。

 俺の『大いなる者』の力の正体が、古代の神の一柱、それも侵魔の由来のものだった。

 一時的に力が暴走し、侵魔として覚醒した俺は、仲間たちに救われ、その時にウィザードの力も失った。

 その後は普通に学園を卒業し、力は無くとも魔法の勉強をするためにアメリカの大学に入ることにした。

 

 そして俺は、俺にとっての師匠に出会うことになる。この結界もその教授に教えられた物だ。

 教授曰く、俺にはまだウィザードの残滓が残っていたらしくてな。それを取り戻すということだった。

 俺は結界内で十年過ごしたよ。外見があまり変わらなかったのは幸いだったよ。

 俺の修行とは比べることが出来ないほど厳しい特訓でな。その時習った合気も魂が覚えていたらしい。おかげで素手でもある程度戦えるほどになったよ。まあ、それはいいんだ。

 かくして俺は以前の力を取り戻した。あくまで侵魔由来の力だから無茶は出来なかったがな。

 単位については教授の方で細工してくれたみたいでな。卒業は出来た。ついでに教員免許も取得して、日本へ、輝明学園秋葉原校に赴任した。表向きは二十代でな。

 

 そこで俺は才能ある若い連中を集めて徹底的に鍛えることにした。誰が相手でも死なないように、生きて帰ってこれるように。そして、力が暴走しないように。俺みたいにな。

 

 案外そういう連中は沢山いた。自分の使命に押しつぶされようとしている奴。力に溺れていた奴。何でも斜に構えていた奴。妙に自信の無い奴。いうなれば問題児だらけだった。こりゃ鍛えがいがあると内心苦笑したよ。

 それからはそいつらに何でもやった。何でもやらせた。厳しい訓練はもちろん、多くの実戦を積ませた。

 中には旺牙の言ったような非人道的な任務もこなしてきたよ。

 誰に何と言われようと、世界を護るため、均衡を保つためにな。

 

 ある日、一つの任務が言い渡された。高校時代、付き合ってた子がいてな。もう社会人になってた。同じ大いなる者、古代神だった。彼女が侵魔に覚醒しようとしていた。その抹殺が目的だった。何とか出来ないか、色々考えたよ。力と上手く折り合いをつけて生きていく方法を。

 考えれば考えるほど、それが無理なことが解ってしまった。だから、ウィザードの各機関に頼み込んだよ。『今回は俺一人に任せてくれ』ってな。はじめは却下されたが、半ば強引に意見を通させた。

 そして決戦の日は来た。彼女は・・・、何もしてこたなかった。俺の放った光弾にその身を貫かせ、静かに倒れ伏した。

 何故抵抗しなかったのか。勿論問いただしたさ。彼女は、自分が世界に害するくらいなら、誰かに、俺に滅ぼされることを願った。最期になんて言ったかわかるか?『ありがとう』だとよ。暫く流していなかった涙が、一気に流れ落ちたさ。久しぶりに慟哭した。

 俺は、愛する人の命を奪った十字架を背負って生きることを選んだ。世界のために。

 

 だが、世界は俺を許してくれなかった。突然、咳と一緒に血を吐くことになってな。病院に行っても原因不明。医者は匙を投げた。

 そんな時、世界の守護者『アンゼロット』は俺に告げた。俺もまた侵魔の力が強くなっていく可能性がある。戦いが起こる前に、世界は俺を病死ということでこの世から抹殺しようとした。

 流石にな、ふざけるなと思ったよ。俺は、全てを差し出してこの世界のために生きようとした。過去の贖罪のために。そのために多くの命を犠牲にした。それなのに・・・。

 

 俺は、切れちまったんだろうな。もうどうでもよくなった。世界が俺を拒絶するなら、俺が世界を滅ぼそうってな。

 俺は旺牙を含めた教え子たちを集め、自分に付いて来る者を募った。結果、十人いた教え子は綺麗に半々に分かれた。旺牙を含めた五人は俺と共に、残る五人は俺と袂を分かつことになった。むしろ五人も付いて来ることになったのが驚きだったよ。世界に反逆するってのにな。お前らは何を考えていたんだ、旺牙?

