カドック「く、うっ!うぉおぉおぉおぉお!!!」
ペペ「やだカドックパワフルぅ!?抉じ開け系列マスターに目覚めたのね!?」
カドック「知らないのか、狼は抉じ開けるものとフワイサムは言っていた・・・隠れ剛力だ、ガンガン来い!」
承太郎「五秒間、消えてみせるぜ」
オーマジオウ【私の隠し芸、それは七色の声・・・ポッピー↑だぁ!☆】
フェイト「歌います。『浪人の悲哀』」
はやて「なんで!?なんでそのチョイスなん!?」
なのは「フェイトちゃん・・・書記官試験に落ちた経験をネタに・・・!?」
ビッキー「言いたくなるよね♪単語がいっぱい♪さぁチョモランマ!イェイッ!!」
クリス「うわぁいチョモランマ~♪(精神崩壊)」
リッカ「な に こ れ」
それは遡ること三時間前──
「あなやぁ~。楽園にかつての仲間たちが再び集い仲良しの顔合わせ!これは実に善きかなですねぇ!あなやぁ~」
これは、リッカが楽園からこっそり派遣される前後の話。楽園領地の固有結界、神霊召喚サークルでもある高天ヶ原を司るグランドマザー、要するにおばあちゃんであるイザナミノミコトが湖に映る下界、楽園の様子を目の当たりにしほっこりモードで微笑んでいる。
「14歳の女の子も着ていたなんて話も聞きますし、もしかして・・・私も、まだ女として・・・アリよりのアリ、かも?八百万SNSに貼ってみましょうか!『我、写真集に挑戦す!』ポチッと」
投稿した瞬間『御体に障りますよ』のコメントが800万規模で満ち溢れ労りと手厳しすぎる子供たちにいろんな意味の涙を流しながらしょんぼりしていたイザナミであったのだが・・・
「とほほ、まだ肌の張りや白さは自信アリなのですが・・・おばばの着せ替えなんて需要は無いのですねぇ──、・・・!?」
瞬間、彼女の魂はそれを捉えた。楽園の時空に干渉してきた『獣』の気配。本来ならば決して先んじた感知など叶わぬのだが、その感知した獣から、紛れもなき『日本』の縁を感じたのだ。彼女は日本の女神にして創造神の片割れ。先の禍肚のように、日本に纏わる興亡の危機ならば何よりも、誰よりも聡明に事実を掴み取る事が出来るのだ。その彼女が感知したということは──。
「これは『大奥』!?確か徳川幕府の正室と側室の、お子を産む為の園?──まぁ、なんてこと・・・!この大奥を人の魂を素材に、身体を骨子に!あなや・・・!!」
見る間に彼女は成り立ちを見抜く。獣となったインドの神性が纏め役の魂の愛に反応し、別時空のカルデアを壊滅させ、やがて楽園に侵攻を始めんと牙を剥くその有り様を。その先にある、日本の未来の消滅と滅亡を。何より・・・
(リッカちゃんらは間違いなく解決に赴く筈!いえ、現に救援は届いている筈。どうやら天沼矛を託した影響から私にだけ唯一ピンと来たようですね!これは・・・見てみぬふりは出来ず!一緒に行く・・・のは無理ですね怪しすぎ!ならば・・・!)
素早く全てを見通し、同時に何をするべきかを思案するイザナミ。リッカ達が赴く特異点の為に、日本の女神が先手を打つ。肝心な時にしか役に立たないと謳われし女神ではあるが──
「タケちゃん!タケちゃんはおられますか!妾、話があります!現れてたもう!」
──彼女は、肝心な時には誰よりも頼りになる女神なのだ。口が固く信頼の置ける武神、日本武尊を素早く呼び寄せるイザナミ。武神は瞑想より覚め母の下へ姿を現す。
「どうした、母よ」
「タケちゃん。よくお聞きになってくださいませ。形なき宇宙となった神の柱、インドのマーラなる存在が大奥の支配者の末期の叫びに反応し其処に存在している徳川の全てを使い堕落の園を造り上げました。その材料に徳川の治世の全て、あちらのカルデアのほぼ全てを使ってしまった大奥を拠点に、かの獣は楽園の攻略を企てています。タケちゃん、あなたは密かに手助けに行くはくのんさん、リッカちゃん、カーマちゃんにグドーシくんのさぽーとを行っていただきたいのです!」
「・・・・・・待たれよ、母よ。視点が違いすぎて合点が行かぬ」
「どうやら春日局さんなる魂を天海なる坊主、松平信綱なる御方が救い上げた様子。タケちゃんはまずマーラと名乗る獣に近付き松平信綱様とリッカちゃん達の無用な破壊行動を避け反徳川の属性たる花札を探し──あなやっ!?」
タケちゃん、埒が開かぬとびしりと武神チョップ。日本の危機の回避の為に神性を全開に全てを見通す女神としての観点を発揮しているイザナミを制止しいつものお婆ちゃんへと引き戻す。日本滅亡クラスの危機を感知した瞬間に本気になり、聡明たるイザナミの神格が露になるのはいいが、人間らしさと感情が深層に沈んでしまう状態を彼は好ましく思わない。彼女が本気になれば、『その危機をどう乗りきるか』という道筋が完璧極まる精度で導き出されてしまう。それでは、人が挑むべき試練を取り上げてしまうに等しい。それほどまで、イザナミの神性たる力は隔絶した領域にいる。いつもの人格は、入念極まる抑制でもあるのだ。全てを見通す創造の女神たる自身への。彼女が喚ける辺りはまだまだ余裕ということである。禍肚では神器を奪われる寸前までこのモードであった。
