人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ギルガメッシュ「む、ぅ・・・。・・・いかん、まさか過労死したか?この我が、馬鹿な・・・そんな不手際有り得ん。これは夢か・・・」

アルトリア『────』

ギルガメッシュ「む!?貴様セイバー!?セイバーか!?」

アルトリア『────』

「ふはは、右手など差し出しおって!まさかそれは我のものになるという意思表示か!?そうなのだな!?」

『────』

「恥じらうあまりに言葉に詰まるか!だが良い!我が招来を袖にして来た無礼、全て赦す!今此処に我の手は星に届くのだ!!称えよ、歓べエア!此処に我等の悲願は──」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「────エア?ついでにフォウよ。・・・・・・其処に、おらぬのか?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「──────」

アルトリア『──────』

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・フン。下らん。あまりに下らん夢を見たものだ」

『─────良いのですか?』

「愚問だ、たわけ。──半身と魂を喪った身で、何を掴もうと言うのだ。・・・我の在るべき場所に、帰るまで」

『───そう、ですか』

「今貴様の手を取ったところで、空虚な器の我にはなんの意味もない。──何度目かも解らぬ敗北だ、騎士王。だが、それでもだ」

『────』

「それでも、それこそ千度地にまみれようとも。───姫と獣(しほう)を捨てる我など認めてなるものか。無様と嗤いたくば嗤うがいい」

『──いいえ。あなたらしい』

「嫌味か貴様!!よいか覚えておけ!いつか貴様の方が招けとせがむ事になろう、その時に我の前に平伏する準備しておくのだな!それまで我は、貴様を絶対に諦めんぞ!絶対にだ!!」

『ふふっ。みっともない負け惜しみを吐くものです。──楽しみにしていますよ』

「ハッ、その余裕がいつまで保つか見物よな!此度は我の敗けだ!だが最後に勝つのは!『我等』であると忘れるなよ──!!」

『はい、さようなら。いつか、また──』




2000万ダウンロード記念話!後編!

「お待たせしました~!!」

 

滑り込みで喫茶店、アーネンエルベに来訪するリッカ、並びに楽園のマスター達。完全貸し切り予約を行っていたAチームのリーダー、キリシュタリアが笑顔で彼女達を招き入れる。彼等もまた、誰にするかを悩む者達であり───

 

「やぁ!よく来てくれたリッカ君!我等Aチーム一同、心から待ちわびていたよ。さぁ存分に──配布を誰にするか考えに考え抜こうじゃないか!」

 

「お待たせしましたキリシュタリアさん、皆!選別というか準備と言うか・・・そんなのに色々手間取っちゃって!」

 

「大丈夫だよリッカちゃん、俺も似たようなものだからさ。いや、本編がベリーハード過ぎるオレ達というかオレも来るのに大分決心と踏ん切りが必要だったしさ」

 

そう言ってにこやかに微笑むマシュガンギマリ系マスター立香。割と心の傷がでかかったよ・・・と死んだ目にて告げるも懸命に笑ってみせる。

 

「何が一番辛いって、今回のイベントを聞いた時のマシュの反応でさ。なんて言ったと思う?『私達はこれから、その異聞帯を・・・』・・・って言ったんだ!まずいよこれ、精神が大分モールドキャメロットだよ!良い事や充実している事が全部剪定される前提な話になってるよ!怖いよ!?」

 

「落ち着いてほしい藤丸君。私が送ったリンゴを食べて落ち着くんだ。そう、今回はそんな君やマシュ君を思いやったイベントなんだ。好きな星五が貰えるんだぞ?オリュンポスより充実したイベントではないかな?」

 

「勿論嬉しいですよ!嬉しくはあるんですがオレとしてはマシュの更なる上限解放を期待していたんです!アレがナニバレルになったからとお茶を濁した発言を聞きたかったんじゃない、マシュにしてあげられる事を増やして欲しかった!そんなマシュの分まで此処で楽しみを補充させてください!」

 

「なんという事だ・・・君たちを其処まで思い詰めさせるなんて酷い巡り合わせもあった事だ。今日くらいは存分に楽しんでいくといい。それくらいのワガママは赦される筈だ・・・」

 

「うぅ、ぎりじゅだりあざぁん!あなたと世界を救いたかった・・・!」

 

楽園カドック「何故あんなに藤丸が追い詰められているか、話を聞いてはいけない気がする・・・ところでベリルがいないのはどういう訳なんだ?」

 

クリプターカドック「知った事か。『青春アミーゴ聞けば大体合ってる』なんて言ってそれっきりだ。・・・なんで僕がこんな場所に・・・」

 

「ちょっと待て!?なんで僕が二人いるんだ!?」

 

デイビッド「俺が代わりに呼んでおいた。寂しいと思って」

 

「だからって何で僕を二人呼ぼうなんて気になる!?」

 

ザビ「過去と未来のカドックが・・・ひとつに」

 

