人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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ゴッフ「リッカ君達は今この中にいるのかね?なんだねこの青い箱は?シオン君」

シオン「これはですね、アトラスの錬金術師が製作した思考実験装置。その名も『ロゴスリアクト・ジェネリック』。いくつかの条件を入力すると、観測空間を生成する装置です。其処で現実レベルのシミュレーションをやる機械ですねー」

ダ・ヴィンチちゃん「限定的とはいえ歴史のifすらも再現できる代物か!それは凄い!」

ロマン「それだけじゃないよ。バグや矛盾を深刻化させると、検証空間が特異点化すらするんだよ、これ」

オルガマリー「よくもまぁそんなものをポンポンと・・・ブラックバレルといい、世界を積み木感覚で壊すものね・・・」

ゴッフ「楽園案件で本当に良かったと思う!・・・なんでそんなもの、持ってたんだね?」

「『父からの誕生日プレゼント』なんです、これ。バーチャルにしてはリアルすぎますけどね」

「それは・・・。確かに、壊すのはいかんよね。うん」

ロマン「一応こちらでも観測は続けている。エラーが酷くならないよう、気を付けていこうじゃないか。誕生日プレゼント、何事もなく停止させようね」

「お願いします!・・・ニャルさんが触らないで良かったです。ためしにこれがあったら何をします?なんて聞いたら【バーチャルクトゥルフワールド~ナイアとおにごっこ~】作るわって真顔で言われたので」

ロマン「どんなホラーゲームより怖そうだね、それ!」


痛恨!ぐだぐだ盲点!!

「なんで姉上配布しないんですかね?」

 

「新鮮な課金石で課金しろと言うお達しなのだろう。張り切って城下コンビニへ」

 

「信長公の!いなーーりーーー!!!」

 

【おーうお主ら配布鯖決めたかのー?期限あるから気を付けてネ!というかいなりなんて用意しとらんがwww】

 

「言ってみたかっただけですとも!」

 

「こやつぅ!ww」

 

そんなこんなで与太話は終わり、帰って参りましたぐだぐだ戦国時代。ノッブが先生のノリで入り、ノブノブが金柑頭ガン睨みしながら笑うアットホームな戦国評定が今日も始まろうとしていたのである。皆はそれぞれ茶と金平糖を嗜んだり昼寝していたり様々である。家老の桐之助、マシュが状況を整理する。

 

「我がカルデア家は関東一夜、甲斐、越前越中を押さえ、駿河、美濃、近江の国と隣接しているね。地脈も確保しているし、何処だろうと兵を挙げられるだろう」

 

「となると、次に攻めるのは隣接している国となるでしょうか」

 

本物信長、戦国無双信長。そして調べに上がった浅井の本拠地近江。信長二人は渋い顔を浮かべる。

 

【長政かぁ。んー、わしのやらかし見直すとキリが無いのぅ】

 

「そうなんだよなー。いつの間にかなー。見知った顔が敵軍で総大将辺りにいるんだよなー」

 

「戦国武将なんて大体そんなものでしょう。頼朝の時代なんて最早骨肉ぶつかりあって何も無いですし(ピシッピシッ)」

 

「源平ホント日本の闇。尾張はなんだっけ、本物信長だっけ?・・・本物って何?」

 

「リッカちゃんよ、歴史は闇だらけだぜ。強く生きろ若人。あーと・・・カッツ、キンカン、桐之助、オルミーヌ、ちびノブ達の報告によるとだなぁ。あーと、本物信長は解像度が低いわしら。駿河の戦国無双はとにかく沈黙を保ってるが各国に兵を配置。近江は・・・おいなんだオッパイ。金壁て」

 

【いつのまにそんな諜報部隊になっとったんwww】

 

まさに寝耳に水な部隊結成。実は戦闘能力に乏しい皆が自主的に裏方で支えようと決起したが故の全国活動規模の諜報部隊だ。なんとオルミーヌ、安倍晴明の弟子であることを活かし情報収集に勤しんでいたのである。

 

「ちびノブの皆様に力を借りて色々と。皆様平均サーヴァントよりやや強めなのにあの見た目でしょ?仕事がやりやすいんですよね~。小汚ない外道さんも見習ってほしい可愛い信長さんですよね~」

 

「言葉で刺しよるな小娘・・・!しかしわしより出でてわしより優秀。・・・なんだっけこういうの。藍より青しだっけか」

 

「カルデアでもいつも掃除してくれてるよー!立派なスタッフだよ、ちびノブ達!あれだけの数ならちょっと力不足でも押しきれるしね!スタッフのサーヴァントみある!」

 

「はは、是非もないわー!やったなカッツ、金平糖やる!キンカン、てめー焼きそばパン買ってこいキンカン」

 

「は?姉上じゃない姉上とか解釈違いなんで」

 

「信長公が男の筈がなかろう、漂流物めが」

 

「よーしわしへし切っちゃおっかなー♪そえもの君惨殺しちゃうぞー♪」

 

【うははははは!脱線しとる脱線しとる!じゃあわし、わし決めていい?次の攻め手!】

 

「リッカ的に異論なーし!」

 