「す、すみません・・・いつもの癖が出てしまいました。私が解決しては人の為にはならないというのに。子離れは本当に難しいですね・・・」
「──子を愛するのは当たり前の事だ。そんな貴女に報いる為に、我等子がいる。・・・解った。先んじてかの魔王に取り入ろう」
埋伏の刃。あえて敵に仕えることで強大な存在を内から崩す。タケル程の地位の存在が取り組むべき任務ではないが、それを彼は良しとした。母のため、何より懸命にあがくあちらのカルデアの助力としても、だ。
「行って・・・くれますか?名誉も栄誉も備わらぬ裏方なんですが・・・本当に申し訳無いのですが・・・」
「構わん。母の願いに気前よく応えるのが、良き子と言うものだからな。・・・詳しい手順を乞う。吾はどのように獣に取り入るべきか」
「タケちゃん・・・!はい、それはですね!まずは楽園の存在であることは伏せ、日本の終わりを看取りに来たとの名目で──」
自分はどうするべきか、どう立ち回るべきか、何を護り何を助けるべきか。母より可能な限りの助言を受け取り、即座に武神は行動を起こす。獣の巣窟たる大奥へ、リッカ達より先んじて赴くのだ。
「それでは、行ってくる。鉢合わせしたさいに唇で伝えてはみるが・・・」
「大丈夫です、必ず伝わります!リッカちゃんはこみゅにけーしょん!で世界を救ったのです!タケちゃんの言葉も必ずや理解してくださると信じます!信じています!」
「承知した。必ずや皆で帰還することを誓おう。大船に乗ったつもりで待っていろ」
タケちゃんの武ならば、万が一獣に襲われたとしても問題なく対処が叶うが故の人選。これより彼は獣に仕え、リッカ達にも立ち塞がらねばならない。
「損な役回り、誠に申し訳無き。タケちゃん・・・どうか気をつけてくださいね、願わくば、今を生きる子供達の活路を拓かん事を・・・」
「案ずるな。・・・歓迎の宴には、間に合わせてみせようともだ」
それだけを告げ、タケルは当たり前のように高天ヶ原を後にする。成すべき事があるならば、躊躇いなく行うことで大儀を成就させる。それが母に報いるタケルの心意気であるのだ。
「──はい!こちらは、どうぞお任せを!懸命にお婆ちゃん、時間を稼いでみせますからね!落ち着いて急ぐように!良いですか、落ち着いて、急ぐように!」
無理難題を押し付けつつも、皆の帰還を信じ。人知れず女神は救いの手をリッカ達に差し伸べる。
・・・パーティーが始まったのが同時刻。リッカ達が救援に向かったのが少し後。イザナミは勝利と日本の未来を信じ、ただ無事を祈るのであった──
タケル「ちなみに母よ、具体的にはどの様にして時間を稼ぐつもりなのか」
イザナミ「それは勿論織り込みずみです!これから楽園に私が下り、皆様の前で──」
楽園カルデア
イザナミ「脳内に直接映像を叩き込む臨場感抜群のしあたぁ方式語り聞かせ日本創世記(使用時間1日)にて!場を繋ぎ止めてみせますからね──!!」
~
イザナミ「イザナギとイザナミはこうして、矛で世界をかき混ぜました。すると塊は島となり此処を──」
あまこー「ワフゥ・・・?(何故外国産まれの皆様に日本史の語り聞かせを・・・?どうしてしまったのでしょう?)」
将門公『楽園・・・』
「ワフ(はい?)」
『彼女は、母君は楽園を揺さぶっている。身体に秘めた日本の歴史にて、まるでかき混ぜるように。そう、それこそが──』
イザナミ「お手を拝借。このように、ねっとりと、じっくりと・・・練れば練るほど島が出来て・・・あなや!(テーレッテレー!)」
将門公『
あまこー「ワゥウ・・・?(えぇ・・・?)」
一般職員「「「「パーラシェイク。パーラシェイク」」」」
キリシュタリア「カドック!私達凄い!凄い景色を見ていないかい!?創世の光景を目の当たりにしているよ!?」
イザナミ(くっ!しかしおばばの知恵袋だけでは飽きがくる事必死!私以外の多芸な方の力を借りなくては!)
──頼もしき皆様!妾に力を・・・!
みょみょみょと送られた救援神通力。それがまさに・・・
~
ビッキー「むむ!?」
クリス「なんだよいきなり・・・!?」
~
星の白金『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!』
ニャル【ニャブブブブブ!】
承太郎「ん・・・?」
~
なのは「!?」
はやて「なんや、今の声?楽園の座標からやで!」
フェイト「なにそれ知らない」
~
オーマジオウ【変身ポーズ。シチュエーション込みならば、隠し芸には最適だ】
「は?・・・い、いえ仰せのままに、我が魔王」
無差別の救援が飛ぶ事態となる──!
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