人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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越後

長尾景虎「はい、と言うわけで!謎の美少女お虎さんの正体は越後の大将、長尾景虎でしたー!どうですか、今明かされる衝撃の真実ー!」

カッツ「姉上~~!!!帰還をお待ちしておりました~~!なんかおっきくなってません!?でも姉上ですよね~~!」

【えぇい引っ付くな!しかしやるのぅミッチ!カッツとかいうクソユニット大将に据えてよくぞ持ちこたえた!誉めて遣わす!】

ミッチ「の、信長公が私に称賛を・・・!!オォン!!この光秀一生の幸せ!!オォン!!ヌォォン!!」

沖田さん「リッカさーーん!!お待ちしておりましたともー!いやぁレイシフトは成功したのはいいんですが、越後に来たらすぐに敵兵が来てですね!」

「わぁい沖田さん!よくぞ無事でー!」

ヒッジ「別に心配はしてねぇよ。お前ら、よく戻ったな」

オルガマリー『ブフォッ・・・!!』

桐之助「おや、オルガマリーまで出てくるとは。こんにちは、君がくれたアイマスクのお陰で夢見は最高さ!」

ロマン『あー、成る程、さっき話してたのはこういう事か・・・』

マシュ「は、はい!夢ですから、細かい事は気にしないで行きましょう!」

「あ、あれ?もしかして私の正体って・・・」

リッカ「毘沙門天信仰の武将って一人しかいないもんね!予想はついてたよ!」

【そもそも私の越後とか言ってる時点でツッコミ待ちかと思うとったんじゃが】

「・・あはははははは!ウカツ!」


結成!越後楽園カルデア家!!

「拝見である、謁見である!数多の信長を討ち果たし、乱世に活路を見出せしもの。混迷の日ノ本を切り拓き、打ち払い、未来を手にするもの!天下人として、楽園カルデアより来たりし魔王の中の魔王!」

 

「ぶぉぉ~!ぶぉぉ~!(口法螺貝)でれれれれれ・・・(口ドラムロール)」

 

「──戦極魔王信長の、おなーりーー!!!」

 

何かイケイケな名乗り口上を展開する桐之助、それをなんだかみょうちきりんなテンションで補佐する我等がなすびことマシュ。台詞と共に、家臣一同が平伏し襖を開け紅蓮の髪に黒鎧を召したる威風堂々の美女が上座の部分へとどかりと座る。春日山城、謁見の時である。

 

【───苦しゅうない。者共、面を上げぃ】

 

「「「「「・・・・・・・・・(深々)」」」」」

 

【いや面を上げぃってwwなんじゃその一体感!ドリフかなんかか!面を上げーぃ!】

 

そんなノリでシリアス終了、思い思いに面を上げる家臣一同皆さま方。打ち合わせして行った芸は大いに受けたようである。一瞬で緊張が緩み、思い思いの会話が紡がれ出す。

 

「いやーすみません姉上!なんだかフランク風味なアットホームな感じで行こうかなと思いまして!」

 

「うははははははは!やっぱ慣れねーよなぁその格好の大殿はよ!言われてみねーと誰だかわかんねーわ!」

 

「ゆ、ゆるされません・・・赦されませんよ・・・ノッブの癖にリッカちゃんとの絆の力でスーパーパワーアップなんてこんなのは許されません・・・!」

 

「良いじゃねえか。前のちいせぇ魔王よりこっちの方が何倍もいける。戦極魔王、大いに結構だ」

 

「土方さん!?」

 

「どうかなリッカ君。マシュ奈さんと共同で考えたお迎えの義は。名乗り口上はね、私が考えたんだよ。いつか凄く偉い人を迎え入れる時にかっこよさげな名乗りくらいは考えなくちゃ、とね」

 

「ぶぉぉ~!ぶぉぉ~!」

 

「なんだろう、桐之助さんがマシュと仲良くしているのがしっくり来るような気がしてて凄い!お虎さん、ノッブがセンターでホントに大丈夫?」

 

「えぇ、構いません、どのみちリッカちゃんのサーヴァントですし、私達。最終的な決定はリッカちゃんにありますからね。形だけです形だけ」

 

「・・・皆様、静粛に。こうして我等の下にリッカ殿と絆を結ばれた真なる信長公が来たりし今、雌伏の時は終わり今こそ攻勢に転ずるとき!信長公、地図は此方に!」

 

