人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
ぐっちゃん「中国を治めたのは・・・ノブ皇帝・・・」
オルガマリー「Aチームの論理が今試されているわ・・・頑張るのよ二人とも・・・」
(ワンチャン・・・ワンチャンキリシュタリアを呼ぶと言うのも・・・いやでも待って・・・キリシュタリアに最初に攻略してもらうイベントがぐだぐだって・・・!いやでも・・・うぅん・・・!)
ゴッフ(まさかオルガマリー君が此処まで悩むとは・・・そんなに難題なのかね・・・?)
アルトリア「なるほど、皆ノッブ・・・」
アイリスフィール「可愛いわね・・・」
ゴッフ「あ、こっちは割と平気そう!?」
「わし、強化やパワーアップってもうちょっとこう、ドラマチックでカッコいいものじゃと思うとったんじゃが・・・」
皿に盛られた山盛りのコーンフレーク・・・否違う。聖杯の器に山盛りに注がれた叡智の焔即ち金平糖をリッカの隣でもくもくと口に運ぶ我等が魔王信長ことノッブ。お代わりはリッカの傍らに後四セット用意されている。最低でも6回ほどこの食事というパワーアップ行事をやらなくてはいけない事実からそれとなく目を逸らしつつ、無心で金平糖めいた種火を食べていく。コリコリとした食感、まんま高級菓子の金平糖である。
「カルデアに召喚したサーヴァントの霊基をどれたけ冠位に近づけることが出来るかの挑戦なんだって!その名も聖杯転臨!ギルも姫様も手頃な聖杯を大盤振る舞いしてくれたし、いっぱい食べようね!ノッブ!」
「うはは!なるほどわし治験に受かったというわけか!食べて成長するとはまんま人間になった様じゃの!んー、しかしこうもあっさり聖杯寄越されると何のために魔術師が聖杯戦争やっとるのか是非もなくなるよネ!しかし量多いのぅ・・・」
シャリシャリコリコリとした食感を無心に消化し、残った聖杯をごくりと飲み込んだら次のセットへ。こんなんで強くなれるのコブラだけじゃろ・・・とぼやくノッブであるが取り込むたびに霊基が格段にパワーアップしているのは揺るがぬ事実な訳で。半信半疑が確信に変わる頃には、美味い!もう一杯!なんてノリに早変わりしたり!恐らく最も風情の無いパワーアップ風景が此処にある。きっと人々はこんな風景を指してあの言葉を作ったのだろう。──ぐだぐだと。
「もう少し、もう少しで拡張が終わるよ!高まってるよ!ノッブ高まってるよ!スーパーノッブに近付いてるよ!」
「おぉお・・・!身体中にかつてなんでも出来る気がしておった頃のうつけパワーが高まってくるのを感じるのぅ!金平糖食ってるだけで冠位に迫るとかわしったら本当サーヴァント界の風雲児!是非の無さも極まってるよネ!」
「はいいーっき!いーっき!」
「うはははは!敦盛踊り食いじゃぁ!!」
そんな新年歓迎会感溢れる霊基拡張を終えたノッブは、先のノッブとはまさに比べ物にならない力を手にしていた。
「これが・・・わし・・・?なんか凄い昂っとる・・・!今ならわしとリッカ先輩で天下取れちゃいそう・・・!!」
「仕上がってる・・・仕上がってるよノッブ・・・!じゃあ次は高天ヶ原で霊基を神霊クラスに引き上げようか!」
「うむ!・・・ん?そんな事出来るんか!?マジに!?」
そしてそのまま高天ヶ原にてノッブを祈祷し神格転成。ノッブは後世に魔王と謳われ畏れられたが、更には日本を侵略から阻止した神とも祀られている。信長の一面、側面はまさに邪神も引くほど多種多様。神のノッブなんていて当たり前なのだ。その為の神社をサクッとイザナミお婆ちゃんに建ててもらい、マスターであるリッカがお祈りと魔力を捧げ、カルデア霊基のノッブの霊基を更に一段階強く強靭にする。
「まさか恐れられるだけでなく、敬われる時が来るとは!それも焼き払い滅ぼした神仏としてリッカ先輩にのぅ!うははははははは!最早おかしすぎて今川戦ぶりのやけくそみを感じてならん!」
「あ、やっぱり神様扱いは嫌なのノッブは?」
「うんにゃ別に?大体魔王名乗りも武田が神の使いを名乗って送り付けてきた文書に対抗する意味で第六天魔王って名乗ったのが由来であっての。響きは気に入っとるが固執はしとらんでな。それに──」
「それに?」
「リッカ先輩とこれから風雲信長戦国乱世に挑むのじゃ、いつまでも魔王信長というくくりでは古臭いと思うとったところ!神に至り、魔王を越える程度でなくば!三千世界に満ちた信長の中で覇を掴む事など出来はせんじゃろ!カルデア代表ノッブとして、こうなればとことんわしの可能性を突き詰める覚悟じゃ!だからほら、遠慮せずにわしにどんどん祈るでな!わし、張り切って万物焦土にしちゃう!」
「ノッブ・・・!うん!これから毎日本能寺焼こうね!」
「それは割とどうかと思うんじゃが!?んー、おみくじ無いかのー。確かミッチのヤツはわしに本能寺する時三回引いたみくじ三回大凶だったとか!うはは、願掛けの記録に挑戦するのも悪くないかもしれんじゃろ!」
そうして祈り、くじを引き三回連続で大吉を出しテンションマックスになった二人。信長の社がある間神霊クラスの力を発揮できるようになった事を確認し、はち切れんばかりに満ち満ちた魔力に高揚と戦慄を隠せぬ二人。
