人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜   作:札切 龍哦

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別荘・庭園内部

ヒロインXX「ここで二人きりで過ごしてたんですか!?食料も空気も大気も自ら生成した超極小コロニー・・・全く生活に不自由させない造りですね!?」

ナイア「私と言う子供を育成するに辺り、『環境で人は容易く歪んでしまうから、お前が何不自由なく人生を歩めるような環境を用意しよう』と作ってくださった住居です。今なら、父の想いが理解できます。幸運・・・凄く幸運でした」

ヒロインXX(邪神の娘と言う悪評に負けない様なパーソナリティ形成から入ったのですね。つくづく凝り性な神です!)

ナイア「お父さんは毎日一緒にいてくれました。朝も、昼も、夜も毎日ご飯を作ってくれたり一緒に遊んでくれたり。父親としてしてほしい事は、全てしてもらっていたと断言できるでしょう。──あぁ、だからでしょうか。今、思い出した事があります」

ヒロインXX「思い出した事、ですか?」

ナイア「はい。ちょっとした・・・子供の頃の夢です」



お父さん。ナイアはいつかお友達を此処に招きたいと宣言します。

【お前に友達かぁ・・・難しいと思うぞ。私の娘という時点で、友達になんてなりたいと思う物好きが宇宙にいるとは思えんが・・・】

いいえ、作ります。100、1000、いいえ、いつか10000を越えた友達を作ります。

【ははは、大きく出たな。じゃあそんな未来が来るまで、私も殺されない様にしないとな】

心配いりません。お父さんはナイアが護ります

【?】

私に優しくしてくれたお父さんのように、世界は優しさで出来ていると思います。その優しい人達とお父さんを、闇から護るために。私がそいつらをやっつけるのです。私は、皆の優しい心を護る強い子になりたいです。

【──・・・。フッ。私は随分と輝かしい宝石を拾った様だ】



【いや。・・・楽しみにしているよ。お前が沢山の友達をここに連れてくる事を。そしてお前が、一人前の狩人になってここを使う日を。そら、なら別次元に特訓だ。護るために、強くなるぞ?】

はい。ナイアにお任せください、お父さん



ナイア「・・・この場所を離れる時に誓った、小さい頃の夢なのです」

ヒロインXX「???」


不運さと可憐さは大体表裏一体

【改めまして自己紹介を。私は混沌の邪神、ニャルラトホテプの顔が一つ。無人の別荘を整備、守護する役割を仰せつかった本体の分け身といった存在となります。使い魔、サーヴァントと言った方が馴染み深いでしょうか。皆様の旅路、並びに冒険のサポートをさせていただく・・・本体に代わっての皆様の対話ツールのようなものです。お見知りおきを】

 

広大極まる屋敷に案内され、来賓用の部屋にて自己紹介を行う物腰柔らかな執事。彼もまた邪神の一部であり顔の一つであると告げ、その上で協力を申し出た。この別荘は、いずれ宇宙に向かう際と娘の為に用意したものであるとはっきりと口にしたのだ。

 

【先に体感していただきました通り、このシルバー宙域はブロンズ、ゴールドとは比べ物にならぬほどに混迷を極め、混沌の坩堝と化しております。次シーズン掌握を狙うもの、ただギルガメスを討ち果たすために戦うもの、このシーズンに歯向かわんとするもの。理由は様々ですが、それらが絡み合い、全宇宙を巻き込んだ争いへと昇華なされたのです。無法、混沌に満ちた秩序なき宇宙。安定統治されたゴールド、野蛮なるブロンズとはまた違う、混沌極まるスリリングな旅路を楽しんでいただける事でしょう】

 

(楽しんでいただける、とか言いやがったぞ)

 

(根本的な部分では何も変わっていないようですね・・・)

 

【ふふ・・・御息女共々、本体の人柄を理解して頂けているようで何よりでございます。皆様の旅路に、精一杯のサポートを御約束致します故。なんなりと御質問ください】

 

破滅と混沌を好むことを一切否定せず、執事は柔らかく笑った。全ての質問に答える準備は出来ている、とばかりの態度に一同は質問を行っていく。

 

「この宙域におけるオレ達の勝利条件とはなんだ?何をすればいい?」

 

【はい、イアソン様。何をなさっても構いません。ゴールド宙域に向かうためにゴールドセイバーバッチを目指すもよし、敵対者を一掃するもよし、施設を利用するもよし・・・まぁしかし、各陣地において治世もルールも異なり、無事と安全は此処しか保証できません。御注意をお忘れなきように】

 

「ゴールドセイバーバッチはどうやったら手に入るんだい?」

 

【はい、ダ・ヴィンチ様。そのエリアで最も強きセイバーを倒すか、銀河警察にその働きを認められ授与されるか・・・でしたが、銀河警察が壊滅の無様に逢った今、各エリアのエリアキーパーのセイバーを討ち果たすしか道は無いかと思われます】

 

「エリアに行こうにも戦火が激しすぎてな・・・せめて星に到達するまでの道中をなんとか出来ないか?」

 

【はい、イアソン様。地球追放を受けた邪神の力を行使し、流星群や磁気嵐、宇宙放射線といった現象を起こすことで皆様をサポート致します。武装が整うまでか、引き続きサポートを利用するかはONとOFFが可能なので、不要となった際には一声おかけください】

 

「この設備や施設を使うのに何か対価は発生するのかしら。巨額の宿泊費だとか、アルトリウム献上だとか・・・」

 

