デュラララ!! -神木仁の物語-   作:Red_Night

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第2話

 

 

 入学式の翌日、これと言って授業も始まらず、学校のオリエンテーションやらなにやらを暇そうに眺めていると、後ろの席に座っている男子生徒が肩を叩いた。

 

「ん?」

「よっ」

「おぉ、紀田か」

 

 後ろに座っていたのは紀田正臣、中学時代からの知り合いで、友達と呼べる数少ない人間だ。

 金髪に両耳ピアス、一見チャラい男に見えるが、中身もチャラい、でも大事な友達や仲間の事になるとなりふり構わず行動するところが、仁は気に行っていた。

 

「っだりーよなぁ、オリエンテーションなんかいいから他のクラス行きてぇー」

「他のクラス? なんかあんのか?」

「いやぁ、同学年の美女を発掘しに行かねばならんと言う使命があるのだよ、ボーイ」

「誰がボーイだ」

 

 教師が目を光らせたので一旦話すのを止め、前を向く。

 

「なぁ、紹介したい友達がいるんだ、この後いいか?」

 

 紀田の声は、いつになく真面目だった。

 だからだろうか、仁は何も言わず頷いた。

 

 退屈なオリエンテーションが終わり、午前で学校は終了、バイトまで時間のある仁は紀田の言っていた友達に会うために隣の教室に来ていた。

 

「こいつが俺の友達の竜ヶ峰帝人、かっこいい名前してっけど見た目どおりのチェリボーイだぜ」

「ちょっ、正臣、そんな言い方はないだろ」

「俺は神木仁だ、よろしくな、竜ヶ峰」

「う、うん、よろしく、神木君」

「仁で良い」

 

 軽く自己紹介を済ませた後、仁は紀田と竜ヶ峰と共に池袋の街を歩いていた。

 ロッテリアで昼食を済ませ、来良学園に入学するために上京してきた竜ヶ峰のために池袋の街を案内することになった。

 

「ここがシルク南池袋店、百貨店だから値段は安いし品揃えも良い、学校からも近いから帰り道に寄れる」

「へぇ~」

 

 その他にも、露西亜寿司を紹介し、主だった主要施設を紹介して回った。

 

「紀田くーん」

「んぉ? こんちゃーす」

「えーと名前が漫画みたいなぁ、帝人君っすね~」

「虎の穴、一緒にいく~?」

「今日わっ、スージー安田先生のサイン会っすよー」

「そういう話しを大声でするなっ!」

 

 道を歩いていると、門田達と出会った。

 どうやら竜ヶ峰とは既に知り合い程度にはなっているらしい、いつも通りフレンドリーな態度で接しているが、青いパーカーの糸目の青年、遊馬崎ウォーカーと狩沢絵理華は自分の趣味前回で話しかけている。

 門田さんは往来でオタク話しをされるのが嫌なのか、二人に怒っている。

 

「相変わらずっすね、みなさん」

「あっ、仁君だぁ!」

 

 嬉しそうに仁を見つけた狩沢が仁の腕に飛びつく。

 大きくはないが弾力のある物が押し付けられる。

 

「とと、狩沢さん、今日も元気ですね」

「そりゃあね、君のおかげだし」

「まだ覚えてるんですか? もう忘れてくれてもいいですよ」

「おーいお前ら、移動するぞー」

 

 見れば、紀田と竜ヶ峰、門田達は移動を始めていた。

 

「忘れる訳ないよ、君は命の恩人だからねっ」

 

 頬にチュッと口づけしてくる狩沢さんを溜息一つでやり過ごすと、紀田達の後を追う。

 竜ヶ峰が門田にダラーズを知っているかと聞くと、門田は少しだけ顔色を変えて「何でダラーズの事を聞く」と返した。

 それに遊馬崎と狩沢が独自の見解を広げるが、竜ヶ峰は聞いておらず、紀田はニシシと笑って「さっきの話しを聞いてびびっちまったか?」とおちょくっている。

 

 街に出た後、案内がてら紀田が「ナンパをしよう」とOLやら女子高生やらに声をかけていたが全く相手にされなかったのは笑い物だ。

 むしろ何もしていなかった仁が声をかけられ、紀田が叫んでいたが事実だ。

 

「俺も色々噂は聞いている、かなり危ない奴らだってな、興味本位で近づかない方が良い、余計な詮索はよしとくんだな」

「門田さんかっこいい~、大人なムードの主人公の兄貴分キャラって感じ~」

「オヤジ好きな女子に人気なタイプ~」

 

 真面目な忠告をした門田に対し、遊馬崎と狩沢が茶々をいれ、それに反応する門田、そんな三人を見ても、竜ヶ峰は浮かない顔をしていた。

 

「お前、ダラーズに何か思い入れでもあるのか?」

「え?」

 

 それまで黙っていた仁が、竜ヶ峰に声をかける。

 騒いでいた門田達も黙ってこっちを見ている。

 

「べ、別にそんな訳じゃないんだ、ただ……」

「ただ……なんだ?」

「ううん、やっぱりなんでもない」

 

 顔を俯かせて続けた言葉を飲みこんだ竜ヶ峰に、仁は「教えてやろうか」と声をかけた。

 驚きの顔で仁を見た竜ヶ峰に、仁はやっぱりとどこか確信めいた物を覚える。

 

「お前はこの池袋に来て、日常から非日常へと足を踏み入れたがっている、だろ?」

「帝人、お前……」

「竜ヶ峰君、だっけ」

「え? は、はい」

「君が思ってる程、非日常って憧れる程の世界じゃないよ」

 

 狩沢が真剣な顔をして竜ヶ峰に忠告していた。

 

「まっ、私は危ない所を仁君に助けてもらったんだけどねぇ~」

「まさに正義のヒーロー! 白馬に乗った王子様って奴ですねぇ」

「きゃーっ! じゃああたし囚われのお姫様? や~んそれなら仁君に私の愛を受け取ってもらわなきゃ~」

「ちょっ、狩沢さん、抱き付かないでください」

 

 またも騒ぎ始めた二人を門田が襟首を掴んで止めてくれた。

 

「全く、それとなぁ竜ヶ峰、非日常なんてのは探して首つっこむもんじゃないぜ、時には非日常のほうから迫ってくることだってある、それだけだ」

 

 じゃあな、と遊馬崎と狩沢の襟首を掴んだまま、門田は去っていく。

 仁はバイトの時間だからとそのまま別れ、竜ヶ峰と紀田は揃って歩いて行った。

 

「はぁ、全く、狩沢さんかぁ……」

 

 狩沢さんを助けたのは偶然だった。

 ただ、その後から出会う度に腕に抱き付いて来たり頬にキスをされたりと、身体的なスキンシップが増えているのは確かだ。

 コスプレやアニメ趣味も仁には理解できないが、気持ち悪いとは思わないし、趣味は個人の自由だとも思っている。

 

「まぁ、綺麗な人だしなぁ……」

 

 満更でもない仁であった。




狩沢さんは作者が個人的に好きな女性キャラです、結婚するなら狩沢さんみたいな女性が良いです。どこかにいないかなぁ。
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