ロマン「推しが実在していた喜びと、アイドル特有のドロドロのスキャンダルが裏にある哀しみを同時に知ってしまった僕は・・・そして写真ツーショットを奪われた僕はファンとして失格だ・・・」
イアソン「良かったじゃねーか。偶像崇拝から完全なる卒業ってヤツだ!大体わけわからんよな、会ったことも会うこともないやつに何で入れ込めるんだ?」
ロマン「嘘だらけの現実より!初めから嘘なバーチャルの方がいいときがあるんだよぅ!!少なくとも僕は・・・そうだったんだ!」
マーリン「まぁそれは面白いからよしとしよう。しかしこちらのマギ☆マリ・・・胡散臭いヤツなのは間違いないだろう。これは早急にシーズンを制するべきだ!突入準備ができ次第行動に移ろう!」
(急ぐんだ・・・このままでは美少女の私にシェアを奪われてしまう!エア姫やキャスパリーグと戯れるポジションを渡しはしないぞ!マギ☆マリとやら!)
マーリンは妙な理由で決意をみなぎらせるのであった。
ローマの町並。栄華を極めた絢爛の都市。ZIPANG攻略戦の前の束の間の一時。ゴージャスがフランスを攻略し終わった事をまだ把握していない束の間の休息。それぞれのメンバーに分かれ、町並みを探索するゴージャスチーム達。その過ごし方は様々で、独特で、共通して笑顔と共にある。
その僅かな平穏の一時、その多種多様な過ごし方が必ずや勝利の鍵となることを信じる者達は確信を以てローマを楽しむ。それらが具体的にどんな事をしているのかと言うと──
~エルキドゥ・スペースイシュタル
「そこからそこまで全部。お代は此処に置いておくからね」
「あ、ありがとうございました!その、御者などは・・・」
「大丈夫大丈夫、自分で持っていくからね。イシュタル、行こうか?」
エルキドゥとスペースイシュタルは買い物を行っている。楽園に持ち帰るお土産をどっさりと買い込んだのだ。ギルの財をある意味とても活用しているのが彼、エルキドゥである。最早お土産が話しているような景色にイシュタルは引きつつも歩き出す。
「加減を知らないのね・・・そういう所、やっぱりあなたもエルキドゥって実感するわ」
「失敬な。出来るからやってるだけで出来ない事はやらないよ?そもそも姿を見せないこっちのエルキドゥってどんな機体なのかな。僕と比べてどう?凄いの?」
「凄い・・・というか、無慈悲で容赦無いというか。ギルガメスと一緒にノリノリで暴れまわって、一通りやって飽きたから何処かに隠匿するねなんて何処かに行っちゃったのよね。気紛れというか、なんというか・・・」
「ふぅん。そういう所はやっぱり僕なんだ。でも・・・僕ならそうはしないと思うな」
「・・・そうかもね。楽園のあなたも大概敵に容赦は無いけれど、でも・・・宇宙規模の惨劇に力は貸さないはず。そんな、何て言うのかしら・・・」
「セーフティ?」
「その言い方はなんだか無機質よね・・・優しさとか、穏やかさとか?スペースのエルキドゥはこんな風に街を歩いたりしないって断言出来るもの。私と会ったら殺し合いよ、多分。こうしていられるのが奇跡だわ」
「奇跡・・・ふふっ、そっか。兵器が心を持つのは善し悪しだけど、少なくとも僕は良かったと思うよ。こうして、素敵な時間を素敵と思える心をね」
「・・・まぁ、私も悪くはないと思うわ。少なくとも、今この瞬間の貴方との時間はね」
「リンゴ、食べる?」
「いただくわ。半分はあなたがどうぞ。・・・お土産、倒れ込まさないでよ」
「あれ、バレた?」
「やろうとしてたんかい!?」
~リリィチーム
「んー、セイバーペンダント・・・リンゴアクセサリー・・・悩みますね・・・」
リリィ、ヒロインXはプレゼントを吟味している。リリィはマスターたるリッカに、ヒロインXは黙して語らぬ誰かに。姉妹のように見えるその姿と、アホ毛がピンピンと商品を見定めている。
「ジークフリートさんはドック行き、北欧組はクルージング・・・落ち着いて選べるのはやはり二人か一人ですからね。リリィもよく付き合ってくれました」
「いえいえ、私も修行の息抜きになりますから!・・・御機嫌王は私に期待をしていてくださっていますから、その期待に応えなきゃ!なんとしてもギルガメスを倒してみせます!」
「その意気や良し!・・・ですが肩に力が入りすぎですね。長旅で気合いが入るのは勿論ですが、不要な力は却って妨げになります。リラックスして殺しましょう!」
「は、はい!・・・シルバー宙域から貰った資材で装備もパワーアップして、興奮しているのかもしれません。私が担う役目は、小さくありませんから・・・」
「ギルガメスはセイバーを待っている、逆に言えばセイバー以外の輩の到達を認めないやも知れません。そしたら問答無用のドリルタイフーン案件かもですからね。リリィの初動が全て・・・気負うのも解ります。ですが大丈夫!、大丈夫ですよリリィ!お姉さんも、ギルも、皆があなたをフォローします!失敗したらどうしようじゃなくて、失敗上等の精神で挑みましょう!絶対大丈夫ですから!」
