人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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日間ランキング二位とかなんぞこれぇ!?

本当に、本当にありがとうございます‼それしか言えません!


全力で、全力で頑張ります‼ありがとうございます‼


決意

意気揚々と藤丸達の所に戻ると、心配を前面に出したマスターに迎えられた

 

「大丈夫だった!?ギル!死んでない!?生きてる!?」

 

 

「無論だ。我を誰と心得る」

 

「AUO!」

 

「然り」

 

「イントネーションがバカにしてねぇか。まぁなんでもいいんだがよ」

 

 

「英雄王、そちらの方は?」

 

 

オルガマリーが尋ねる。……気のせいか、先程までとはうってかわって、精悍さを湛えた別人のような雰囲気だ

 

「マスター、何があった」

 

「それがね、ギルからもらった飴を舐めてたら気持ちが落ち着いたんだって。そしたら、いないレフを頼るより、今いるあなたたちのサポートを優先するんだって」

 

「――ほう。飴が幼子をあやしたか。ようやく本領を発揮するわけだな、あの娘が」

 

 

「立香、これは貴方の問題でもあるのよ。真面目に聞きなさい」

 

「はーい」

 

「……なんだ、改まって」

 

「英雄王、そして見知らぬキャスターのサーヴァント。英雄王が同行を許しているのなら、それは友好の証とお見受けます」

 

「――デミ・サーヴァントの、マシュの宝具についてです」

 

 

――――

 

聞いた話では、マシュは未だに宝具の使用が叶わないらしい

 

融合したサーヴァントの真名もどのような英霊であるのかすらもわからない状態で今まで戦ってきたのだという

 

 

――今こうしている自分と同等、いやそれ以上に難儀な状態で戦っていたのか、マシュは。それで弱音の一つもあげなかったとは、ほとほと見上げた根性だ

 

「貴様は嫁の貰い手に難儀しような、マシュ」

 

「えっ、えぇっ!?」

 

「あぁ、まったくだ。こいつぁ中々以上に骨がある嬢ちゃんだぜ」

 

マシュが顔を赤らめる。やはり、この年齢では婚約など遠い話か

 

……前世にてついぞ縁のない話ではあったな。……願わくば、彼女たちはいい人を見つけてほしい

 

「事は重大です。マシュが英雄として戦う以上、宝具が使えないなんて、半身不随のようなものです」

 

「すみません……英雄王とは比べるべくもないとはいえ、私はダメなサーヴァントです……」

 

「ああ、可哀想なマシュ!私が抱き締めてあげる!」

 

「だめです先輩!公衆の前ではダメです!」

 

「真面目に聞きなさいよ……」

 

 

少し見ない間に、随分と距離が縮まったようだ。まるで姉妹のようだ。顔には出さないが、好ましく思う

 

 

『そうかなぁ?宝具はそう簡単に使いこなせないものだと思うよ?一朝一夕で使いこなされたら英雄も形無しというか』

 

「言われてんぞ金ぴか」

 

「財には呼ぶ銘が無いだけだ、たわけ」

 

 

からかうようにキャスターが投げ掛けてくる。そうか、宝具には真名が必要で、それを知らなければ開放は叶わないのか

 

となると、このギルガメッシュの宝具、『王の財宝』は常に真価を発揮しているということか。……凄まじく便利だな。王という生き物は

 

「この命題、サーヴァント二人はどう思いますか?」

 

「……」

 

ちらり、とキャスターを見やる。この器はともかく、自分はこの世界の事なぞまるで知らない。力添えは叶わないだろう

 

「あ?あー……戦えてんなら使えてんだろ。英雄と宝具は同じもんなんだからよ」

 

「それが出来なきゃ、あれだ。詰まってんだよ魔力とか。大声を発する練習をしてないってだけだ」

 

「大声!任せてマシュ!私が声を出させてあげる!」

「あっ!待ってください先輩!ダメです!オフィシャルじゃダメです!」

 

くんずほぐれつを始める二人、距離が縮まるのはいいが、緊張感に欠けるのはどうなのか?

 

 

「そういう事なら……いいぜ、構えな」

 

「……えっ?」

 

「呆けてんなよ。宝具を使いたいんだろ?なら手っ取り早く戦うのが一番だ」

 

空気が変わる。纏う雰囲気が臨戦となる

 

「俺は本気でマスターを殺す。だからマシュも本気で来い。手荒だが、詰まった魔力を吐き出させてやるよ」

 

「そんな……!」

 

「そう来たか、フードキャスター!いいだろう、マシュに私の命を懸ける!」

 

「先輩っ!?あ、あの……英雄王からも、何か……!」

 

「――」

 

……マシュは、藤丸リッカに不可欠な存在だ

 

リッカと契約しているメインサーヴァントはマシュ・キリエライトのみだ。自分はカルデアの召喚式を通して契約した『サブ・サーヴァント』いわば喚ばれて力を貸している客分にすぎないのだ

 

これから先、長い間マシュと戦い抜くのだろう。困難に立ち向かうのだろう

 

この器の力で困難を蹴散らすのは簡単だろう。そうできる信頼も確信もある

 

だが、それは困難と同時に、マシュとリッカの成長すらも消し飛ばしてしまうだろう

 

絶対者が干渉するというのはそういう事だ

 

 

――だから

 

だからこそ、今はこうして見守る事こそが

 

―見て、定める事こそが――

 

ぐらり、と、視界が明滅する

 

――今、大切な事に触れたような――

 

 

「――」

 

「え、英雄王?」

 

 

「――為すべきことをなせ、マシュ」

 

「えっ?」

 

「これは、お前の乗り越えるべき壁だ」

 

ポン、と頭に手を置く

 

 

「自信を持て」

 

 

「お前は、無価値ではない」

 

 

「――!」

 

迷いに揺らいでいた瞳に、決意が宿る

 

「――先輩」

 

「うん!」

 

「英雄王……私、やります」

 

 

「宝具を……ものにして見せます!」




マシュと、もう一人に覚醒フラグが立ちました

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