またまた、お久しぶりでございますm(_ _)m
私は最近の日々の時間がとても短く感じますが皆さんはどうでしょうか?
一日当たり48時間ほしいとも思っています。;;
まあ現実はそううまくはいきませんがね。
がやがやとした人々の中、フィーゼルとフランは二人で手をつないでぶつかりそうになるのを上手くかわしながら進む。
そんな二人の姿は質素なローブ着ていて、フードで頭を覆い被った姿だ。お互いの顔が見えるようにそこまで深々と被っている訳では無いが、日の光に当たる訳にはいかないのでズレないよう気を配っているようだ。
二人は今、人里に来ている。
しかし、なぜ二人は人里に来ているのか?というのも、フィーゼルが最近、研究に没頭しすぎて一切構ってやれずとうとうフランに若干ではあるものの拗ねられたのだ。流石に危機感を感じたらしい。
フラン「おね~さま~。今日は何で人里に来たの?」
フィー「たまには、二人で買い物に来るのも趣があっていいかと思ったんですけど…嫌でした?」
フィーゼルの問いにフランはもちろんそんな事無いと否定を入れるが、実はほんの少しだけ遊びたかったなとも思っている。フィーゼルが好きなフランには、そんな事とてもではないが言う事は出来ないが…。
折角人里に行くので、咲夜から頼まれた物を買いながら少し人里を見て回ろうと考えていたフィーゼルだったが要件が終わった後のことを何も考えていなかった。
どうしようかと、一瞬悩みかける。
しかし、また歩き出した事からそれは追々考えようと後に回したようだ。
フラン「それにしても、レミリアお姉様も一緒に来れたらよかったのにね。」
フィー「ですね…。まあ、お姉さまを無理矢理連れて行ったら咲夜達が困っちゃいますし、今回ばかりは仕方ないですね。」
フランの一言に、フィーゼルはそういいつつ曖昧な笑みを返す。
というのも、今回の人里観光、本来は吸血鬼姉妹三人そろってのお出掛けの予定だったのだ。しかし、直前になってレミリアが当主としての仕事をまだ残していていた事が発覚。それを見つけた咲夜達に連れ戻されたという、なんとも残念なオチによって今回レミリアは欠席となっている。いくら何でも、仕事を残したまま出掛けて、後々に咲夜達の仕事が増えてしまうのはメイド達にとってあまりにも理不尽な仕打ちなのでレミリアも渋々諦めたようだ。
折角だし、お揃いの物を買ってお土産に持って帰ってあげようと。心に刻むフィーゼルだった。
そんなこんなで、市場をうろうろとしていると聞き覚えのある声が聞こえた。
霊夢「…ん?もしかしてフィーゼル?」
フィー「あ、霊夢。」
ちょうど肉屋で咲夜に頼まれたお肉を買い終わったところで霊夢と会った。
フィー「ん~。かなり久しぶりですね。」
霊夢「たしかにそうね…。まあ元気そうで何よりだわ。」
フィー「ありがとうございます。何かまた…。?どうしましたフラン?」
霊夢とフィーゼルが話している最中何故かフランがフィーゼルの裾を引いた。フィーゼルが不思議がっていると、さらにフランは強引にフィーゼルを一方後ろへ下げる。」
そんな、謎の行動に二人が首をかしげ、頭に「?」を浮かべていると突然霊夢の後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「くらえ!霊夢!」
ベシッ!
霊夢「痛っ。」
魔理沙「協力してくれてサンキューフラン。どうだ霊夢参ったか。今朝はよくも追い返してくれたな!」
突然人里を歩く巫女にケンカを売ったのはどうやら巫女の対応に納得のいかなかった魔法使いだったようだ。
得意げな顔をしている魔理沙が油断をしていると
ゴチンッ!