【はい、イシュタル様。こちらは全宇宙、平行世界を含めた宇宙空間に再現された【邪神の領域】すなわち邪神そのものたる空間。本来ならば永続的な狂気に至っていただきますが、皆様は本体が敬愛せし楽園の皆様。並びに御息女たるナイア様の身請け人。その感謝と厚意に報いる為に全て無料で御利用いただけます。どうぞ、あらゆる宇宙へ攻略するための拠点として御利用いただけたのなら幸いです】

 

「ゴールド宙域へは、具体的にどうすれば行けるんだい?」

 

【はい、ロマン様。ゴールドセイバーバッチを最低三つ程用意していただければ、こちらのワープシステムを起動させゴールド宙域への道を開きましょう。言葉にしてみれば単純明解。ただの一度も敗北せず、いつものように勝利を納める。混沌とは仕組みさえ理解してしまえば、とてもシンプルなものなのです】

 

この宇宙、シルバー宙域に区分けされたゴールドバッチを持つエリアキーパーたるセイバーを倒し、ゴールドバッチを三つ確保すればゴールド宙域への道が拓かれる。その最中に相手のエリアを奪うことが出来れば、そのエリアの各施設をも手に入れる事が叶うといった仕組みらしい。シンプルと言えばこれ以上無いシンプルな実力主義。ギャングの抗争めいた陣取り合戦のようだ。

 

そしてこの場のサポートは無料であり、拠点として利用することが可能であるとの事。このシーズンが極めて破滅的かつ躍動的な事による初見殺しの為の救済措置といった所なのだろう。一同は解りやすい支援体制を整えていた邪神の事細かさをただ感心するばかりであった。

 

「じゃあ参考までに聞くけれど・・・これから先に向かうべき場所のオススメとかはある?闇雲に飛ぶには、状況が物騒過ぎるからせめて何かしらの指針が欲しいわ」

 

【はい、イシュタル様。それでしたらまず銀河警察本部跡地へと向かわれるがよろしいかと。滅亡、陥落したとはいえ、銀河警察が押収した物品、或いは配備されていた装備、または治安維持の為の設備。破壊はされていますが、中枢が愚鈍でなければそれらを悪用されないセーフティが組まれていることでしょう。それらを突破する人員は、しっかりといらっしゃいますね?皆様の旅の仲間の内に】

 

そう、ヒロインXX並びにロンゴミニアド。彼女が退職金代わりにぶんどっていった装備一式が、非常時の際の緊急キーとなることをニャルは示唆した。だからこそ銀河警察には向かうべきであるのだと彼女は言っていたのかもしれない。冴え渡る、刑事の直感にて。

 

【混沌を終わらせるは秩序・・・滅びた宇宙の秩序を再び輝かせる事が出来るかどうかは皆様次第。このままではギルガメスが妃となった真のセイバーと共に宇宙を永遠に統治するエンドにてサーヴァントユニヴァースは固定され、物語は完結を迎えてしまうでしょう。この宇宙を存続させることが叶うかどうかは、皆様の愉快な旅路にこそかかっております。協力は惜しみません、どうかみなさまのお力にて、愉快痛快なハッピーエンド・・・次に繋がる道筋を切り拓かれん事を。我等邪神一同、皆様の奮闘を心より応援しております。どうか最愛の愛娘、ナイアを心よりよろしくお願い申し上げます──】

 

深々と頭を下げるニャル。・・・リサイクルショップ巡りも、次の行き先に向かうための準備も、または武者修行の旅路も。やり遂げる為には戦禍へと飛び込まなくてはならないと言う。

 

「・・・とりあえず一休みしたら金ぴか達に報告書を書け。向かうのなら、銀河警察の跡地だとな」

 

【勿論、宿泊の際に御利用していただくのも問題ありません。ナイアと本体たる邪神の部屋の他、皆様の個室を創造致しますのでごゆるりとおくつろぎください】

 

「創造って・・・もうホント、地球の法則を嘲笑う神なんだなぁ彼・・・」

 

【ふふっ・・・ナイア様と邪神の夢が叶ったお祝いに、腕を振るうと致しましょう。どうか皆様、ごゆるりと鋭気を養っていただければ──】

 

果てしなく広がる宇宙の攻略戦に備え、一行は歓待を受ける。遠き昔、邪神とその娘が唱えた夢の成就を祝いながら、執事は静かに微笑んだ──




ニャル【あ、そうそう。言い忘れておりました。銀河警察跡地をお薦めする理由はもう一つ御座いまして】

ダ・ヴィンチちゃん「未発掘の資源の他に、何かあるのかい?」

ニャル【えぇ。ちょうどセイバーウォーズシーズンが始まる一日か二日前に、とあるイベントを銀河警察が行いまして。その際に署長となった方がきっと皆様がお気に召す方かと】

ロマン「イベント・・・?」

【そう。『一日署長就任』。行われたイベントで銀河警察のトップが、そのまま最後の署長になってしまった訳ですが・・・】

ロマン「一日署長で、銀河警察が壊滅かぁ・・・よっぽど運が悪かったんだなぁ・・・」

【その署長の名前が──大いなる地の女神、ランサー・・・エレシュキガル】

「「!」」

【最悪なタイミングで就任し、全宇宙から攻撃を受け成す術なく壊滅してしまった銀河警察の・・・最後の署長にてございます】

次の行き先

銀河警察本部跡地
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