遊戯王OCGでお砂糖まみれのローファンタジーラブコメを 作:SOD
キャラクターは全員オリキャラ
カ-ドは総てOCG(三幻神のみ例外あり)
種目はローファンタジー・ラブコメ
虎華愛美 File1 お遊び感覚で進入禁止エリアにトレハンを
むかしむかしのことでした。
私たちが生まれる前、デュエルモンスターズのせいれいをしえきしていた王様がいました。
王様は100体のせいれいと、王様に仕える神官と共にへいわな世界を作り、王子に王位を継承し、皆に慕われる素晴らしい王様として、天に昇りました。
きっと、これからも素敵な世界でいられる。
そう信じながら。
「だが、ダメだったんだ…………例えどれほど素晴らしい世界を作れる王様がいたとしても、その世界がえいえんに続くなんてこと、なかったんだよ。」
王様の後を継いだ王子は、ワガママで、人のことを考えない王様となったのです。
そんな新しい王様のことを、せいれいは見限り去って行きました。
すると、世界はたちまち戦争と饑餓か蔓延する地獄へ変わりました。
せいれい達は、新しい王様の悪い心を吸収して、闇の心を持ってしまったのです。
世界に争いや悲しみをばらまく闇の心を持ったせいれい達を封印するために、多くの勇者が立ち上がります。
しかし、王様の力を持つせいれい達に、勇者達は次々倒れていきます。
残ったのは、最も若く恐がりで非力な少年だけ。
人々は絶望します。
『もうダメだ。彼にせいれいを封印出来るはずが無い。』
『あんなに弱い少年に、出来るものか。』
誰も少年に期待しませんでした……………。
しかし。
一人で闇のせいれいに立ち向かった少年は、なんと最期には、誰にも成し遂げられなかった闇のせいれいの封印を成功させてしまったのです。
「闇の心を持ってしまったせいれい達よ。
僕はキミたちを封印する。キミたちの闇を。
闇を振り払った時、もう一度この世界をみて欲しい。そして思い出してくれ王様と一緒に作ったへいわな世界を。総てを闇に飲み込まれる前に、あの時に感じた気持ちを思い出せるように。」
一体どうやって、少年は闇のせいれいを封印出来たのでしょうか?
少年は、最期までそれを語らず、その生涯を終えました。
「…………君に出来るか?方法は、失われているんだぞ?」
そして、今から少し前、人知れず闇のせいれいは、封印を破り現世に現れました。
誰も封印する方法は知りません。
ですが……再び闇のせいれいを封印することが出来る少年が現れます。
「ーー失われた?違う。恐れているだけだ!
何も知らないところから、闇に立ち向かうことに。かつての英傑も、封印の方法など知らずに挑んだはずだ。封印出来るかすらも知らないままに。
だから信じてる。俺が今踏み出す一歩が、闇の封印に届くって!!」
………あれから数年たった現在。三度地上に存在を表した闇のせいれい達は、世界に混乱と争いをもたらすことになる。
何故、そうまでして闇のせいれい達は世界を壊すのか?
何故、世界の敵になったのか?