【うむ!ゴージャスがどこほっつき歩いとるのかはよう知らんが、あの方らはピンチになったら来てくれるじゃろ!そんな訳で、我等越後、楽園カルデア家の近況を整理する!】

 

イキイキするミッチから地図を受け取り、ババンと広げるノッブ。其処には色分けされた勢力図が展開されており、越後の部分は三方信長勢力に囲まれている形となっている。

 

「近況を説明いたしますと、我等は今三方を信長公に囲まれておりまする。しかし我等にはゴージャス殿の無限の財、カルデアからの無限の魔力、並びにマスター殿の国産みの矛の力にて戦国を生き抜くに必要な全ては揃いし磐石な状態となっております」

 

【うははははははは!!じゃから交易だの兵站だの七面倒臭いのは全部無しにしてガンガン攻め込めると言うものじゃ!軍資金、兵糧カンストとか雪ばっかりでTHE・僻地なイメージであった越後とかいうハンデをものともせん神風ぶりじゃのぅ!!】

 

「はぁ、これだから尾張のうつけは・・・。いいですか?例え一から始める事になろうとも越後にはアオソがありますし、決して貧しい土地ではありません」

 

「確か植物から取れる繊維だっけ。それを交易品として利益を上げていたんだよね、虎さん!」

 

「はい!リッカちゃんも是非現代では越後を御贔屓に!そして何処から攻めるかですがー・・・」

 

「もう手当たり次第にしよーぜ、手当たり次第!どうせ大殿以外は殺していい大殿なんだろ?サクッとブッ殺して大殿の首並べようぜ!うははははははは!点数1000点はかてーよなぁ!!」

 

「何ですかこのやべー人。ノッブなんか比べ物にならないくらい危ない人なんです?」

 

「気合いが入ってるじゃねぇか。まぁ候補としちゃぁ南の関東の漂流信長、甲斐のうつけ織田吉法師。んで、西の一揆衆の鎮圧ってところか。狙いとしちゃ関東は領土固めの足掛かり、甲斐は金山、西は人員確保だな」

 

【バーサーカーに戦方針を説かれるとか凄く新鮮なんじゃが!戦働きもそうじゃけど、やっぱ楽園としては楽市楽座開いて日本の文化をリッカ先輩に堪能してもらいたいのう!童心をリッカ先輩に取り返してやりたいのじゃ!】

 

「ノッブ・・・!(うるっ)」

 

「賛成です姉上!それじゃあ姉上ワールドを発展させつつ、姉上以外の信長の首を集めていくと言うことで!」

 

【血腥いドラゴンボールじゃのー・・・まぁ大体そんな感じ!やるぞ皆のもの!空っぽの頭に覇を詰め込むのじゃ!!】

 

「うははははははは!!面白くなってきやがった!なぁリッ殿様よぉ!オレと一緒に大殿たっくさんブッ殺そうぜぇ!!」

 

「私達は歩き出したばかりだからね・・・。この果てしない天下布武の道程を・・・」

 

「桐之助さん!?それでは色々終わってしまうのでは無いでしょうか!?」

 

地の文が挟まる余地のないマシンガントークにより方針決定。資金も兵糧も無限という驚天動地の越後楽園カルデア家。負ける方が難しいレベルの最高最善最大最強国家が誕生した最中、中核を担うリッカが一人ほくほく笑顔でほくそ笑む。

 

(ぬふふ・・・総大将はノッブがやってくれるし、皆は武将、侍大将だし・・・ワンチャンあるかも、私!越後の姫就任!)

 

そう、リッカは期待を懐いていた。サーヴァントの皆は当然武将、マシュは家老、桐之助さんは風来坊、ノッブは当然総大将。ならば自分はもしかしたら・・・皆の士気を高める『姫』ポジションに至れるのではないかと。綺麗な着物を着て、皆にがんばれ♥️がんばれ♥️が出来るのではないかと。

 

(高めに高めた女子力はこの為に!これで楽園カルデア伝説にして幻の『ロイヤル・プリンセス』メンバーの影くらいは踏めるようになって、龍姫として大河ドラマの主演を・・・ぬふふ・・・!)

 

「先輩が・・・可愛らしくほくほくしています・・・!」

 

「あれはね、マシュ太夫さん。夢見る乙女の顔だよ。ペペロンチーノさんがよくやってた顔さ」

 

【じゃあお主ら武将、軍師、侍大将を兼任な。わし総大将(前線出張り)って事で!じゃあリッカ先輩!ちこうよれぃ!】

 

「はーい!龍ひ・・・じゃないや、リッカ参ります!」

 

【此よりリッカ先輩をこの国における──わしの朋友、並びに名代とする!!

