人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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「整理券を持てしものよ、並べ」


「召喚の儀である。等しく座して待つがよい」


幕間 召喚編
召喚編・宗教審議――舞教編


「――我が声を聴けッ!!全職員!集合ッ!!!」

 

 

 

 

平穏なりしリゾート、カルデアを切り裂く号令

 

 

 

 

「この号令は!」

 

 

「待ってましたっ!!」

 

 

 

「ギル・・・!大丈夫なのかしら・・・?」

 

「不屈だなあの王様!」

 

 

 

――ある意味で特異点より重要な戦いが幕を開ける!

 

 

 

 

「来たな。此度は五分前とは学んだものよ」

 

 

 

腕を組み、泰然と構えるギルガメッシュ

 

 

「大丈夫だったの!?」

 

 

 

「部員どもの入れ知恵と献身があったのでな。エリクサーに奴等の差し入れと薬草をあるだけ煎じて飲み復帰してやったわ」

 

 

――例によって自分は意識を眠らせている。器の至宝に何度も触れた反動か、疲れはてた魂はさっきまで意識すら無かったのだ

 

 

「ジャンヌめ、小癪にも味らしきものを加えているとはな。食せるモノなら逃げるわけにはいくまい。王として」

 

 

――暫くのたうち回っていたが、それは内緒だ。なるべく苦しみを共用しようと意識を保たせていたから間違いない

 

「まぁそんなことはどうでもよい。今日も今日とて我が后を招く儀式を始めるぞ!」

 

 

――なんとなく、この王はカルデアに来てからが激闘の本番な気がする

 

 

 

「早速・・・といいたい所だが、毎度のようにただ回すのでは味気無かろう?此度を趣向を凝らしてみようではないか」

 

 

「趣向だって?もう君の一喜一憂が完全にエンターテイメントな気が・・・」

 

「ははは、言うな、つらい。――聞けば、ガチャに挑む愚者どもには、何かしら信ずる宗教があったという」

 

 

宗教――?

 

 

「宗教、と言いますと。仏教などの宗教、ですか?」

 

「それよ。溺れるものはなんとやら。己を信じれぬ雑種どもの涙ぐましい気休め・・・ではあるが。あえて今は酔狂と笑うまい」

 

――触媒とか、時間召喚とか、だろうか。確かにただ回すのよりかは、まし、なのかな?

 

 

「試さず断ずるは裁定者の名折れ。というわけでだ。此度の英霊召喚の数は10!それの間、いくつかの宗教の審議を査定してやろうではないか!」

 

 

 

「十人かぁ。前みたいにクラス別はやらないのかい?」

 

「そうさな、今はよかろう。今の英霊で手が足りなくなれば一考しようではないか」

 

 

「私知ってる!ついったでやってた人がいたよ!出るまでまわ」

 

「下らぬ邪教だ。忘れよ。何が下らぬからだと?当たり前にすぎるであろうがたわけめ!たかだか数百万、数千万の端金で見栄を張るなというのだ!それに一欠片もロマンがない!運命(フェイト)を感じぬ!そも課金額を愛の証左と勘違いし金をかけられぬ雑種を煽る下衆がいるがな、我からしてみればお笑い草だ!課金額にて満たせるは顕示欲のみ!そも他人と比べ満たせるものとは下らぬ自尊心のみよ!!さもしい雑種の分際で卑しくも我を感嘆させたいのならばな――ゲームを会社ごと買い取れと言うのだ!!そうすればガチャは無料で回し放題よ!!それができぬ以上は何千万費やそうと搾取されし奴隷にすぎぬ!!――心に刻め貴様ら!!」

 

 

玉座より立ち上がる器 

 

「愛とは比べ、浸るものではない!自らが抱き、誇るものである!懐き続ける事こそ、愛を示す最上の手段と知れ!!」

 

――まさか、ガチャで英雄王の愛の在り方をしるとは――!

 

 

「なるほど!だからギルは挑み続けるんだね!出なくても!」

 

 

「然り!何度すげなく断られようが許す!我は折れぬ、妥協せぬ!『アレがダメだからアレでいいや』などという考えは王として男として敗北しておるからな!――前置きが長くなったな!ではいくぞ!」

 

 

「了解、準備するよ!」

 

「まずは、古き神が発案したという――舞教である!」

 

 

 

 

 

 

 

 

召喚サークルの回りに立つ、ギル以外のメンバー

 

 

 

「よし、舞え」

 

 

「踊るってことかい!?や、難しいんじゃないかな・・・」

 

 

「質は問わぬ。ただ舞え。セイバーと口にするのを忘れるな」

 

 

「わ、私は、踊りは・・・」

 

 

「私踊れるよ~」

 

