イザナミ「えー此処でですね!因幡の白兎は岸に辿り着く直前にてサメを煽っちゃうわけですが!いけません、これはいけません!騙すのもですし岸にもついてないのにばらす!いけません!正直に頼むこと、忘れちゃダメですよ!」
キリシュタリア「凄いぞ、三時間も聞いているのに飽きが来ない!なんと巧みな話術なんだ!」
カドック「・・・どうして歓迎会で日本の歴史に詳しくなっていくんだろうな、僕らは。というかお婆さんのあの格好、風邪引かないんだろうか。お尻も胸も隠しきれてないじゃないか」
(・・・リッカはまだ起きないのか。余程疲れが溜まっているのか、それとも・・・)
~
ビッキー「どもー!ビッキーでーす!これからクリスちゃんと、バナナチョモランマの乱を歌いまーす!」
クリス「はぁ!?なんだそれ!?知らねぇ歌過ぎるだろ!?」
ビッキー「大丈夫大丈夫!じゃぁいくよー!」
「アタシが大丈夫じゃねぇんだよッ!!?」
~
承太郎「これから煙草を五本口の中に入れて、火を消さねーでコーラを一気飲みするぜ」
オルガマリー「銃をジャグリングするわ」
ペペロンチーノ「あらやだ命知らずぅ!」
(ありがとう、承太郎さん。隠し芸を披露してもらって・・・)
承太郎(リッカには勉強やコミュニケーションやらで色々世話になったんでな。俺はコケにされると根に持つが、世話になった恩は忘れねーんだぜ)
(ありがとうございます。リッカ・・・時間は稼いでおくわ。必ず無事に帰ってくるのよ・・・)
~なのは『壺チャレンジ』
なのは「・・・・・・・・・・・・・・・」
ピョイーン
『振り出し』
なのは「・・・・・・・・・少し、頭冷やそうか・・・」
はやて「あかーん!!パソコン壊したらあかんで!ゲームに罪は無いんや!」
フェイト(寝落ち)
ムニエル(なんでこんなストレスしかないゲームを・・・)
~
リッカ「ねぇマシュ、藤丸君と・・・付き合ってるのぉん?」
マシュ「こ、交際関係かの質問ですね?そ、それは・・・」
リッカ(ドキドキ)
「・・・こ、婚姻を前提とした、お付き合いを・・・」
リッカ「フウゥウーーーー!!!d=(^o^)=b」
カーマ「(御赤飯炊き)一応あげますねー」
マシュ「あ、ありがとうございます。・・・私が戦えているのは、立香さんとの約束のお陰なんです」
リッカ「約束?」
「・・・君の知らないこと、知らなかったこと、世界中のいろんなものを一緒に見よう。カルデアの外の世界で、ずっとずっと一緒に生きていこう。・・・カルデアが解体される日に、立香さんは私にそう言ってくれました。私も・・・その約束を心から楽しみにして・・・それで・・・」
リッカ「・・・?」
「・・・だから、私は取り戻します。誰かの歴史じゃない、私達の未来を。私と、立香さんの未来を。・・・私は、その約束を支えにして・・・頑張っているんです」
リッカ「マシュ・・・」
マシュ「リッカさん。あなたは、どうか・・・未来を、世界を。奪われないでくださいね──」
「うふふ・・・」「くすくす」「うふふふ・・・」
「こ、これは・・・!?」
最後の階層、マーラの階層が目前にまで迫った五階層目の光景。その光景に、藤丸は声を上げざるを得なかった。淫靡な笑みを浮かべ、手招きする女たち。或いは近寄ってくる女たち。──女神としての姿を顕すその女たちは──
「わぁ、パールヴァティーが沢山いますねー。夫に隠れて増殖からの浮気とかこわーい。欲求不満だったんですかぁ?」
『深刻な風評被害は止めていただけますか!?あれはマーラ!マーラの分身体!私やカーマとは別の存在でしょう!』
そう、マーラ・・・その分身が無数に連なり誘惑を行って来ている。どうやら機械仕掛けの女中では誘惑に限度があると判断され、愛の魔王が自身の分け身を展開したのだろう。人間の女など比にもつかない絶世の美女達が、ゆっくりと邪婬を迫ってくる。
「最早語るに及ばず。最後の禁は不邪淫戒。マーラ殿の膝下だけあり、直接的な手段に訴えかけてきましたな」
「大丈夫、大丈夫だ!俺には・・・心に決めた女の子がいるんだから!」
最早性欲どころか人の七欲すら凪のように受け止める領域の精神状態に達しているため、変わらぬアルカイクスマイルなグドーシと、自分に必死に言い聞かせマシュの手を握り誘惑に打ち勝たんとする藤丸。健全な少年青年も最後の階層を前に意気込みは十分である。後は誘いに乗らず──蹴散らせばよろしいというシンプルな階層。無論そうする覚悟は出来ているリッカではあるが・・・
「マーラはおっきい角があったから差別化してたけど、・・・カーマと同じ姿なの、やりにくいなぁ・・・」
