東方紅更録   作:吸血鬼@ロマンうどんぬ

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今回少し少なめです。
そして遅れてしまって、大変申し訳ない。少し体調を崩していたため書き遅れました。

ごめんなさい!


第弐話 「姉妹を襲う不幸」

「……!…かげ…にし…よ!」

 

中から激しい声がする。すごく…怒っている?なんだか嫌な予感がする。

そして私は走り出した。

 

□ □ □ □ □ □

 

「え!?ちょっと、待ちなさいフィー!」

 

「ごめんなさい、お姉さま先に行きますね!」

 

そういってフィーは走って行ってしまった。やっぱりさっき見た運命が実現してしまっているのかも…それはマズいとりあえず私も急ごう。

 

「はや…自分で制御で…るようにならないか!」

 

「!」

 

少し走ると、聞こえ出したすさまじい怒声。フィーが急に走り出したのはこれが聞こえたせいか…でもこのままだとフィーも危ない。それにお父様がどうしてこんなにも怒っているのかも気になる。早く止めに行かないと…。

 

そこまで考えると私は一度考えるのをやめ、急いでフィーの後を追った。

 

□ □ □ □ □ □

 

バン!

 

「お父様!やめてください!フランを…。フランをいじめないでください!」

 

私が急に部屋の中に入ってきたのを見て、お父様もフランも少しばかり驚くかのように、目を大きく見開いてこちらを見てきたが今の私にはそんなことはどうでもよかった。まず目に映るのは、あちこちの服が破け傷だらけの姿となっているボロボロなフラン、それとそんなフランを怒った目で睨み付けるお父様の姿。次に、床に散乱した人形や玩具などだ。しかしどうしてお父様はこんなにも怒られているんだろう———

 

「フィーゼル、離れていなさい。フランは危険だ。何でもかんでも破壊してしまう。そう、きっとお前たちもこいつに…!」

 

「え?」

 

予想もしていなかったお父様からの忠告に思わず、え?と言ってしまった。それに、今フランの事を『こいつ』って…。

 

そんな状況に疑問符を浮かべ、考え込んでいると———

 

バシッ!

 

「いたっ!」

 

「やめてください!お父様!」

 

フランが突然お父様の持っている棒で叩かれるのを見た瞬間私の体は自然とフランを庇うようにフランとお父様の間に割って入っていた。

 

「フィーゼル、お前もこの私を怒らせたいのか!?」

 

「私からもお願いするわ、お父様どうかやめてもらえませんか?」

 

お父様が鬼のような形相で私を怒鳴りつけようとしている最中にお姉様がお父様の怒声を遮る形でお父様に()()()をした。しかしその威圧感は———私からしてみれば———とてもではないがお願いする側のそれとは遠くかけ離れた何かだった。

 

「どうしてお前たちまで私に逆らう…?私…いや、俺はお前たちのために!」

 

「お父様、私たちのためにとおっしゃるのであれば、まずはフランへの虐待をやめてもらってもいいですか?」

 

お姉様は淡々と続ける。

 

「そもそも、フランに能力の制御をさせるのであれば、私たちにだって多少はお手伝いで来たんじゃないですか?お母様がいつも言っていたじゃないですか、一人で抱え込まないでと。」

 

しかし、お父様の堪忍袋の緒はここで切れた———

 

「いい加減にしろ!どいつもこいつも!どうして俺の言ってることを分かってくれないんだ!」

 

「だからお父さま」

 

お姉様が反論しようとしたその瞬間。

 

「だまれ!」

 

「ぐ……がはあ!」

 

お父様の拳が、腕がものすごい速度でお姉様のお腹に吸い込まれていったのだ。

 

そして、こちらに振り向き駆けようとしたところで…。

 

「お姉様たちをいじめないで!」

 

私たちが部屋に入った時からほぼ一度も口を開いていないフランが急にそう言ったのかと思えば「私はお姉様たちを傷つけたあんたの事絶対に許さないから!えい!」

 

と凄まじい怒気を込めてそう言い放ち手をお父様に向けて握りしめた。その刹那———

 

「ぐう!きっさまああああああああ!」

 

ボン!びちゃびちゃ!ぐちゃあ!そんな音を立てて爆発四散したのだ。そのあまりの光景に私は絶句した。が、おびただしい血の量に血の気が引いてそこで気を失いそうになる。しかしそんな中でもうつむいたままのフランにどうしても伝えたいことがあった。

 

「フラン、助けてくれ…てありがとう。それと、いま…まですぐに助けてあげられなくて、ごめんな…さい。」

 

そう告げると、今度こそ私は気を失った。

 

□ □ □ □ □ □

 

「んぐ…」

 

気絶してしまっていたのか?たしか最後は…。ぐ…お腹が…。ある程度再生したとはいえどど、お父様の一撃なのだそうそう治るはずがない…。フィー…フィーは!?部屋を見渡すとそこには………。

一面血と臓物で溢れかえっている床と、その床に倒れるフィー。そして、

 

「お姉様!お姉様!」

 

