「え、えぇ・・・?あの、どこか悪くしました?」
「いえ、あの・・・精神的に・・・」
「は、はぁ・・・」
「船長!空から女と、黄金男が!」
「何ぃ!?」
「派手派手だぜ!すげぇ!!」
「女はどうだ!」
「上玉ですぜ!」
「すげぇ!」
「フッ、蠢きよるわ虫けらどもが。よし、ここはマスターの国の作法にて挨拶をしてやろうではないか。――聞け!有象無象の雑多ども!」
海より広く、天より高く王が叫ぶ
「我が名は英雄王、ギルガメッシュ!この星総てを庭とする、唯一無二の王である!控えよ下郎!そして頭を垂れよ!我が拝謁の栄に俗すこと、特に許す!貴様らの魂に、我が威光を刻み付けよ!」
「私は彼のマスターです!よろしく!」
「マスターのデミ・サーヴァント、マシュ・キリエライトと申します」
まずはこちらの身分と目的を明かし、円滑なコミュニティーを築かなくては
「我等は陸地に用がある!速やかに我等を乗せ、貴様らのねぐらに案内せよ!素直に従うならばよし!従わぬならば――」
「なんだこいつ!いけすかねぇ野郎だ!海の男は誰にも媚びねぇ!てめぇら!やっちまえ!!」
「「「「うぉおぉお!!男は使え!女は犯せ!うぉおぉお――!!!」」」」
――ファーストコンタクトは失敗してしまったようだ。交流は難しい
「ふむ、野蛮な雑種に我の威光を理解せよと言うのが難儀であったか。ひれ伏すにも知性はいるのだな、ははは」
「海賊、きます!迎撃しますか!?」
「無論だ。だが殺すな。海を往くには知恵がいる。そしてこやつらのねぐらに案内してもらわねばな」
「峰打ちですね!解りました!マシュ・キリエライトいきます!」
二人の前に躍り出て、群がる海賊を盾で弾き飛ばしていく。峰打ちで
――盾で峰打ちは、思えば中々器用だな
「ぐはぁ!?強ぇ!?」
「なにしてやがる!見ればまだガキじゃねぇか!」
「なんだこいつ!やべェ!」
「ウラァ!舐めんじゃねぇ!」
「マスター、適当に片付けておけ。我はやることがある」
「やること?」
「うむ。あの半人前を使え。程よく加減が叶おうさ」
そういって、此方はマスターから離れる
――器が少し興が乗っているのが気掛かりなので、少しだけ任せてみることにする
まずは地図や海図、日誌を探してみよう。何か見つかるだろうか
「解った!きて!『ジャンヌオルタ』!」
右手が輝き、黒き魔女が現れる
「話は解りました。この汗臭い連中を程よく焼けばいいのね?」
「生焼けだよ!殺したら絶対だめ!」
「貴女がそう言うのなら。――焼けろ、野蛮人ども!マスターの慈悲を懐いて膝を屈し、赦しを請うがいい――!」
船の上を、程々の業火が包む――!
「ぎゃあぁあぁあ!!熱ィ!熱ィイ!!」
「ちきしょう!海の上で焼けるとかどんな冗談だ!?」
「ひぃいぃいぃい!!ヤベェ!怖ェ!」
「嫌ァアァアァア!」
「私のマスターに下卑た言葉を吐いた罪、その身であがなえ――!!!」
「「「「「ごめんなさいでした――――!!!!」」」」」
阿鼻叫喚の男達の悲鳴は続き
やがて――
「「「「「すいませんでした――!!!」」」」」
対話(燃焼)の甲斐あって、海賊たちを手懐ける事に成功した
「アジトに案内してくれますか?」
「「「「「「アイアイ・マム!」」」」」」
「裏切りませんね?」
「「「「「もちろんです!」」」」」
「仲良くしましょう?」
「「「「「「ヨロコンデー!!!」」」」」」
こんがり焼けたユウジョウで、マスター達は固く結ばれたのだ
「ありがとう!オルタ!」
「当然です。下衆な男になど、貴女をくれてやるものですか」
「オルタ優しい!ありがとう!」
「抱きつかないの・・・もういいわ。汗臭くて叶いません。帰ります」
「お疲れさまでした、オルタさん」
「マスターを頼んだわよ、マシュ。・・・ところで金ぴかは?」
「そう言えば、やることがあるって・・・」
「我ならここだ!!」
――上から声をかける
「な――」
驚愕に目を見開く一同
「この貧相な船の帆を張り替えてやった!此れよりこの船は我の我による我のための船となる!」
「俺の船のマストが――!!?」
「暫定名称、『バビロニア・ギルガメ号』とする!一時とはいえ、我が身を預けるのだ!船の見た目くらいは飾ってやらねばな!フハハハハハ!!」
――そう、やりたかった事とはこれである。船の目立つ箇所を、我色に染め上げたのだ
――いや、ちゃんと日誌とかは見つけましたよ?こちらはついでだ。・・・多分
「やりたかった事ってこれかぁ・・・」
「凄く、豪華です・・・」
「バカじゃないの?ていうかバカじゃないの?」
『まぁ、ギルだから』
『所長が動じなくなってる!慣れてはいけませんよ!?』
『地味に一人で凄い作業してるなぁ・・・』
「船員どもと話はつけたな!よし、では船を出せ!バビロニア・ギルガメ号の初航海と行こう!そして船長に縄をつけ吊るせ!我の船に我以外の船長はいらぬ!」
「悪魔かよあんた――!!?」
「王だ!!真理を説いてやろう!簒奪してよいのは簒奪される覚悟があるもののみだ!さぁ出航だ!あくせく働け、船員どもよ!!」
「「「「「「「アイアイサー!!!」」」」」」」
「てめぇら鞍替え早すぎィ!!あ、待って止めて――!!」
「さぁ行くぞ!陸地のねぐらへ全速だ!!」
見つけてきたキャプテン・ハットをかぶり、船長と化した器が号令をとる
「マシュ、ジャンヌ!アレやろアレ!タイタニック!」
「せ、船首のアレですか?」
「下らない。危ないから許さないわよ」
「ダメ?」
「・・・一回だけよ?」
「オルタさん!?」
「元船長!貴様の命運は案内次第だ!嘘を吐けば即座に鮫の餌よ!」
「へっ、舐めんじゃねぇ!海賊は魂までは売りはしねぇ!」
「マスター!」
「『きよひー』!」
「嘘つきは焼きます。えぇ、焼きますよ?冷たく死ぬか熱く死ぬか、お好みは・・・?」
「誠心誠意案内します!!」
「それでよい!進め進め!!きりきり働け、海賊どもよ!!」
「「「「「「「アイアイサー!!!」」」」」」」
――誰も死なず、よかったよかった
バビロニア・ギルガメ号は、転身して陸路を目指す・・・――
「わははははは!ありゃあ余の真似か!?少し見ない間に随分と愉快になったのぅ!」
「――未だに信じられんよ。あれが英雄王だとはな。まぁ、所感など事実の前には無価値なのだが」
「いまのヤツとならよい酒が飲めそうだ!召喚されるのが楽しみというもの!よし!飲むか!」
「ここ管制室だよ!?」
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