遊戯王OCGでお砂糖まみれのローファンタジーラブコメを 作:SOD
3人目の主人公 神条境夜(14)
こちらは、HERO編の1年前の世界観です。
主にこの世界の政治関係や、前作でサラッと湧いてきた精霊。その関わりが強く描かれます。
※冒頭は五年前からのスタートになります
二カ月投稿してなかったのは遊戯王の公認大会出てたからでうんぬん…
一応優勝もちらほらしました
きょうやくんきゅうさいは素手で炎を払う子
『行け!古代の機械超巨人!!』
たった一つのデュエルディスクに三人の奇妙な仮面を被った兵隊達が魔力を注ぎ込み、カードに描かれたモンスターが、凄惨な戦場に姿を現し敵軍の兵士達を手当たり次第に散らしていく。
『怯むなー!!我ら軍神国軍には軍神様が付いているぞぉーー!!!』
『くそっ、何が軍神様だ……無駄金使って無駄に兵器開発して失敗して、無駄に他国から叩かれて、存在自体が無駄みたいな刈り上げのマザコンじゃねーか』
『そもそもこんな時の為に金で雇った【煉獄】はどこで何してるんだ!?』
対する敵軍の兵士は、平凡な銃火器、ミサイルで攻撃するだけの力なき雑兵だった。
因みに彼らの将が言うところの軍神様とは、独裁国家ーー反論は死刑。国と呼ぶに値しない国の指導者のことだ。
その時点で彼らのモチベーションは推して知るべし。
この闘いは初めから勝敗が決まっている。
そんな最中、軍神様と呼ばれる刈り上げは、民の税金で造った無駄に主張の激しい城にいた。
従者「ついに完成しましたぞ!!軍神様。我らの勝利を約束する精霊ーーエクゾディオスが!!」
軍神様(笑)「つぃに来ましたか。私が国の指導者とぃう、器に見合わぬ小さな立場から世界の指導者へと。
ーー私の器に相応しぃ椅子に腰を落ち着けられる日が。」
従者「はい。では直ぐに発動致しましょう。」
軍神(笑)「ええ。善は急げです。世界が私の国民になる日を今か今かと待ちわびてぃます。」
従者「聞こえたな、生まれながらに軍神様のお膝元に命の根を下ろした幸福な民達よ!
今こそ、その幸福へのご恩に報いることが出来る瞬間である!!
これまでを幸福に生きたその命を精霊の召喚の為に捧げーーエクゾディオスを召喚するのだ!!!!」
軍神達足下にあるのは、妖しげに煙を上げる巨大な壺。そして……壺にくべられようとしているリリース要員の民達59名だった。
軍(笑)「む…?59名か。
ふむ、従者ーーああ……名はなんと言っただろうか?」
従者「はい。軍神様に命を捧げ30年。
ヨムにございます」
軍()「ああ。そんな名前でしたね。
あなたは長い長い間わたしに仕えてくれた民でした。」
ヨム「恐れ入ります。」
車()「なのでヨム。あなたには報奨を与えましょう」
玉座から腰を上げると、ヨムの後ろに立ちーー
ヨム「おお、軍神様。私めに報奨を……ありがたき幸せ。」
田()「59名では切りが悪ぃので、最初のリリース要員の栄誉を与えましょう。」
こともなげにシャダバを突き落とした
シャダバ「軍神様!?リリース要員は59名でなければーー」
ドボン。
忠告を耳に入れる間もなく、シャダバは壺に突き落とされ、溶解されていった。
顔から落とされたシャダバは喉も焼かれたため、()に伝える言葉を発声することも叶わ無かった。
()「さあ、私のために命を捧げることが出来る幸福な民達よ。我が手に勝利を運びなさい。」
ーー殺される。殺される。
一人、また一人。壺に叩き落とされる。
響くのは怨嗟と怨念。何よりも生存本能から来る恐怖による絶叫。
そして……その総てを無価値に帰す、壺にくべられたドボンという無感動な擬音。
リリース要員「うわああああーー!!止めてくれ!!死にたくない!!死にたくないいいいいいい!!!!!」
ーードボン。
最後の一人が壺にくべられた。
««60»»名の命が。
()「さあ、現れなさぃ。私を有るべき座へと道を開きなさぃ。我が精霊ーーエクゾディオスよ……」
予定外に60名のリリースをくべられた壺は絶望や怨念を魔力に変えて、絶大な力を持った『魔』を召喚する。
「
()「」
ベチャリ。
血飛沫が跳ぶ。
誰だ。その問いを投げるーーその前に、生産的な物事を何も考えられない愚かな首は物理的に飛んだ。
元より無能な阿呆ゆえに、知性と呼ぶに値しない頭は機能などせず。
