人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

103 / 3000
「もうめんどくさいから、リクエストはまとめて一つのスイーツセットにしたわ。精々いっぱいいっぱいになりながら食べなさい」


「はぁ、めんどくさかった。本当にめんどくさかったわ。――まぁでも、いい経験になったわ」


「――食べたら、感想。聞かせなさいよね」


ロマンだぞっ!

『リッカ!マシュ!ギル!しっかり!返事して!大丈夫!?応答して!!』

 

 

 

オルガマリーの必死の呼び掛けに意識をはっきりさせる

 

 

――スパルタクスの介入により、無事に生き延びることができたようだ

 

 

「――反逆と反骨の英霊よ、その反骨の矜持、確かに見届けた」

 

 

――ありがとう。スパルタクス。貴方の言葉を、けして忘れはしません

 

 

 

「スパルタクス・・・すまぬ、死ぬかと思ったぞ・・・」

 

 

『対城宝具を間近で受けて、よく無事だったね・・・!どうだいギル!防御に関してはすごいんじゃないかな!』

 

「たわけ。我の懸念はタイミングだけだ。質に関しては心配などしておらぬ」

 

 

「皆様、無事でよかった・・・」

 

「ご苦労であった、ジャンヌ」

 

 

――アルテラ。自らを大王と名乗る、ただならぬ大英雄

 

 

あの冷然とした眼を思い出す。掲げた剣の余波だけで、凄まじい威圧を見せつけた破壊の化身

 

 

――アレは総てを破壊するまで止まらない。この時代を破壊しつくすまでけして停止しないだろう

 

 

――止めなければならない。あの大王。あの化身を

 

 

 

「――勝てる、のでしょうか。私たちは」

 

弱音を呟いたのは、マシュだった

 

 

「マシュ?」

 

「あの輝き、あの威圧は紛れもなく最高クラスのサーヴァント・・・アーサー王に比肩する強さのサーヴァントであるでしょう」

 

 

「――・・・」

 

「英雄王がいてくださることを加味しても・・・もし、万が一、私が先輩を護りきれ無かったなら・・・」

 

 

――・・・

 

 

『マシュ・・・』

 

 

――大丈夫

 

 

「勝つとも」

 

「!?」

 

 

大丈夫だ。必ず自分達は勝つ。

 

 

「言った筈だ。貴様らは露払いを為せ、詰みは我がやってやろう、とな。我が盟約を違えると思うか?」

 

 

「英雄王・・・」

 

――そうだ。自分達は勝つ。相手がなんであろうとも、最後に勝利するのは自分達だ

 

 

理屈は無い。根拠もない

 

だが――確信と、意志がある。

 

 

自分は、この世界を『滅ぼさせたくはない』し。『護りたい』と思い、『救いたい』と感じている

 

 

いや――そう、感じさせてくれた人達がいたのだ

 

 

果てに挑み、熱き血潮を見せつけたウェイバー・ベルベット

 

ローマを愛し、世界を愛し。こんな頼りない魂に声をかけてくれた、神祖ロムルス

 

揺るぎない意思と矜持のもと、自分達を救い、生かしてくれた、スパルタクス

 

 

――その熱い男たちの生きざまが、この魂を熱く昂らせている

 

 

「貴様らは我を黒幕にまで運んだ。足掻き、もがき、敵の首に食らい付いた。我を導き、そこにたどり着いた事で、その勝利は確定したのだ。『詰み』とはそういう理屈だ」

 

 

「英雄王・・・」

 

「そも、認識からして違えているぞ。『勝てるか』ではない。貴様らは既に『勝っている』のだ。我を聖杯の下まで連れ、黒幕に相対した時点でな」

 

 

「私達は、勝っている・・・」

 

――そうだ。君達の道筋は、既に実を結んでいる

 

 

後は、その勝利を磐石とし、胸を張って帰還するのみ

 

 

 

――そして、それは。他ならぬこの自分の役目だ

 