と必死にフィーを起こそうとしてるフラン。そしてお父様も…———この床に散らばった大量の内臓を見て———もうこの世にいないことは理解しているが()()()()()()

体がそれを、理解することを拒否している。

 

「———ッ。」

 

駄目だ。涙が溢れてくる。意識するな今はフィーを助けるのが優先。意識するな。意識するな。意識するな————

 

そんな自分との葛藤が始まって数十分経ったかのように感じられたレミリアはスイッチを切り替えなんとか自分がこの館の主になったんだということのみ理解した。いや、無理矢理にでも理解しなければならなかった。そうせざるを得なかった。なにせ、父親の事を思い浮かべると涙が留まるところを知らぬと言わんばかりの勢いで出てきてしまうのだから。

 

そして、今の部屋の状況も少しばかり変化している。まず初めにフィーは新しい服に着替えさせた後に、自室のベッドに寝かせておいた。そして、とりあえず今この紅魔館にいるのは自分たち姉妹だけなので地下室の床はそのままだ。正直こんな部屋でフランと話すのはすごく嫌だが、暴れだしす事も考慮し———しかも片付けてくれる人がいないという事もあるので———仕方なくここで話をした。まずは、なぜあのような事になってしまったのか?ということから—————

 

10分程前…。

「それで?どうしてあんなことになったのフラン?正直に答えて?」

 

と私はフランを不安にさせないよう微笑むように尋ねた。フランはその時を思い出すかのように少しだけ顔をしかめて話し出した。

 

「あの時は、お父様が私に友人の吸血鬼だと紹介してきて、あいつに私が能力を制御できるよう指導してやってくれって頼んでここを出て行ったの。そしたらあいつがね、お父様がいなくなった途端に急に私を舐め回すようにジロジロと見てきたもんだから気持ち悪くて、つい嫌だなって言っちゃったのそしたら、急に私に襲い掛かってきて……ぐすっ。」

 

「無理はしなくてもいいから話せるところだけでも教えて。」

 

「うん…それでね、そいつが急に襲い掛かってきたもんだから、反応できなくて、相手に先手を取られたせいで私はあいつに馬乗りにされて…さしたらあいつがいきなり体を弄って(まさぐって)来たりしたもんだから、抵抗しようとして勢いで…その…殺しちゃったの…。」

 

「…。」

 

正直言葉が出なかった。勢いで殺す?仮にも相手は同じ吸血鬼だというのに?とんでもないなと心の底から思えてしまうほど私は驚いていた。そしてフランは話を続けた。

 

「そしたらね、お父様がその私たちの暴れる音を聞きつけたんだと思う。急いで来て、あいつの死体をしばらく見てたと思ったら『せっかく、お前のために良かれと思って呼んだのに!』って怒って…。それで————」

 

「もういいわフラン、大丈夫だから。」

 

そういって私がフランを抱きしめるとフランはしばらく泣き続けたのだった…。

 

□ □ □ □ □ □

 

「…ん…んぅ?」

 

ここはどこだろう、とってもフカフカですごく寝心地がよくて、いつまでも眠りたくなる。お姉様はどこに行ったんだろう?いつもだったら、もう起こしに来てる頃なのに。早くまたフランに会いに行きたいな~。…フラン?おかしい、フランには昨日会ったはず…。  !!

 

そうだ、全部思い出した。昨日私は…最後なんで倒れたんだっけ?今はそんなことよりもフランが心配だ。何もされてないといいけど。

 

そんなことを考えつつ私はテキパキと身支度を整え地下室へ急ぐ。

 

「…丈夫だ……ね?」

 

中からお姉様の声が聞こえる良かったまだいるみたいでも、お父様の声が…聞こえない…。まさか…ね。

 

ガチャ。

 

「お姉様!フラン!大丈夫ですか!?」

 

「フィー…。案外早かったわね。私もフランも大丈夫よ。」

 

「うん!大丈夫だよお姉様!」

 

「そう。良かったです。」

 

そんなことを口にしながらも私はもう既にお父様が死んでしまっていることを自然と自覚した。なぜか何も感じなかったあんなにも大好きだったお父様が死んだのに、どうしてか、気にも留めなかった。

 

「フィー、とても残念な知らせよ。実は…お父様g―――」

 

「死んでしまった。ですよね?」

 

「フィー…。どうしてあなた…。そんなに笑っていられるの?」

 

「え?」

 

自分の顔に手を当てる。確かに笑っている…。まるで自分ではなくなってしまったみたいに…。

 

□ □ □ □ □ □

 

その後、この館をめぐり様々な親戚たちが互いを殺し合った。そして決まったのが、この館の主はお姉様。そしてしばらくは代理でおじ様が主を務めるとのことらしい。

しかし、このおじ様が私を苦しめる悪魔であったこと、そして私にとっての人生で最もきつく、厳しい試練をもたらす存在であったことに私は気が付く事が…出来なかった




再来週あたりにテストがあるので、次回はかなり少ないかもです。今回もかなり少ないし、結構ぶっ飛ばしてるけどそこは…許してほしいな?

次回!最悪、人物紹介とかかも。
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