「気分がよいうちに、仕事は早々に片付けておくか。改築王たる我のターンはまだ終わっておらぬ!」
マスターのマイルームにて携帯式玉座に座りアンケート用紙に目をかけ叫ぶ器
――そう。まだまだ器は休むつもりなどなかった。新しく招いた英雄達の生活保証、マイルーム改築に着手する心積もりなのである
「一応皆から聞いてみたけど・・・大丈夫?ギル、頑張りすぎじゃない?ちょっと休んだ方が・・・」
――自分もそう思う。思うのだが・・・
「ふ、案ずるなマスター。我に不可能と限界はない。この程度の些事、取るに足らぬわ」
「ホント・・・?」
「然り。何よりな、我が一度始めた仕事を放り、満足に休めるはずがなかろうが。我は完璧主義者であるからな!」
――この通り、妥協と手抜きをまったく選択しないのである。これが神と人が造り上げた至高の王のバイタリティーか・・・
「それにな、此度は楽であろう。十人。たがだか十人の改築で済むのだ。以前の大改築に比べれば何分の一。ふはは、我が出来ぬ道理はないわ!」
高らかに笑う器。・・・最早自分に出来ることは、過労死の兆しが見えぬよう目を光らせることのみだ
「では行くぞ!毎度のようにダイジェストだ!稚拙な地の文は捨て置く、さらりと流し読みするがいい!」
「な、なんのはなし?」
――そして、英雄王の改築が再び始まった――!
カエサル 書斎
「うむ、うむ。感謝するぞマスター。これで安らげる」
「ガリア戦記の著者らしい要望よな。・・・努、下手な叛意は起こすなよ?」
「せぬせぬ。面倒だ。ここを治めるが貴様なら、それは愚行に他ならぬからな」
「フッ、身の程を知るはよい心掛けだ。次!」
ダビデ 牧場と羊のつがい
「やぁ、ありがとう!まさか自由意思と土地を許してくれるとは驚いた!太っ腹だなぁ!」
「ゴージャスと言え、ゴージャスと。家畜はくれてやる。増やすも減らすも貴様次第よ」
「望むところさ。立派な牧場にしてみせよう。僕は元々、羊飼いだしね」
――羊飼いから王だなんて、凄い栄転だ・・・
「ふっ、バビロニア料理に彩りが加わるな。次!」
天草 懺悔室
「ここで、私は皆さんの悩みを聞き入れ、受け止めることとします」
「フッ、聖人擬きにしては慎ましいな。同志でも募るのか?」
「いえいえ、貴方に挑む時は、自分のバスターを信じて殴り込みますから」
「ルーラーの宿業よな。まぁどうでもよい。次!」
エリザベート・ネロ共同 完全防音アイドルスタジオ&ステージ
「デジマ!?ゴージャス、これ、アタシのマイルーム!?」
「監獄の予定ではあったが、部員の進言で変更になった。ここならいつ歌おうが死人は出ぬ。好きに使え」
「ふっふっふ!いつでもどこでもデュエットし放題だな、エリザベート!」
「ライバル兼友達まで・・・!ありがとうゴージャス!アタシ、嬉しいわ!」
「何よりだ。願わくばこの部屋に篭って二度と出てこないことを祈っているぞ」
「よーし!ところでゴージャス、早速ライブをしたいんだけど・・・」
「金星とコンタクトをとるのだな。次!」
孔明&イスカンダル 個人図書館&ゲーム機一式
「詰みだ。終わりだぞ、主従ども」
「わっははははは!こりゃまた盛大に敗北したのぅ!」
「馬鹿な・・・何手先を読もうと、必ず返してくるだと・・・!?」
「間違えるな忠臣。先を見ている、最適手を探している時点で敗北だ」
「ほほう?では貴様にとって、未来とは?」
「未来とは読むものではなく、『俯瞰して視る』モノだ。正着など既に見えている。アトラス院辺りの人形でなくば太刀打ちすら出来まいよ」
「もはや、観ているものが違う、と言うわけか・・・完敗だ、英雄王」
「次はカードゲームでも構わんぞ?我と戦うには『思い通りの手札が来る』が最低条件だがな」
「そりゃあまた反則級であるな!よい!次はソレだ!ほれウェイバー!へこたれている暇など無いぞ!男たるもの、天を睨まぬか!」
「解っている――解っているとも!」
「ふん、来るがよい。息抜きがてら蹂躙してやろう。二対一で来るのだな・・・!」
ジル 工房
「堕落した私めにまで威光を届けてくださるとは恐悦至極・・・」
「一応聞いておくが、此処で何をするつもりだ?返答如何には貴様の首を飛ばすぞ」
