人理を照らす、開闢の星   作:札切 龍哦

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サンソン「マリー、良かった・・・正気を取り戻したんですね」

デオン【王妃・・・不甲斐ないこの身を、どうか御許しください】

マリー【サンソン、デオン。・・・ごめんなさいね、本当に・・・】

ギル《今度こそ、腹を割り話すがいい。そうさな、茶会でも開くのはどうだ?善き茶葉や容器、特別に取り揃えてやろう》

【本当にありがとう。フランスは、あなたたちへの協力を御約束致しますわ】

《うむ。これで寝首をかかれる心配は無くなったか。ならば・・・──(ニヤリ)マギ☆マリ!マギ☆マリはいるか!》

マギ☆マリ「はいはい、どうなさいました?」

《愉快な催しを思い付いた、暫し付き合え!》


カルデア 王族サーヴァント専用茶室

騎士王「平穏ですね・・・」
アーサー「ブリテンには無かったものだね・・・(ブリテンジョーク)・・・ん?」

騎士王「どうかしましたか?」

「LINE通知・・・ギルガメッシュ王からだ。一体・・・」

『マギ☆マリです!よろしくね王子様♪』

アーサー「ぐっっ・・・!!?」

騎士王「ど、どうしました?」

アーサー「いや、何でもないんだ、何でもない・・・・・・いや、これは・・・」

「?」

「・・・最近のバーチャルアイドルとは凄いんだね!」

「???」

(見間違えだろう・・・いやそんな筈は・・・)

『ギルと肩組みピース』

アーサー「ディシジョン!?」

騎士王「・・・!?」



マギ☆マリ名乗った事によるテンションアッパー状態

『死ねぇ!!!』

 

マギ☆マリを一目見たフォウ君、怒りのアサルトフォウムにて渾身のストレートを叩き込む。風を切る拳の一撃を、にこやかにあでやかにかわし姫の手を取る。

 

「まさか自分を差し出して憎悪を受け止めるとは端整な顔立ちにほわっとした雰囲気からは想像出来ない程に頑固者、いや王道を進む感じなのかな?実に素晴らしい。お姉さん好み!フードの所にサインを貰っても?」

 

「マギ☆マリさん・・・ロマンさんがかつて愛していたアイドル、バーチャルアイドル・・・!衝撃です、まさか実在していたのですね・・・!光栄です!」

 

「オフコラボだね♪お互い出会えて嬉しいだなんて、ひょっとして私と姫は・・・相思相愛なのかもしれないね?」

 

『こっちを見ろぉ!!』

 

「あぁっあぶなぁい!なんだというのさキャスパリーグ、何故そんなに荒ぶるのかな?君と私は初対面だろう?私は君に何か酷いことした?理想郷から落とされるとか。可哀想に、誰がそんなことを・・・なでなでしてあげようか?」

 

『いけしゃあしゃあとッ!!その言動だ・・・その言動がアイツに似ている・・・!!ボクが断じて生かしておかぬと誓ったあのアイツにィ!!』

 

怒り狂うフォウ、にこやかにスルーを続けるマギ☆マリ。フリッカースタイルに切り替えるフォウからエアの後ろに隠れる美女を庇うように、エアは互いを取り成す。

 

「こ、このお方・・・そういえばウーフォの姿とそっくりだね?確か、平行世界のマーリンさんを参考にしていたと言っていなかったかな?」

 

『そう!そうなんだエア!ボクの怒りはそこにある!!そいつは平行世界のマーリン!マギ☆マリはアーサー時空のマーリンをバ美肉したバーチャルアイドル!ソイツが大元なんだよエア!離れるんだ!頼れるお姉さんなんて嘘だ!全て嘘です!!』

 

「そうなのですか?」

 

「ええっ!?マーリン!?あんな人間の歴史は好きな癖に人間なんかこれっぽっちも好きじゃない彼と私が同じ存在と思ってしまうだなんて・・・余程トラウマになってしまったんだね。可哀想なキャスパリーグ。だが安心してほしいエア姫。そんなグランド屑と私は全く別の存在だ。面倒くさいペットだといえ高いところから落とすもんか。適当に里親に預けて押し付けて知らんぷりするだけだとも!その後どうなろうとそれきり!実に後腐れない別れ方を選ぶとも!」

 

『結局手放すんじゃないか死ねェ!!』

 

怒り狂ったフォウの拳をのらくらとかわしながら、ステップを踏むようにエアに語りかける。

 

「マギ☆マリはこの宇宙に住むバーチャルな夢魔でね?君達の活躍はバーチャルアヴァロンで見ていたんだよ。こんな世紀末な宇宙に観光に来るだなんて不思議な命知らずと思っていたけれど、とんでもない!君達の旅路は痛快無比だ!ギルガメスのやらかしでもう終わりかと諦めていたけれど、諦めずウォッチングしていて本当に良かった!ほっぺを失敬?ちゅっ♪」

 

『#:+##:^!!">#"^+++!!!?』

 

小悪魔、或いは夢魔のような振る舞いにてエアの頬にキスを捧げたマギ☆マリにいよいよプレシャスガーディアンとして殺すか殺されるかというレベルにまで殺気を昂らせるフォウであったが・・・

 

「勿論、楽しませてくれたお礼はしよう。もし私を仲間に入れてくれて・・・私にこのシーズンを楽しませ続けてくれたなら、ね?君達の追いかける真の敵を倒す力を集めてあげようじゃないか」

 

『!?』

 

「どうかな?少しは落ち着いたかい?」

 

