ギルガメッシュ「ふはははははは!!見るがいい日本の民どもよ、此が大盤振る舞いならぬ財宝振る舞いよ!特に赦す!様の土地のダニ潰し、我等が受け持ってくれるわ!!」
──日本大陸の範囲ならなんとか個人で選定出来るようになってきました!フォウ、マップを見せてくれる?
(此処と此処と、此処に重点的に行ってみようか!)
《地域などとケチ臭い事は言わん!シミュレーションごとき蹂躙するが王道よ!さぁ、舗装せし花道を駆け抜けるがいい!我が財達よ!》
~
戦国無双光秀「英雄王の援護と、信長軍の奮闘により、各地における被害は抑えられております。柴田殿、お市殿、蘭丸殿の召喚も成功し、戦列に加わりつつあります」
戦国無双信長「で、あるか。・・・光秀」
光秀「はっ」
「兵を任せる。最後まで責を全うせよ」
光秀「──参られるのですか、やはり」
「それが、歴史の必然」
~
ノブノブ「あー・・・そういう事か」
与一「如何なされた?」
ノブノブ「いやな。・・・俺、やっぱ本能寺に行くわ」
「はぁ・・・?」
オルミーヌ「帰巣本能・・・?」
【総員掛かれ!!ここで滅し我等が勝利を飾らん!!!】
無限の魔力を通じ、高らかに叫ぶグランドノッブ。最早条件は全く同じ。偽りの神を、或いは悪魔を滅ぼす時がやって来た。
「アタランテ、頼む!討ち滅ぼせ!」
カドックが自らのサーヴァント、アタランテを呼び出す。徹底的なる弓矢の連射にて、悪魔の身体を穿ち削り倒し戦力を削ぎとる。
「任せろ──塵も残さん!」
「イニス!・・・どうやら終わりも近いようだ。有終の美を飾ろうじゃないか!」
「解りました。今こそ契約を果たすとき。──名残惜しくとも・・・終わりあってこその痛快さというものです」
イニスが桐之助の指示と共に、飛翔する金色の翼となりて身体を削り取る。その雄々しく美しい羽ばたきと飛翔に、最早触れられる事は叶わないと確信するほどに美麗であり華麗であった。
「行くぞ豊ォ!嗤え、『人間無骨』!!」
「さぱっと死せぇい!!こいが、最後じゃ!!」
豊久、森の二人が渾身極まる一撃を悪魔へと叩き込む。たった一撃に総てを懸け、人間の骨すら通す宝具なる輝きが防ぐ手立てなく突き刺さる。
「滅しなさい、神を騙りし悪魔の化身よ!!」
景虎も力を振り絞り、八つの刀剣の総てを使い悪魔の身体を再生を上回る速度にて抉り取り切り刻み、貫き通す。無限の魔力を手にした宝具の冴えは、先程とは比べ物にならぬほどに高まり極まっていた。それら総ての一撃を受け、大きく体勢を崩す摩玖主大本尊。
【本物の神か悪魔だというのなら、わしの全身全霊をくれてやろう──!来たれ日ノ本、旭の国よ!その総ての可能性、我が束ね力とせん!!】
ノッブの言葉により高まる爆発的な魔力の奔流にして爆裂的な宝具の顕現。空には海を往く筈の船が、地には騎馬が、銃が、魔力に比例する無限の兵が際限なく召喚されていく。それはまさに、戦国時代総ての可能性と在り方を形にしたもの。
【魔王の業は存分に魅せた!ならば次は神の威とやらを見せてくれよう!わしを神なんぞに祀り上げた酔狂者共よ、よーく見ておるがよいわ!】
それらは全て、神として信長が祀られた事に起因する宝具。無念に本能寺に潰えようと、人々の願いと希望は彼女を鮮烈に認めたのだ。彼女こそ、織田信長こそ日本に君臨せし神に通ずる天下の人と。建勲たる神の号に込められた総てを叩き込む、戦国時代の総決算たる必滅の一撃──!
【豪火絢爛!『神州旭日・三千大千世界』──!!!!」
戦国時代から生まれ、その先に伝わったもの。古きに生まれたもの。それらの全てが一斉攻撃となり叩き付けられ、攻撃と化し、神も魔王も討ち滅ぼす空前絶後の一撃となる。歩兵の銃撃から戦艦の殲滅掃射。今まで使ってきた宝具の大本たる攻撃が、完膚なき迄に悪魔を焼き尽くす。
だが──
【オォオオォオオォオオォオオォオオォオ!!!!】
【ふはははははは!こやつまだ滅さぬか!神というも強ち嘘ではなかろうものよ!これわしの奥の手なんだけどネ!】
これ程の一撃、これ程の攻撃を叩き込んでまだ倒れぬ大本尊。日本の総てを叩き込まれても尚消え去らぬしぶとさにノッブも苦笑い。──だが、そのからくりは見えている。
「中心の聖杯が杭となり、あの悪魔を繋ぎ止めているのでしょう。あの聖杯を外さない限り、消え去る事は無いようです。いやー、我ながら面倒な宝具ですね」
中心部の聖杯を排除しない限り、この悪魔は潰えない。ならばその聖杯を外せばいいのだが・・・
「それが困ったことに、いくら攻撃しても外れないんだ!恐らく空間単位でくり貫きでもしなくては無くならないんだろうね!」
『くり貫き・・・そっか!ナイス桐之助さん!それなら出来る人が一人いる!』
リッカが頷き、令呪を二画使い一人のサーヴァントを呼び寄せる。それはノッブに並ぶ、ぐだぐだイベントの双璧にして真打ち──!