見ればマスターがキレキレな動きでブレイクダンスを披露している。――多才だなあの子

 

 

「やるなマスター!貴様ダンスをやっていたか?」

 

「踊ってみたでちょっとね。ステージに呼ばれたことあるよ?」

 

 

「私も、社交ダンスなら少しは。マシュ。私がエスコートしてあげるわ」

 

「ぁ・・・お、お願いします!」

 

「僕もやるぞ!僕みたいな人種に踊れるものがひとつあるからね!」

 

 

「心当たりがあるぞ。そらサイリウムだ」

 

「よぉし!僕の鍛えられたオタ芸を見せてやる!」

 

「じゃあ召喚、はじめるよん」

 

 

オタ芸、ブレイクダンス、社交ダンスに囲まれるシュールすぎる召喚サークルが輝きだす

 

 

「少しは手応えがあればよいがな」

 

 

「ヒュー!乗ってきたぜぃっ!!踊ってみた100万再生の私のダンスを甘くみるなー!」

 

 

「ここは、こうね。ふふ、固いわよ、マシュ?」

 

「す、すみません・・・」

 

「うぉー!!マギ☆マリうぉー!!」

 

「フォウ(写真撮っとこ)」

 

回り始める召喚サークル。光が満たされ、やがておさまる

 

 

「さぁどうだ?ニトクリスめよ」

 

現れたのは・・・

 

「セイバー、セイバー!この私がセイバーとは如何なる理由だ!?」

 

赤い、ふくよかなセイバー、カエサルであった

 

 

「ふむ、出だしは悪くない。確かにセイバーであるな」

 

「この歓待は何事か?我が召喚を予見していたか?」

 

「知らぬわたわけ。だがよくぞ来た。貴様の軍略はマリーめに役立とうよ」

 

「ふむ、そうか、そうか。前線でないなら適当にやってやろう。では、下がるぞ」

 

 

「うむ。サーヴァントどもが歓待の準備をしている。顔を出してやるのだな」

 

「ふむ、で、私のマスターは何処だ?」

 

 

「いぇーい!」

 

「ソレだ」

「これか」

 

 

「次だ!回せ!舞え!」

 

 

立て続けに回される召喚サークル、高まる熱気

 

 

「次は如何様だ?フッ、心踊るではないか」

 

 

 

「私は踊ってるー!!」

 

 

「さぁ、次は如何様だ?」

 

 

収まるサークル現れたのは・・・

 

 

「アーチャー、ダビデ。僕はやるよ、かなりやる」

 

緑髪の。爽やかな青年であった

 

 

「ほう、イスラエルの王か。中々に悪くない」

 

 

「やぁ。英雄王、暫く厄介になるよ。――アビシャグ!」

 

「えっ?」

 

オルガマリーを見て、声をあげるダビデ

 

「アビシャグ!アビシャグじゃないか!そっくりだ!成長したかい!?僕だよ僕!君に暖めてもらったダビデさ!若いからピンと来ないかな?」

 

「え、えぇ?」

 

「ナンパ禁止!!ダビデ王、速やかに退出してくれ!お願いだから!」

 

 

「む、ちぇっ。まぁいいや。僕はついてる!アビシャグと一緒だなんて!楽しくなりそうだ!ところで僕のマスターは・・・」

 

 

「それだ」

 

「いぇーい!!」

 

「あはは、スパッツが眩しいな。よろしくね」

 

「いぇーい!!」

 

 

 

「ラストか。よし回せ。次にいくぞ!」

 

 

召喚サークルを回し、マスターも回る。ダンスで回る

 

 

 

「セイバーは一人、か。まぁ無益というわけではなさそうだ」

 

 

「宗教としてはまぁ、及第点かな?」

 

 

「さて、な。では――締めくくりとしよう」

 

 

収まるサークルの回転

 

 

現れたのは・・・

 

 

「――ルーラー、天草四郎時貞。誰かに似ているって?他人の空似ですよ」

 

 

褐色の、達観した様子の少年が現れる

 

「――なんだ。フェイカー擬きか」

 

「えぇ、他人の空似です」

 

 

「誰!?」

 

 

「ふふ、謎のルーラー、Aです。・・・」

 

 

「な、何かしら・・・?」

オルガマリーを見つめる天草。

 

「――いえ、何も。よろしくお願いいたします」

 

「――まぁまぁの成果だな。舞教か・・・弾圧はしないでやろう」

 

 

セイバー、アーチャー、ルーラーか・・・

 

――ダンス、関係あったのだろうか?




「召喚の儀は、此度は三度ほど行われる」




「座して待つがよい。晩鐘が汝らを指し示す事なき様、我は祈っている」

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