【センキュウ!じゃーわし本物信長仕留めたいのー!絶対面白いじゃろうしわし差し置いて本物とか不遜きわまりないしネ!真っ先に叩き潰すでファイナルアンサーじゃ!】

 

尾張の本物信長。本物とはどのように本物なのか。どこをどう判断して本物とするのか。それが非常に気になるのとノッブ的に気に入ってるんだか気に入らないんだか解らない評価を下し攻め滅ぼしに入る姿勢を見せる。その意見に、ノブノブも同調を見せる。

 

「はーいダンディーノブノブさんせーい。つーかわしのホームグラウンドだし尾張。ぶんどられてるままってのも寝覚め悪いしな。不法入居者の髑髏で乾杯しようぜー」

 

「俺首さえありゃ何処でも構わねぇわ!なぁ豊!」

 

「おう!薩摩ん兵士は戦場選ばん、首取りよるなら飛んでん跳ねでんなんでもするわい!」

 

「だよなぁリッ殿!」「じゃろうがリッ殿!」

 

「う、うん!うわぁ笑顔が素敵だなぁ・・・虎さんみたいだぁ」

 

「え!?私このグループなんです!?」

 

弾む会話、そんな中ノッブはふむと考え込む。出そうな、ひっかかった悩みがいまいち思い出せないあの感じ。妙な不快感を静かに整理する。

 

【近江、金色、障壁、籠城・・・。なーんか引っ掛かってなーんか忘れとる気がしとるんじゃよなぁ。なんだったかのぉ?】

 

「アレじゃね?茶々が後年大阪城でやってたよーな籠城戦法。キンキラキンなのもサルの趣味みてーなもんだし。案外そっちの茶々が引き籠ってるんでねーの?わはははは!」

 

【──あれ?そういえば茶々おらんくない?合流しとらんよね?何処におるんじゃアイツ?金色の障壁の回りって安全かの?】

 

大切な日常は、失ってから気付く。いや失われてはいないが、茶々おらんかったよねそういえばね・・・と顔を見合わせる一同に、オルミーヌが補足する。

 

「いやまぁ、破られてはいませんが魔物やら死兵やらうようよいますよ。文書や通信も、もしかしたら皆様の知り合いかなと思い送ったり試してみたんですが弾かれちゃって。間違いなく日本の大英雄クラスの力が行使されているかと」

 

【サルじゃん・・・】

 

「あー、サル確か贔屓してたんだか茶々。恋愛結婚だっけ?珍しいよなー。戦国時代の御時世にやー」

 

『うむ、あの黄金は悪くはない。だがその威光も長くは続かぬであろう。観測されし魔力の炉心、最早火が絶えるは時間の問題よ』

 

「え?茶々さまピンチなんです?よく持ちこたえた的な感じです?」

 

【──これは最優先事項が出来てしまったようじゃな!是非もなし!すっかり忘れとった茶々の救援に向かうとするかぁ!うははははははははは!すまんな茶々!完全に見落としとったわ!】

 

カルデアでも贅沢三昧かつ引きこもり気味な存在感の薄さが災いし、信長戦国時代に放り込まれてしまったまま忘れ去られていた茶々。彼女を救うため、大慌てで皆が動き始める事となる。

 

「そういえばそうだったー!!茶々さまごめんなさい!おしるこ持っていくからね!」

 

【よし皆のもの!助けにはいきたかったが敵の攻撃が激しかった体で行くんじゃぞ!決め台詞は勿論!待たせたの!じゃ!!】

 

「次は茶々様の首かぁ・・・痛くしねーようにスパッとやんなきゃな!」

 

「俺はいらん。女子供と降伏首は恥じゃ」

 

「そこのバーサーカー二人話聞いてました!?救援、救援ですからね!?」

 

「茶々や浅井は割と悪い事したと思ってるからなぁ。すまんなリッカちゃんよ、力を貸してくれるか。わし、ほら・・・」

 

「身内には優しい、でしょ!解ってるよノブノブ!じゃあ皆!まずはすっかり忘れてた茶々さまを助けにいこーっ!」

 

「「「「「おーっ!!」」」」」

 

【我等ながら、酷すぎて茶々には聞かせられんわなw】

 

「これでリッカちゃんモテねーとか嘘だろ現代男子ども。理想高いと行き遅れんぞー」

 

そんなこんなで方針定まりしカルデア家。すっかり忘れられてしまっていた姫、茶々を助けるために一致団結して出陣の支度にかかる──!!




ギルガメッシュ『方針は定まったか?ならば往け!我が楽園に相応しき勇姿を期待しているぞ!その間、我は新たな金脈を振り当て支援を行ってやるとしよう!手始めに、佐渡の金をくれてやる!』

景虎「え!?出たんですか金!?」

ノッブ【先んじてサルから金を奪う!我等ながら戦国チートめいてきたのぅ!茶々の驚く顔が楽しみじゃ!】

リッカ「ちなみに状況は?」

桐之助「あぁ、一週間は堪えているが、そろそろ魔力が尽きる頃合いだろう。バサラ兵に完全包囲されているよ」

リッカ「想像以上に大変だったぁ!?ごめんね茶々様ー!?」

救助に向かう楽園家は間に合うのか!明日へ続く!!

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