『沖田さん!行っちゃって!あの聖杯──宝具でぶち抜いちゃえ!!』
召喚されしは羽織の剣士。人斬り集団きっての最強剣客沖田総司。リッカの肩を軽やかに踏み、人の極致たる業を振るう──!
「来ましたーーっ!!此処で私に華を持たせるその心遣い!これだからリッカちゃん大好きなんですとも!」
【喋っとらんでさっさと決めい!】
「それでは!!──『無明三段突き』!!」
全く同じ箇所に、全く同じタイミングにおける一撃を三度叩き込む人を越えし秘剣にして魔剣。そこに穿たれた部分、それは全く同じ事象が起きたという事実を処理しきれず飽和を起こす。燕を落とした秘剣が回避不能なら、此方の秘剣は防御不能。──その場に在る全ては崩壊する。例え聖杯であろうとも。
「我が秘剣こそは、防ぐ事能わぬ無明の煌めき」
「・・・炉心ごと消滅、飽和ですか。物理学に対する挑戦ですよ、それ」
呆れるように告げるマックスウェル。繋ぎ止める楔は消え去った。今度こそ、本当の意味で消滅が叶う状態へと持ち込まれた。ならば──
『これで、終わりにしよう──!』
天照の輝きたる鏡が光を集め、リッカの刀剣に宿り遥か天空へと伸びる。勾玉が煌めき、一時的なれど神威の威厳を形とする刃へと変化させる。矛が日本の総てを包み、加護をもたらし、あまねく生命の息吹を以てリッカの存在を保護する。
『天照神楽──決着の型!』
それは、あらゆる絶望と嘆きを討ち払いし御祓の一撃。神の慈悲を形とする、慈愛の一閃。
『『
太陽の陽射しを思わせる、暖かき輝きを担う刃の一閃。天照神楽におけるもう一つの決着の型。神を信ずる事叶わぬものに、ただ其処にあるものに神は宿ると示す慈悲の刃。滅ぼし、消し去るのみでなき、もう一つの画竜点睛。
【オォオォオ・・・───】
両断──ではなく、光の中に消えていく悪魔。最早何も縛るものは無い。本当の意味で消滅を果たし、光へと消え去っていくその光景を大僧正は呆然と見やる。
「馬鹿な・・・馬鹿な。我が聖杯が、摩玖主大本尊が・・・消え去ると言うのか。神は、私ではなくあの小娘を選んだと言うのか・・・」
【いいや、神は救わんよ。リッカ先輩は一度たりとも、神を求め神を望んだ事はない。──もう彼女は、神を宿しておるのだからな】
「な、なんだと・・・?こんな小娘が神だと・・・?」
『?』
【神仏は尊びことすれ、すがるものではない。まして頼まれようと何もしてはやれん。──此処は人の世。人の可能性こそが森羅万象総てを実現させ広がっていく。この世に神が在り、神がいるのだとすれば。それは貴様にもリッカにも宿りし、可能性と言うものに他ならぬであろうよ】
神はいない。しかし神は在る。こうして力を貸す神のように見える存在も、人間が産み出した可能性の発露。ならば神は既に、人の数だけ顕れている。神がいないと嘆く必要はない。神は人の中に確かに在るのだと、人を極め神も魔王も越えた信長は説く。
「馬鹿な・・・貴様は神仏を破壊する、神仏衆生の敵ではないのか!?それではまるで、貴様こそは人を守護せし──」
【・・・・・・】
「───そうか。救いとは、遥かな未来にて漸く顕れていたと言うのか。わしが・・・待てなかったというだけの事なのか・・・」
その最期に、彼は一体如何なるものを見たのか。それは、彼にしか解らない。
【──神に乞うは最早古い。今や神も魔王も一緒になって世界を救う時代よ。些か焦りに逸ったな。大僧正】
だが、その表情は刹那の一時・・・安らかに信長達を見定めていた事を。神に在りし者達は見逃す事は無かった──。
マックスウェル「──完全無欠の勝利への貢献。契約は果たされました。噂に名高き楽園、私も末席に加われた事を嬉しく思います。大変お世話になりました」
リッカ『あ、もう行っちゃうんだ・・・』
「シャイなんで、私。・・・通常の人類史に私はいないのですが・・・永遠のエネルギーを人間が再現できたなら、また御逢いできるでしょう」
リッカ『じゃぁ──割りと早く会えそうだね!』
「そんな日を、心待ちにしておりますよ。──それでは。あなたの未来が、幸福でありますように」
簡潔な言葉を告げ、消え去る悪魔。悪魔には似つかわしくない、祝福の言葉を添えて。
グランドノッブ【ま、楽園ならあっさり召喚するじゃろ。──じゃ、戦勝の凱旋でも始めるかの!】
ロマン『あ、繋がった!皆、無事かい!此方もこの特異点の暴走の原因が解ったよ!』
リッカ『ロマン?』
オルガマリー『1582年。本能寺の変にて信長が生き延びた・・・。それが初のエラーとなって、暴走が始まった。つまり──』
ノブノブ「つまり、シミュレーションの信長の誰かが本能寺でくたばらねぇといけねえって訳だな」
無双信長「然り。そしてその役の為に──この信長は存在していた」
グランドノッブ【御主ら・・・。特に信長、御主、最初から──】
戦国無双信長「うむ。──是非に、及ばず」
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