人理を照らす、開闢の星・序章〜awakening,precious,star〜 作:札切 龍哦
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イアソン「しっかりついてこい、お前ら!」
リッカ「おーっ!!」ヘラクレス「あぁ、任せろ」
「アルゴノーツ!出陣だ!!」
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オリオン「ぐがぁ~・・・」
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アルテミス「ダーリン・・・負けないでね──」
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ラクシュミー「すぅ・・・」
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「た、宝くじが当たった!?そんな、こんな夢のような事が!?やったー!?」
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マンドリカルド「うぅ・・・ん」
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「問おう。あんたが俺のマスターか?」
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エレシュキガル「ダワァ・・・」
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リッカ「よっ!冥界ナンバーワン女神!」
イザナミ「御立派エレシュキガルちゃん!あなや!あなやー!」
ティアマト「自慢の娘です・・・」
エレシュキガル「ゆ、夢の様なのだわ~!?」
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ロマン「ぐぅ~」
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リッカ「お帰り、ロマン!」
オルガマリー「お帰りなさい、ロマニ」
マシュ「お帰りなさい、ドクター!」
ロマン「──うん!ただいま──!」
{君達の事は、ヘスティア神の祝福と共に在る事から敵ではないと理解していた。だが──霊基にいくらか傷が見えており、メンタルもやや疲れが見えたのだ。私の領域はその様な魂を癒し、眠らせる。この場では、戦闘力に意味はない。眠りの前に、あらゆる生は目を閉じるのみ。・・・試練とは、その眠りをはね除ける意志を持つ者。或いは、眠りを不要とするものを見極めること}
【先の羊の心暖まる風景も、試練と?】
{悪辣なものにも、善良なものにも、眠りは平等だ。この羊達は心を試す。害をもたらすことなく、見守る者は聡明な善人。害する者は、愚かな悪人。──神の領域に踏み込む者は、常にその魂を試される}
のんびりと羊にもたれる神ヒュプノス。眠りをもたらすものは害する事なく、ただ試す。穏やかな眠りを求めに来たものか、或いは神に会いに来たものか。ヘスティア神を認めた時点で、一つ目は祝福のつもりで贈ってくれたらしい。善意を理解する神な事に偽りは無いようだ。
【私ソロだったら生け贄に使うのかなー?とジンギスカンルートだった危ない危ない】
「お願い、ヒュプノス~!あなたの力が必要なの~!ワガママなポセイドンを静めてあげてほしいのよぉ~・・・怖い夢を見ているようだから・・・」
{・・・オリュンポスは滅んだ。眠りすら許されぬ、虚数の虚無へと飛ばされた。ポセイドンは辛うじて生き永らえていたか・・・}
「ご存知、なのですか?」
{眠りとは、集合無意識に通ずる扉を開くもの。神もまた眠りに至るならば、私は無意識より世界を読み解く。私の司る眠りとは、そういうもの}
ヒュプノスは知っていた。神々は本来睡眠は不要だが、宴で酔い潰れた神は大抵眠りに落ちる。物静かなヒュプノスは、夢を通じて全てを見る。
{だが、それが最期。今はあらゆる宇宙の場で安寧が消えている。奪われし者達が、夢への逃避として眠りを行う。──神々が滅びし世の混沌に、眠りは安寧とはなり得ない}
【ゴッド・オブ・ウォーでクレイトスが神を殺す度下界エライ事になってましたからなぁ。まぁ神の時代が終わったらこんなものなんでしょう】
ヒュプノスは羊を撫でる。多くを語りはしないが・・・彼は気付いている。眠りは、安寧は消え去ろうとしている。並びに、それはつまり自身の意義も消え去ろうとしている。だが、ヒュプノス自身はそれを受け入れている。
{神とは・・・人を庇護するものだ。だが、人が神を不要とするなら消えるべきだ。やがて神は消え、あらゆる
「・・・もしや、此処は貴方の『永眠の地』なのですか?不要となる自身の神格や人格、神としての自身が無くなる迄の・・・」
{眠りとは、崇高だ。麗しき娘。安眠や安楽の傍らに、知らぬ者がいては安寧たり得ない}
彼はとうに神の座を人に託す事を決めていた神だった。やがて眠りは死と同義ではなく、安らぎとなる。それと共に、自らは眠りと一体となる。人々の当然として神は共に歩む。それがヒュプノスの願いであった。
しかし、それが果たされる前に宇宙は滅びた。人はサーヴァントであり弱まっていた所に眠り等していられぬ宇宙のシーズン。信仰の消失。それを以てヒュプノスは自らの滅びを知り、受け入れた。故に此処は神殿であり──安寧の棺。