「師匠・・・!はい!よろしくお願いいたします!ところで・・・そのお土産は誰に?」
「・・・。内緒の話ですよ?実は前、私に素敵なお土産をくれた人がいましてね。その御返しを叩き付けてやろうかなと虎視眈々と──」
~ニャル・エキドナチーム
「ナイア!勝ち抜き武道会がやっていますよ!タッグで出てみますか!?優勝してローマの英雄になるのもいいかもしれませんね!」
「賞金も出るのですか。カップ麺がいっぱい買えそうですね・・・誰も死なない資金稼ぎ、エントリーしてみましょうか!」
ニャルは静養も兼ね、ローマでお留守番である。エキドナとナイアに人の営みを見せる名目も兼ね、こうして街を練り歩いているのだ。ベンチに腰掛ける姿は完全に家族サービス中のパパである。
『なんか、ワイワイしてるんだね。人の営みって』
【娯楽が大好きだからな、人間は。文明の発展は娯楽の探求といっても過言じゃない。楽園は何でもあるが、流石に生の雑踏は再現しづらい。娘にもいい経験になってるようで何よりだ】
『そっか。──で、早速聞きたいんだけどさ。こういう、家族のヒトトキって・・・ママは何したりするわけ?』
【そうだなぁ・・・とりあえず、子供から目を離さず、ご飯買ってあげたり、飲み物持っていったりするのが通例かな】
『そんなのでいいの?縄張りとか作ったり、侵攻とかしないわけ?』
【しないしない。全部自分のものにすると文化や発展が生まれなくなる。他人は他人のままでいいんだよ。異なる何かが交わって初めて知らない何かが生まれる。万物の成り立ちはそういうものさ。そういう何かを選択することが出来るのが・・・良い歴史ってものなんだと私は思うよ】
『ふーん・・・』
【何かをしてあげなきゃ、なんて考えなくても大丈夫。自然と何をしてみたくなるのかが見えてくるのが家族ってヤツだよ、きっと。私もそうだったからね。きっとエキドナにも、家族に何かをしてあげたくなる気持ちが育つだろうさ。いつになるかは知らんがね】
『・・・・・・』
エキドナは立ち上がり、ニャルの肩を揉み始める。意外な行いに、流石の邪神も豆鉄砲を食らったような顔が浮かんでしまう。
【どしたのよ】
『アンタ、娘以外のほぼ全員に嫌われてるんでしょ?それ、なんかしんどそうだなって思ったから・・・労い?労り?そんな感じ。助けてもらったしね』
【・・・】
『家族って、なんかあったかいんでしょ?そういうの、互いに作るものなんじゃない?アンタもアタシも仲良しじゃなきゃ、ナイアだって困るでしょ。アタシ達、家族なんだからさ』
【それはまぁ、確かにな】
『じゃあこれも、家族のダンラン?になるんじゃない?ちょっとは自分を大事にしなよ。アタシはアンタの事、嫌いじゃないからさ』
【・・・成る程、一本取られたな】
娘に愛を向けてくれればそれで良かったのだが、どうやら自分も家族愛の対象らしい。労りの肩揉みが、身体と心に染み渡る。
【今度一緒にアップルパイでも作る?ローマといったらリンゴよ、リンゴ】
『潰して砕くの?得意だよ?』
【それしか出来ないのを得意とは言わん。君にも教えてあげなきゃならんな。一手間加える事による奇跡のデリシャスの誕生をな・・・】
喧騒離れたベンチで、家族見習いの一時は過ぎる。──後に闘技場の覇者コンビが生まれるのはまた別のお話。
クルージング
マンドリカルド「・・・・・・・・・・・・」
ラクシュミー「だ、大丈夫か?顔色が良くないが・・・船酔いか?」
エレシュキガル「下を向いていたら勿体無いのだわ!あ、フライングフィッシュ!釣具も借りてきたわ、ちょっと釣ってみましょう!」
マンドリカルド(・・・・・・女友達って何話せばいいんだ・・・・・・・・・)
「あ、そうだ、おにぎり握って来てたんだった・・・店長とのカレーおにぎり・・・」
エレシュキガル「本当!?クルージングご飯だなんて素敵なのだわ!釣りの合間に食べましょう!」
「あ、う、うっす。実はお弁当もあるんすよね。ちょっと仕込んできたんす」
ラクシュミー「携行食か!準備がいい、流石はレジスタンス達の希望だな」
マンドリカルド「そ、そんな大袈裟な・・・」
エレシュキガル「あらっ!?引いてる、引いてるのだわ!?」
マンドリカルド「え、マジっすか!引きますよ!一緒に引くっす!ラクシュミーさんも!」
ラクシュミー「わ、解った!」
「「「せーの!!」」」
・・・細かいことはいいか。そう楽しげに割り切る、マンドリカルドでしたとさ──
どのキャラのイラストを見たい?
-
コンラ
-
桃太郎(髀)
-
温羅(異聞帯)
-
坂上田村麻呂
-
オーディン
-
アマノザコ
-
ビリィ・ヘリント
-
ルゥ・アンセス
-
アイリーン・アドラー
-
崇徳上皇(和御魂)
-
平将門公
-
シモ・ヘイヘ
-
ロジェロ
-
パパポポ
-
リリス(汎人類史)