 しかも数の理では俺達が圧倒的に不利。俺のプラーナを五人に分けることで戦力増強はしたが、負け戦になるのは必至だった。それでも馬鹿どもは付いてきた。

 

 決戦の日、俺は月匣の最奥で敵を待ち構えた。プラーナを通じて、あいつらが全員死んだのを確認した。こんな俺に付いてこなければ、まだまだ生きていられたのに。

 俺の所に辿り着いたのは、袂を分かったはずの五人の内、四人。一人は旺牙と戦い、相打ちになったらしいな。さっき言っていたか。

 その後は簡単だ。俺が討たれ、戦いは終わった。

 

 今ここに生きている理由はわからんが、何か意味があるんだろう。もしかしたら、またこうしてお前たちを鍛えるために生まれてきたのかもしれないな。

 俺の話はこれで終わりだ。

 

 

―――Side旺牙

 

 

 空気が重い。皆の顔を見ていると、予想以上にショックを受けているようだ。スコールとオータムは別に顔色一つ変えていなかったが。

 さて、もしかしたら世界征服の尖兵にされるかもしれない話を聞かされて、こいつらはどう反応する。

 ここで修行を投げ出すなら、結局そこまでだったんだ。

 

「先生は・・・。」

 

「ん?」

 

 一夏が最初に口を開く。

 

「先生は、この世界が嫌いですか?」

 

「・・・そんなわけねえだろ。」

 

 上空を見つめ、一息吐く。

 

「幼馴染がいて、かつての生徒がいて、お前らみたいな面白いガキンチョとも会えた。楽しい日々だよ。今の世界、俺は好きだな。」

 

「そうですか・・・。」

 

 全員が一度顔を伏せる。そして、申し合わせたように、真剣な表情で先生を見る。

 

「なら、俺達の意志は変わりません。このまま修行を続けます。」

 

「私も、この世界が、みんながいる場所が好きです。」

 

「簡単に差し上げる事なんて、出来ませんわ。」

 

「そうよ!悪い連中は全部薙ぎ払ってやるわ!」

 

「それに、今の先生はもう昔の先生じゃないんですよね?」

 

「貴方は信頼に足る人物だと認識している。」

 

「旺牙も、今は立派なヒーローだよ。」

 

「私も、大好きなもののためなら命を張れるのは変わらないわ。」

 

「だから、先生も旺牙くんも、昔のことは忘れてさ。」

 

「今は『また』私たちを強くしてください。」

 

「別にお涙頂戴劇はいらねえんだよ。」

 

「私たちの敵は一致しているのだから、今は手を貸すわ。」

 

 ・・・何だよこいつら。こんな話聞かされて、それでも味方でいるなんて、馬鹿じゃないのか。

 

「旺牙。お前はどうする。」

 

「今更聞きますか?俺はどこまでも先生に付いていくだけですよ。」

 

「・・・馬鹿野郎どもが。」

 

 まあ、何を言ってもしょうがない。

 今はとにかく、覇王軍を何とかしないといけないのだから。

 

「よし!明日からはさらに一段階レベルを上げていくぞ!時間はいくらあっても足りないんだからな!」

 

「「えーー!?」」

 

「文句を言うな。」

 

 空気が元に戻っていく。さて、夕飯の時間だね。今日は何を作るか。

 

「・・・。」

 

「ん?どうしました先生。」

 

「なんでもねえよ。ほら、お前もさっさと行け。」

 

「へ~い。」

 

 聞こえてましたよ先生。

『ありがとう』って。こんな俺達を受け入れてくれて。

 必ず、未来を勝ち取りましょう。

 

 

 

 

    ★    ★    ★

 

 

 元亡国企業日本支部。現在は覇王軍の拠点と化している。

 

「母様、IS学園には例のウィザード達が見当たりません。ここは奴らの拠点を落とすべきかと。」

 

「焦るなパツィア。闘争する相手のいない場所など、何も面白くない。闘いは奴らがもっと強くなった時でもよいではないか。」

 

「・・・は。」

 

(母様のお気持ち、分からなくも無いが。やはり甘すぎる。それに。)

 

「お母様、修練、終わりました。」

 

「ああ、マリア。この数日で逞しくなった。一軍を任せるに相応しい貫禄が出ているぞ。」

 

「いえ、お姉様には遠く及びません。」

 

「ゆっくりでよい。お前には戦う者の気骨がある。いずれは私すら超えてしまうかもな。」

 

「いえ、そんな・・・。」

 

(その座は、私が!)

 

 パツィアの身体が小刻みに震える。

 覇王ジーザは玉座から降り、間を後にしようとした。

 そしてパツィアの横を通り過ぎた。

 刹那!

 

 ズンッ!

 

「え・・・?」

 

「・・・カハッ!」




時間がかかって非常に申し訳ありませんでした!
稚拙ながら書かせていただいている身として、待っていて下さる方がいるのは誠にありがたいです!
これからも、ゆっくりになるでしょうが続けていきますので、出来る事なら、最後までお付き合いを!

それともう一度。二万UA突破ありがとうございます!
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