「なってたまるか!今更過去の僕になんて!」

 

「随分な言い種だな。そっちで何があったのか知らないが随分と顔色が良さそうで何よりだよ。人の気も知らないで」

 

「なんだと?いつまで負け犬根性でいるつもりだ。そんな風に構ってほしいみたいな体で斜に構えたって誰も助けちゃくれないなんてお前が一番解ってるだろう。僕なんだから!」

 

「うるさい!お前なんかに僕の何が解る!」

 

「解るに決まってるだろう僕なんだから!とりあえずしっかり寝て隈を取れ!話はそれからだ!」

 

姫アルク[食事をするか死ぬか選べ]

 

「「・・・ごめんなさい・・・」」

 

ペペロンチーノ「そうよ?今日ばかりは無礼講よ無礼講。自分自身と向き合って腹を割るのもいい経験じゃない?アタシだったらすっごいお酒が進むわぁ!中々キマった幻覚だものね~!」

 

デイビッド「アロウは誰にするのか決めたのか」

 

「いきなり下の名前とか積極的過ぎない!?やだ・・・こほん。カルナかアルジュナかで悩んでるのよ~。インド推しだからどちらかにしたいって悩んでるのずっと。アタシの人生こんなに悩んだ事無かったわ!あれ、アタシの人生空っぽすぎ?ダメシャレにならないわアシュヴァッターマンに怒られちゃーう!」

 

デイビッド「──解った。じゃあ俺はアロウが選ばなかった兄弟のどちらかにしよう。そうすれば、互いをフレンドで使い合う機会が増える筈だ」

 

アロウ「・・・冠位彼氏・・・やだ、ホントに好きよそういう所デイビッド・・・好き・・・」

 

ぐっちゃん「男同士で何言ってるのよ・・・オフェリア、あんたは誰にするか決めた?」

 

オフェリア「───・・・・・・どちら様かしら・・・?」

 

ぐっちゃん「ヒナコよ!芥ヒナコ!!髪型とかちょっと違うけれど雰囲気とかで大分解るでしょ!?」

 

オフェリア「まごう事なく別人なのだけど・・・私は・・・まだ迷っているわ。だって推しがいないのだもの。シグルドは限定だからいないし、ブリュンヒルデも」

 

電柱の皇帝『オレが!!ここに!!!いるぜ!!!!』

 

窓際の巨人『クク 照れるとは 女だな』

 

ヒナコ「ねぇ外」

 

「私北欧が推しなのに・・・このままじゃ期限が過ぎてしまうわ。絆レベルもあげなくちゃいけないのに・・・」

 

ヒナコ「ねぇ外!外!!変なのいる変なの!?何よあれ!?あんたのボディーガード!?」

 

「私はストーカーと変態を見ないッ!!」

 

「いや現実は見なさいよ!?」

 

キリシュタリア「いやぁ、みんな初のイベントで興奮しているようだ。先輩である私達がこのような体たらくで申し訳ない。君達は心に決めたサーヴァントはいるのかな?」

 

はくのん「私はとりあえずアルテラかと。玉藻にしたらネロとハルマゲドンが始まるのは明白。キリシュタリアは生粋の低レアプレイヤーと聞く。動画見てます」

 

リッカ「動画上げてたんだ!?」

 

藤丸「し、知らなかった・・・!え、じゃあ今回の配布はパスなんですか!?」

 

キリシュタリア「まさか!巡りに巡ってきた配布、それも星五なんだよ?こんなチャンスを不意にしてたまるものか!巷では低レア効率クリアプレイヤーと名を馳せている私だが実は単純、回しても回してもがちゃに負けているだけなんだよ。サービス当初からやっているが、未だに星五はゼロでね。来てくれた低レアと配布の星四の皆でアレコレ頑張っている内に、せめて同じ境遇の人達を勇気付けたいと動画を作ったらこの始末さ・・・単純に、運に恵まれていないだけなのにね・・・」

 

はくのん「知りたくなかった哀しすぎる天才の悲哀。めっちゃ水面下でばた足してた」

 

キリシュタリア「気にする事はない。人間は皆頑張っているんだよ。あまりの嬉しさに浜辺で服を脱ぎ始めたらカイニスに入念にヤキを入れられようやく現実と認識したからね。いやぁトライデントの先っちょは痛かった」

 

藤丸「オレの中のキリシュタリアさん像がガラガラと崩れ去っていくぅ!!」

 

リッカ「あー、ぐだぐだイベントの適性高いと思ったらはくのんタイプだったんだ・・・」

 

はくのん「なぬっ。私の様な知的で聡明で非の打ち所のないマスターがこんなGacktの顔と風格を秘めたゴールデンボンバーボーカルみあるお方とどのような接点がっ」

 

リッカ「そういう所そういう所!」

 

はくのん「かなしい」

 

