人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
少女【・・・・・・】
『少女は、空になった二つのベッドを見つめている・・・』
【・・・・・・?】
『何かが聞こえる・・・』
【・・・・・・】
『生まれてきてくれて!ありがとーっ!!!』
【・・・?・・・!?】
『引き寄せられる・・・!』
【(わたわた、わたわた)】
『逃げられない!』
【(ぬーん・・・)】
『諦めたようだ・・・』
楽園カルデア
アンリマユ【最高だわ・・・けもフレ二期。サーバルとかばんの関係ズタズタにしてからのようじゃぱ。最高だわ・・・これほど吐き気を催すエンディングねぇわ・・・あー、櫛で髪の毛とかしたくなっ】
少女【~!】
アンリマユ【うげぁ!?なんだぁ!人がせっかく気持ちよく吐こうとおもっ】
少女【・・・?(なぜゆえ?)】
アンリマユ【おまっ・・・!】
【・・・?(なんだおめぇ)】
【──アジ・ダハーカの・・・残りカスじゃねーの・・・!】
『ビーストⅢ・ラプス。反応完全焼失。──また私達が勝ってしまった。敗北を知りたい。・・・ギルはいくらでも心当たりあるか、ガチャで』
『やりました!カルデアの戦力を九割九分奪われたとは思えない大勝利!本当にありがとうございました!シャングリラ・カルデアの皆様方!ノウム・カルデアの代表に代わりましてお礼を申し上げます!ついでに、私にとってのビースト初案件でしたがまさに文句なしの大戦果です!』
遥か彼方に消し飛んだビーストⅢラプス・マーラ。愛の女神達の一撃により消滅し、作戦の完遂が告げられる。これで、歪められたものの全てはあるべき場所に戻っていくのだろう。大奥の材料として使われたものたち。江戸城の住人、徳川将軍の魂も、きっと。
「それならほっと一安心にてございます。私も大奥の春日局として頑張りに頑張った甲斐があるというもの!あれ、それにしても私魂だけのわりに元気はつらつな様な」
「それはその薙刀、大政奉還の力であろう。将軍の魂がお福殿を強く支えているのだ。徳川の将軍達が、偉大なる乳母殿をな」
そう言って松平信綱は、とあるものを投げて寄越す。金色の器たる、黄金の杯。
「我等には不要なものだ。戦利品としてどちらが持ち帰るかは、相談して決められよ」
「あ、聖杯と言うんですよねソレ!喧嘩しないように仲良く半分こ!・・・とは、いきませんよねぇ・・・」
最高の戦利品である聖杯。本来なら七騎のサーヴァントと七人のマスターが殺し合い奪い合うものだが、今更楽園の者達がそんな浅ましい欲得にまみれる筈もなく。
「はい、藤丸くんにマシュ!ノウム・カルデアで、これからの旅の助けにしちゃいなよ!」
「ぁ・・・」
リッカはぐい、とマシュに聖杯を託す。藤丸とマシュは顔を見合わせる。今回の活躍からして、受け取るべきは楽園側の筈だ。助けてもらって、報酬まで此方が受け取るのは・・・
「そんな顔しないの。私達は報酬や御褒美の為に戦ったんじゃなくて、あなたたちを助けるために戦ったんだから。あなたたちの助けになれたなら、それが何よりの報酬!あと、楽園カルデアの名誉と誇りも護れたから万々歳!私達、そういう形の無い宝物こそ大事にしたいタイプだから!目に見える御宝なんてどんどん持ってっちゃって!ねー!お福さん!藤丸くんにマシュ、とっても頑張ったもんね!」
「えぇ!若き身空で一生懸命、徳川の為に、仲間のために粉骨砕身なさってくださいました!臨時とはいえ、乳母となれたこと!誇りに思いますよ!えらい、えらい!」
春日局は二人を抱き寄せ、頭を撫でる。魂だけでは出来ない、徳川の薙刀を持てばこそ出来る褒め方にマシュと藤丸はただ身を任せる。
「その薙刀から将軍の魂は抜けるが、そなたの身を示す証にはなろう。──先行きの無い魂ならば、かるであとやらに赴くのはどうか」
「えっ!?私がですか!?薙刀を振るったり、二人を養育したり!?」
