東方紅更録   作:吸血鬼@ロマンうどんぬ

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日を跨いで書いたものなのでミスも多いかもしれません…。

あと、今回そんな書いたつもりはないんですけど、いつもより少し多めです


※ただのミスでした。今まで通りの文字数です。


第伍話 「紅き霧は空を染める」

咲夜「お嬢様、ただいま戻りました。」

 

レミ「ああ、咲夜。お帰りなさい。」

 

レミリアは、情報収集も兼ねた買い物から帰った咲夜へ真剣な表情であることを訪ねる。

 

レミ「それで……

 

咲夜「…。」

 

レミリアの聞かんとしていることを察し、咲夜が口を開きかけたその時、レミリアが先に口を開いた。

 

 

 

レミ「それで…今夜の晩御飯は何かしら?」

 

レミリアのその発言を聞き、咲夜は…呆れていた。

 

咲夜「はぁ~。最初に聞くのがそれですか?もっと…こうあるでしょう!?人里はどんな状況であったか、とか、何かめぼしい情報はあったのか、とか———

 

気が付くと何やかんやで咲夜は数十分ほど説教をしていたが…

 

フィー「まあまあ、落ち着いてください。咲夜。」と

 

咲夜がレミリアを叱っているところを

たまたま居合わせたフィーゼルが咲夜をなだめたことによって咲夜は落ち着きを取り戻した。既にレミリアは半泣きだ。

 

咲夜「すみません、フィーゼルお嬢様…少し取り乱しました。」

 

フィー「いえいえ。気にすることはないです。今のは完全にお姉様が悪いですし。」

 

レミ「そ、そんな…。フィーまで…。酷いわ。」

 

フィー「お姉様も機嫌を直してください。咲夜も悪気があったわけではないですし。」

 

そうフィーゼルが優しく伝えると、レミリアの機嫌もだんだんと元に戻ってきた。

 

レミ「それじゃ、気を取り直して、人里で得た情報を教えて頂戴。」

 

咲夜「はい。まず、異変についてですが異変は妖怪たちが気まぐれで起こすものらしいので、いつ起こしてもいいのではないかと思います。あとは…ここの世界は私たちが、元いた世界とは隔離されていて、幻想郷なんて呼ばれているらしいですね。」

 

レミ「ふ~ん。でも、異変起こすのはいいけどそれって誰かが止めに来るわけ?」

 

咲夜「はい。里にいた者の話では、なんでも巫女が止めに来るとか。」

 

レミ「へぇ~。止めに来る相手がいるなんて殺りがいがあって良いわね。」

 

 

と、レミリアは誰に言うでもなくそんな事を嗜虐的な笑みと共に言い放つが、そんなレミリアの発言は次の咲夜の発言のによって無意味なものと化した。

 

咲夜「お嬢様。残念ながら、今の幻想郷において殺しは絶対にしてはならないものとなっているようです。」

 

レミ「も~!それを先に行ってほしかったわ!」

 

咲夜「申し訳ありません。」

 

フィー「それにしても、すごいですね。これだけの情報を得て来ただけでも十分ですよ。」

 

レミ「む…。まあ、そうね。今回は見逃してあげる。」

 

咲夜「ありがとうございます。それと、先ほどのフィーゼルお嬢様の発言に関しても1つご報告が。」

 

フィー「なんでしょう?」

 

咲夜「実は、里で話を聞いて回る中で、1人だけあちらから近寄ってきて自らこの世界や今の戦い方について情報を提供してきたものがいまして…。」

 

フィー「もしかして、その人って紫色の服着てました?」

 

咲夜「その通りです。」

 

咲夜は少し驚いたように、目を見開いてフィーゼルのほうを見た。

 

咲夜「もしかして、お知り合いなんですか?」

 

フィー「いえ、私たちがここ(幻想郷)に来た時に、1番最初に私が倒した相手も紫の服着てましたし…。しかも管理人らしいですしね。」

 

レミ「ここの!?よくそんな化け物相手に勝てたわね…。」

 

これには、レミリアも驚きを隠せないようだ。

 

 

咲夜「なるほど、管理人ならこの世界について詳しく知っているのも、それを説明できるのにも納得がいきますね。」

 

レミ「それで、肝心の戦い方についてはなんていていたのかしら?」

 

咲夜「戦い方に関しては、スペルカードルールというものが存在するようです。」

 