その理由も意味も分からないままに。知らないままに。人はまた彼らを封印するために動くのだ。
「お前達がまた世界を闇に陥れるなら、俺は何度だって現れる。」
それでもきっと、いつか分かる時が来る。
俺たちが拒む闇の真意が…………。
デュエル・アカデミア 1年生選択授業教室内
愛美「…………闇の真意ねぇ。」
それまで読んでいた本を閉じ、私はポツリと呟いた。
亜弓「何読んでたの~まなみん?」
すると私のひとりごとが聞こえてしまった隣の席の友だちが話しかけてきた。
愛美「んー作者不明、題名無しの真っ黒い本」
亜弓「何それ怖い。そんな変なのどっから拾ってきたの?」
愛美「昨日、校舎裏にある立ち入り禁止の森で拾って持ってきた。」
亜弓「立ち入り禁止の森?何ソレ??」
キョトンとした顔で、亜弓は愛美に聞き返した。
愛美「ほら、南校舎の裏の方に大きな樹があった森。2年前に大火事があって木が殆ど炭になった灰色の森。」
亜弓「え……それって大量殺人がしたい奴が出入り口全部封鎖して山火事起こしたって言う事件があった森のこと?何でまたそんなヤバいとこに……。
あそこって何か出るって噂じゃん~??」
そう。愉快犯の、とろけた頭にしては余りにも計画的過ぎる犯行の行われたーー焼けた森。
人が多い祭りの日に決行された歴史に残る大量虐殺事件。重軽傷者は無し。死者数、行方不明者の総数は200人を超える。
そして、失踪者がーー1人。
愛美「ん-と……あ、私はもう読み終わったけど、亜弓もこの本読んでみる?」
亜弓「いや…………No thank you。」
誤魔化しのために差し出した黒い本は、アユの目にはヤバい物にしか見えないようで、誤魔化すのには効果的だった。
念のため、前の席の銀髪にも話を振ってみようか。
愛美「そう。ならシオン。この本読まないか?」
シオン「…………zzz」
声を掛ける前から分かっていた反応が返ってくると、私は何も言わずに本を仕舞った。
亜弓「シオタンはいっつも寝てるよね~」
愛美「その呼び方だと塩タンの方想像するからやめてくれ。お腹空いてきた。」
くぅとお腹が鳴る瞬間と同時に、学校の昼休みを告げるチャイムが同時に鳴った。
初老の教師「おや、時間か。ではここまでにしますのねん。
今日やった所は宿題にしますので。皆さん復習しておいて欲しいのねん。日直、号令。」
ここは、デュエル・アカデミア。カードゲームを学ぶ中高一貫の学園。
全校生徒数2000を超える、子どもに大人気の学校だ。
何せ遊んで学校の勉強をしたことになるのだから。万々歳だろう。
けれど、実際は高校卒業程度の学業もしっかり行われるため、入ってみてからイメージと違い、詐欺だと嘆き、五月病になる生徒も多い。今じゃこのクラスも一割近い数の生徒が休みがちで、登校している生徒も寝ていたり、本を読んでいたりすることも多い。
シオン「…………ふぁ…授業は終わりか虎華?」
たった今起きたこの銀髪の男もその一人だ。
始業のベルと共に寝て、昼休みのベルと共に目を覚ます。
愛美「おう。おはようシオン。そろそろ中庭に行かないとな」
シオン「……そうだな。俺の愛しの妹たちが待っている。」
亜弓「そして美味しいお弁当も待っている~!じゅるり。行こうまなみん。」
私の名前は
デュエルアカデミア高等部に通う女学生だ。
日夜デュエルの腕を磨きながら、プロデュエリストになることを目指している。
そんな建前で幾つかのアカデミアの中で『焼けた森』なんてものがあるこのデュエルアカデミア極東校に来ている。
亜弓「ねえねえ~シオタン。ココロンの今日のお弁当なに~?」
この気の抜けた話し方をする少女は
親同士の付き合いがあって幼馴染みになった古い友だちだ。因みにデュエルの腕も相当でもある。
シオン「さあ……どうだったか。朝はいつもコーヒーを煎れたらリビングを追い出される。
『お昼まで内緒です』だそうだ。」
亜弓「うう~気になるなあ。」
シオン「…………ふっ」
やれやれという顔で微笑むと、アユの頭を撫でる青葉。
シオン「なら、少し急ぐとしようか。そうすれば、早く弁当が見られるぞ。」
亜弓「行く~!競争だー!わ~!!」
