人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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駿河 海の家

ノッブ【では皆の集!ジョッキを持てぃ!せーの!!】

「「「「「かんぱーい!!!!」」」」」

ミッチ「ざまぁみろ変態の私め!私の信長公こそが一番なのだ!」

カッツ「誰があなたの、ですか!姉上は僕の姉上ですよ、ね!」

((無言の射殺×2))

リッカ「皆無事で良かったぁ!おかわりくださーい!」

セイバー戦国無双光秀「はい、こちらをどうぞ」

リッカ「イケメェン」

「見たか!これも私の可能性!」

光秀「無双光秀とお呼びください。・・・戦勝の宴の中、すみませぬが・・・これより我等の真の敵について我が主より御言葉を」

ノブノブ「あぁ、あのじょーどやらなんやらの話な?」

無双信長「よくぞ打ち克った。・・・これよりうぬら、魔玖主のキャスターと話すがよし」

リッカ「キャスターさんと?」

「そして、ぐらんどのっぶ、漂流のぶのぶの二人はバサラ信長と相討たれたと告げ、姿を伏せよ。・・・まずはともあれ、言葉を交わせ」

マシュ「は、はい・・・」

カドック(圧が強いな・・・一番怖い信長かもしれない)

ぐっちゃん(あの南蛮鎧暑くないのかしら・・・あら?そう言えば桐之助は?)

カドック(・・・邪魔しないでやってくれ)


~海岸

桐之助「カドック・・・気を利かせてくれたのかな。しかし私はリッカ君達のサポートも忘れるつもりはない。貝殻を拾ってプレゼントだ」

イニス「ふふっ。愉快な方です、私のマスターは。・・・私は、カイネウスと言うのですね」

「あくまで槍を手にし、無敵となった英雄の名だよ。そうなった君と、今の君は合致しない。推測だが、何処か他人事の様に聞こえるのではないかな?」

「・・・はい。槍を手にし、雄々しく振る舞う自身の記録を、本を読んでいるような隔たりと違和感が、まだ。・・・これは・・・ううん。きっと自身が選んでいるのでしょう」

「?」

「誰かの英雄ではなく、貴方のイニスでいたい、と。・・・もしかしたら、私が無敵とならずに生きた・・・そんなもしもが、此処では許されているのかも?無敵となった記憶は、まるで思い出せなくて・・・でも、怖くはないんです。その代わりに、あなたの『イニス』になった記憶が、私にはありますから」

桐之助「・・・。なんと聡明で貞淑な女性か。仮でも、契約できた事を嬉しく思う」

「こちらこそ。・・・謎の風来坊と、記憶喪失の女。あまり強いと言えず、もしかしたらこれきりだけの契約だとしても・・・」

桐之助「全うしよう。今も尚、戦い続ける彼女達の一番槍となってくれるかい?」

イニス「喜んで。私に優しく接してくれた、真摯なマスター」

桐之助「・・・。・・・記憶が戻った君は、どんな感じなんだろうね?」

イニス「ふふ、荒々しく振る舞う私ですから・・・テメェ!!なんて言ったりして?」

桐之助「ははは・・・気に食わないと刺されてしまいそうだなぁ・・・」




来訪!魔玖主の威光!

「いやはや、お見事お見事。あのバサラ信長を討ち果たされるとは。実に見事です。今や日本であなた方を称え、祝福せぬものはおりますまい。よくぞやってくださいました。我が主も大層お喜びにてあらせられます。ばんざーい」

 

そんな可愛いんだか可愛くないのだかよく解らないジェスチャーと答弁にて祝辞を贈る魔玖主のキャスター。今回の戦いは、魔玖主の教祖も読めなかった末路のようでしたと美辞麗句を並べ立てる。

 

「しかし残念な事に、あの愉快な信長公は道連れとは・・・惜しい、本当に惜しい信長公を亡くしてしまいました。あの信長公は珍しい、人間らしさがみなぎる信長公だったのですが・・・」

 

