人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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アンケート、協力ありがとうございました!イベントはセイバーウォーズ→贋作→オニランドでやりたいと思います!

新しいアンケート、追加したのでよかったら協力お願いいたします!



マンドリカルド(・・・やっちまった・・・女の子の前で粋がるとか。木刀で・・・かっこつかねぇ・・・恥ずかしい・・・恥ずかしすぎる・・・!ていうかレジスタンス姫と冥界の女神とか護られる必要ないでしょ俺なんかに・・・やらかした・・・!イキり木刀太郎とか思われてるんだ、さらば俺の細やかなスーパーリア充タイム・・・)

エレシュキガル「リカルド?」

「はひ!?」

「・・・あの、さっきの。叱るのだわ」

「叱る?」

「あなたはケンタウロスとは違うわ。誰かのために怒れる素敵な男の人。卑下は駄目。あなたは十分カッコいいんだから、自信を少しずつつけていきましょう?良かったら、一緒にね」


ラクシュミー「うむ。エレちゃんの言う通りだ。君は勇敢で、立派な王だ。紛れもなく。これからも、一緒に頑張ろう」

マンドリカルド「・・・・・・・・・・・・・・・」

(・・・女神だ・・・二柱の女神が・・・目の前にいる・・・!)



アルテミス「月女神の弓矢をなにに使うつもりなのかしら?リッカちゃんにあげたものなのにー!」

リッカ「大丈夫!もし帰ってこなかったら取り戻しに行くよ!宇宙の果てでも!」

アルテミス「リッカちゃんのそーゆーとこ大好きー!!♥️ダーリンも言ってー!宇宙の果てでも私を取り返してー!♥️」

オリオン「はいはい。・・・まぁ、あり得ないとは思うけどさ、リッカちゃん」

リッカ「?」

「アルテミスがまた、暴走したりした時は・・・二人で止めような。俺と、リッカちゃんで」

リッカ「──、いいの?」

オリオン「あぁ。俺たちで、アイツを落とそう。──ま、あり得ないだろうけどさ!」

リッカ「・・・。───うんっ!!」

アルテミス「あー!ナイショ話!私も入れてぇー!!」

オリオン「入れたらナイショじゃないだろが!」

リッカ(──。オリオン・・・あなたの最高級の信頼、確かに受け取ったから!)

アルテミス「ダーリンもリッカちゃんも!大好きー!♥️♥️」

リッカ(そんな日が、来ないのが一番!だけどねっ)




新生、星を穿つ黄金

アルテミスの神殿、内部に案内された一同。そこは既に掃除が行き届いていた清掃直後のものではあったが、白銀と大理石で構成された祭壇、その最奥は閉じられたままだ。だが、オリオンの案内はその先へと続くものだ。扉は、最愛のトライスターを認め開かれる。魔力で編まれ、自動で開く最新自動扉だ。

 

「アルテミス様の神殿・・・処女や純潔を護る動物しか立ち入ることを許されない潔癖の神殿・・・」

 

「姉さんやサーヴァントは大丈夫だな。俺もそんな経験ないし。・・・無いし」

 

「ギリシャにあるまじき草食系だなお前。近親で営むとか平気でやる土地柄だろ、俺らは」

 

「誰が姉さんを進んで苦しめるか!何言わせるんだ全く!」

 

「大丈夫っすよ。俺なんか初恋の相手が結婚したのを知って頭おかしくなって失踪したんだから、よくあることっす」

 

(あっていいのかそれは・・・)

 

「ははは、男にはモテ期があるもんさ。今はダメでもいつかはモテる!目指せ夫婦の円満生活ってな!どうですか、サイコ嫁を招いたイアソン君」

 

「俺に振るんじゃあねー!!言えるアドバイスは見捨てて放ると破滅するぞって当たり前の事実だけだ!」

 

「参考どころか常識な反応、ありがとうございます!ナイアは婿選びは慎重に!」

 

「婿ですか?私の好みは部員の皆様全員ですが・・・」

 

「あ、じゃあじゃあオレとかどう?トライスターで狩人でパワフルで素敵だと思うけどなぁー!」

 

【ギリシャお断り】

 

「父さんからダメ出し食らったよオレ!?」

 

「・・・生前から考えれば、サーヴァントは未経験な方が珍しいのではないか?」

 

「うっっ!!・・・止めるのだわラクシュミー・・・自動石板と偽装結婚した私に効くのだわ・・・つらいのだわ・・・(ひんし)」

 

「どんな家庭でも、祝福を送るわぁ~。私にとって家庭は皆大切な子供達よぉ~」

 

「ロマニ?ヘスティア様を全力で信仰だ!」

 

「部屋に竈作らなくちゃ・・・!」

 