という鈍い音と主に霊夢から渾身のゲンコツをもらう。
魔理沙「ッ~~~~!!」
とても痛そうに頭を押さえている魔理沙を尻目に霊夢は少し怒った顔で
霊夢「それはあんたが、箒で神社に突っ込んで来たからじゃない!」
と文句を言った。それに魔理沙がすかさず「なにおう!」と言い返すが、二人の喧嘩は収まりそうな雰囲気に無いので、フィーゼルはその場を後にするべくフランの手を引く。
フラン「お姉さま止めなくていいの?」
フィー「大丈夫でしょう。二人は仲が良いようですし、何度も私たちが止めに入るのも野暮というものだと思うので。」
その言葉に納得したのかしていないのか、フランはどっちともわからぬ顔で
フラン「ならいっか。」
と一人呟くように言った。
フィー「!…すみません!」
霊夢と魔理沙の二人の元を離れてからまだいくらかも経っていないくらいの時間が流れた頃フィーゼルは髪の長い頭に特徴的な帽子をかぶる…人間?にぶつかったようだ。
相手は女性でフィーゼルの顔を見るなり発した第一声は
???「君!寺子屋に入ってみないかい!?」
というものだった。
フィー「ふぇ!?」
あまりにも急すぎる話の転換にフィーゼルも驚きすぎて変な声が出てしまう始末だが、さらにその女性は続けて話す。
???「ああ、失礼。私の名前は上白沢慧音という。この近くで子供たちに勉強を教える寺子屋という場所の教師をやっているものだ。」
フィーゼル「え…えと、その寺子屋の教師さんが私に何の用でしょうか…?」
慧音「いや、だから先ほども述べた通り寺子屋に入ってみないか?見たところ、君ら二人は寺子屋の子たちともそこまで歳が離れていないように見えるし、君らぐらいの年頃なら勉強も楽しいと感じると思うんだがどうだろうか?」
どうやら、彼女はフィーゼルたちを普通の子供たちと思っているようだ。しかし、それも無理はない。彼女たちは今ローブを着ている状態であり、なおかつフィーゼルは羽が無いので、気づける要素はとても限られているからだ。
フィー「残念ですが、私たちは普通の子供ではなく最近こちら側に引っ越してきた吸血鬼です。お気持ちは嬉しいですが、私たちが入ったのでは子供たちに不安な気持ちを抱かせてしまうと思いますし、今回はやめておきます。」
慧音「君たちが噂の吸血鬼だったのか…。」
フィーゼルの告白に慧音はとても驚いた様子を見せているが、その目は諦めの色にはなっていなかった。
慧音「だがそんなことは関係ないさ、うちの寺子屋にだって妖怪の一人や二人はいるし今更そんなことを気にする子はいないよ。なんなら、時間を分けることもできる。どうだろうか?私も無理強いはするつもりはないさ。」
フィー「ですが…。」
慧音「君たちが嫌ならそれでもかまわないが、私としては入ってもらいたいと思っている。」
フィー「そうですか…。そう言う事なら、すこしだけお邪魔させてもらいたいと思います。フランはどうですか?」
慧音の柔らかい物腰や詳細な説明にフィーゼルはもう一度断りを入れようとするが、慧音の真剣な瞳にとうとう折れたようだ。フィーゼルはつづけて、フランに聞いた。
フラン「私は、お姉さまが入るなら入る。けど、勉強がつまらなかったらやめるかも。」
フランの回答にフィーゼルは頷き慧音の目を見て頭を下げる。
フィー「では、少しの間ですがよろしくお願いいたします。」
慧音「ありがとう!これは寺子屋までを示す地図だよ。それと寺子屋内ではできるだけ先生と呼んでくれると助かる。」
フィーゼルの答えに慧音は嬉しそうに寺子屋への道が示された地図をフィーゼルへ渡した。
結論から言うと、フィーゼルは寺子屋に通うのは向いていなかった。というよりも、意味がなかったといった方が正しいだろうか。新しい環境でチルノたち妖精やルーミアといった何人かの妖怪と仲良くなることは出来たが、そこで行われる授業はとうの昔に習い終えた物ばかりであった。しかし、フランにとってはとても楽いものだったようで、フィーゼルが新しく習う物がないと聞いたとき、とても落ち込んでいた。これは、フィーゼルが辞めてしまうと思ってのことだろう。だが、フィーゼルはやめるどころか寺子屋の先生として慧音を手伝うことになったのだ。
かくして、フィーゼルはしばらくの間フランと一緒に寺子屋へ通うことになったのであった。
紅魔館に帰ってからは、レミリアにお土産のアクセサリーを渡して、今日あったことをいろいろと話した。レミリアはそれを興味深そうに聞き、後日様子を見に行くことを決めたようだった。
寺子屋編は、当初予定していたものより大幅に話が大きくなってしまったのでバッサリカットしました。
終わり方が中途半端なのは落ちが見つけられなったからです…
申し訳ないです。