召喚されて勇者やってたけど平和になったので料理屋をやってます。   作:kaenn

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連投出来たので連投しました。


サンドウィッチ

 

 

澄み渡る青空の下、10人に満たない集団が山道を歩いている。

 

「兄様?棗は異世界っぽいところが見たい!と言ったはずですが周りの風景だけなら家の山と変わりないのですが?」

 

夏休みを利用してリストアールに旅行に来ている棗は克馬に対して不満を漏らす。

それに対して克馬は申し訳無さそうに後頭部をぽりぽりと掻きながら、

 

「悪いと思ってるよ、だが一応勇者で領主だからな?領地経営を友人にお願いしている身とあっては大型モンスターの討伐ぐらいはやっておかないと肩身が狭くてな。」

 

「うーん、兄様が領主っていうのがまだ実感が湧きませんが良いです!だって今日はリアちゃんだけでなくマリーちゃんともお出掛けですから!」

 

不満そうな顔から一転して自らの左右に居る少女達を抱き抱えるとリアは恥ずかしそうに、マリーと呼ばれた少女は悪態をつきながらも嬉しそうに受け入れた。

 

「棗お姉ちゃん、くすぐったいよ。」

 

「ちょっと!私は王女だぞ、師匠と克馬さんの家族だからと言って気安く触るな、あっこら、やめ、辞めて。」

 

ウリウリと言いながら頬を擦り付ける棗

兄さんとしては棗がリアクションを取るたびに揺れるモノを見ていちいち反応して居る親友の息子を解放してあげたかったんだが……。

 

今日は朝から領内に出たグランドドラゴン討伐の為目撃証言があった地域をピクニックしながら探索していた。

 

「か、克馬さん!一度休憩を挟みませんか?

女性陣も喉が渇いたでしょうし!」

 

依然として揺れる棗のモノを見たディアンケヒト・ウィード・ヴァイスハルト君がしどろもどろしながら提案すると

 

「そ、そうね!ヘタレのくせに気がきくじゃない!そろそろ休憩をとりましょう。」

 

棗から逃げて来た妹のマーナリィ・フェスタ・ヴァイスハルトが賛同してお茶にすることになった。

 

 

俺とリアの時空魔法でテーブルセットとティーセットを出すと同行してくれたメイドの安夜禍さんがテキパキとして準備を始める。

手伝おうとするが

 

「旦那様?メイドの仕事まで取り上げられたら安夜禍は困ってしまいます。

それともやはり夜伽をさせていただき……」

 

「いかん!いくら安夜禍でもそれは妾が許さんぞ!」

 

唇を舌で湿らせながら妖艶に微笑んだ安夜禍さんが言い切る前に玉藻が反対の意を示す

すると安夜禍さんはいつものようにクスッと笑うと

 

「あらやだ姫様冗談ですわ?…………いただくときはこっそりといただくつもりですし…フフッ。」

 

最後に何か呟いていて背筋がゾクッとしたがそれは聞こえなかった。

 

お茶の準備が終わるとみんなで席に着きお菓子を食べ始める。

 

「ん!このお菓子見たことないけど美味いぜ!克馬さんの所の新作か?」

 

マリーが初めて食べるガトーショコラに舌鼓をうち克馬に聞くと正面に座っている棗が(マリーが嫌がった為)ニヤッとしながら

 

「ふっふっふ、マリーちゃん?それは棗が作ったものです、もっと食べたければ「棗お姉ちゃんお願いだからもう一度作って!お願い!」と元気にぃ゛…………って兄様何するんですか?痛いです。」

 

マリーちゃんが食欲と羞恥心の狭間で葛藤しているのと、棗の暴走を止める為克馬は斜め45°の角度から棗の頭を叩くと棗が抗議して来た。

 

「いい加減にしとけ、マリーちゃんが真っ赤になっちゃたじゃないか……嫌われるぞ?」

 

その言葉に顔面蒼白になった棗は自分の分を差し出して許しを得ていた。

 

「そう言えば兄様?グランドドラゴンってどういう生物なんですか?」

 

棗はグランドドラゴンの討伐と聞いていたがそれがどの程度の相手か聞いていなかった為質問してみた。

 