そんな婚活や夫婦生活感を話しながら辿り着いた、アルテミス神殿最奥。天蓋から覗く満天の星空、ギリシャ神殿の模範的な造り、水浴びするための泉、水瓶から湧き出る神の水、水浴びする鹿。その黄金の鹿を見て、イアソンは声を上げる。

 

「あの鹿!ヘラクレスの試練で捕まえろって無茶ぶりされた鹿じゃないか!?」

 

そのフォルムは美麗にして流麗、黄金に輝く角を誇示し青銅の蹄を持つ泉のほとりで水を浴びる鹿、それこそはヘラクレスが一年懸けて生け捕りにした『ケリュネイアの鹿』である。なんで生け捕りなんだとヘラクレスが愚痴ったあの鹿だ。

 

「・・・五頭いたんだが、四頭はアルテミスと吹き飛んじまってな。アイツは一番の俊足を誇る、最後の生き残りだ」

 

『・・・プルッ』

『ブモ』

【フヒン】

 

ゼウス、アルテミス、ヘスティアの聖獣達が集い、水浴びを行い始める。そして、この地に満ちる神威が、正しきものであることを認める。

 

「・・・ただいま、アルテミス。連れてきたよ、こいつらが俺達の遺したものを受け継ぐ宇宙の希望だ」

 

ヘスティア、アデーレ、マカリオスがゼウスの牡牛を起こし、大神の命を受けた存在である事を示す。そして、オリオンの言葉を最後に──神殿の全てに、『女神の声』が響く。

 

『トライスター・オリオンの承認を確認。大神ゼウスの勅令を確認。ヘスティア神の存在を確認。神格・アルテミスが維持し遺していた祝福『アルテミス・クリロノミア』の譲渡を行います』

 

アデーレ、マカリオスが引き連れたゼウスの牡牛の嘶きと共に、神殿に月光が降り注ぐ。冷たく、荘厳なる輝き。アルテミスの神威たるナノマシンが今、神殿より顕現したのだ。そして、その祝福の全ては──

 

「・・・正直そこまで考えちゃいなかったが。まぁそうなるわな。絶好の受け皿って訳だ。こいつぁ、さぞかしビビるだろうなアイツ!」

 

「月光が・・・!」

 

「アルテミス様の弓矢に、全て集まって・・・」

 

イアソンの言葉通り、アデーレとマカリオスの驚きの通り・・・クリロノミアの全ては、リッカとアルテミスの絆の証である『弓矢』へと集結する。同時に弓矢も姿を変える。無銘の弓矢であった月女神の弓矢が、黒き龍と黄金の月、三ツ星の意匠が編み込まれた、最先端のフォルムへ。弦が月光のレーザー、矢が月そのものより贈られる祝福で形作られし光輝く黄金の神弓。奇しくもそれは、アルテミスの神体と極めて酷似した月の女神の具現と言ってもいい『神造兵装』。凝縮されたアルテミス・クリロノミアが所有者に剛力と冷徹をもたらす、狩猟と冷酷の神弓。

 

「いつまでも月女神の弓矢なんて味気無いのだとアルテミスもそのリッカって娘も可哀そうだからな。月女神の弓矢改め、名付けて『汝、星を穿つ黄金(シューティングスター・オルテュギュアー)』だ。込められた祝福と、月光で打ち直された唯一無二の逸品だ。正直、オレでも引けるか解らん神弓だがなんとかなるだろ。絆でなんとかしてくれ!」

 

荘厳に浮かぶ黄金の神弓。それは紛れもなくアルテミスの神威そのものであり、真価を発揮する事が出来るのかすら未知数。オリオンの笑みと共に、試しにイアソンが手を伸ばす。

 

「どれどれ試しにぎゃあぁあぁあぁぁあぁあ!?手が!手が焦げたぁあぁあ!!?」

 

黄金の弓と銀の弦の弓矢に触れた瞬間、イアソンの手が灼熱の鉄に押し付けられたように焼け焦げる。転げ回るイアソンが泉に手を突っ込み治癒を行うが、その弓矢は性質までアルテミスに染まったようだ。即ち──

 

「多分リッカって娘にしか引けなくなったって意味だぞ。純潔の神威ってそういうもんだしな。覗かれただけで動物に変えるレベルの潔癖ぶり侮っちゃダメよ?」

 

「じゃあどうやって持って帰るんだよオイ!?──はっ!?」

 

瞬間、オルテュギュアーがふわりと浮かび上がった瞬間、アデーレの手へと収まる。それは、正しく純潔を護る少女の手にへと戻ったのだ。

 

「リッカ君以外なら、処女ならオッケー・・・ってことかい?これ」

 

「いてよかったアデーレちゃん!よし、管理は任せようかな!ボクは絶対触らないぞぅ!神様の祝福なんて指輪だけで十分だ!」

 

