遊戯王OCGでお砂糖まみれのローファンタジーラブコメを 作:SOD
spiralをストレートで吹っ飛ばしてやりました☆
相手が弱かっただけ?知ってる。
いつからこの森に立ち入っていたのか?それは本人すら理解していない。
(………暗い。灰混じりの空気が鼻につく。ここは何処だ。)
乾いた地面とかつて人の骨だった物を踏みしめ、身体を庇うように前へ進む。
(どうなっている……)
左腕のデュエルディスクを操作しながら、自身の状況を確認する。
「………これは。メッセージがはいっている。」
拝啓☆ラブコメ主人公さんへ♪
しっかり段取りして説明する用意とかしてたんスけど、面倒になったのでその場のノリに任せます♡
具体的には寝ている間に森に放置プレイさせて頂きました。
あとホラーゲー要素の強い場所に相応しいチュートリアル系ボスとか用意したんで♪殺し合って寝起きの頭をしっかり起こして下さい。
多分そのうちにボス前ムービーよろしく悲鳴とか死体とか転がると思うので~シクヨロ☆って事で。ワロス
追伸。優しく起こして欲しかったら、もう幼なじみ系のヒロイン置いてどっか行っちゃダメっすよ。お姉さんからの忠告ッス。めっ♡
(………何だ。この名状しがたいイラつきを覚える文章は)
黒いローブを深く被った服装では表所はうかがえない。
だが、思わず自身の翡翠の宝石で出来たデュエルディスクを叩き壊しそうになったのを止めることができたのが、決して楽では無かったのは、上下に揺れる肩から伺える。
一呼吸置くために顔を上げる。
「…………………よし。落ち着いた。
落ち着いたところで、そろそろ此処が何処なのか確認をーー」
「ワアアアアアアアアアーー!!?誰か助けてくれえええええええええええーーー!!」
「いやぁ!!誰か取ってぇー!!虫が!!虫がぁぁぁーー!!」
チュートリアル系ボス前のムービーが始まった。
「………………はあ。寝起きにボス戦をさせられるラブコメ主人公か。ヒロインはどこだヒロインは……。」
悲鳴と破壊の音のする方へ足を向けながら、ローブの男はデッキのカードを引いた。
「……さあ、俺に護られたい奴は背に回れ。」
愛美達が焼けた森に入(不法侵入)ってから2時間。時刻は夜の10時を回っていた。
遊夢「愛美さん愛美さん。本が落ちている場所はどの辺なんでしょうか?そしてこの場所は森のどの辺なんでしょうか??」
愛美「……」
まだ見ぬ本に夢を膨らませながら、無垢な笑顔で訪ねる双子の無邪気な姉、遊夢から目をそらしてしまう愛美。
その僅かな反応を見逃さなかった双子の優秀な妹の方、心愛は嫌な汗を掻きながら愛美に再度確認する。
心愛「あの、愛美さん…もしかして?」
愛美「えっと……ですね。……あの、ですね。…………シオンさん。ここはどこでしょうか?」
どうやら迷子らしい。
石を投げる作業を止めてデュエルディスクをいじっていたシオンは、ふぅと息をつくと愛美を見る。
シオン「目印はどうした?過去二回深い森で遭難して、マッピングは鍛えているはずだろう?」
愛美「その、なんかここら辺から樹に変な噛み傷みたいのがあって、ナイフ傷が消えちゃったみたいでさ…その……ダメ?」
シオン「ハァ……」
月明かりに照らされた美しい銀の髪を掻き上げ、辺りを見渡した。
シオン「…………ここから北東に約500メートル先に、キミが昨夜休息で座った切り株がある。」
愛美「おお。それだ!そこの切り株の裏にたくさん本が落ちてたんだ。」
遊夢「やった。じゃあもうすぐ会えるんですね」
亜弓「それより少し休憩しよ~。
二時間歩きっぱなしだよ。ウチっち疲れてもうダメ…。」
遊夢「ありゃりゃ……」
心愛「じゃあ少し休憩しましょうか……。兎月先輩。紅茶飲みますか?」
亜弓「え!?あるの?」
心愛「はい。こういった遭難の危険がある場所へ来るときは簡単に持ってくるようにしているんです。皆さんどうぞ。
人間はいつ遭難するか分かりませんからね。」
心愛は、背負っていたリュックサックを降ろすと、小さな水筒と紙コップを取り出した。
愛美「……やけに大きいリュックサック背負ってるなと思ったらそういうことだったのか。
たしかに遭難はいつするか分からないな。」
亜弓「ありがとココロン~。
たしかに遭難はいつするか分からないよね。」
遊夢「……?ふーふー」
嫌に実感が篭もった声で語る三人を不思議そうに見ながら遊夢は紅茶をふーふーする。
シオンはデュエルディスクの操作を再開しながら同じく心愛が持ってきていたコーヒーを飲んでいた。
心愛「それで、今回のコーヒーはどうですか?兄さん少し深煎りにしてみたんですが」
シオン「ああ。俺はもう少し苦い方が好みだ」
心愛「これ以上はカラダに悪いですよ。
ただでさえ、兄さんの身体は昔のことで弱っているんですから、辛いとは思いますけど、これ以上は神条先生にも止められます。」
シオン「……………ああ。」
少し憂いを含んだ声で返すと、シオンはコーヒーに口を付ける。
亜弓「シオタンってカラダ悪いの?いつも授業中寝てるのってそのせい?」
愛美「亜弓、シオンの事情は複雑なんだ。そっとしといてやってくれ。」
亜弓「え……もしかして知らないのウチっちだけ?ウチっちだけ仲間外れ……?」
心愛「すみません、兎月先輩。兄さんは、その…」