「グランドドラゴン?あーそうか棗は初めてだもんな…えーと、なんていうかぁ……肉が美味い!」

 

と、克馬

 

「ん?グランドドラゴンじゃと?散歩がてらに倒したことがあるくらいかのう?」

 

と、玉藻

 

「うーん、お母さんと一緒に魔法の練習した時に倒しました。」

 

と、リア

 

「面倒だぜ?」

 

と、マリー

 

「私では火力不足で倒せません。」

 

と、安夜禍

 

「ええと、体長が最低でも10メートル以上で今まで確認された最大個体は1キロメートルに及ぶほどとも、体表面の鱗が硬くてスキルか魔法を使わなければ倒せないとも言われています。今回は高台から発見できないらしいので大きくても30メートルぐらいかと思われます。」

 

と、唯一まともな情報を言ってくれたディアンケヒト君にハグして感謝を伝えると顔を真っ赤にして頭から煙を出してしまった。

 

「兄様?棗はまだ人間辞めてませんのでそんな怪物倒せませんよ?」

 

「いや?多分いけるだろうと思う。

実際にやれば分かると思うがアレなら母さんの結界の方がよっぽど硬いぞ?」

 

兄の言葉にそんな馬鹿な?母様の結界は硬いが、そんなファンタジー世界のモンスターの方が弱い訳がないじゃないですか⁉︎と言ったが「俺もそう思ってた」と言いながら笑っていた。

 

休憩を終えて歩き出すと山道を大きな岩山が塞いでいた。

 

「あれ?落石ですかね?兄様迂回路はどちらで……ってなんで皆様武器を構えて……まさか⁈」

 

棗が声をあげると岩山が動き出す。

 

「グルルゥー…グワァーーーー!!!」

 

その時棗は思った、いやいやコレより母様の方が硬いとかありえないでしょ?

 

 

 

 

 

 

 

……そう思っていた時期が棗にもありました。

見た目に反して刀で斬りつけるとスパッと斬れて驚き返す刀で迫り来る尻尾にも刀を斬りつけると同じくスパッと斬れた。

 

拍子抜けしていると皆様も攻撃を加えてあっという間に岩山の如きグランドドラゴンはただの肉塊

 

「よっしゃ!コレで当面肉は買わずに済むな!!」

 

訂正、食材になったようだ…兄様がホクホク顔で肉をアイテムボックスに放り込んでいる。

 

兄様は肉を一塊残すと目にも留まらぬ速さで切り分け玉藻さんを呼ぶ

 

仕方ないのう、と言いながら玉藻さんが火を出すといつのまにか取り出した鉄板で肉を焼き始めた。

 

後ろを振り向くと安夜禍さんが既に食事の準備を整えて居り

 

「棗様もお座りくださいませ。」

 

と、言われて大人しく席に着いた。

 

 

 

「お待たせ皆!グランドドラゴンのサンドウィッチだ!」

 

徐に出されたサンドウィッチを手に取ると今までに嗅いだことのない香ばしい香りがして一口食べる

 

「お、美味しい!何これ何コレ!お肉がトロけます!神戸で食べたお肉より美味しいかも……。」

 

あまりの美味しさに惚けていると兄様が、

 

「棗……お前凄い顔してるぞ?」

 

と鏡を見せてきた。

 

其処には見た事もないくらい恍惚として口の端からヨダレを垂らした自分の姿が映っていた。

 

あまりの恥ずかしさで棗はその場から全力で駆け出した。

 

「お前さま…妹御とはいえ、その仕打ちは鬼じゃぞ?」

 

「あ、あぁアレやられたら俺も女として恐ろしく後悔しそうだぜ…。」

 

「あぁ、旦那様そういったぷれいがお望みでしたら是非安夜禍にお申し付けください。」

 

と、女性陣から散々?な評価をもらい

最後の救いを求めて(天使||リア)の顔を見ると

 

「お父さん最低です!」

 

その言葉を聞いた時克馬は膝から崩れた。

 

 

その後ろでディアンケヒトはあるところを抑えるのに必死になっていた。




新キャラヴァイスハルト兄妹登場設定は後程公開します。
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