「これが・・・わし・・・?スーパー戦国風雲児、或いはスーパー尾張人・・・!クソ性能であったアヴェンジャーノッブの悲劇を繰り返させんとする鉄の意志を感じられずにはいられんのじゃ・・・!」
「キャラ性能じゃなくてキャラにリソース振り分けちゃった結果だから・・・火傷はしても特にメリット無いって酷いよね・・・」
「よ、よし!伝説の木の下で彼氏を待つドキドキの感覚のままに、最後の仕上げに入ろうぞリッカ先輩!確か次は・・・」
「ロマンの所だね!じゃあ行こっか!イザナミお婆ちゃん!ありがとねー!」
『また来てくださいねー!飴持って待ってますよー!』
イザナミお婆ちゃんに礼をいい、わし今ならかめはめ波撃てそう・・・!と震えるノッブの背中をくいくいと押し、ロマンの待つ医務室へと向かう。其処には、ダ・ヴィンチちゃんと共に神妙に二人を待っていたロマン・・・その手には、七色に光る焔が揺らめく杯が握られている。
「知っとる!それわし知っとる!フォウパイセンが昇華されるときにフワッと出るプレシャスパワーってヤツじゃろ!」
「そうなの!?ロマン、それは?」
「あぁ、信長くんの言う通りだ。これはフォウと姫様のみが産み出す事が出来るプレシャスパワー・・・超々高密度にして最高純度の真エーテルを抽出しボクやカルデアスタッフが形にする事に成功した『楽園の尊火』。これを使えば、楽園に在住しているサーヴァントの霊基限界を越える事が出来る、最高クラスのエンドコンテンツアイテムと言うヤツさ!」
いよいよもって信長の、神を越え魔王を鏖撒する三千世界を制覇する極みの領域に王手をかけるカルデアの準備が整う。この精製に成功したのは今は一度・・・。それが今リッカに託される。
「作っておいてなんだけれど、その尊火はサーヴァントの限界を遥かに越え単独で特異点を攻略出来るレベルの力に到達させるもの。・・・それはつまりマスターの制御すら届かない領域、ともすれば離反、謀叛を招きかねない力を託すと言うことでもある。・・・言うなれば、楽園から離れられるライセンスでもあるんだ」
「・・・・・・」
「僕達が引き上げられるのは力だけだ。其処にもたらす主従の関係が断ち切られるか、繋がれたままか・・・。それはリッカ君とサーヴァントの絆に委ねられる。・・・覚悟を決めて、使ってほしい」
最早マスターなど不要とする程の力をもたらすものを、託すに足る相手か。いつもなら愉快に茶化すノッブも、今回ばかりは何も告げはしなかった。リッカの言葉と、判断を待っている。
「──何を今更、だよ!ロマン!はい、ノッブ!」
それでも、リッカは躊躇わずにそれをノッブへと渡す。このゆらめく焔に負けぬ、熱き絆を信じて。
「良いのか?言っておいてなんじゃが、これはやはりゴージャスやマシュマロ、はたまたじゃんぬ店長に託すべきものではないかのぅ・・・?」
「何を弱気な事を言ってるの、ノッブらしくない!ノッブは日本じゃ知らない者はいない大英雄、魔王でしょ!格に取って不足は無いよ!それに・・・私、見たいもん!」
ノッブの、徹頭徹尾格好いい姿!そう告げ、躊躇いなく火を渡す。・・・ノッブに渡されたのは、畏敬と恐怖と憎悪の業火ではなく。信頼と絆の暖かき篝火。
「──。・・・是非も無し。我がマスターがそこまでわしを求むるならば!その熱き焔!我が魂を捧げるに不足なし!」
その決意に、力強く応えるノッブ。捧げられた火を、自らに躊躇わずに取り込む──!
「我に満ちるは嘆きと憤怒に非ず!楽園に在りし龍の願いと絆なれば!刮目せよ──今こそ我が身!煌々と燃え盛る焔となりて!我がマスターの願いに応え顕現せん!!」
「ほ、ほわっ、ほわぁあぁあぁあ──!?」
此処に力は集う。全ての信長を滅ぼし、マスターたるリッカを導く焔となりて。織田信長の究極の姿が降臨する──!!
管制室
ギルガメッシュ「この覇気、この魔力──どうやら形となった様だな。日本の魔王よ」
ノッブ【然り。我が身、三千世界の全てを喰らい天を翔る力を得た!礼を言おう、そして受け取れ!天晴れである!!】
其処に在りしはノッブ・・・でありノッブとはまるで別人であった。身長は180に至り、漆黒の鎧に紅蓮の長髪。身に満ちる紅蓮の焔は覇気を視覚化するほどに強烈にして雄壮。圧倒的な畏怖を示す。──だが、その笑顔は変わらぬノッブそのものだ。
【我が身に宿るは魔王の力!しかしこの身の本懐はそれに非ず。──我に心から信を預けしマスターたるリッカの絆!その力、その願い!けして消えぬ篝火として我が身を照らさん!──信ずる焔に、復讐者のクラスは似つかわしくなかろう!なのでこう呼べ!我がクラス、そして真名・・・【建勲・第六天戦極魔王】!!──織田、信長!!!長ければグランドノッブでも良いぞ!では行くか!我が当代最高のグランドマスターよ!!】
「ひゃい・・・我が魔王・・・」
お姫様抱っこされ、オロシテ・・・オロシテ・・・とはずかしみなマスターと共に。神と魔王を殺す究極の織田信長が──万物総てを飲み喰らわんと意気を吐く──!
【まずは城手にいれて、其処からドクロで乾杯じゃな、先輩♪】
リッカ「イケメェン・・・」
ぐだぐだに似つかわしくなきグランドノッブの活躍が今、始まる!!