「凱旋の帰路の鋪装は任せておけ。――だからな、そう不安そうな顔をするな、マシュ」

 

ポン、と頭に手を置く

 

「此処に至る道筋、よく護り、よく戦った。デミ・サーヴァントと卑下する必要はない。その功績が何よりの証だ。――お前は確かな、マスターのサーヴァントだろうよ」

 

「――!!」

 

――後は、任せてほしい。

 

 

最早、転生した、使命だなんて理屈はどうでもよくなっている

 

頼り無くとも、無銘であっても。――英雄王の庇護が無ければ、まともに世界に向き合う事ができない儚いものであったとしても

 

 

自分は紛れもなく、今此処にあり。――この美しい世界を『護りたい』と想っている

 

 

 

――そう。自分は確かに、『願い』を見付けたのだ

 

 

――遥か続く、この美しい『世界』を。一つの魂を懸けて、全力で。この器と、英雄王と共に

 

 

そして、その先へ。総てを救い、その先にあるものが何かを見てみたい。

 

それが――このローマの旅にて見つけた、自分の『願い』だ

 

――男達の熱い生きざまと情熱は、無銘の魂にまた。色彩を加えたのだ――

 

 

「うん!行こうよ皆!」

 

 

マスターが声をあげる

 

 

「ここまで来たんだから、後は勝つだけ!苦労や困難なんて今更だよ!」

 

「先輩・・・」

 

「うむ、そうだ!神祖は言った!世界は永遠であると!ならば、滅びる筈もない!我等には、神祖がついている!」

 

ネロが、情熱に満ちた言葉を紡ぐ

 

「人を越え、時を越え、国を越え、ローマは在るだろう!ローマあるかぎり、世界は潰えぬ、世界は滅びぬ!そしてローマは紡がれる。ありとあらゆる形を変え、それでも連綿と受け継がれ、確かに紡がれていく人類の樹系図!それこそが!そなたたちが護りし、人理であるっ!」

 

「・・・ネロ公、何言ってるか解んない」

 

「うむ!余にもよくわからぬ!」

 

『形を変えても、変わらぬものがあり、それを未来に繋げていく。形が変わっても、ソレはミームとして確かに受け継がれていく・・・ということね』

 

『うん!僕も好きだ!その考え方!ロマンチックだしね!』

 

「ふはは!そうだ。難行に挑むに要する者は、時に賢しさや理屈ではない!」

 

人類最古の英雄が高らかに笑う

 

「愚かさ、浅ましさ、意地汚さ!そういった愚者、雑種こそが――理不尽を打倒し、未来を掴む事もままあると言うことよ!それが人間だ!それが人間が織りし織物だ!」

 

 

――それが、彼という王が愛する人間の――可能性なのだろう

 

 

「そうと決まれば出撃だマスター!マシュ!ネロ!ヤツはこの眼が捉えている!『徒歩で来た』などと余裕をかますやつめに、キツい灸を据えてやろうではないか!」

 

 

「うん!」

「はい!」

「うむっ!!」

 

 

「後ろの防御は私がやるよ。おもいっきりやっといで!」

 

「任せたぞ!ブーディカ!よし!では余に」

 

「我に続け!!クラス・ゴージャス!英雄王ギルガメッシュの名の下に!リンゴの帝国ローマを取り戻してやろうではないか――!!」

 

「リンゴの帝国――――!!?」

 

 

――程無くして、かの破壊の大王と

 

「――・・・阻むか、私の道を」

 

 

――人理を切り開く、黄金の王が相対する――!

 

 

「阻むとも。我の進む道は唯一無二!――背中(せな)に付き添う者を除き――我が道を害する者は!肉片一つ残らぬと知れ――――!!」

 

 

――此処に、最後の戦いが幕を開ける!

 

 




「麻婆デリバリー始めました!甘味の後は、辛味もどうぞ!」


「安心しな、ちゃんと食えるぜ。――まぁ、刺激が苦手なヤツは気を付けてな」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。