シオン「大したことじゃない。昔俺を産んだ女にカラダ弄られて臓器取られて、身体の機能が低下しているんだ。当然、代謝や免疫機能にも少なからず影響がある。
だから、好みでコーヒーの苦みも制限させられているんだ。昔の仲間にな…」
亜弓「なにそれ怖い。」
シオン「本当にあるなら問題な怖い話だ。
コーヒーひとつ満足に飲めないやつのな。」
亜弓「シオタン。嘘が壮大すぎる割に辛いのはコーヒーひとつなんだね……」
シオン「毎朝のコーヒーは、妹達との時間くらい、俺には無くてはならないものなんだがな…………」
亜弓「アハハハハ~さらっとシスコン発言出た~……」
愛美「--凄えなシオン。さらっとヘビーな内容話したな。(ボソッ」
心愛「でも兎月先輩、嘘だと思ってます(ボソッ」
遊夢「お兄ちゃん、昔は自分のこと全然話さなかったんだけどなぁ。」
シオン「…………さて、虎華。キミはまだ体力的に余裕はあるか?」
愛美「ん?ああ。私はいつももっと奥まで進んでるからな。」
シオン「なら丁度良い。少しデュエルをしよう。」
愛美「唐突だな。」
シオン「寧ろ遅かったくらいだ。キミと会ってから五年経った。今までは学年も学校も違ったからな。時間潰しも兼ねて、どうだ?」
愛美「そう言えばそうだったな。じゃあ、やろうか。実は私もお前の実力が気になってたんだ。翔護が話してた実力をな。」
シオン「決まりだ。」
愛美は手首のデュエルリングのスイッチを入れ、シオンは一風変わったデュエルディスクを開く。
遊夢「え?!何お兄ちゃんのデュエルディスク。宝石で出来てるよ!」
心愛「あれは…サファイアかな?デュエルディスクに出来るような大きさの原石なんてこの星のいったいどこに……??」
愛美「あれは、宝石で作られた、神に対抗出来るデュエルディスク。『ジュエル・ディスク』さ。
高校入ってお前が持っていた時は驚いたよ」
シオン「ああ。そう言えばこいつは、三幻神の前じゃ只のカードが燃やされてデュエルにならないから創られたんだったな。
クリスタルネットワーク。カードデッキをホルスターに入れたままデュエルが出来る宝石決闘板。
だが今は昔。命がけで創ったという決闘板鍛治師には悪いが、もう旧い時代だ。」
愛美「そんなことないさ。鍛冶師のオッサン。そいつがいつか只の平和なオモチャになる時代が来て欲しいって言ってた。
責務で七皇に届けるのハズだったのを失敗したのは、私だったけど………
遊びで使われるなら、オッサンも本望だと思うよ。」
シオン「なら、始めるか。昼に渡したカードは入っているか?」
愛美「ああ。」
両者向かい合い、ディスクを構える。
表情に敵意は一切無い。だが、真剣だ。
遊びでも、デュエルには手抜き出来ない。
それが、デュエリスト--。
シオン「セキュリティの名探偵。風唄の力を見せてやろう。」
愛美「鳴海翔護の元師匠として、ついでに天皇直属のデュエリスト。国家十二支神将『虎華』の娘としても、負けないぜ!」
愛美・シオン「「--デュエル!!」」
亜弓「家名は次いでなんだ……ウチっちも『兎月』の名前気にしないけど。」
次回予告
レナ「第1話から申し訳程度に出ていたOCG要素。
まったくデュエル出来ていない状況で痺れを切らしたのは風音パイセンだった!
わずか1ターンでエースモンスターを召喚した風音パイセンは、新ルールに臆さず更にその先にいる切り札を見せるんだって!
え……風音パイセン。風唄の由来ってそんな事だったの!?
次回、『青葉風音File1 風唄--白銀の流星群。』
デュエル・スタンバイ!」
シオン「……何をしている?ファムグリッド」
レナ「あ、風音パイセン。ひっさしぶり~。
プロット的にはにーより先にコンビだったはずの風音パイセン!」
シオン「裏話のコーナーでも作るつもりか?」
レナ「いや~パイセンはにーと違って話が分かるから楽だな~さすがは先輩後輩でコンビだったはずの風音パイセン!ざっと6年くらい日の目を見なかった設定がついに役に立ったよ!やったね!」
シオン「前作を知らない方へ、この突然湧いてきた輩は、レナ・ファムグリッド。
前作の主人公、レン・ファムグリッドの義妹で、セキュリティーで探偵をやっている俺の後輩にあたる女です。」
レナ「ここでニュース。実は私たちFO組も、本作に出演の予定がありまーす。」
シオン「実は、この『遊戯王OCGでお砂糖まみれのローファンタジーラブコメを』では、主人公ごとに時間軸や場所を変えて話が進み、別パートでは説明をしなかった設定や用語、登場人物が動くような形になっており、その内同時進行するつもりになっています。」
レナ「ぶっちゃけ
nattomikan「発想はPS2専用ソフト『SIREN』です。」
レナ「そんなわけで、世界観も継続です。
読みたいひとはバラバラ投稿された順に読んで貰って。そうじゃ無い人はルートが完結してから読むとか読まないとか決めてね~」
シオン「そんなわけですので、ご意見・感想などお待ちしております。」
レナ「ところで~風音パイセンとレナはいつ本編でお話し出来るのかな?現実時間で6年会えてないんだよね…」
nattomikan「やる気と、気力と体力が続けばいつかは……多分。小説書いて挿絵描いてデッキ考えてると、中々進まないんだよね…」