『それは楽しそうですね!これからもしばらくは、同居生活が出来そうです!』
「そ、そうですか・・・よろしいですか?しおん殿?」
『勿論です!でもその薙刀は楽園の皆様が用意したものなので、許可はそちらに──、・・・あ』
「──うん。此処で、お別れだね」
リッカ達に目を向けたノウム・カルデアの一同が目を見開く。・・・救援の契約は果たされた。ならば、そう長居は出来ない。フレンドのサポートは、ほんの短い時間のみ。
「そんな・・・!リッカさん、私達はあなた達に何も御礼が出来ていません!春日局さんも此方で、聖杯も此方で、薙刀も預かるだなんて・・・!」
「そうだよ!こんなの不釣り合いだ!こんなの、オレ達は君達を都合よく利用したみたいなものじゃないか!」
「──。まさかサーヴァントが消える時のキラキラを自分が出すとは思わなかったなぁ・・・」
『この中に一人、人間がいます』
楽園カルデアは、この時空より退去する。もう、獣は討ち果たされた。ならば獣を討ち果たす為に招かれた仮初めの顧客は、去り行くのみ。
「ま、待ってください!皆様には全てが終わったら、うんといいこいいこするつもりだったのです!?それほど猶予が無いのですか!?」
「私達の分も、これから二人にうんとやってあげてください。二人をたくさん、可愛がってあげてください。それがきっと、脚を進める力になる筈だから」
「リッカちゃん・・・」
リッカは歯を見せ、微笑む。礼など、報酬などいらない。ただ、あなたたちが無事で良かった。それだけが、最高の報酬だよと笑って二人の手を握る。
「うん。負けないでね、二人とも。どんな運命にも、どんな困難にも。皆ならきっと大丈夫。だって皆は、ちゃんと此処まで自分の脚で来れたんだから。一歩踏み出せたなら、百歩も千歩も一緒だよ。歩みを重ねて、歩いていけばいいんだもん!」
「でも・・・!」
「・・・オレ達は・・・きみたちに返せるものが、何も・・・」
それが、あまりにも不甲斐なく、情けなく。絢爛豪華に輝くそちらの旅路に捧げられるものが、何も無い。そんな身の程知らずが助けを求めてしまった無力さに、俯く二人。だが、それを否と言うものがある。
「それは違いますよ。報酬は受け取っています。──あなたたち二人が、幸せな関係であることが解ったのです。それくらいで十分ですから、本当」
「え・・・?」
「然り。仲睦まじき男女は得難い宝物。その時間とその暖かさに触れられただけで、その暖かさを護れただけで十二分に誇りとなりますれば」
カーマとグドーシは同じ結論だった。どんな困難でも、どんな辛い旅路でも。いつでも二人で頑張っている。前に進んでいる。だから、それだけでいいと。
「私達、人の笑顔を見るのが好きだから!とびきりの幸せオーラとラブラブっぷり、堪能させてもらっただけで充分だよ!・・・だから、ずっと幸せにね。二人とも」
「リッカちゃん・・・」
「・・・。リッカ。全てが終わった際、小僧らの婚姻の儀を楽園にて執り行うはどうか」
タケルの言葉に、リッカ達は膝を叩く。まさに天恵、グッドアイディアなる提案であった。
「そだね!マシュ、藤丸くん!結婚式するときは、楽園においで!私達もう、総出で祝っちゃうから!」
「け、結婚式・・・!」
「い、いいのか・・・!?やっぱり御世話になりっぱなしのような・・・!?」
「いいのいいの!誰にも頼らないって言うのは強いことじゃない。何処までも届く手、っていうのはね!こうすれば手に入るんだよ!」
リッカは手を繋ぐ。藤丸と、グドーシと。察したグドーシがカーマと、藤丸がマシュと。其処にいる者達が皆、円となって手を繋ぐ。
「忘れないようにしようね。私も、藤丸君も。こうやって沢山の人と手を繋いで此処にいるんだって。そして、いつか見せてよ。マシュと恋人繋ぎする藤丸君を!」
「・・・っ。・・・解ったよ、約束する・・・。必ず、必ず世界を救って・・・全部終わらせたら・・・」