「なにもしませぬ。ジャンヌがいることで、私の願いは叶っているのですから。ここに籠り、ジャンヌの生活を水晶にて眺めるといたしましょう」
「・・・そうか。反抗期の父親めいているな」
「英雄王、貴方に感謝を。我が願望から生まれしジャンヌを、よくぞ掬い上げてくださった・・・」
「我は何もしておらぬ。礼ならマスターにくれてやれ。・・・ではな」
「貴方に、聖女の祝福在れ――」
「いや、間に合っている・・・」
――えぇ、のたうち回るほどに
カーミラ カーミラ専用個人エステサロン
「・・・マジで?」
「若い貴様と同じ反応だぞ。やはり性根は同じか。好きに使え。神代の化粧水も取り揃えてあるぞ」
「・・・いいのかしら?私に」
「喚ばれたものは仕方あるまい。善であれ悪であれ、我は等しく裁定する。精々美を探究するのだな」
「・・・そう。物好きなのね、王様」
「酔狂であろう?だが、それもまた一興よ。ふはは!次!」
ヴラド 豪奢な部屋と裁縫セット
「感謝するぞ、英雄王」
「フッ、貴様の出自はあえて問わぬ。貴様は貴様として振る舞うがいい」
「・・・我が忌まわしき呼び名を放つものは、未だここにはおらぬようだ」
「であろうな。ソレがここの者の性根だ。貴様を責めるは貴様のみ。精々益体無き憎悪と憤怒を燃やすがいい」
「・・・いや。それならば余も振る舞い様はある。そのための小道具だ」
「・・・魔術神殿を叩くがよい。さぞかしメディアと話が合おうな」
「うむ。実は勧誘されていてな」
「次!」
アルテラ 広がる草原と、暖かい一軒家
「――――――」
「貴様の願いは知っている。貴様の生前の景色に近付けたかは知らぬが、まぁそれなりに近かろうさ。馬を走らせるなり、好きに振る舞え」
「――――――」
「家屋には生活用品を仕入れておいた。貴様もたまには壊すでなく、作る側に立ってみるのだな。パン作りの為の機器を試験的に入れてみたが、使うか使わぬかは貴様しだ・・・」
「・・・英雄王」
「ん?」
「――ありがとう。私は・・・ここに来て良かった」
「――大袈裟だ、たわけめ」
――こうして、新入英雄の改築は一通り終え、改築王は一先ず安息を得た
――が、その前に
足を運ぶは、救護施設。生死の境をさ迷うマスター達のカプセルルームだ
「・・・――我が楽園の廃棄物どもがこやつらではあるな」
言いながら、カプセルを操作する
「貴様らを死なせはせぬ。貴様らを一人でも死なせれば、オルガマリーの未来につまらぬ禍根が残る。雑種の分際で、我の宝に傷をつけるは許さぬ」
治癒効率を上げ、完治に所要する時間を10年以内に設定する
「貴様らの生命は最低10年保証される。我の赦し無くして死ぬことは赦さん。そして息を吹き返すことも赦さん。取るに足らぬ雑種どもよ、貴様らに許されるは半死半生のままで在り続けること、ただそれのみと知るのだな」
――そして、治癒を完遂したと認めた際に、即座に治癒を終え復活させる機能も設置しておく
「貴様らの魔術回路を総てを抜き取り、マスターにくれてやり、魔術師として終わらせてやるのも良いのだが――下らぬな。例え爪の先であろうと、雑種どもをこの楽園に関わらせるわけにはいかぬ」
踵を返し、カプセルルームを後にする
「そこで海草のように揺れておけ。貴様らを目覚めさせるかどうかは・・・貴様らが見下していたオルガマリーの裁量次第よ」
――きっと、彼女が正しき選択をすると信じて
「・・・下らぬ時間を取った。我は寝る。・・・まったく。我はいつセイバーに逢えるのか・・・」
腕を組ながら呟く器
――改築王の仕事は、一区切りなようだ
「貴様、魔術師を殺さず魔術回路を引き抜くといった拷問は可能か?」
「何それ、容易いけど?」
「そうか。万が一、という事もある。拷問技術、我に教えよ」
「拷問したい奴でもいるのかしら?」
「フッ、何。古来より狼藉者は鞭打たれるが常であろう?王たるもの、ただ殺すだけでは味気無かろうさ」
――使わないことを祈ります。彼等がカルデアといさかいを起こしませぬように・・・
「部員どもに、人質を取られる恐れを指摘されてな。まぁ、保険というヤツよ」
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