シオン「…ああ。転ばないように気を付けろよ」
迷宮入りした事件を解決に導き、凶悪な犯罪者を非公式に検挙している天才だ。
何度かその場に居合わせた時は、国語辞書みたいな資料をソファでゴロゴロしながら斜め読みしただけで『こいつ犯人』と言うと証拠品や証言が取れる場所を伝えて昼寝してたんだが、その後本当に犯人逮捕の令状を捕れてしまったらしい。
「きゃーシオンくんだ~!」
「シオンくーん。こっち向いてー」
おまけに美形で女にモテる。神は二物を与えたらしい。
「虎華先輩ー!!」
「今日も格好良いー!愛美お姉様ーー!!」
「ああ…今日も麗しい」
シオン「女にモテるのはお互い様だな。猿浄愛美。」
愛美「心を読むな……私は女にモテてもしょうが無いんだ……男のお前とは違うだろ」
シオン「問題無い。モテても仕方が無いのもお互い様だ。気を落とさず行こう。俺も妹達がいるからモテても仕方ない気持ちは分かる。」
愛美「いや、あんたは仮にも異性にモテてる分マシだろ。あたしなんかお前、同性だぞ。同性。」
亜弓「どうせいっちゅーねん~なんちゃって。」
愛美・シオン「「0点」」
亜弓「なんで~!?良いタイミングだったのに~ぶー。」
こんな何でも無い日常を一緒に過ごせる友達がいる。今という時間を、私は気に入っている。笑いながら話が出来ることが、奇跡のようにすら感じられる。
「あ、おーい。お兄ちゃんー!」
「皆さん、午前の授業おつかれ様です。」
話をしながらおじいちゃん中庭に着くと、すでに昼食の準備を済ませて私たちを待っていた二人の女の子が迎え入れてくれる。
青葉の義理の双子姉妹。中等部の生徒。
目に入れても痛くないんだとか。おじいちゃんか。
シオン「ああ。愛しの妹達よ。お兄ちゃん寂しかったぞ。」
遊夢「ユメも寂しかったぞ~。お兄ちゃんー。」
四時間ぶりの再会をお互いに抱き合いながら満喫する兄妹。
最初見たときは、青葉のヴィジュアルとキャラの差に度肝を抜かれたものだが、今はすべて日常。
これでいいのかと思うが、本人達が幸せそうだし、いいのだろう。
ただし。
心愛「……兄さん?いつまでもお姉ちゃんに抱きついていないで座ってください。」
双子姉妹の妹ちゃん。
シオン「おお、心愛。心配しなくても、ちゃんと心愛にも兄の愛を捧げるさ」
心愛「外ではしないで下さいと、アレほど言っているじゃないですか!」
亜弓「外では…………ねえ?聞きました~奥さん。彼女もきっとお家の中ではシオタンとニャンニャンやってるんですわよ~あの年齢不相応なメロンがその証拠ですわよ~」
愛美「奥さん口調で言うなよアユ。しかし、確かに心愛のメロンはデカいよな。」
何を食ったらあんなに実るんだか。自分の首から下の平面を見てると落ち込むわ。
心愛「二人してボクの胸を凝視しないで下さい!気にしてるんです!」
シオン「心愛のメロンは小学生からだぞ。俺が手を出したなど、誤解も甚だしい。」
心愛「兄さんまで敵に!?」
愛美・亜弓「「しょ、小学生だと!?」」
シオン「ああ。正直当時は年齢詐称してるのかと思った。」
心愛「そんなこと考えてたんですか兄さん!?」
亜弓「ところでココロン。今日のお弁当なにー?」
心愛「あーもう!何でボクばっかりこんな目にーー!!」
亜弓「いや~やっぱココロンのご飯はおいしいね~。」
さんざんココアをいじり倒しておいて、アユは満面の笑みでココアの弁当を食べる。
心愛「お粗末さまです……。」
若干拗ねた感じで応えるココアは、シオンの横にぴっとりくっついて自分の弁当を食べている。
多分、無自覚なんだろうけど。ユメとシオンのスキンシップを咎めるココアがシオンと一緒にいてそばを離れることはまず無い。シオンがトイレに行く時まで危うくついて行くところだった程だ。
『学校とかの広いトイレだったら気付かなかったかもしれない……。』とはシオンの談だ。よっぽど家の中では仲が良いんだろうか。
遊夢「~♪」
一方で双子の姉、
彼女は誰から見てもシオンと仲良しの兄妹。だが、双子の心愛と比べて、その挙動が若干幼い気がする。箸の持ち方を間違ってシオンに直されてるし。