そういいつつ、咲夜は()()()()()()()()()()()()()()()()スペルカードルールについて書かれている紙を取り出し、自分の主たちに見せた。

 

紙には大まかにではあるが、ルールについて書かれている。

・スペルカードルールはあくまでも、ごっこ遊びの範疇(はんちゅう)にあり、殺し合いではない。

・決闘(弾幕)の美しさに意味を持たせる。攻撃より人に見せることが重要。

・意味の無い攻撃はしてはいけない。

・体力が尽きるか、すべての技が相手に攻略されると負けになる。

・このルールで戦い、負けた場合は負けを認める。余力があっても戦うことはできない。

 

フィー「ふむ…つまりは美しい攻撃で相手を負かすゲームという事ですか。」

 

レミ「面白そうね。」

 

咲夜「そしてこの勝負には弾幕をただ出すだけではなく、必殺技としてスペルカードを用いるみたいですね。」

 

フィー「さっきの2行目の技というのはこのことだったんですね。」

 

レミ「なるほど。だから、スペルカードルールか…。なかなかバランスの取れた遊びね。しばらくは退屈しなさそうでいいわ。」

 

フィー「でも、遊びもほどほどにしないと怪我しますから気を付けてくださいよ?」

 

レミ「分かってるわよ。咲夜、戻るわよ、早速スペルカードを作るわよ。」

 

咲夜「はい。お嬢様。」

 

レミ「フィーも何かしら作っておきなさいよ~?」

 

フィー「は~い。」

 

レミ「咲夜フランたちにもこのことを伝えておいて。」

 

などと咲夜に指示しつつ、幼き紅魔館の主は自室へと戻っていった。そしてフィーゼルは()()

 

フィー「何か御用ですか?幻想郷の管理人さん?」

 

紫「別に、特に大した要件はないわ。それと、私はもうあなた達が移住することを認めたんだし、そろそろそうやって威嚇するのやめてもらえると助かるんだけど…。」

 

どうやら管理人は少し呆れてもいるようだった。そのことを、それなりに察してしまったフィーゼルは依然警戒はしつつも、彼女の話を———彼女の態度から見て———少しだけ聞いてみようと思い彼女に問いかける。

 

フィー「では、何のために幻想郷の管理人さんがこんなところへ?」

 

紫「あなたに話があるからよ、フィーゼル・スカーレット。後、その幻想郷の管理人っていうのやめてくれないかしら?ちょっと、恥ずかしいんだけど…。」

 

彼女のそんな発言にフィーゼルは舌を巻く。管理人というからには厳格な態度で威圧してくる超人のように感じていたのに、今自分の目の前にいるのはどこにでもいる普通の人と同じことをする超人だったからだ。

余りにも予想外で、ついおかしくなってフィーゼルは笑う。

 

フィー「くすっ。なんですかそれ、あははっ。じゃあ何と呼べばいいんですか?」

 

そして思った。この人は計算高いが悪い人ではないな…と。

 

紫「もうっ、前言わなかったかしら?紫よ。八雲紫。」

 

フィー「紫ですね。分かりました。私の事はフィーでもフィーゼルでも好きなように呼んでください。」

 

紫「分かったわ。フィー。それで、話なんだけど…。今あなた達は異変を起こそうと考えているでしょう?」

 

フィー「ええ。」

 

先程の和解からさほど時間は経っていないものの、すぐに話は異変に関する物へと切り替わる。しかしこの会話がフィーゼルが本来歩むはずの悲しきレールから彼女を()()()()、彼女が望む世界(理想)へと導くものの第一歩であることを彼女が知る(すべ)はなかった。

 

紫「その異変。あなたには参加してもらいたくないの。」

 

フィー「え?」

 

□ □ □ □ □ □

 

フラン「ねえねえ、パチュリー。何してんのー?」

 

パチェ「フラン。少し黙っててちょうだい。今は集中させて…。」

 

フランドールが下を見ると、そこには向こう側から移住してくるときにも見た魔法陣と同様の輝きを放つ、別の魔法陣だった。くぅっ、とパチュリーから苦しそうなうめき声が聞こえる。大丈夫なのかと、フランが聞こうとすると、ボン!と魔法陣の中心から大量の煙が発生し…果たしてその中にいたのは、黒いスカートに赤い髪背中に翼を生やした…。

 

フラン「吸血鬼?」

 