「姉さん、アルテミス的には姉さんはセーフみたいだ。だから姉さんが持って、預かるのがいいと思う」

 

「わ、私が?もちろん光栄だけど、非力な私では・・・」

 

「ナイアナイア、触ってみてください!」

 

「(そっ・・・)・・・熱くないです。弓矢は引けないようですが、持つことは出来ます。やはり、リッちゃん以外で持つ為の条件は男性と触れ合った事がないのが条件なのでしょうか」

 

「私はどうかなあっつっ!!」

 

「止めなよレオナルド・・・なんで行けると思ったんだい・・・」

 

「わ、私も!・・・あ!触れるのだわ!」

 

「私は止めておく。嫌な予感しかしない・・・」

 

「俺もっす。・・・でも、いいっすね。女子しか引けない弓矢って・・・なんかイメージまんまで」

 

確保するアルテミス・クリロノミアは全てオルテュギュアーに注ぎ込まれた。これをリッカに持ち帰れば、任務は果たされるだろう。ケリュネイアの鹿もスンスンと興味深げに弓矢の匂いを嗅いでいる。

 

『イアソン、これでアルテミス神とオリオンの意志はあなた方に託されました。作戦は、成功と言っていいのではないでしょうか』

 

「おうよ!あのバカケンタウロスが持ってたヘルメス・クリロノミアでゴルドルフのデブ解消の目処も立ったし言うことはねぇ!お前ら勝鬨上げるぞ!アルテミス祝福いただくぜ作戦!大成功だ!!」

 

「「「「「えい!えい!おーっ!!!」」」」」

 

イアソンに呼応し、勝鬨を高らかに上げる新生アルゴノーツ。

 

(・・・アルテミス、見てるか。お前の祝福は、お前を世界一案じてくれた女の子の下に届く筈だ。必ず・・・必ずな)

 

そんな、希望に満ちた光景を。三ツ星の狩人オリオンは優しげな、切なげな笑みで見守り続けた・・・──

 




オリオン「・・・うし!これで俺の役割は終わったな!後は頑張れよ!星座になって応援してるからな!」

ヘスティア「ま、待って待ってぇ~。イアソンちゃんは、オリオンにも力を貸してほしいのよぉ~」

オリオン「俺?・・・なんで?」

イアソン「あのケイローン擬きの話を聞いてなかったのか?魔獣エキドナが暴走してるんだぞ?お前狩人だろ?俺達は宇宙を取り戻す!以上!さっさと支度しろ!」

オリオン「いやいやいやいや待て、待って!話を俺はアルテミスを護ってたわけで別に」

イアソン「別にアルテミス以外はどうでもいいってか?」

オリオン「そういう訳じゃ・・・ないけどよ・・・」

イアソン「なら来い!!いいかオリオン、はっきり言ってやるからよーく聞け!確かに大切な嫁がいなくなったら哀しい!当たり前だ!だがな!お前が立ち上がらなきゃ『お前と同じ哀しみ』が宇宙に溢れるんだぞ!」

オリオン「・・・!」

ヘスティア「アルテミスちゃんは立派で、魅力的な神様よ~。信じている人はギリシャ中にいたわぁ~。そして。その人々は今助けを求めているはず~」

オリオン「ヘスティアさん・・・」

「力を貸してほしいの~。皆のために、アルテミスちゃんの為に~・・・何より、悲しい顔ばかりしているオリオン君を見たら、アルテミスちゃんは哀しむわぁ・・・」

オリオン「・・・・・・アルテミスが、哀しむ、か・・・」

マカリオス「・・・チクるぞ、オリオンさん!あんたの夫は、あなたがいなくちゃダメダメだったって!」

アデーレ「やっぱり、アルテミスさん一筋で浮気は照れ隠しなんだなって。言っちゃいますよ?」

オリオン「そ、それは止めて!?恥ずかしくて死んじゃうから!」

イアソン「じゃあ来い!次シーズンで嫁に胸を張りたくないのか!それが出来る方法、俺達と一緒に宇宙を救うことだけだ!月の嫁なんだろ!宇宙くらい救えバカ野郎!!」

オリオン「・・・!・・・そうか、そうだな。・・・アルテミスに、恥じないオレで、だな」

ヘスティア「オリオン・・・」

オリオン「・・・よーし解った!力を貸すぜ!人を超越した感じのオリオン!仲間入りだ!よろしくな!」

イアソン「よっしゃ弾除けゲットォ!!」

オリオン「それが本音かい!?」

ケイローン『・・・やはり、愛の重さは似た者同士でしたね』

ケリュネイアの鹿『プルル』

オリオンが なかまに なった!

月女神の弓矢は 汝、星を穿つ黄金に 進化した!



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