「確かに色々でかかったがな。てめぇはそんで何をしに来た?遥々総大将がくたばったのを確認しに来やがったってのか?」

 

「宣戦布告か?おもしれぇ!!」

 

「戦か、首か!」

 

「そこのお決まりの二人は沈黙するように!」

 

オルミーヌの指摘の通りに閉口する二人。土方の問いに、キャスターは大袈裟に首を振った。

 

「滅相もございません。今宵は力を貸してくださった楽園所属の皆様に、我が主からの言葉を持参致しました」

 

「あ、魔玖主のリーダーだっけ?そう言えば会った事無かったよね?」

 

まだ顔も逢わせていない、魔玖主を名乗る何者か。だが確かに存在しているであろうその言葉を、キャスターは所持して来たという。

 

「はい。ですがそれは叶いましょう。──魔玖主教は楽園と和議を結び、共にこの世の戦乱に安寧をもたらしたく思います。和平の暁には、我等一同、楽園の皆様への援助は惜しみません」

 

和議、和平。魔玖主の勢力がもたらした条件はうって変わって平和なものだった。そのこちらに利しかなく、あちらには損しかない申し出に、カドックが鼻を鳴らす。

 

「ふん。随分殊勝な提案だな。僕達にはありがたいが、君達には一体なんのメリットがあるって言うんだ?楽しいから・・・って訳でも無いんだろ?」

 

カドックの言葉には、警戒が表出されている。無償や無欲の施しとは恐ろしいものだ。それに宗教か絡むとなれば、人間が恐れ戦く程に残酷な裏が待っていたりするものである。

 

「我等の組織は、そもそもが衆生救済の為の組織にてございます。あの恐ろしきバサラ信長に対抗するため、仕方なく武器を取り自衛をしてはおりましたが・・・」

 

彼等はあくまで清廉潔白を主張するようである。だが、今はそれを糾弾するべき局面では無いと押し黙った。彼等が一体、何を行っていたかを目の当たりにしてきたカドックからしてみれば、かの魔玖主教は真っ黒な宗教団体である。

 

「それも、魔王亡き今となっては無用となりました。・・・ここはお互い手を携えて、平和の為の一歩を踏み出そうではありませんか。・・・それとも、楽園の愉悦とは結局のところ、己の私欲を優先するものであり・・・バサラ信長と同じく、我等を迫害し、攻め滅ぼさんとしようと言うのですか?」

 

その物言いは、あくまで挑発のものだ。交渉にて有利に事を運ばんとする類いのもの。バーサーカー組以外はその言葉遊びを慎重に受け流す。リッカが入っていなければ危うかったが。

 

「何故、バサラ信長と敵対していたんだい?いや、これはおかしいか。かの信長は確かに生きとし生けるものすべての敵と言っても違いは無かったが・・・」

 

「そうです。バサラ信長は知っての通り、すべての交渉と和平や和睦の類いを一蹴し、ただ日本の土地を荒らし尽くす魔王そのものでしたので」

 

その言葉には誰もが納得せざるを得なかった。バサラ信長には、意志疎通すら出来ていたかは定かでは無いほどに暴虐的な嵐がごとき存在であることを、此処にいる誰もが理解している。

 

「・・・具体的な和議の条件は、如何なるものか?」

 

与一の言葉に、キャスターはサングラスをクイと上げる。どうやら手筈は、完璧に整えていたらしい。

 

「はい。それなのですが、我等の主と会見頂き、直接協議させていただければと思います。場所は我が魔玖主の総本山である──『魔玖主本能寺』にて御願いしたく」

 

キャスターが指定した地による和議の申し込みの地に、一同は顔を見合わせる。魔玖主本能寺・・・枕詞に厄介な言葉を乗せているのが気掛かりな、思い当たりがありすぎる地名に無言の会議が始まる。

 

(本能寺・・・今本能寺と言ったよね彼ら?よりによって信長ZIPANGで一番の厄ネタな場所に居を構えているんだねぇ)

 

(怪しいぞ、リッカ。出向くと言うなら勿論止めはしないけれど、僕らサブマスターは近場の村か何かで待機させてくれないか)

 

(ふぁ?それは構わないけど・・・なんで?)