無知ゆえに鋭敏に有るべき直感は、贅を尽くし繊細さとは無縁の生活ゆえに錆びつき。
死の直前まで、声をかけられるまで、自身の背後に死神が降り立ったことに気付きもしなかった。
「…………。」
物言わぬ死骸が絶命したことを確認すると、
()の首を飛ばした金髪の男はーー
「…………どこだ」
呟き終わると同時。男を取り囲むように大きな炎が上がる。
「…………。」
返答が無いことを確認すると、自分の立つ床に視線を移し、拳を握る。そして
ーー床を殴り砕いた。
巨大な穴のあいた床から飛び降りると、そこには黒衣の少年が立っていた。
「フフフ……なるほど。ヒトの首を一撃で千切り、城の床を素手で砕くその拳。
貴方は神に選ばれた神童。
ーー神条境夜。」
黒衣の少年は、そう言いながら掌を向け、先ほど上がった物とは比べものにならない人一人焼き殺せる大きさの火柱が上がる。
境夜「…………」
「ーーーッッ!??」
それとほぼ同時。黒衣の少年の背後に降り立った死神。神条境夜は、無感動に無機質に、黒衣の少年の首を落とすべく拳を振りかぶっていた。
そこにギリギリで反応が間に合った黒衣の少年は、回避と同時に掌をかざし、境夜に向けて再び火柱を上げた。
拳が間に合わないと判断した境夜も、直ぐに回避し城の支柱に背を向けて身を隠す。
境夜「そうか。お前が【煉獄】。
……何故俺を狙う。
雇い主は既にこの世に無い。悔恨か?」
煉獄「フフフ…私自身に遺恨は有りません。ただ少々の興味です。
貴方は生まれながらにそれだけの力を持っている。
そうでありながら、その容姿ーー巨躯で在りながら、齢は十の子供だと言う。
だが」
話をしながら境夜に炎を放つ煉獄。
だが、そこには殺意は無い。
狙いはしっかりと境夜本人。だが、命に届くとは最早思えなかった。
境夜本人も当然のように人の命を焼き滅ぼすであろう火炎を、羽虫でも払うかのように拳で振り払った。
煉獄「私にも才有り。ゆえに、優劣の有無があるなら見たくなりました。」
境夜「……なるほど。
だが、その炎は精霊術。厳密に力の所有者は精霊だ。
優劣を見たいなら自身の力。デュエルで語れ。」
境夜は腕に金で出来たリングを嵌めた。
すると、リングは展開しデュエルディスクになった。
煉獄「望むところ。
愚かな塵芥に付いたかいがあった。貴方が敵にいると知ったがための行為だった。
生まれながらの強者ーー【最強者】同時のぶつかり合いで、本物の戦争を愚か者達に示しましょう!」
ーー燃え盛る城を舞台に、若き両勇の闘いはひと月に及んだが、余りにもその力は常識を外れていた。
最早決着が付かない。完全な千日手。
攻撃が届かない。防御が間に合わない。
場は空に。手札はゼロに。デッキは無し。
『一時休戦』により、二人のデュエルは引き分けたのだった…………。
それから、五年後。
大神災が当時の被害者や関係者以外の人にとっての過去になりつつある現代。
軍神国と呼ばれた領土は、二人の闘いの影響を受け、地形と世界地図を変え、気象を変えた。
かつて国だった場所は鉄で地面がデコボコに歪み、草木が生えず雨も降らない枯れた土地。
???「ククク……熱いな。【煉獄】の火炎と、破壊神による破壊の痕。」
平均気温70℃強。谷と見間違えるほどの地割れが点在する、人が住めない焼土と谷の国。
かつて軍神とか民に言わせていたバカが天辺に立っていた国だが、アレに自身の大地を踏まれるくらいなら現状の方が遥かに本懐だと言えるだろう。
???「おっと…こんな所にハマってやがったか。
バカ軍神に溜めさせた壺の中身も無事みてえだな。」
4m程の大きさの壺の上に立ち下卑た笑いを浮かべる男は、スマホで連絡を取る。
「おう、ボス。あったぞ。
ああ、中身も無事だ。この熱さで腐ってやがるかと思ったがな。」
「だが持ち帰るのは無理だな。どういうわけか、壺の中身が予定の物とは違う物になっている。
予定のしてた物じゃ運べねえ。」
「知るかよ。リリースの数間違えたんじゃねえのか?ったく、アレだけ間違えんなって言っておいたのによお!」
「…………………ああ。そうだな。
これなら««【悪霊使い】の能力者»»が必要だ。
……たしか、日本にそんな家系の奴らがいたらしいな。
探してみるかぁ…日本。」