パチェ「いや、正確には悪魔ね…。私レベルの力じゃ強い悪魔の召喚は無理だし、さしずめ小悪魔といったところかしら。」

 

小悪魔「えと…パチュリー様はどちらでしょうか?」

 

フランドールとパチュリーがそんなやり取りをしている最中、召喚された悪魔は怯えながらもそう口にする。

 

パチェ「私よ。」

 

その事実を知るや否や力小さき悪魔はパチュリーの後ろに隠れてしまう。それを不思議に思ったフランドールは首を(かし)げた。

 

フラン「?どうしたの?」

 

小悪魔「えぇと…あの…。」

 

フランドールの質問に(かろ)うじて声を漏らすが、その体はわずかに揺れている。

 

パチェ「フラン、止めなさい。怖がってるわ。」

 

背中越しに伝わってくる恐怖心に見かねたパチェリーがフランに諭す。これには、さすがにフランも小悪魔が震えている原因に気が付き。すぐに謝った。

 

フラン「怖がらせちゃったみたい?ごめんね。」

 

小悪魔「あ…はい。大…丈夫です。これから…よろしくお願いします。」

 

フラン「よろしくね。」

 

小悪魔のほうも、フランの謝罪を受け入れる。そんな中、紅魔の魔女は呆れたように「この子の人見知りを直すのは大変そうね…。」と1人でごちたのだった。

 

そこへ咲夜がやってくる。こちらも見知らぬ人外の存在に警戒をするが、パチュリーの顔を見てそれが自分たちにとって敵対していないものであることを察したのか、挨拶を行った。

 

咲夜「この館のメイドを務めている十六夜咲夜です。」

 

小悪魔「…。」

 

一瞬の間のあと、一泊置いて小悪魔の自己紹介がされる。それが終わった後、咲夜は新しい家族も含め、先ほどと全く同じ説明を伝えたのだった。

 

□ □ □ □ □ □

 

その頃。

 

レミ「う~ん、暇ね。咲夜いないと指示する事も無いし、スペルも作り終わったし。」

 

 

紅魔の主は暇を持て余していた。暇なのは昔と同じだが、ここ最近は移住後の後始末や管理者の襲撃などもあって忙しい反面、少し楽しくもあった。なにより、今は異変を発生させる直前である。それを、仲間がスペルを作り終わるまで待っているなど、今のレミリアには耐えがたい苦痛も同然だろう。別に、レミリアが幼いと言っているわけではないが、静かに待ち続けるその姿は———その幼い姿もあいまって———子供のようだった。

そんなレミリアの視界にチラッと紅魔館の門が映る。

 

レミ「たまには、視察に出向くのも趣があって良いわね。」

 

と呟きながらレミリアは美鈴のもとに向かっていった。

 

□ □ □ □ □ □

 

先程の驚きを含んだ最後の一言から、なんとも微妙な空気になっており、2人は黙ったままだった。キーーーーンとそんな音がしたわけでもないのに、耳鳴りのように耳の奥でなっている音に鬱陶しさを感じてフィーゼルは微かに目を細め、紫へ聞いた。

 

フィー「なんでですか?」

 

紫「これはこっち側の事情ではあるんだけど、実は幻想郷の異変は必ず博麗の巫女が勝つことによって解決するようにしなくちゃならないの。まあ、これは一種の暗黙の了解のようなものね。で、もしその巫女が異変を解決出来ずに負けて帰ってきたなんて情報が広まれば—————

 

フィー「これまで退治してきた妖怪たちがもう一度異変を起こす可能性があるという事ですか?」

 

紫「物分かりがよくて助かるわ。今ので半分正解。」

 

フィー「半分?」

 

紫「そう、半分。異変を起こすのは、これまでの妖怪どもだけではなく、息を潜めている者たちも一斉に行動を可能性があるでしょ?だから、あなたには参加してもらいたくないのよ。」

 

紫の説明に一応の納得はしつつも、まだ肝心の理由が聞けてないことにフィーは眉はひそめた。

 

フィー「でも、それって理由にはなって無いと思うんですけど…。」

 

紫「う~ん。そうね、他に理由があるとすればたぶん、私ならあなた達姉妹の残り二人を同時に相手にしても勝てると思うんだけど、あなたには一度敗北してるし、巫女を殺さないっていう確証がないじゃない?」

 