 

(だってこんなのどう考えても怪しいですもん!絶対誘き寄せてグシャーとかやってきますって!ろくな組織じゃ無さそうですし!)

 

(オルミーヌ殿の言う通りだ。ここはリッカ君の衆目を引く存在感を信じて、私達の存在を伏兵として秘匿し・・・万が一に備える事を提案しよう)

 

(ふむふむ成る程。解った、じゃあ虎穴に突っ込んでくるね!)

 

「どうかなさいましたかな?」

 

『御気遣いなく。皆何かあると作戦会議したくなる年頃なのです』

 

オルガマリーがフォローを入れ、解ります。人間っていくつになってもスパイ七つ道具や怪しい組織に憧れますもんね・・・などと微笑ましげに呟くキャスターに、リッカが手を上げる。

 

「解りました!ノッブもノブノブもいなくなっていっぱい哀しいですが・・・聖地巡礼?忌地巡礼?な意味でも行きます!魔玖主本能寺!魔玖主さんが作る浄土、どんな風なのかも聞いてみたいですし!」

 

その快活な了承に安堵を洩らし、キャスターが立ち上がる。どうやら案内してもらえるようだ。

 

「それは素晴らしい。更に我等を知っていただけるとは。それでは案内の前に、魔玖主の領地内の村へと御案内致しましょう。其処ならば理解していただけるはず。我等が言う浄土が、どんなものであるか。楽園を担い、其処に住むあなたたちとはどう違うのかを・・・ね」

 

キャスターは意味ありげに微笑む。其処にはマスターへと仕えるサーヴァントとしての顔のほかに・・・けして揺らがぬ自身の目的への悲願をも見え隠れするものであった。

 

そして一行は転移し、安土の更に西たる京へと脚を進める。其処はかつて日本の中心であり、上洛の地として大きな意味を持った場所。

 

──織田信長という魔王が、滅んだ場所に他ならない。其処に建てられたのが浄土を掲げる教である事は、如何なる皮肉か──




京・魔玖主の村

村人「それはそれは、遠い所を良く来訪なされた。ゆっくり旅の疲れを癒してくださいませ。酒も食事も、自由にしていってください」

マシュ「見ず知らずの私達に此処まで・・・御親切にしていただき、ありがとうございます」

「いやいや、わしらも魔玖主様のお陰で、働かんでも食うにこまらんで。ほんに魔玖主様々ですわ」

リッカ「えっ?なにもしないでご飯が食べれちゃうの!?」

カドック「鍛練も、狩りもか・・・!?」

マシュ「皆様と特訓上がりのご飯ではなく!?」

村人「へぇ。魔玖主様のお恵みは、毎回来てくださるもんで。祈り、待っとるだけでよろしいんですわ。お陰で他所より暮らし向きもよい、あくせく働かずともよい。昔が馬鹿馬鹿しゅうて・・・」

景虎「・・・誰かの未来を掴むため、己の総てを懸けるもの在れば、ただ与えられた浄土にて肥えるものあり、ですか」

森「・・・おい。ガキの姿が見えねぇがなにしてんだ?」

村人「へぇ。子らは魔玖主の総本山で教えを賜るために皆山へ。いずれは魔玖主の僧にしてもらえると。ほんにありがたい事ですわ」

景虎「・・・・・・・・・」

リッカ「でもでも。戦い、奪うしか無かった乱世に生きる弱い人達から見たらこれも立派な救いだし、確かに村人さんは救われてるからあながち嘘じゃないと思うよ?」

景虎「・・・ま、まぁ。それはそうですが・・・」

リッカ「皆で頑張って美味しいご飯を食べる楽園。神様が毎日美味しいご飯をくれる浄土。・・・うーん。グドーシやあまこー的にはどっちが正しい救いなんだろうねぇ・・・?」

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