「そちらに、遊びに行きます。・・・とびきりに着飾った、とびきりに綺麗な私達をお見せします。それまで、それまで!・・・絶対に、負けませんから・・・!」
「うん、待ってる!楽しみにしてるから!」
リッカ達が、透けている。別れの時を迎えるのだ。退去の寸前──
「りっか殿!貴女も、貴女も私の大切な子にございます!本当に、本当に・・・御立派でございました!」
「グドーシ様。あなたの見せた徳、輝き。聖職者の端くれとして決して忘れませんわ」
『さようなら、カーマ!本当にごめんなさい、そして・・・ありがとうございました!』
「たける殿。背信の逆賊たる私を庇護していただいた事、けして忘れませぬ」
「武の頂、確かに垣間見た。──指二本で止められるとは、我が身もまた未熟・・・」
『はくのんさん!ノウム・カルデアの戦闘記録を持っていってください!せめて、せめてもの御礼です!』
「徳川スレイヤーブレイド!徳川スレイヤーブレイドは私に向けるんじゃないよ!?あのドラゴンもお断りだからね!」
「そちらに私達はいらっしゃる?じゃあ、そちらにもよろしくね♪」
「忘れません。一夜に満たぬ一時・・・でも、夜空の星のように眩しい、あなたたちの輝きを」
思い思いの別れの言葉が、告げられる。
「ありがとうございます!藤丸くんとマシュをよろしくお願いいたします!」
「ははは。どうか共に歩まれましょうぞ。拙者、人に説くのはやや苦手ですが」
「・・・はいはい。両方とも受け取っておきます」
「フ──。吾からしてみれば子のようなものよ。絶えず、励め」
『ありがとう。プレロー、余ったのはあげる』
【(クンッ)】
「ひぃ!?」
「ありがとうございます!本当に、本当に・・・!」
「頑張るから!その約束、絶対に護れるように頑張るから!だから、元気で──!」
託された祝福を胸に、誓いを告げる少年少女に──
「──お幸せに!グランドカップルさんっ!」
胸のすくような笑顔を贈り。──楽園の皆は、消え去る。
「・・・・・・行っちゃい、ましたか・・・」
「・・・オレ達は、託された。沢山の呪いと、命の果てに待っている約束を」
「はいっ。其処につくまで・・・負けるわけには、いきませんね!立香さん!」
更なる誓いを示し、ノウム・カルデアは決意を新たにする。楽園がもたらした祝福は確かに──
「──あぁ!」
屍と呪いを踏み越えるだけの祈りを、力を。少年少女に残していった──
楽園カルデア・リッカ自室『グドーシ宅』
リッカ「──はっ!?」
(今何時!?パーティーは!?皆は!?)
グドーシ「心配なさらず。三時間十五分経過したのみ、充分間に合うでござるよ」
カーマ「騒がしいですね・・・。ナニやってるんでしょうか」
はくのん『仁義なき隠し芸大会』
リッカ「何それ気になる!?」
カドックの声『リッカ、起きてるのか?君がいないと、楽園カルデアのパーティーって感じがしないんだ。治癒魔術で手助けもするから起きてこれないか?・・・それともまた夢の中で極秘任務をやってたりするのか?』
リッカ(ぎくぅ!!)
カドック『・・・なら、なるべく早く頼むぞ。僕も時間を稼ぐ側に回るから。丁度いい、Aチームの連中の鼻を明かしてやろう。眠っている間も世界を救う女の子、ってさ?』
リッカ「ふわぁあぁイキり鯖花子になっちゃうだめぇ!今行く今行くぅ!」
グドーシ「ふふふ、では、お先に向かっていてくだされ」
リッカ「ふぁ?」
カーマ「グドーシさん?」
「少し、蜘蛛の糸を垂らしに行ってくるでござるよ。すぐに戻ります故、心配めされるな──」
アンリマユ【・・・ま、リッカが何してるかなんて私には筒抜けなんですけどね。なぁ?】
少女【(こくこく)】
【龍哮を通じてアジ・ダハーカを引っ張るとはねぇ。お陰さまで招かれちまったと来た。さぁて、お前さまはなんて説明したらいいのかね~・・・】
少女【・・・・・・・・・(まるまり)】
【何それ下段ガードww?】