 

「うんっ!!皆のもの苦しゅうな・・・は?朋友?名代ホワイ?」

 

なんか想像してた響きと違う・・・?首を傾げるリッカに、魔王の風格にてノッブは高らかに告げる。

 

【わしは総大将ではあるが、それは何よりリッカ先輩の存在があればこその所業である!ならばリッカ先輩は我と対等にして共に天下を掴む一心同体、唯一無二の朋友!ならばこそ、わしの名代として相応しき存在!】

 

「え、あ、え、そのですねノッブ、私はそのですね覇道よりも女子道を歩みたいと言いますか」

 

【彼女の言葉はわしの言葉、彼女の意志はわしの意志と心得よ!わしへの謀叛、離反は赦すがリッカ先輩への帰り忠は何があろうとも絶対に赦さん!その様な愚行為さば、人類の敵とみなしご機嫌王に代わりわし自ら打ち首獄門を課し後に灰塵と帰す!リッカ先輩を裏切る事は!仏に唾吐くよりも重き罪と見知りおけぃ!!!

 

「「「「「ははぁっ──!!」」」」」

 

「え、え、え、えぇえぇえ!?」

 

恭しく礼をされる事に驚愕するリッカ。なんだか、なんだか期待していた敬われ方と違う!違うのぉ!あわてふためきながら、ノッブガチ勢のカッツとミッチに目配せを行う。

 

(いつもみたいに!いつもみたいにノッブの隣にいていいのは自分達だって言って二人とも!お願い私はその、淡い夢が・・・!)

 

「リッカちゃんなら、姉上の隣に相応しいマスターとしてなんの心配もありません!姉上の事、よろしくお願いいたします!」

 

「うむ。サルなんぞより余程華があり、心から納得できる人選だ。マスター殿、この明智光秀・・・誠心誠意、あなたと信長公の為に働きましょうぞ!」

 

(まさかの公認ーーっ!?わ、わたしの・・・大河主演の夢が・・・)

 

【心配することはないぞ、リッカ先輩。わしとそなた、揃えばやってやれないことはない!そなたがくれた絆の焔、世界を呑み込む業火と化さん!往くぞマスター!!我等二人!天下布武の始まりじゃ!!!】

 

「ふぁ──ファーーーー!!!

 

淡く夢見ていた龍姫の夢、淡く粉砕される。リッカの前に舗装された覇道の道、心強く肩を組んでくる大人のお姉さん系魔王、キラキラと見上げてくる家臣達の期待を一身に背負い、リッカは涙混じりの咆哮を上げるのだった──。




モニター越しのギル『話は纏まったようだな。天下を志す貴様らの意気込み、大儀・・・いや!天晴れである!』

ロマン『あ!ギル!君達今何処にいるんだい!?』

『なに、手始めに未開拓の金山を片端から抑え資金源の確保を行っていたまで。バサラ信長の無差別侵攻によりあらゆる場所が手空きだったが故に容易かったわ。見るがいい!』

ギルの背には、大量の金鉱より最初された山盛りの金、並びに千両箱が積み上げられている。それらは全て、一から手にした黄金律がもたらした成果だ。

ノッブ【うははははははは!!期待を裏切らぬゴージャスぶりー!!其処に痺れる憧れるのじゃ!!】

『我等は気ままに日本を巡るが、こうして手助けも抜からずしてやろう。そう、ゴージャス御機嫌王は当然ながらこうも呼ぶがいい!ゴージャス大将軍、略して豪将軍(ごうしょうぐん)とな!!ふはははははは!!』

リッカ「す、スペースNo.1(宇宙適性B)・・・!?」

『此度の戦、運びは貴様らに一任する!我等は気ままに遊び歩く故、抜かるなよ!ではな!』

虎「あの方が噂の・・・確かに天下の大将軍の風格を備えておりましたね・・・」

ノッブ【さぁて!ではぼちぼち行くとするかの!我等の天下布武、開始じゃ!】

──頑張ってね、リッカちゃん!

リッカ「姫様・・・私・・・姫様になれなかったよ・・・(チーン)」

オルミーヌ「えっ!?セクハラも無茶ぶりもされないんですか!解りました!漂流者達のマテリアル全部開帳します!」

ノッブ【変わり身はやっ!】

「うははははははは!!いくら大殿でも、やっていいことと悪いことがあるよなぁ!!」

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