左腕が静かに唸りをあげており、臨戦態勢なのは語るべくもないが、自身を心から後押ししてくれる女神の似姿たる者の氾濫に素直に虐殺は選べないリッカ。其処は覚悟どうこうではなく、愛する者への情が起こす迷い。血の通わない戦士ではなく、喜怒哀楽を有した人間としての反応に他ならない。
「リッカさん・・・。個人的な意見ですが。そういう心の余裕や優しい感性、とても素敵だと感じます」
「そうだね。・・・倒すか倒さないかで完璧に割り切るようになれたら、人としてはきっと終わりだろうから」
藤丸、マシュがリッカの僅かな躊躇いを尊ぶ。戦いの中で、相手を思いやれる余裕。或いは他者に気を配れる感傷。それが失われていない事に、何よりも代えがたい磐石の旅路を感じさせた。・・・自身らには、それはもう赦されないのだから。
「では、マスターとサーヴァント方式に切り替えましょう?このカーマが、リッカさんの指揮で肖像権侵害のアレらを蹴散らしてみせますから」
「無論拙者も助太刀いたす。拙者にとっても、愛の神とはただの一柱ですからな」
リッカの代わりに、カーマとグドーシが前に出る。紛らわしい顔をした輩など、一息に蹴散らすのみ。それをするのは、従者であるサーヴァントの役目。愛の矢を構えるカーマに、ゆっくりと手を合わせるグドーシ──だが、その時だった。
「いいえ、皆様方。ここは宗矩殿と・・・私!春日局にお任せください!」
ズズイ、と前に出るは我等が乳母たる春日局、そして無念無想を極めし稀代の最強剣士、柳生宗矩。声もなく抜刀する柳生はともかく、傍らに立つ存在に一同は声を上げざるを得なかった。
「お福さん!?」
『あ、あの!?戦闘なら私が担当しますよ!?いうても、私もそんなに得手ではないんですけど!?』
「なんのなんの、皆様の奮起に奮闘!並びに、仮にも大奥を名乗る地に蔓延りしこのように淫らなる女性・・・最早乳母として指を咥えて見ているわけには参りませぬ!──はくのん殿!」
『承知。此方を──ぺいっ』
はくのんの声と同時に、春日局の手に『ソレ』は握られる。──『三葵』の家紋を刻んだ、黄金に鈍く輝く神秘の薙刀。それこそは、春日局の本懐とする武具。
『呪詛抜きされた徳川の印籠を礼装として変換、同時に武器に変化させたもの。悪人を片っ端から成敗した吉宗様の武勇と、徳川の世を終わらせた慶喜さんが付与してくれた【反徳川】。後はリソースとして叩き込んだ無数の徳川印籠にて造られた・・・銘は、『大政奉還』。徳川特効を持つ、徳川殺しの徳川』
拾い集めた印籠と、部員より受け取りし一振りの薙刀。それを掛け合わせて作り上げた・・・偽りの大奥を滅ぼす、徳川殺しの徳川。乳母たる春日局が振るいし、村正に通ずる特効兵器。シオンとはくのんのサポート、村正の呪詛除去あればこそ叶った、春日局が振るうべき刃。──将軍達の魂を束ねた、乳母の力となりし徳川の結晶
「はくのん大人しいと思ったらそんなの作ってたの!?」
『勿論です。プロですから。それでは──BGM、スタート』
そして、流される日本国民ならば習知である『あの』BGM。こっそりと城下町に出向いた将軍が、悪逆無道の者達を成敗する暴れん坊なあのBGM。
「これは・・・アバレンボーイ・ヨシムネの成敗用BGM・・・!!」
「おぉおぉお・・・!!福の身体に力が流れ込んできます!正しき徳川を知るものとして、徳川を育てし乳母として──怪しき女性!追い返すべし!!いざ!!!」
今こそ、薙刀を握り一直線に駆け出していく春日局。それを超絶的な摺り足で追随する柳生。古くより徳川を支えし者達の出陣と戦闘。──それは、正しく圧倒的と言うべきものだった。
「とあぁあっ!!なんですかその破廉恥な格好は!女中はいやらしければいいというものにあらず!誘惑が主など言語道断!この私の目の黒い内は、堕落や邪婬など赦しませぬ!ぬぇえぃっ!!」
勇猛果敢、大和撫子此処に在り。勇壮に、或いは怒濤の如く大政奉還を振るい行く春日局。緩やかな動きなれど、振るわれし薙刀は嵐が如く。衝撃的な事に、唯の一度斬られたマーラの分身体は問答無用で消滅させられていく。徳川殺しの徳川である以上、偽りの徳川たるこの大奥こそは成敗対象。暴れん坊乳母の振るわれるがままに、女神の分身体が蹴散らされ撥ね飛ばされていく。それは正しき徳川を知る春日局、そして将軍の威光たる薙刀の力が重なった奇跡であった。
「──斬る」