藤丸「ま、まぁまぁ。・・・リッカちゃん、良かったらこれ、受け取ってくれないかな」

 

『星五確定チケット』

 

リッカ「え!?ど、どうして!?」

 

キリシュタリア「孔明さん引き変え券。・・・いいのかい?」

 

藤丸「うん。オレはもう、心に決めたサーヴァントがいるから。マシュが星五になるまで、ずっと彼女と歩いていくよ。・・・それに」

 

リッカ「それに・・・?」

 

「招かれるなら、きっと地獄(こっち)より楽園(そっち)の方が喜ばれると思うから。オレは、オレ達はもうちょっとだけ・・・こっちで頑張ってみるからさ」

 

リッカ「・・・、・・・・・・・・・・・・解った。大事に、大事に使うね」

 

藤丸「ありがとう、リッカちゃん。・・・オレ達に出来なかった道を、何処までも真っ直ぐ進んでね」

 

キリシュタリア「~。リッカ君。君はまだ誰にするか決めていないんだろう?」

 

リッカ「は、はい。実は・・・」

 

キリシュタリア「誰かを選ぶと言うことは、誰かを選ばないと言うこと。もしかしたら選ばれなかった者を傷付けるかもしれない。・・・そう考えているなら、それはただの杞憂だよ。リッカ君。『選ばれる側は、君の笑顔を待っているんだ』。チケットと睨んで曇り顔なんて、それこそ皆が曇ってしまう」

 

リッカ「キリシュタリアさん・・・」

 

「見せてあげなさい。選んだ相手にとびきりの笑顔を。そして、選んだ結果にとびきりの笑顔を添えて胸を張るんだ。君はそれを受け入れてくれる皆と、誰も出来ない結末を掴んだだろう?」

 

リッカ「────はいっ!じゃあ、ちょっと失礼!!」

 

はくのん「リッカ?」

 

「今すぐ渡してくる!大丈夫!もう決めたから──!」

 

藤丸「・・・・・・眩しいなぁ。改めて、此処に来て良かった。真っ直ぐに生きている未来があったって・・・とても救われる気持ちになる」

 

キリシュタリア「頑張っているのは、君もさ。藤丸君。──君は本当に、頑張っているよ」

 

藤丸「・・・・・・・・・キリシュタリアさん・・・・・・オレ・・・今更、今更だなんていわれるかもだけど・・・」

 

キリシュタリア「うん。わかっているよ」

 

「オレ・・・・・・叶うなら・・・皆と。皆と一緒に・・・皆と、一緒に・・・世界を、救いたかったです・・・」

 

キリシュタリア「うん。嬉しいな。──後輩と、ようやく気持ちが一つになったよ」

 

藤丸「・・・・・・っ。・・・・・・~・・・・・・っ」

 

キリシュタリア「お話を聞かせてくれ、藤丸立香。彼女とはまた違う・・・悩み、迷い、苦しみながらも未来に打ち勝つ、君だけの冠位指定を」

 

「はいっ・・・はい・・・キリシュタリアさん・・・」

 

はくのん「・・・皆違って、皆いい。藤丸の数だけ、正解はある──」




楽園

ギル「む・・・。・・・まさか我が転た寝とはな・・・」

──大丈夫ですか?ギル?

フォウ(ニヤニヤしたりいきなり押し黙ったり。寝ている時も忙しいやつだなオマエ)

ギル《────ふ、はは!ふふはははははははは!!》

──ひゃぁ!?

(わぁ!?なんだよオマエいきなり!?)

《そうだ!我はなんとも不可解な夢を見たものだ!例え星に手が届こうと、我にはお前達がいなくば何も始まるまい!御機嫌王の名に偽りありなど話になるまいよ!ふふはははははははは!!》

──よ、よくわかりませんが・・・ギルが楽しそうで何よりです!

フォウ(まったく。どんな夢を見てたんだか)

リッカ「ギル!姫様ー!!」

ギル《む?リッカ?》

リッカ「はっ、はっ・・・決めました!此を!」

『2000万記念チケット』

ギル「?自身には不要ということか?」

リッカ「違います!王様、姫様!これが私が出来る、私だけが出来る・・・!『最高の選択』です!!」

ギル「────フッ。成る程・・・そういう事か。我がマスターよ」

──リッカちゃん・・・っ

リッカ「えへへ。これからも末永く!ずっとずっと!よろしくお願いいたしますっ!!」

ギル「──ふはははははははははは!!!良かろう!では往くか我が龍(マスター)!貴様の選択、楽園中に示すときだ!!」

リッカ「ファッ!?ま、待ってぇ~~!?」

───リッカちゃん・・・あなたは本当に・・・

フォウ(・・・キミのマスターが、彼女で本当に良かったね。エア!)

──うんっ!


2000万ダウンロードチケット×2

御機嫌王ギルガメッシュ UR
英雄姫エア UR

──交換完了しました──

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