大分無茶苦茶だが、紫なりに精一杯それらしい理由なのだろう、顔にもうこれ以上は止めてほしいと、かいてある。

 

フィー「でもそれは、私が手加減をすればいいじゃないですか!」

 

しかしフィーゼルも引かない。何と言ったってこれが姉妹の初の共同作戦だ、なのに自分だけお留守番とか悲しいにもほどがある。ここ数百年、口喧嘩どころか普通の喧嘩すらほとんどしていないフィーゼルには、感情を抑えることがあまり得意ではない。それは、次第に感情が言葉にも出てき始めていることからも如実に表されていた。

 

ここで紫が、しょうがないといった顔でとんでもないことを言い出した。

 

紫「あなた達は、吸血鬼だから、恐らく夕方ごろに異変を起こすだろうと踏んで、異変を起こさせようと思ってるんだけど…。あなたが入ると…その…夜が明けちゃうから、霊m…じゃなくて巫女の寝る時間が無くなっちゃうじゃない?そうすると…昼間の妖怪退治に向かう人がいなくなっちゃうのよ…。だから、お願いしてるの!」

 

フィー「………。」

 

この衝撃的な告白に、フィーゼルはもはや何も言い返せなかった。あまりにも注文が身勝手すぎて…。フィーゼルが呆れを通り越して、放心していると、何を勘違いしたのか紫が別の事に関する弁明をし始めた。

 

紫「その顔は、なんで夜が明けるのが分かるのといった顔かしら?そんなの簡単よ、長く生きてれば自分の実力も分かるし、それと比べた相手の実力でどのくらい相手の実力があるかが分かるから、倒すまでのおおよその時間が分かるのよ。」

 

正直フィーゼルからしてみれば、そんな説明どうでもいいが、今考えると、こちら側が負けなければいけないのに、負けて日の光にさらされるなど生死にかかわる事案だ。そのことを考えてら今回出るのはやめておこう。と自分的にも納得のいく落としどころを見つけられるので、渋々紫のお願いを了承した。今の説明をレミリアやフランにもするという条件付きで。紫はめんどくさいです。というオーラむき出しの顔でフィーゼルの方を向いてきたが、こちらとしては大分譲歩したので、絶対に行ってもらう!という気持ちで紫を睨んだら、そそくさと向かっていったのだった。

 

フィー「う~ん。お姉様たちにはどう説明しましょう…。」

 

突然やってきて、無茶苦茶なこと言って渋々去っていった、あの(むらさき)ババアのせいで、新たに悩みの種となった事案の事について、少しばかりその場で考えていると、コツッコツッと誰かが歩いてくる音がし始めた、まあこちらにやって来た方向的にも足音の規則的さからしても来たのは十中八九レミリアだという事にフィーゼルは気が付いていたが…。

 

レミ「あら?フィーじゃない。こんなところでどうしたの?」

 

フィー「いえ、なんでもないです。それとお姉様、今回の異変なんですけど、ちょっと諸事情でその出れないんです。」

 

レミ「えぇ!?そうなの~?残念ね…ていうか、諸事情って何よ?」

 

まあ、当然の質問ではあるが、お姉様が、(ゆかり)に文句を言いに行かないようなんとしてでも諸事情で納得させるしかないと考えたフィーゼルは…。

 

フィー「その…どうしても言えないんですけど…諸事情じゃ駄目ですか…?」

 

上目遣いをした。結果は…効果は抜群だ!

 

レミ「ま、まあ、諸事情ならしょうがないわね。」

 

と言いながらそそくさとレミリアはどこかへ行ってしまった。

 

ちなみに、この後寝てるところを見つかった美鈴が、レミリアに長々と説教されたのは、また別の話。

 

 

———そしてあれから数日後の夕方。

 

レミ「さあ、異変の始まりよ!」

 

そう仰々しくレミリアが言い放ったあと、その広げられた手の中からモクモクと紅い霧が空へと流れていき、あっという間に、そこら一体の空へと立ち籠め始めた。

 

その時を以って紅霧異変が始まった。

 




タイトル詐欺なのは、許してください。

ほら、最後にチラッとだけど霧が広がる描写入ってるし多少はね?

あと、前書きの所に少し多めとか言ってますけど、いつもより4000文字ほど多いです。大変だったと思いますが読んでいただきありがとうございます。これからも頑張ります。

※ミスでした。修正しました。
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