シオンもココアもやればなんでもそつなくこなすが、彼女は苦手分野が多く、守ってあげたくなるタイプだ。だが、ふと顔を見ると大人びた表情をしていることが多い。
正直、天才のシオンやココアより謎めいている子だ。
遊夢「お兄ちゃんピーマンあげる-」
シオン「ユメ。あんまり好き嫌いばっかりしてると、苦手が増える一方だ。少しくらい食べた方が……。」
遊夢「はい。あ~ん。」
シオン「ーーあーん。」
何か言おうとしていたシオンだが、妹のあーんには勝てなかったようだ。と言うか抗ってすらいない。瞬殺じゃねえか。
遊夢「おいしい?」
シオン「ああ。」
遊夢「フッフッフ。はい、あ~ん。」
シオン「あーん。」
こうして遊夢のピーマンは全てシオンの口に仕舞われるのだった。策士ユメ。
「ニャー」
愛美「ん?」
ネコの鳴き声に振り返ってみると、ご飯ちょーだいと言わんばかりに子猫が甘えて来た。
亜弓「お~ピンクのネコとはめずらしいねぇ。
しかもまなみんにおねだりとはお目が高い。」
お目が高いて…。いや、まあ…あげるけど。ネコ好きだし。しかし何かあるか。ネコが食える物……。
シオン「虎華。これをやれ。」
愛美・亜弓「「え……」」
そう言ってシオンが制服のポケットから取り出したのは『煮干し』だった。
亜弓「なに、その煮干し~」
愛美「何で煮干し。」
シオンは隣に座る遊夢の短い髪の毛を玩びながら応える。
シオン「リビングにあったから、これのついでにな。」
更に制服の懐から取り出したのは、遊戯王のカードだった。
亜弓「モンスターのカードじゃん。なにこれ~?」
シオン「虎華、キミにこいつを送る。」
……流れが読めない。
シオン「ラッキーカードだ。こいつがお前の背を推す。」
何言ってんだこいつ……?
アユと心愛ちゃんもポカンとしているなか、遊夢ちゃんが続いた。
遊夢「じゃあ、ユメも!」
太ももに付けているカードホルスターから三枚のカードをくれた。
愛美「ど、どうしたんだ二人とも??」
困惑する。急にどうしたんだ?今日は私の誕生日じゃないぞ。
心愛「愛美さん。迷惑じゃなかったら、デッキに入れてあげて下さい。意味が分からないかもしれませんけど。」
それまでアユと一緒にポカンとしていた心愛ちゃんが、何かに気付いたみたいにハッとして私に言う。
愛美「心愛ちゃんまで。んーまあいっか。枠余ってるし。って、これ融合カードに融合モンスター?私融合カード使う融合召喚したことないな。ちょっとワクワクしてきた。
さっそくデッキケースに……あ。」
黒い本まで落ちた。
亜弓「あ、さっきの怪しい本だ。」
それをみた遊夢ちゃんが物凄い勢いで反応した。
遊夢「見たこと無い本だ~!愛美さん、これ何ですか?見てもいいですか!?」
亜弓「ウオッ!?ユメユメが食いついてる!」
心愛「すみません。お姉ちゃん、本が大好きだから……。」
そうだったのか。しかしビビった。あんなに興奮した遊夢ちゃん見たのは初めてだ。
あ、そう言えば。
愛美「裏の森で拾ったんだけど、これ以外にも何冊かあったんだよな。」
遊夢「まだ本があるんですか!?見に行かなくっちゃ!」
目をキラキラさせながら遊夢ちゃんが言う。
これは、進入禁止とか気にしてないな。
心愛「裏の森って、焼けた森のことですよね?なんでわざわざそんなところに?」
…………理由は言わない方がいいかな。
すくなくとも昼食中の話題じゃ無い。
何か誤魔化すか。
愛美「きょうーー」
興味本位。そう言おうとした瞬間、シオンが口を挟む。
シオン「ーー今日行って見るか。」
心愛「え、兄さん……?」
シオン……?珍しいな。こういう話に乗ってくるなんて。いつもこういうことは誘われなきゃ来ないのに。
遊夢「じゃあ、今夜さっそく探検ですねー。まだ見ぬ本がユメをよぶ!!」
愛美「お、おう。」
そんなこんなで、私達は焼けた森に行くことになった。
どうせ私もまた行くつもりだったが、みんなで行くとは思わなかったが。
…………いちおう、進入禁止だからな?あの森。他の人にはナイショだよ?
意見・感想や分からない所など教えてもらえるともっと良くなることもあるかもしれません。
お待ちしてます