暴れし背中を護るは、将軍に仕えし御留流の柳生。女体の誘惑を禅の心得にて無力化し、無双の太刀筋にて切り捨てていく。──無想の極致を垣間見た柳生の身体捌きは、凄まじいまでに冴え渡っていた。悟りの極致を垣間見たかおらずかでは、あまりにも違う歩法。その冴えが、此処に示されている。
「春日局さん強すぎぃ!?薙刀一本でこんなに変わるの!?」
「弱いはずがありませんわ、リッカ様。大奥とは女の園。数多くあれば恨み、そねみ、混沌渦巻く負の汚泥たる女たちの争い、いさかいに晒されながらもそれを纏め、はね除けた女傑。それこそがかの春日局様」
「そしてカルデアの中でもトップクラスの剣の腕!武蔵ちゃんも正直なんで勝てたか解んないと首を捻った柳生さん!凄いぞ!やっぱり新陰流は最強なんだ!!(集中線)」
「ゴミのように蹴散らされてますね~マーラ。アレでしょうか。反徳川特効がノリにノッてるんですかね」
「いいえ、カーマ殿。あれもまた真理にして悟りにござるよ。そう──」
「「『戦いは、ノリのいい方が勝つ』──!」」
最高潮に高まった反徳川を掲げる徳川へ仕える二人が、いよいよ最後の扉へと辿り着く。其処にいる最後のマーラの分身体へ向けて──
「行きますよ、宗矩殿!せーの!」
「心得た」
「今だよ!皆で一緒に!!」
「「「「「「──成敗!!!」」」」」」
決まりの台詞、様式美と共に振るわれし徳川の薙刀、無念無想の刃。直撃したマーラの分身体は扉へと叩き込まれ──無事に、階層踏破と相成り扉が開かれる。
「大奥の乳母、此処に在り!そして御留流の剣も此処に在り!偽りなる淫らな大奥、これにて仕舞いにさせていただきます!」
「──ふ。女に似合わぬその武・・・些かも変わらず安心いたした。お福殿」
「なんのなんの、皆様の支えがあればこそ!さぁ──此処まで来たならば躊躇いは無用!皆様、参りましょうぞ!」
行進を促す春日局。──最後の誘惑を断ち切ったのは、生涯を尽くし積み重ねた忠義の結晶。
【・・・(シナッ)】
「今回は出番無しだったね、よしよし・・・」
萎びた左腕を慰めながら、リッカ達はいよいよ・・・マーラの下へと繋がる階段へと向かう──
タケちゃん「・・・来たか。いよいよだぞ、信綱」
信綱「あぁ、来るとは・・・思っていた」
春日局「見つけましたよ信綱殿!あれ?なんか顔色がよろしい?」
信綱「そちらからの恩恵を戴いてな。少なくとも咳と臓物から来る不調は止んだとも。酔狂だが礼は言っておく」
柳生「・・・酒も、煙草も行わぬ知恵伊豆が、女には溺れるか」
「そうすべき、と思ったからそうしたまで。煙草も酒も、悪しきものとしたから遠ざけたまで。・・・魔王に徳川が凌辱され尽くした際も、人では叶わぬとしたから仕えただけの事。・・・武尊殿」
タケちゃん「あぁ。──最後の餞別を受け取れ」
『花札・白』【花札・黒】『印籠』
マシュ「ならば──その企みも此処までです!」
藤丸「皆は、返してもらう!マーラを倒して!」
信綱「・・・倒す、か。・・・ふふ、ならば命乞いがてら、お前達に準備をさせる時間をやろう」
リッカ「えっ?──!春日局さん!聴いちゃだめ!」
春日局「わ、私ですか?信綱殿、何を──」
信綱「『何故、大奥であった』?何故マーラ殿は大奥に拘ったのだ?外国のはれむでもよければ、中国の様相でも良かった筈。それを何故、大奥に・・・徳川に狙いを定めた?」
春日局「それは・・・」
リッカ「ッ──!」
タケちゃん「待て」
リッカ「タケちゃん!?」
(土壇場でマーラに告げられるか、此処で整理の時間を得るか。有益なのはどちらだ?)
「・・・!」
「それはな、『招かれた』のだ。死の間際、その叫びに共鳴したマーラ殿が、望みのままに大奥を作った」
柳生「──!」
タケちゃん「させんよ」
柳生(指二本で──白刃取りを・・・)
「そう。『誰が徳川を最も愛していた』か。死の間際、もっともっと徳川を愛したいと願った魂は、一体誰のものであったか」
春日局「・・・まさか──まさか・・・」
藤丸「ッ──まさか・・・!?」
パールヴァティー『・・・それは・・・!?』
「そう──そなただ、お福殿。死の間際、そなたは『もっともっと徳川を愛したい』と願った。──その願いがマーラ殿を呼び寄せ、徳川を終わらせた。何の事はない。全ての始まりにして、徳川の終わりは・・・そなたが招いたのだ。春日局」
春日局「・・・・・・私が・・・・・・徳川の世を、歴史を・・・・・・終わらせた・・・?そんな・・・、・・・そんな・・・」
──放心と共に、春日局の手より・・・徳川の薙刀が床へと落ちる──
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