マギ☆マリの耳寄り・・・或いは眉唾の話に顔を見合わせるエアとフォウ。やはりこの胡散臭さ全開の存在は、なにか重要な鍵を握っているのが通例なようだ。

 

「フォウ・・・少しだけ、我慢できる?」

 

『・・・エアがそういうなら・・・それに、まだ利用価値はあるならまぁ・・・』

 

八頭身のフォウムから、いつものマスコットフォウムに戻りエアの肩に飛び乗る。その仲良しぶりにほっこりしながら、マギ☆マリは語る。この宇宙の争乱の始まりにして、潜む憎悪の根源。

 

「憎悪に染まったカストロ、突如として心というバグとエラーに目覚めたエキドナ、そして愛が憎悪に反転したマリー・アントワネット。それらはギルガメスのメシウマ大爆死に隠れたもう一つの大いなる意志。今回はほんの氷山の一角だけれど・・・君達が倒すべきギルガメスとは他に、倒さなくてはならない相手が存在するんだ」

 

『お前は知ってるって言うのか!?この始まりがしょうもない宇宙規模の大惨劇に潜む黒幕の、正体と全貌が解ってるって言うのか!?』

 

「あぁ勿論。だけど相性の問題でね。私ではギルガメスはどうしようも出来ないが、その代わり宇宙に撒かれた憎悪の種の根源はきっとどうにかできる。ギルガメスを倒すこれからの君達の奮闘を私は、楽しみに見ているだけなのを赦してくれて、なおかつ君達がギルガメスを倒すことが出来たなら・・・私は銀河警察に協力し、黒幕の存在の討伐部隊を結成することを誓おうじゃないか。そう!名付けて『ほにゃらら討伐部隊Aチーム』!どうかな?」

 

「──ワタシに異論はありません。こうして言葉と会話を交わし、姿を見せてくださった事・・・それをワタシは信じたい」

 

エアは元より、疑いを持っていない。彼女はぼんやりと、ふんわりとだが・・・

 

「あなたのその、何でもお見通し!な不思議な雰囲気・・・似ている気がするのです。その、方法は誉められたものではなくとも・・・ワタシに親友と出逢うきっかけをくれた恩人、マーリンさんと」

 

「・・・。・・・あぁ、そうか・・・君はそういう娘なんだね・・・」

 

疑わず、偽らず、そして心からの感謝と敬愛を懐き続け、それを非人間であるマーリンにすらも変えないスタンスのエアに、マギ☆マリは静かに頷く。甘いような、蕩けるような、それでいて爽やかな味わいの感情をゆっくりと堪能するマギ☆マリ。

 

『・・・正直問答無用でシスベシしたいけど、楽園の・・・何よりエアの力になりたいっていうなら仕方無い。ボクはエアの守護獣だからな。最後は彼女の判断を信じるよ』

 

フォウもまた、エアと巡り合わせたきっかけを作ったマーリン・・・よく考えたら平行世界のマーリン・・・に対する恩義で尽きぬ殺意を抱きしめたフォウも、その提案を受け止める。エアにスリスリしているところから、かなり迷いの後が見えるが・・・

 

「ありがとう。この素敵なお姉さんは決して!その期待を裏切らないことを約束しよう。このサーヴァントユニヴァースに住むキャスターとして貢献する事を誓うよ。ほら、キャスパリーグ?おいで?」

 

『ハン』

 

「よーしよしよしよし!少し見ない間に綺麗に可愛く美味しくなってまぁ!これがプレシャスの味わいか!どう?過去の事は水に流してたまにはアヴァロンに戻っておいで~?姫様と一緒にさ?」

 

『さーーーわーーーーるーーーーなーーー!!!』

 

抱くとプレシャスが満ちるフォウを一心不乱にすりすりするマギ☆マリ、ガチで抵抗するフォウの微笑ましさに笑顔を浮かべながら、エアは思う。

 

(この宇宙に点在する憎悪・・・その大元。一体何者がいるというのでしょうか?それは一体・・・)

 

それは一体、どんな存在なのだろうか。エアの新しきを知る愉悦は既に、未知なる恐怖をも乗り越えていたのだった──




ギル《話は纏まったか?貴様の素性はこの際問わぬ。敵でなくばそれでよい。フォウ、背後から襲いかかるなよ?》

フォウ『努力はするよ。エアに誓って』

「王様、よろしくお願いするよ。こう見えてバーチャル王宮に仕えていた魔術師でもある。カメラモニター千里眼は任せてほしい!ここからでも仲間達の全容が見えるよ!」

エア「本当ですか!?凄いです!マギ☆マリさん!」

ギル《確かに非凡よな。ならばマギ☆マリよ、再び我に付き合うがいい》

マギ☆マリ「いいともいいとも!写メ撮るかい?」

《それに次いでだな──》

~ローマ

ロマン「ん?LINE?ギルからかな?一体何が・・・」

『信じて応援していたバーチャルアイドルがパリピゴージャスキングとラブラブオフショ撮るなんて』

ロマン「!!!!???」

ダ・ヴィンチちゃん「ロマニ?」

(い、いやいやいや、ボクはもう所帯持ちだ。マギ☆マリは卒業したんだ。確かに決して忘れないけどボクはもうドルオタじゃあ)

『ギル&マギ☆マリのダブルピース』

ロマン「うわぁあぁあぁあぁあ嘘だぁあぁあぁあぁぁあぁあぁあぁぁあぁ!!?」

「ロマニ────!!?」

・・・マギ☆マリが垣間見た可能性の話、曰く。

『自分の推しアイドルの中身がマーリンだと知ったその日に自殺した人』という呼称がロマンには付けられているとかいないとか──



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