{神々が滅びるならば、そう在るべきだ。タナトスとニュクスの様に、私もそう在ろう}
【死神はサーヴァント化による意味消失、ニュクスは世界を切り裂かれ果てたか。始まりが一本の動画とはなんともまた。これマジ?凄惨の規模に関してきっかけが貧弱過ぎるだろう】
ニャルは人間は基本弄くり回して遊ぶ玩具な為、神々の存亡には他人事だ。邪神は好きなものしか愛さない。しかし、此処にあるヘスティア神は違う。邪神の気質を受け継がされなかった娘は違う。
「・・・ゼウス達、オリュンポスの神々は確かに、人間をいじめてきたわ~・・・滅びるというなら、それはきっと運命よぉ~・・・」
{・・・}
「でも!ギリシャの民や、宇宙の民達まで滅びなければならない理屈はない筈よぉ~・・・!だって、民は一生懸命今を生きていたのよ、生きているのよぉ~・・・!だから、遺された神がやるべきことは・・・今も一生懸命に生きている人間を『護る』事だと思うわぁ~!」
{ヘスティア神・・・}
「眠りが無意味なんて有り得ません。私は狩りが終わって帰ったお家で、お父さんに読んでもらう枕元の子守唄と絵本が大好きでした。明日はもっといい一日になると、希望を迎える儀式でした」
【──そんな昔の事を・・・全く】
「ですからお願いします!クトゥルフ側のヒュプノスとは違い、あなたは善良で温厚なる神と見受けました!あなたが今宇宙には必要です!眠りとは安楽死の断崖ではなく、希望であり夢に飛び立つ儀式翼なのです!ですからどうか、力をお貸しください!」
「お願いします!」
「お願い~・・・ヒュプノス~・・・!」
伏して頼み込む女神と狩人。ニャルは羊にたかられている。ヒュプノスは黙して言葉を聞いていたが、やがて立ち上がる。
{・・・・・・神は信仰に生きるものだ。それが、微かでも、僅かでも。信仰あらば立ち上がるものなのだ}
「!」
「それじゃあ~・・・!」
{例え、刹那に消え去るのだとしても。神は人を愛するべきなのだ。人あってこその神。希望を担う人々が在るならば。人を愛す神がいるならば・・・慈しみと共に神は立ち上がるものだ。助力を──約束しよう}
ヒュプノス神は決意した。ヘスティア神の慈愛があるならば、眠りを希望と捉える何者かがいるならば。神が消えるにはまだ早い。
{人に、安寧と平穏在れ}
言葉は少ない。しかし決意は固く心は気高い。願いと想いに応え、ヒュプノス神は背の翼を開く。其処から出るもの、それは神威の証──
「ひゅ、ヒュプノス・・・クリロノミア!ヒュプノス~!やってくれるのねぇ~!」
{オリュンポス随一の女神が起つならば、喜びと共に。そして・・・父娘の絆の立役に眠りがあるならば。それは絶やしてはならないものだ}
【──。なんともまぁ。オリュンポス滅亡の折りに活躍するのが、真なる善良なる神々とは。マイナーポケ愛好家の気持ちちょっと解るかも】
「ありがとうございます、ヒュプノス神!では早速船に──、!?」
{・・・ぬ、う}
突如体勢を崩し、膝を付くヒュプノス。あわててヘスティア神が抱き止めるも、クリロノミアを放つ翼はひび割れ──
「あぁっ・・・!」
硝子が砕けるように、散ってしまう。羊達の哀しみの合唱が響き渡る。ニャルはそれを見て、全てを理解した。
【──眠りという概念を護るために踏ん張っていただけで、最早神威をもたらす事もできぬ程に弱体化なさっていたか。精霊への零落も時間の問題な程に】
{──。それは、事実だ。だが、なんだというのか}
ヒュプノスはそれでも立ち上がる。諦めに沈んでいた先程の自身と違い、其処には神としての願いが在る。
{人に、平穏をもたらす。その為に、翔ぶのだ。墜ちるのも、滅びるのも、その後でいい}
「ヒュプノス~・・・あなたという子は・・・!」
{求められぬならば・・・滅びる。求められるならば、翔ぶ。それが、我が全てだ・・・}
【──。次からギリシャと一纏めにするのは止めよう。なんともまぁ、侮辱が過ぎる】
ニャルは神として、世界に在る為立ち上がる神の在り方に・・・気紛れながらも敬意を懐くのだった──
ヒュプノス{私の事はいい。しかし、これではクリロノミアの量が足りぬ。せめて、人々の信仰が一瞬でも満ちれば・・・}
ヘスティア「私の神格を共有できないかしら~!?ほら、竈の前で眠るとか~!」
ヒュプノス{危険・・・}
ナイア「・・・・・・・・・!もしかしたら・・・!」
ニャル【・・・何か思い付いたか?】
「お父さん、力を貸してください。あなたを崇める人々の力と共に!」
ニャル【ほう?話してごらん?】
~数十分後~
スタジオ ニャル
ニャル【第一回!ギリシャクトゥルフ合同ASMR(自律感覚絶頂反応)収録会場からお送りする!クトゥルフ信者に向ける安眠提供DVD制作~!】
ヒュプノス{・・・何ぞ}
ナイア「グドーシ様やリッちゃんさんが言っていました。最近の流行りは・・・ASMRと!」
ニャル【脳味噌が好きなBGMを叩き付けて安眠するのがASMR。ヒュプノス神、シェアしよう!私の信者に届けよう!冒涜的な!安眠を!】
ヒュプノス{・・・なんと}
ナイア「頑張ります!」
ヘスティア「こんなおばちゃんでも出来るなら、頑張るわぁ~・・・!」
ヒュプノス(CV リョータロー・オキアユ)
ヘスティア(CV リナ・サトー)
ナイア(CV ソラ・アマミヤ)
ニャル(CV コーイチ・ヤマデラ&ヒカル・ミドリカワ)